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2020年 01月 24日

スリンを通してタイの経済構造を考えてみる

2泊だけ、しかも2日目の大半は遺跡に出かけてたから、イ課長がスリンにいた時間は
非常に短い。でもけっこう好きだったよスリンって町が。

象祭りは年に一度、あとは遺跡くらいしか見るモノない(しかも遠い)から、
観光魅力度が高いとは言えないけど、コンパクトで暮らしやすいと思うんだよね。
だがこの町のタイ人たちもスリンを「暮らしやすい」と思ってるかどうかはわからない。

タイの一人当たりGDPの地域別比較をJETROの資料で見たことあるけど、バンコクがある
タイ中央部が41万バーツ/人以上なのに対し、イーサーンは7万バーツ/人ちょいで最下位。
中央部の1/5もない。地場産業ないし、外資系企業もイーサーンにはあまり来んし・・。
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さらにイーサーン主要都市の所得比較ってのも見たことがある(どこで見たかは忘れた)。
ナコンラチャシマとかウドンタニとかウボンとかに比べて、スリンは低かったんだよ。
タイの中では貧しいイーサーン。そのイーサーン主要都市の中でも所得の低いスリン。
地元民は「こんな町にいちゃ生涯ウダツがあがらねぇ」と思ってるのかもしれない。
(イーサーンの純農村部に行きゃ、もっともっと低いんだと思うが)

日本も「格差社会」なんて言われるようになったけど、世界にはドはずれて格差の激しい
国がある。イメージ的にはインドや中国あたりの新興国って格差大きそうだよね。
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貧富の差を表す指標ではよく「ジニ係数」が使われるけど、国ごとの所得格差について
クレディスイスが独自の調査を発表してる。「その国の所得上位1%の人間がその国の富の
何%を持ってるか」というもので、結果もパーセンテージで表される。数値が大きいほど
少数の金持ちに多くの富が集中してることになる。

インドは51.5%で4位。インドに輪をかけて富が偏在してる国があと3つあって、
3位がトルコ(54.4%)、2位はロシア(57.1%)。さて1位は・・?

話の流れで十分予想されるように(笑)、これがタイなのだ。実に66.9%。
タイの所得上位1%の人たちが、タイの富の67%を独占しちゃってる。タイって
日本なんかと比較にならない超々格差社会みたいなんだよ(ちなみに日本は18.6%)。
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旅行者としてタイを旅して接するタイ人っつうたら、トゥクトゥクドライバーとか、
市場のおばちゃんとか、マッサージの施術者とか、「残り99%」の人たち。早い話が
一般庶民。タイの所得上位1%の暮らしぶりなんて想像もつかないよなぁ。

「タイは二つある」みたいな言葉を聞いたことがある。
タイのタイ半を占める地方の農業従事者と、都市部のリッチなエグゼクティブたちとじゃ、
もはや「別のタイ」で生活してるようなものらしい。そのくらい格差が大きい。ちなみに
どっかに亡命したタクシン元首相って「地方の貧しい農業従事者」を支持基盤にしてた。
だから選挙すれば必ず勝つ(だから反対派は選挙は無効だとか言って騒ぐ)。
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話が逸れてしまったが、ま、要するにそういうコトなのだ(どういうコトなんだよ!)。
タイの中でも経済的には下位エリアであるイーサーン。そのイーサーン主要都市ン中でも
所得が下位(だったと思う)のスリン。バンコクに出稼ぎに来てるスーさんが子供を
預けた実家があるのもスリン。

イ課長としてはけっこう気に入った町なんだけどなぁ・・スリン。
そこに住む人たちにとって、あるいはそこから出稼ぎに出てる人たちにとって
スリンがどんな町なのかは、想像するしかないのである。

 


by tohoiwanya | 2020-01-24 00:10 | 2019.08 ラオス・タイ旅行 | Comments(2)
Commented by Bきゅう at 2020-01-24 21:16 x
田舎は、人が良いし、都会より安全だし、物価は安いし、良いと思うが、実際にそこで生計をたてるのは大変だろうな。
Commented by tohoiwanya at 2020-01-25 15:57
>人が良いし、都会より安全だし、物価は安いし

Bきゅうさん:
物価も家賃も安いタイの田舎のアパートとかに住むと、さぞかし
のんびりした日々を送れるはずだけど、それは「その町で稼ぐ」必要のない
ガイジンの考えること。地元民にすれは「いい職はないし、給料は安いし・・」
っていうことになっちゃうのかもしれない。


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