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2018年 03月 09日

ガイジン旅行者的貧困論

また風邪ひいたイ課長ですぅ~ゲホゲホ。
あ、今度はインフルじゃありません(←一応検査した)。普通の風邪。会社にも出てる。
しかし頭はボンヤリで仕事になりません~(それはいつもだが)。

前回に続いてちょっと貧困問題について書きたい。それほど大げさな話じゃないが。
昔ある国でイ課長が公衆トイレに入った時のこと。

大きなビルの中にあるキレイなトイレで、おジイさんの掃除夫が掃除をしてた。
でも別に使用禁止ってわけじゃないから、イ課長は気にせずチャックをおろし、
自分のすべきことを始めた。

で、その作業が終わりに近づいてハッと気付くと、さっきのジイさん掃除夫が
オシッコしてるイ課長の脇にピタッと立って控えてる。な、何だオマエ。しかしこっちは
出すもの出し終わらないとナニもできない。

で、出し終わったイ課長がチャックを閉める等々の後作業に取りかかろうとすると
ジイさんがサッと横から手を出して洗浄水のボタンを押す。イ課長より先にボタンを
押すために横で待ち構えてたわけだ。身支度を終わったイ課長が手を洗おうと洗面台に行くと
またさっきのジイさんがペーパータオルを何枚も出してイ課長の横に立って待ち構え、
洗い終わればサッと差し出してくる。自分のハンカチ出すヒマなんてない。

「つまりチップが欲しいわけか?・・しかしソコまでして・・」

そう思った。
そのジイさんはそうやってイ課長のシモの世話?をしながら、無表情で下からジッと
イ課長の様子を見てる。あの暗い目つきは忘れられん。できれば忘れたいが。
しょうがないから、トイレを出る時、少しコインをあげた。

さて、この「ある国」ってどこだと思う?実は1996年の中国・北京なのである。
イ課長が生まれて初めて海外出張(アジア4カ国)した時のことで、当時中国はすでに
グイグイ経済成長中。貧しい国っていう段階はトウに過ぎてたはずだが、22年前は
まだそんなことがあったのだ(今でもあるのかもしれんが)。
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あのアジア4カ国出張した頃はイ課長もまだ30代で海外渡航経験も乏しかった。
欧米しか行ったことなかったイ課長の初アジア。中国だけじゃなく、インドネシア、
タイ、フィリピンと回って、開発途上国の貧しさを体感したのもあれが初めてだった。

その後イ課長も多少は経験を積んだ。インド、カンボジア、ラオス、ミャンマー等々、
出張や旅行で途上国・新興国にあちこち行き、そういうのに多少は慣れた。少なくとも
家や車や道路や駅や空港その他諸々の「ハード」がどんなにオンボロでも今や大して
ショックは感じない。むしろ面白がる。
ガイジン旅行者的貧困論_f0189467_16025621.jpg
  
しかし冒頭に書いたトイレ掃除夫みたいな、人間の行動、言い換えれば「ソフト」の部分で
心根の卑しさみたいなのに接すると「あー・・貧しいんだな」と思うよね。

前回書いた、車に向かって「何かくれ」の村人たちもそうだけど、ミャンマー滞在中、
「とりあえず外人にネダッてみる(イ課長にすればネダられる)」的なことが数回あった。
マンダレーですれ違うオバアさんがイ課長に向かって「マンニー マンニー」って言うから
何だろうと思ったら、たぶんお金=マネーのことだ。ガイジンを見ると、とりあえず
「お金、お金」って言ってみるわけ?うーむ・・。

ただ、ミャンマーでは全体的に「心の卑しさ」的な印象は少ない。
むしろみんな基本的にマジメで、交渉制タクシーとかでもひどいボッタクリが蔓延してるって
感じはしなかった。ボッタクリって点じゃやっぱベトナムだろ(笑)。
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その国がどの程度貧しいかは、一人当たりGDPとかのデータで、ある程度客観的に決まる。
しかし旅行者個人の「その国の貧しさの印象」は、その旅行者と現地の人とのごく些細な
接触経験によって決まるよね。現在の中国は1996年当時よりはるかに経済発展し、
お金持ちの国になったけど、その後中国に行ってないイ課長にとっては未だにあの時の
トイレ掃除夫の印象が強く残ってるのだ。中国には申し訳ないが。

北京と同じ1996年の4カ国出張で初めてバンコクに行った時にこんなこともあった。
あまりの暑さに脱水状態となり、コンビニに飛び込んで冷たいジュースとアイスを買い、
店を出るとすぐムサボリ飲み+食って水分補給しようとした。するとだ・・。

店から店員の女の子が出てきて、イ課長に何か言って小銭を渡そうとする。
どうやらさっきレジでお釣りを間違えたようだ。客がまだ店の前にいるからってんで
少なかった分を渡しにきてくれたようだ。もちろん、そんなことされなければイ課長は
お釣りが間違ってたなんてこと、生涯気が付かなかっただろう。

あの初バンコクの時はあまりのポン引きの多さに呆れ、イ課長はバンコクが嫌いになった。
でもあのコンビニの店員のことはずっと覚えてた。こういうことって忘れないんだよね。
「ポン引きだらけでも、タイには正直でイイ人もいる」という印象は残るのだ。今では
バンコクはイ課長の東南アジア旅行のベースキャンプ。バンコク大好きです(笑)。
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ま、要するにガイジン旅行者にとっての「その国の貧しさ」っていうのは統計データより
個人的経験の方が影響力が大きいわけだが、そう考えるとラオスってホントに不思議な
国だったよ。統計的にはかなり貧しいはずなのに、イ課長の旅行経験の範囲じゃガイジンに
対するおネダりやボッタクリは皆無。あの欲のなさって何なんだろうか?
・・あ、そうでもないか。あのマッサージ屋の攻撃的お姉さんだけは別か(笑)。

本日の記事は特に主旨のない、イ課長の海外記憶雑記みたいになっちまった。
すんません。次回はちゃんと旅行記らしきものを書く・・・かどうかは風邪次第かな。

 


by tohoiwanya | 2018-03-09 00:13 | 2017.08 ミャンマー・タイ旅行 | Comments(2)
Commented by Bきゅう at 2018-03-09 19:57 x
日本でそういう人が少ないだけな気がします。米国でも、中南米でも、アジアでも、「小銭くれー」という貧困層は見かけることが多く、やっぱ上げますよ。社会福祉が少ないとか、そこから漏れちゃった人がいるわけで。Bきゅうとしては、チップとして渡すときは、子供なら「これは本を買うお金です」、お父さんくらいの年なら、「これはお子様に」といいます。
Commented by tohoiwanya at 2018-03-10 13:41
>日本でそういう人が少ないだけな気がします

Bきゅうさん:
最近はわかんないけど、80〜90年代の米国にはけっこういましたね、確かに。
当時は「今や日本じゃいないよな」と思ったけど、実は最近、会社の近所の
橋のたもとに新たに“開業”したお乞食様がいる。あんな絵に描いたような
乞食を見るのもホント久しぶりで、日本もだんだん変わってきたのかも・・。


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