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2019年 04月 05日

タイ語の「シャ行」について考える

しまなみ海道からいきなりタイネタだ。
本日はちょっと理屈っぽい話。ご興味ない方は読み飛ばしてください。

ミャンマーの現地通貨単位は「チャット」。このブログでもそう書いてた。
日本でコレ以外の表記を用いるのは見たことがない。

だがアルファベットだとなぜかチャットは「Kyat」と書かれる。
日本人が見れば「キャット」と読みたくなる。でもカタカナだとなぜか「チャット」。
おそらく、ミャンマー語には「チャ」と「キャ」の中間みたいな音(と文字?)があって
こうなったのではないかと推測される。

ヤンゴンのタクシーで、ドライバーから「日本人か?トーキョーから来たのか?」って
聞かれた時、イ課長の耳には彼が「トーチョー?」って言ってるように聞こえたんだよね。
ミャンマー語には日本語の「キャ行」とか「チャ行」に相当する発音(と文字?)はなくて
その中間的発音しか存在しないのかもしれない。

同じような例はヨーロッパにもけっこうある。
ポーランドの現地通貨「złoty」のカタカナ表記は「ズロチ」と「ズウォチ」でまちまち。
スペイン南部の街Sevillaも「セビリヤ」とか「セビージャ」とかまちまち。ことほどさように
外国語の発音を別の国の書き言葉に置き換えるのは難しいということだろう。

さて、ここまでが前フリで、ここからが本題だ。
昨年8月の旅行でバンコクを歩いてる時、こういう看板を見かけた。
f0189467_13573662.jpg
 
あははは。ちょっと惜しかった。しかし何を言いたいかは問題なくわかる。
「しゃ」が間違ってるけど、これを書いたのがタイ人なら(当然、日本人ではあるまい)
これだけキチンとひらがな書けるのは大したもんだよ。

同じ日に、バンコクのコンビニの入り口ドアのところで、こういうシールも見かけた。
f0189467_13573601.jpg
 
おい・・・これはさすがにちょっとマズくないか?
印刷物の誤植はマズいだろ。同じステッカーをたくさん印刷して、
すべてのチェーン店に貼っちゃってるわけ?

だが、ここでイ課長の語学的好奇心が強く刺激された。
「いらっしゃいませ」という単語が、全く同じ書き間違いをされてることに、だ。
これはつまり、同じ書き間違いを誘発しやすい何らかの言語的制約条件が
タイ語にあるからではないか?

もしかすると、タイ語には「しゃ、しゅ、しょ」に相当する発音って、ないのか?
そこで「タイ語であいうえお」というサイトで日本語の「シャ行」と「チャ行」が
タイ語でどう書かれるのか調べてみた。こうなるらしい。


しゃ しゅ しょう  ชะ ชิว เชียว 
ちゃ ちゅ ちょう  ชะ ชิว เชียว 

 

    おんなじやんか!!


ははぁ~・・これは驚いた。
ここで「しゃ」及び「ちゃ」の子音を表す文字は「」なのであろうと推測される。
さらに調べると、これは「チョーチャーン(象のチョー)」って文字なんだと。
象っつうたら、イ課長がしょっちゅう飲んでるチャーンビアの最初の文字ってことだ。
(そう、あれは「象ビール」という意味らしいのだ)。

となると、やっぱタイ語には日本語の「シャ行」に相当する音はないんだよ、きっと。
これは十分あり得る話だ。冒頭書いた「KYAT」を日本語では便宜的に「チャット」って
表記するように、日本語の「シャ行」をタイ語で文字化しようとすると、便宜的に
」すなわち「ちゃ ちゅ ちょ」という“近似音”で書くのでは?

もしかするとタイ語の日タイ辞典で「いらっしゃいませ」をひくと、「」という
近似音が書かれてるのかもしれない。もしそうなら、タイ人はみーんなそれに従って
「いらっちゃいませ」って書くよな、当然。

「医者」「運転手」「小学校」等々の言葉は日タイ辞典ではどういう発音表記なのか?
発音表記上は「いちゃ」「うんてんちゅ」「ちょうがっこう」になってるのかもしれない。
だとしたら、タイ人はみんな片っ端から間違えて書く(あるいは言う)はずだ。

しかし日本語の上手なタイ人はこれらをちゃんと区別している・・・と思う。
どうやって区別してんの?非常に興味深い。今度タイ行ったら、またスーさんにでも
聞いてみたいと思うけど、こんな理屈っぽい質問、うまく通じるかなぁ?

