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2016年 12月 09日

チェンマイの平面仏教美術たち

タイとラオスとじゃ経済力そのものも月とスッポンくらいの格差があるけど、そういう格差は
仏教寺院を見ても感じる。ヴィエンチャンやルアンパバーンで見たお寺も日本人から見りゃ十分
金ピカだったけど、タイに来ると「さらに金ピカ」だと思った。
チェンマイの平面仏教美術たち_f0189467_01184587.jpg
 
補修や手入れの度合いが違うんじゃないかな?仏像だけじゃなく、お寺自体の装飾もタイの方が
ラオスよりキラキラ度は高い。チェンマイのキラキラ寺院を見てると「ラオスのお寺はああ見えて
実はけっこう地味だったんだなぁ」と思ったよ。

本日はそんなタイのお寺に描かれた(あるいは彫られた)平面美術についてまとめてご紹介したい。
お寺の壁とかにレリーフが彫られてたり絵が描かれてるのはラオスでも見たけど、古都チェンマイの
ソレはけっこうインパクトがあった。特に本日ご紹介する後半の絵のインパクトはすごかったね(笑)。

まぁまずは穏当なところからご紹介するか。たとえばこんな絵はいかが?
チェンマイの平面仏教美術たち_f0189467_01175227.jpg
 
こういうヨロイを着た人の絵がけっこうあったねぇ。
これは誰なんだろう?ヨロイを着てるってことは毘沙門天?(まさかぁ)

こっちもやはりヨロイ着用だが・・・これは・・女性か?オトコには見えんが。
マツゲを強調した目の感じはちょっと少女漫画的で、まぁこれはこれで面白い。
チェンマイの平面仏教美術たち_f0189467_01175172.jpg
 
ドイ・ステープにはこんなレリーフ調のヤツもあったな。
手が上下2セット・4本あって、チャクラム(輪ッカ円盤状の武器)らしきものを持ってるってことは
これはヴィシュヌ神かもしれないけど、よくわからん。
チェンマイの平面仏教美術たち_f0189467_01175382.jpg
 
こういうのは大体お堂の扉とか、外側壁面とか、そういうところで見かけた平面美術だ。
まぁ日本のお寺じゃ見かけないモチーフではあるけど、それほど強い違和感は感じない。
東南アジア的な仏教美術として、とりあえずフツーの気持ちで鑑賞できる。

しかしお堂の中に入り、内部壁面に描かれた絵を見ると「なんだこりゃ感」がグッと高まる。
こんな絵が薄暗いお堂の壁に描かれてりゃ、そりゃ驚くって。
チェンマイの平面仏教美術たち_f0189467_01180861.jpg
 
何ですかこれは。何やらすごい。
真ん中でボワーッと後光を放ってるのはお釈迦様だろうなぁ。後ろにいるのはたぶん
弟子集団と想像される。しかし弟子はなぜ全員マユゲがないの?それが気になってしょうがない。

こちらもマユゲなしの(たぶん)弟子軍団。異様だ。
しかしマユゲなしも問題だが、この絵のタッチ・色調だけでも十分衝撃的だったよ。
どうやって描いてるのか知らないけど、この絵の感じを見てイ課長がすぐ連想したのは
お風呂屋さんのペンキ絵。まさかこれもペンキで・・いやさすがにそれはないと思うが。
しかもハッキリ言って絵はあまり上手くない。
チェンマイの平面仏教美術たち_f0189467_01180767.jpg
 
これらの絵、たぶん「ブッダ物語」における何かの有名な場面を描いているんだろう。
しかしさー、もうちょっとこう・・描きようってモンがあったのでは?と思わずにいられない。
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これらの絵が持つ強烈な違和感に比べりゃ、さっきのヨロイの絵やレリーフは格調高いよ(笑)。
ラオスじゃこんなペンキっぽい仏教画、見なかったぜ?これってタイ風なの?下の絵なんてさぁ、
背を向けてるのはたぶんお釈迦サマだろう。つまり仏教。それにひざまづいてる顔の多い方々は
明らかにヒンズー教のカミさまじゃないか?ブラフマーとか(彼はたしか顔が4つくらいある)
もうワケわからん。いずれにしても長時間ジッと見とれるって感じの絵じゃないよねぇ。
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これはお釈迦様入滅の図か。
この絵では手前の弟子たち、マユゲがあるように見受けられる一方で鼻がない人物が散見される(笑)。
そりゃさぁ、これも有り難い仏教画ではあると思うよ?思うけど、イ課長がもしどこかの
お寺の住職だとしたら、こういう絵を自分の寺の壁に描きたくはないなー。
チェンマイの平面仏教美術たち_f0189467_01180262.jpg
 
ちなみに、本日載せたカラーの絵は複数のお寺で見たのだ。あちこちにあるんだよこういう絵が。
このわかりやす過ぎる構図や派手な色彩感覚、インドの宗教画に近い。昔載せたガネーシャの絵
色はド派手だったもんなぁ(でもこのタイの壁画よりはずっと絵が上手だったと思う)。

イ課長の帰国後、これら一連の仏教画?の写真を見たトホ妻は「ぎゃあ」と言って逃げ出した。
まぁ正直言ってイ課長も「う・・・」と思うところはあったけど、目をそむけてはならん。
これを写真に撮ればブログ記事1回分書けると思って頑張って直視してきたのである(笑)。


 


by tohoiwanya | 2016-12-09 00:20 | 2015.09 東南アジア旅行 | Comments(2)
Commented by Bきゅう at 2016-12-10 22:40 x
やはりこういう絵のほうが、現地の人にはわかりやすいのでしょうかね。それとも、昔は庶民は絵の具とか手が出せなかったから、きれいに色がついているほうがよいとか?写真、ご苦労様でした。
Commented by tohoiwanya at 2016-12-11 23:52
>現地の人にはわかりやすいのでしょうかね

Bきゅうさん:
まぁ確かにわかりやすい。しかしもっと上手な画家もいるだろうに・・と
どうしても思っちゃう。絵の感じだとそんなに古い時代に描かれたものじゃ
ないって気がするんですよねぇ。ペンキ絵なら褪色もあまりしないだろうけど、
それにしても色鮮やか。せいぜい数十年くらい前に描かれたって感じ。


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