2015年 03月 09日
魚屋や干物屋、その他モロモロの店の雑踏を抜けて歩いていくと、塔の上にヨットを乗せた 大きな建物があった。おお、あれが渡し舟の船着場に違いない。駅から徒歩せいぜい5分ってとこか。 わりとスンナリ見つかったぞ。複雑怪奇な旅程をまた一歩進んだぜ。 さて、それじゃ渡し舟に乗るか。一応乗船券があるようだ。料金は3バーツ・・・つまり約10円。 ウォンウィエンヤイからマハーチャイまで1時間乗った鉄道のキップ代10バーツ(約30円)も安いが この渡し舟代はさらに輪をかけて安い。今回の旅行で支払ったあらゆる交通費の中で最も安かった。 渡し舟はこんな感じ。料金相応というか、小さいボロ船だけど、大して川幅があるわけじゃないし、 向こうに着くまでの間、沈まないでくれさえすりゃいいのだ。 渡し舟はけっこう頻繁に出てるようで、2隻で行ったり来たりを繰返してるっぽい。 だから船着場で船が来るのを延々待つとか、そういうことはまずないと考えて大丈夫だと思う。 このボロ船、こうやってバイクに乗ったままの乗客も多かったから、一種のフェリーも兼ねているといえる。 対岸は最初っから見えてるくらいだから、川を渡る所要時間はせいぜい5~6分ってとこじゃないかな? しかし実に充実感にあふれた時間だったよ。いやーーーいい気分だ。 オンボロ列車の旅の前半を乗り切って、いまこうしてオンボロ渡し舟の旅。 バスや車でぴゅーんと来るだけじゃ味わえない東南アジア旅情をイ課長は満喫しておるぞ。 てなことを考えてるうちに船は早くも対岸に着いた。 船着場からはこんな感じの廊下?が続いてる。さて、ここからバーンレムの駅まではどう行けばいいのか・・? 船着場→バーンレム駅に関しても地図がなくて道を知らなかったのだ。そうバカ遠いはずはないのだが。 んおッ?やった。こんな看板がある。こっちに行きゃいいんだ。よし、方向さえわかれば大丈夫だ。 マハーチャイ駅を降りてから渡し舟に乗って対岸に来るまでは思いのほか順調だったなー。 看板の矢印の方向にちんたら歩く。暑い。 フと空を見上げると(写真じゃ見えづらいが)、月が見える。ああ・・ホイアンで満月祭りに酔いしれてから もう4日経ったんだなぁ・・・もう月もあんなに欠けたんだなぁ・・。 テクテクと7〜8分も歩いたかな?ありました。線路です。バーンレム駅発見。難関また一つ突破。 ここまで辿りつけばこっちのモンだ。あとはメークロンまでスーパーローカル線に乗ればいいだけ。 しかしこのバーンレム駅っつうのがまた・・・なんと言っていいのか・・・とにかくスヴァらしすぎる。 奥に一つ車両があるけど、あれは乗るべき列車じゃなくて、ただあそこに置いてあるだけ(らしい)。 もしかすると「燃えない粗大ゴミ」なのかもしれない(笑)。 とりあえずキップを買う。料金はまた10バーツ。 駅のキップ売場はこんな感じで一応窓口らしくなってはいる。ワキの時計を見るとわかるけど、この時まだ 時刻は9時半。発車予定時刻は10時10分。のんびり待ってりゃいいや。 こんな田舎駅からメークロンに行くモノズキもいないだろうと思ってたけど、他にも観光客が集まってきた。 なぜかドイツ人が多かったね。ドイツ野郎が二人、駅に来てキョロキョロしてたから、窓口を指差して キップはあそこで買うんだよって教えてあげた。 駅にはベンチがあるにはあるけど、冷房も何もない屋外、ただ屋根があって日陰ですってだけのシロモノだ。 暑くてしょうがない(例のライスパフェを食ったのはこの時)。 それにしても何というのどかすぎる駅だろうか。駅のホームがそのまま食堂になってて、おそらく この食堂を経営する一家の住居にもなってるんだろう。まぁ一日4本しか列車が出ない駅だからねぇ・・。 発車時刻の10時10分を過ぎ、20分を過ぎても列車はまだ来ない。 まぁウォンウィエンヤイ駅でも少し遅れたくらいだから、ここじゃ遅延なんて日常茶飯事なんだろう。 待ってりゃそのうち来るだろ・・と思っていたのだが、実はこれは砂糖菓子のように甘い考えだった。 次回、イ課長は突然のピンチでイチかバチかの予定変更を迫られることになるのである。 タイ国鉄は甘くない。そしてメークロンまでの道もまたイージーではないのである。
by tohoiwanya
| 2015-03-09 00:05
| 2013.06 東南アジア旅行
|
Comments(4)
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カプメイ
at 2015-03-09 12:45
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ここまで順調ですね。
っとととと、これからが大変なんですね。ワクワク。 あまり順調でも読み物としては味が足りない。(鬼) ドイツ人は経済観念と独立精神によって、自力で行くことを選ぶでしょうね。 歳を取ってても、動ける限り頑張る人が多いです。 市場へのアクセス。Bingでメークロン市場で検索したら、Coolバンコクで鉄道と地図がヒットしましたよ。 これなら行ける?