 


by tohoiwanya | 2019-04-05 00:22 | 2018.08 タイ旅行 | Comments(6)
Commented by ソノピ at 2019-04-05 08:51 x
イ課長さん、こんにちは!いつも楽しくブログを拝読しています。コメント失礼します。
私はポーランド語使用者なのですが、日本でのカタカナだとZłotyは「ズウォティ」が一番元の発音に近い表記です。
どうしても日本語だとズロチと書かれてしまうことが多いのですが…ワレサ元大統領と同じですね。

ミャンマー語にも同じような例があるのですね。キャとチャ、という違いは初めて聞きました。とても興味深いです。
Commented by tohoiwanya at 2019-04-05 17:13
>Złotyは「ズウォティ」が一番元の発音に近い表記です

ソノピさん:
コメントありがとうございます。
ポーランド語を話せるなんて、すごい。それだけでもう大尊敬です。
私なんてもはやジンクェとプシャプラッシャムしか覚えてないのに・・(笑)。

実はお恥ずかしい話で、ワレサさんが現在は「ヴァウェンサ」と
表記されるようになってるっていうのも今日初めて知りました。
ヴァウェンサ大統領・・知らないと、ワレサさんとこととは気づかないですよねぇ。
いやー勉強になりました。
Commented by y at 2019-04-06 13:10 x
こんにちはイ課長さん。
「いらっちゃいませ」は何かかわいいですね。
思わずお店に入ってしまいそうです。

外国のホテルで[クリーン]、[ブランケット]が通じなくて苦労したことを思い出しました。
LとRの発音違いなのですが、日本人の私からすると
「そこは区別しなくていいから!」と思ったものです。

今1つわからないのは、香港(Hong Kong)とか上海(Shanghai)とかの [ng] の発音ですね。
私には全く聞き取れなくて「何でgがそこにあるの?」と不思議なのですが、
彼らはちゃんと発音しているのですよね。
Hon Kon って発音したら「いらっちゃいませ」みたいに聞こえるのかもしれませんね。
Commented by Bきゅう at 2019-04-06 21:22 x
面白いですね。「ぢ」と「じ」が同じ発音だから、Chi系のShi系の、ごにょごにょしたのは、同じになっちゃったのかな。CとSって似ているもん。看板か書かれた方は、正しく書かれたのですね。文字が丸っこくなっちゃうのも、タイ日本語の特徴?
Commented by tohoiwanya at 2019-04-06 23:42
>LとRの発音違いなのですが

yさん:
日本人が「タイ語では『しゃ』と『ちゃ』の区別がないの?」って驚くように、
欧米系外国人は「日本じゃLとRを同じ『ら行』ってことにしちゃってんの?!」って
驚くんでしょうねぇ、きっと。

中国語は総じて発音難しいですね。私は大昔の中国出張の時、自分の名前(漢字)を
中国風発音でどう言うのか教えてもらったんだけど、最後の一文字がベロを
歯の裏にあてて言うだか何だかで、未だに発音できない。たぶん一生無理でしょう(笑)。
Commented by tohoiwanya at 2019-04-06 23:48
>看板か書かれた方は、正しく書かれたのですね

Bきゅうさん:
おそらく、日タイ辞典に書かれたタイ風発音記号通りに書いたはずなんですよ。
今回はたまたま二つだけ発見したけど、タイを捜せば「いらっちゃいませ」は
もっとたくさんありそうな気がする。でもスーさんみたいに少しだけ
日本語しゃべれるっていうタイ人が話し言葉でそういう間違いをしてるのを聞いた記憶はない。
何らかの方法で「しゃ」と「ちゃ」を区別してるんだと思うんですよねぇ・・。


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