2016年 04月 22日
百年市場の様子をご紹介しますと予告しておきながら、まるで違う話を書きたくなったから書く。 スーさんに再会したのは例の「落とした金を探しに北バスターミナル⇒炎天下死の徒歩行軍」の日で、例によって不実極まりない執筆態度。ごめんなさい。 前回「タラート」が通じなかったってことを書いたわけだけど、「タイ語が通じない」という問題を もう少し掘り下げたくなったから書くのである。 タイ古式マッサージ店にお勤めだったスーさんの話を以前に書いた。 ゲロゲロになってホテルに戻って少し休息し、夕方になって元気回復してから再び出撃したわけだ。 スーさんというのはもちろん仮名で、本名はもっと長くて難しい。話の都合上、ここでは彼女の本名を 「スリウォーン・ラチャワットさん(仮名)」とでもしておこう。 スリウォーン・ラチャワットさんがいる店は知ってる。しかし店に入ってボーッとしてるだけじゃ会えない。 自分はスーさんにマッサージしてもらいたい、つまりご指名がある客であることを明確に伝える必要がある。 要するに彼女の名前を言わないといけないわけだ。 スリウォーン・ラチャワット・・いかにも通じなさそうだ(笑)。 「タラート」すら通じないイ課長がこんな難しい名前言ってもタイ人にわかってもらうのはムリだろーー。 だが、店の人たちにとってスーさんは同じ職場の同僚だ。同僚の名前ならさすがに大丈夫じゃないの?という 気もする。人名の方がかえって通じやすいということはあり得るよね。 店に入ると、オレンジ色のポロシャツを着た女性従業員が一人、普通のお客だと思って近づいてきた。 スマンがこのままアナタの施術を受けるわけにはいかんのだ。ご指名があるの。スーさんにやってもらいたいの。 「あのー、私はミス・スリウォーン・ラチャワットさんにお会いしたい」と英語で言ってみた。 「・・・ア?」 やっぱり通じない・・・あああああ。 同じオレンジ色のシャツ着てるんだから、このお姉さんにとってスーさんは確実に同僚のはずなのにぃぃぃ。 「ミス・スリウォーン・ラチャワット」 「すりうぉん らちゃわっと」 「スーリーウォーーン」 いろいろ言ってみるけどダメ。ウソだろーヲイ。スーさんの名前以外、イ課長に言えることはないよ。 ところが幸い、「タラート連呼」と同じように何度も繰り返してたらトツゼン相手が察してくれた。 「アーー!スリウォーン!スリウォーン!」 「い・・イエース、ミス・スリウォーン」 例によってイ課長の「スリウォーン」と現地の人の「スリウォーン」の違いがイ課長にはよくわからないけど(笑) とにかく意図は通じた。このガイジンが何を言いたいか、いったんわかったらトタンにみんなでワァワァいって 「スリウォーンは?」「スリウォーンどこ?」と探してくれる。親切だなぁ。下の写真がスリウォーンを察してくれた 女性スタッフで、彼女のおかげでスーさんと再会できたのである。あの時はありがとうね。 それにしても問題はタイ語だ。しゃべるの難しすぎ。地名が通じないのだって困るけど、人名でもダメなのかい? 外国人が日本で「タナッカサン」「タナカサーン」はたまた「ターナーカーサーン」と、どんな風に言おうが、 「田中さん」だってことは通じるだろ。ましてやスリウォーン・ラチャワット(仮名)なんて複雑な人名なら 他の単語と聞き違えることはありえないはずで、しかも職場の同僚の名前。なのにやっぱり通じないのぉ? しかし、この時イ課長はちょっと思い当たったことがある。 この時「スリウォーンはどこ?」「スリウォーンは?」って探してくれたのは、ほぼ全員女性だった。 彼女たちのタイ語の発声にちょっとした特徴を感じたんだよね。発音ではなくて発声に。 タイ航空に乗ったことがある人なら、女性乗務員のタイ語機内アナウンスを必ず聞いたはずだ。 冒頭の「サワディカー」から始まって最後の「コーックンカー」で終わるあれ、ちょっと独特の発声だと思わない? このマッサージ屋さんでも同じことを感じたわけ。声の出し方が特徴的なんだよ。どう特徴的かっていうと、 要するに「太い声」じゃないの。声帯をフルに振動させる発声じゃなくて、ちょっと鼻にかかったような 柔らかい発声。しかも声のトーンは高めだから、日本人がネコの鳴き声をマネした時の感じに近くなる。 そういう声で「スリウォーンは?」「スリウォーン」とタイ女性たちが言ってるのを聞いてたら、 タイ航空の機内アナウンスと似てるな、と思ったわけ。男性が話す場合もわりと声は高めって印象で 低くてドスの効いた声でしゃべるタイ人なんてあまり記憶にない。 イ課長はよく知らないけど、ある言語に特有の発声ってあると思うんだよね。 東アジアでは日本語と韓国語の発声は似てて、ともにボソボソタイプ。しかし中国語は声の出し方からして全然違う。 タイ語の発声は分類的には中国語に近いと思うけど、あれほどうるさくない(笑)。ネコの鳴きマネを 連想するくらいだから、全体に高めのトーンでフニャ~っとした感じの発声になる。 イ課長のこの説が言語発声学的(と言えばいいのか)に正しいかどうかはわからない。 ただ、この「タイ語特有の発声はネコの鳴き真似にちょっと近い説」がもし正しいとするとだよ? イ課長はそもそも持って生まれた声がタイ語に向いてないのかもしれない。 傾向として背のデカい男は声帯も長くなるから低音になる可能性が高くなる。バス歌手には長身の人が多い。 御多分に漏れずイ課長も声はかなり低くて、大学生の頃からデスラー総統と言われていた(笑)。 イ課長のタイ語が現地の人になかなか通じないのは、発音とか声調とかの問題じゃなく、 きっとタイ語向きの発声とはカケ離れた、この“デスラー声”のせいなのだよ、ヤマトの諸君。 (↑自分がヘタなせいだとは認めたくないらしい)
by tohoiwanya
| 2016-04-22 23:33
| 2014.09 東南アジア旅行
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