2016年 03月 04日

トンレサップ湖というところ【その2】

トンレサップ湖についちゃぁ、二日前に乗った飛行機でイ課長はすでに驚いたことがあった。
雨期だから、湖もかなりデカくなってるくらいのことは想像していたのだが・・・。

イ課長が見たのは一本の道路も一軒の家もなく、水びたしの草っ原が果てしなく続く光景だったのだ。
首都の空港を離陸してまだ数分程度のはずだぜ?それがいきなり、こんな人跡未踏の湿原になっちゃうの?!

雨期にメコン川の水がトンレサップ川を逆流するって書いたけど、あれは我々が普通に考える“逆流”
すなわち「流れの向きが変わる」んじゃなく、プノンペン近郊からトンレサップ湖までの広大なエリアが
半洪水のビシャビシャ状態でつながることなんだと悟った。プノンペンからトンレサップ湖までの
広大なエリアは、ある意味「メコン川の遊水地」の役割を担ってるわけだ。
 
でも、これって今後のカンボジアの発展を考える上じゃ大きな問題だよなぁ。
平坦な土地で水も豊富、そのうえ首都にも近いとくりゃ、大工業団地でも作って外資系企業誘致、
経済発展・雇用創出・・と、そういう夢を描きたくなる。なにせ土地は広大にあるんだし。
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しかしその土地は使えないんだよ。雨季ンなりゃ洪水で水浸しなんだから。
プノンペン郊外~トンレサップ湖にかけてはそういう「使えない水辺の土地資源」がバク大に
存在してるわけだ。すごくもったいないけど・・でもどうしようもないよなー。うーーーーむ。
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雨期と乾期で広がったり縮まったりするトンレサップ湖。一年かけて1回鼓動する心臓みたいだ。
梅雨になると琵琶湖が広がって滋賀県全部が水びたしになるようなもんなんだろうな、きっと。
想像を絶してるとはこのことだ。

さて、イ課長たちを乗せた舟はそんなトンレサップ湖を進み始めたわけだ。
はじめは水路みたいな感じのところを進んでたけど、徐々に幅が広がって湖らしくなってきた。
行きかう舟はすごく多い。

あはは、水の上でも交通標識はちゃんとあるんだね。道路標識ならぬ、水路標識ってやつか。
しかしこの標識だって、乾期になると草っ原に刺さった無用の標識になるんだろうなぁ。
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だんだんと水上生活ゾーンに入ってくる。水辺に立てられた家は高床式だけど、フローティング・ハウスは
船がぶつかっても大丈夫なように周囲に古タイヤをつけてるからすぐわかる。これは・・水上のお寺か?
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こっちには水上の教会。何でもあるんやのう、ホント。
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これは水上の学校かな?水上の家から舟で水上の学校に通うわけだ。これまた想像がつかない生活だ。
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・・・と、ここでイ課長はギョッとして、ガイドさんに質問した。
だって、あの学校の壁に書かれた文字は明らかにカンボジア語じゃなくベトナム語なんだもん。
VIET NAM っていう文字まで書かれてるじゃん。

実はこのトンレサップ湖で水上生活してる人ってベトナム人が多いんだって。こりゃびっくりだ。
彼らはベトナム戦争当時カンボジアに逃れてきた人たち、早い話ベトナム難民らしいんだよね。
そういう難民たちをカンボジア政府は湖に住まわせ、結果として「カンボジア最大の湖の上に
ベトナム人による水上生活の町」が出来たらしい。そうだったのかーー、こりゃ驚いた。

難民に与える土地はないよ、湖の上なら住んでいいよ、っていうのは、ベトナム難民に対する態度として
ちょいと冷たいんじゃないか?という気もする。しかし今やトンレサップ湖の水上生活は観光資源だし、
淡水魚を獲る漁業という面でもメリットは大きいはず。で、逆にカンボジア国内じゃ「湖の利権が
ベトナム人にとられちまった」って悔しまぎれの批判もあるらしい。この両国、ホント複雑やのう。

水上の住宅、水上の商店、水上の教会、さすが水上の町というだけあって水上に何でもある。
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イ課長が不思議だったのは、実は電気だったんだよね。
ほら、こうやって水上住宅には普通に扇風機もある。当然電気で動くはずだ。しかしどの家(舟)にも
地上から電線が引っ張られてきてる様子はない。
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乾季になると縮小するトンレサップ湖だから、水上生活者の町も乾季になると水位が深い真ん中に集中し、
雨季で湖が広がると散らばる。そんな移動住居なわけだから、確かに電線なんて引くのは難しいだろうが
じゃ、どうやって電気使ってんだ?それぞれの舟でレシプロ発電機でも動かしてるのか?それとも、
どこかに大型水上発電所があり、各世帯には湖底ケーブルを使って送電・・んなわけないか。

やがて舟は湖の真ん中に近いところまできた。
こうなるともう、周囲に陸地はまったく見えない。海にいるみたいだ。
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この時は天気がよくて、日差しのガワに腕なんか出しておくとすぐ日焼けしそうな感じだったんだけど、
こうして広大な湖の真ん中にいると、湖面をわたるほのかな風がちょっと涼しくて、気分よかったよ。
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トンレサップ湖水上生活見学ツアー。もう1回書く。
次回は水上生活の舟の上の様子をもう少し詳しくご紹介するっす。

 
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by tohoiwanya | 2016-03-04 09:39 | 2014.09 ベト・カン・タイ旅行 | Comments(4)
Commented by hanatomo31 at 2016-03-05 00:51
次回の更新でできれば教えて頂きたいのですが、この水上ハウスって、やっぱり湿気とかすごいんでしょうか?水上コテージとか未体験の私には、気になるポイントの一つだったりします。
Commented by tohoiwanya at 2016-03-06 13:13
>この水上ハウスって、やっぱり湿気とかすごいんでしょうか?

ハナトモさん:
どーでしょうねぇ?次回更新で「フローティング休憩所」のこと載せますけど、
そこも別に建材がカビてる様子もなかったし、特に「湿気が高い」とも感じなかったなぁ。
まぁカンボジアじゅうどこにいても基本的には蒸し暑いわけですけど、そういう点じゃ
水上住宅にいても蒸し暑いんですけど(笑)、ソコが特に湿気が多いという印象はなかったです。
Commented by Bきゅう at 2016-03-06 21:19 x
Bきゅう的に気になるのは蚊です。水は湖から汲み取って、湖に戻すって感じなのかなー。天然の浄化槽?
Commented by tohoiwanya at 2016-03-07 06:43
>気になるのは蚊です

Bきゅうさん:
蚊。蚊は気がつかなかったけど、まぁ昼間だったからなぁ・・。
ボウフラってちょっとした溜まり水みたいなトコにワクってイメージあるけど
こんな広大な湖にもワクのかな?
おそらくトイレは湖放流で、洗濯くらいも湖水でやっちゃうんじゃないかと思うけど、
飲み水はさすがにボトル水か何か飲んでるんじゃないですかねぇ?


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