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tohoiwanya at 2015-03-10 01:00
>これからが大変なんですね。ワクワク
カプメイさん: そう。バーンレム駅にたどり着くまでは自分でも感心するくらい 順調だったのに、この後がねー・・ちょっと悔しい(笑)。 Bingで検索すると確かに地図が出てきますね。基本的にはあれを見れば メークロン市場までは行けます。途中の鉄道ダイヤもたぶん私が行った時から 変わってないんじゃないかなぁ? Coolバンコクにも「ツアーでの訪問がお勧め」って書いてあるくらいで車が確実ですけど 鉄道ルートの旅情には代え難い。困難も多いけど断然面白い鉄道を選ぶドイツ人はさすが。 そういや大昔、金比羅宮よりさらに高いところにある奥社に行った時も 日本人は私一人で、あとはぜんぶドイツ軍に占領されてた(笑)。ドイツ人、元気ですな。
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nassi
at 2015-03-10 13:55
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此処までは順調でしたがやはり逆境が・・・早く「その5」をアップして下さい。つなぎとしてnassiの「イタリア都市交通も甘くない」、をドーゾ。
2014年12月25日クリスマスの日、市内のバス・電車に乗り放題「ワンデイチケット」を購入してテルミニ駅から最遠の終点(渋谷から二子玉位に相当)まで移動、街並みを見たり商店街を散歩して昼過ぎに次の駅に移動、と思い地下鉄構内に入ると駅員が胸の前で「×」を!聞くとクリスマスは午後1時から翌早朝まですべての交通機関が休むのでここからはタクシーで帰りな!という事でした。郊外ではタクシーは呼んで乗るらしくいくら待っても空車は来ません。困惑していると「白タク」の親父が寄って来て”乗合で10ユーロ、4人集まるまで待ちな!”と言います。待つほども無くインド人の若者3人が来て何とかテルミニ駅まで戻れました。朝方動いていたバス、路面電車は全く見かけませんでしたし地下鉄のコンコースには鉄柵ががっちり下りてました。ワンデイはハーフデイになり悔しい思いがしました。国情の違いが浮き彫りになったハプニングです。
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tohoiwanya at 2015-03-11 01:45
>「イタリア都市交通も甘くない」、をドーゾ
nassiさん: げーーー。そりゃ大変でしたね。 しかし、大晦日だろうが元旦だろうが、日本の都市交通の運転手サンたちは 何の疑問も感じずに社会のために働いてくれてるっていうのに、 イタリア人どものちゃらんぽらん加減ときたら・・。 でもこれは「日本人がマジメすぎる」ってほどじゃないんじゃないかなー? パリだってロンドンだってマドリッドだってクリスマスの午後に 都市交通がストップなんて聞いたことないけどなぁ? 私はミラノ中央駅地下で釣り銭窃盗団の被害に遭って以来、どうも 盗賊の国・イタリアに対するイメージが悪くて・・(笑)。 |
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