2018年 02月 07日

ピックアップ稼業の光と影

前回に続き、マンダレー・ピックアップ関連ネタ。
滞在3日目にマンダレー・ヒル方面まで行った時の話だ。
 
行きはイ課長の予想と全然違うルートを走ったもんだから大いに不安になったけど、
まぁ何とかなった。周囲の乗客もガイジンに親切に教えてくれたしね。ちなみに、
往路のピックアップ乗車賃は500チャット。
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で、周辺観光、マンダレーヒル登頂・下山を済ませ、ヘトヘトになっていよいよ帰路だ。
そこらへんに停まってるピックアップの車掌に「ゼージョーマーケット?」と聞くと
これに乗れという。ところが料金は往路の倍、1,000チャットというではないか。距離は
行きと変わんないのに?

想像するに、そのピックアップ、本来ゼージョーマーケットに行く予定はなかったんじゃ
ないかと思うんだよね。でも路線バスほどキッチリ“担当”が決まってなくて、ある程度は
自分の裁量でルートを決められる・・んじゃないかなぁ?

ゼージョーに行きたいガイジン客から倍の料金もらったし、ここは予定になかったルートで
ヒト稼ぎすっか・・と欲を出したような気がするんだよ。ゼージョーマーケットは繁華街だから、
そこに行く乗客はいくらでもいるはずだ。

こっちは別にそれで問題はない。行きより高いっつうても差は45円くらい。イ課長は
登頂+下山でヘトヘトだったし、1000チャット(約90円)でホテル近くのマーケットまで
行ってくれりゃ御の字だ。がんばって稼いでくれ。

やがてピックアップは動き出した。当初の乗客はイ課長一人。しかしどうせ途中から
混むだろうなぁと思ったし、車掌も当然その心積もりだったに違いない。

・・と思ってたら、いきなり若い尼僧の集団が乗車。たちまち車はギュムギュムだ。
一人当り500チャットとしても悪くない稼ぎのはず。出だし順調じゃん。しかも彼女たち、
乗ったと思ったら、すぐ近くでザワザワと降りていった。効率のいい稼ぎだな。
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ところがギッチョン。ここから、このピックアップの大スランプが始まったのだ(笑)。
車掌が道端の乗客を見つけて「ゼージョー、ゼージョー!」って勧誘するんだけど、
なぜかゼージョー方面行きの乗客が一人もいない。市の中心部行きなのに、意外だ。
しかし車掌にとってはもっと深刻な意味で意外だったに違いない。
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車掌の顔に、徐々にアセリが見え始める(笑)。
さかんに「ゼージョー!」って声を出すけど、不思議なくらいソッチ方面の客がいない。
一方イ課長は逆に、だんだん面白くなってきたよ。このままゼージョーマーケットまで
乗客がイ課長一人だと、走行距離の95%はイ課長のチャーター車状態だ。せっかく
倍の料金とったのに、割が合わない運行になっちまうだろ。
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途中、大きな病院で長く停車。車掌がゼージョ行きの“営業”のために病院に入って行く。
とーころがここでも乗客は一人もつかまらず。この頃になると車掌も苦悩の色が濃い(笑)。
ギッシリ客を乗せた他のピックアップの車掌と大声で何か話してるよ。

「こっちは疫病神のガイジンさん乗せちまったよー、ったくよー」とか言ってんのかな。
尼僧集団を乗せた時は出だし順調と思ったのになぁ・・。しかしいつまでも営業で停車
してられないのか、ガッカリした顔で再び走り始める。
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するとまた停車。再度営業か?と思ってフと横を見ると・・・ドライバーが座ってる・・。
おおおおお!!こ、これが有名な「腰巻き文化圏における男の屋外放尿=座り小便」か?!
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ミャンマー、バングラデシュ、インドあたりの「腰巻き文化圏」じゃ男はあまり“立ち”小便って
しないらしいんだよね。座ってやる。椎名誠の本で読んだことがある。江戸時代は日本だって
「非ズボン圏」だったけど、屋外排尿は立ってやった。しかしロンジー着用率が高い
ミャンマーだと座り小便なのかも。「前が開く和服」と「開かないロンジー」の差かな。

そんなこんなで、とうとう終点・ゼージョーマーケットまで一人も乗客はつかまらず。あーあ。
ちょいと予定外のひと稼ぎのつもりが完全な空振り。こっちはおかげでゆったり乗れたし、
車掌の「苦悩の営業」や、ドライバーの「座り小便」が見られて面白かったけど、彼らにすりゃ
「アテがはずれたぜ・・チクショウ」って感じだろうなぁ。

しかし、そこは誇り高きマンダレーのピックアップ野郎。
ガッカリ顔をぐっとこらえて、最初の約束通りイ課長からは1,000チャットだけを受け取り、
次の稼ぎを求めてどこかへ走り去っていった。

ピックアップ稼業は山あり谷あり。どんな商売も飽きずに続けることが肝心だぜ。
「あきねぇ」ってくらいだからなぁ・・飽きずにやるこった・と、ミャンマー第二の都市
マンダレーで落語「時そば」を思い出すイ課長なのでありました。

 

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by tohoiwanya | 2018-02-07 00:25 | 2017.08 ミャンマー・タイ旅行 | Comments(2)
Commented by Bきゅう at 2018-02-07 20:45 x
運転手さんも車掌さんも、たくさん、尼僧さんを乗せたので、功徳はあったのだと思いまする。なむなむ。
Commented by tohoiwanya at 2018-02-09 20:21
>功徳はあったのだと思いまする

Bきゅうさん:
うーん・・そうか。期待したほど収入は得られなかったけど、
期待以上の功徳は得られたと。尼僧たちをタダで乗せてあげてれば
もっと功徳あったかもしれないすね。


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