2020年 02月 07日
さて、いつまでも穏やかネタに安住してはおれぬ。旅を続けよう。 本日はタイ国鉄の旅・2区間め。スリンからナコンラチャシマへの鉄道移動だ。 スリン、名残り惜しいけど、一方でこれから行くイーサーン最大の都市、 ナコンラチャシマへの期待も高まる。 乗りたいのは9:39発、列車番号122番の快速列車。順調にいけば12:16には目指す タノンチラ・ジャンクション駅(ナコンラチャシマ駅のひとつ手前で、旧市街に行くなら こっちで降りる方が便利)に到着する予定。しかし列車はスリンにだいぶ遅れて到着。こっちは例の列車追跡システムで確認してたから 遅延は織り込み済みだぜ。今日乗るのは機関車が引っ張るタイプだ。 買った切符は3等車。でも座席番号22と書かれてるからには指定席に違いない。 ・・・えーと22番・・座席番号ってドコ見りゃいいの?きょろきょろしてると、 うわ!こ、これかい。22番、ここなんですね? 22番が窓側か通路側かわかんないけど、とりあえず通路側に座る。 うーむ・・さすがは3等車。冷房はなく、車両はボロい。イ課長が座った22番シートの ヒジかけはこんな状態(笑)。ウボンから乗った特急指定席とは全然違う雰囲気だ。 うふふ・・楽しくなってきたぞ。 停車駅のたびに車内は少しずつ入れ替わりがあり、途中から空席が完全になくなる。 イ課長の前の席も、通路隔てた席もタイ人たちでギッシリだ。 通路隔てた向こうに座ってるオバさんがナゾの果物?を食い始め、目の前の男の子に 「ほれ」って一つあげてる。もちろん自分の子じゃない。ママは隣にいるんだけど、 窓の外の景色を見てるから他人が自分の子に食い物あげてることに気づきもしない。 「乗客はみんな家族」的風景だなぁ・・。 (別の時に撮った、そのナゾの果物。この断面に見える、埋まったタネ?を食うのだ) 日本じゃ列車で乗り合わせた知らない子供にお菓子あげるなんてこと、なくなったよね。 まず保護者にことわらないと・・なんて考えちゃう。でもイ課長が子供の頃は日本でも 「ほら、ボク、ひとつ食べる?」的なことが気軽に言えた(っていうか、言われた)。 車内にはひっきりなしにいろんな物売りが来る。一昨日乗った特急指定席車両には 来なかったから、2~3等車だけ商売していいことになってるのかもしれない。 これが見てるとまた面白いんだ。たとえばお菓子売りなら乗客の子供にまず声をかけ、 親にネダらせるとよく売れる、みたいにそれぞれマーケティング戦略がある。 冷たい水からパン(みたいなもの)、イーサーン名物のガイヤーン(焼き鳥)まで 商品は非常にヴァラエティに富む。しかもこれがけっこう売れるんだよ。立派に商売に なってる。こういう時でも豆菓子?を買った人が近くの知らない子にあげたりして、 「乗客はみんな家族」的光景があちこちで展開するのが微笑ましい。 一番面白かったのはタノンチラ駅が近づいてイ課長が降りる準備をし始めた時だ。 近くの男の子が退屈して車内でギャーギャーぐずりだした。お母さんが静かにしろって いうんだけど、なにせ道理のわからぬガキだから騒ぎ続ける。 こういう時も「乗客はみんな家族」。うるさい子のシツケに他の乗客が乗り出す。 さっきナゾの果物あげてたオバさんが窓を指さして叱ってる。「お母さんのいうこと 聞かない子は窓から放り出すよ!」とかナンとか言ってるのは間違いない。 列車は徐々に減速し、降りる乗客は移動し始める。でも子供は相変わらずグズり続け、 オバさんはその子供を叱り続ける。「まだわかんないの?そういう悪い子はね、この おっきい箱ン中に詰め込んで列車から降ろしちゃうからね!」と(たぶん)言って 箱をバンバン!と叩き、ぐずる子供を威嚇。 その箱って、いま棚からおろしたばかりのイ課長のゴロゴロスーツケースなの(笑)。 いやぁ~この時はねぇ、何だかやけに嬉しくなっちゃってさぁ・・。 イ課長はグズる子供をタイ語で叱る活動には参加できないが、偶然いいタイミングで 「おっきい箱」を提供し、図らずも子供のシツケ活動に微力ながら貢献できた。 乗客はみんな家族。その“家族”の末席に、ほんのちょっとだけ加えてもらったような 気分になったわけ。そういうのって、嬉しいじゃん? 近くに座ってた乗客たちと笑顔で別れの挨拶。みんな純朴でイイ人ばっかりだ。 いやー3等車の旅、楽しすぎ。指定席特急よりこういう下等車両の方が断然楽しいワ。 もうすぐ駅。デッキに出ると・・うわ、ドアがない。ずっとこうだったんだ。 しかしドアがなかろうが、車体がボロかろうが、イ課長はこの時たいへん上機嫌だった。 乗り間違いもせず目的地にはもうすぐ着く。旅の計画は順調に進行しており、しかも 3等車の旅はめちゃ面白かった。タイ国鉄でめぐるイーサーン、もうね、最高ですね。 こうしてタイ国鉄の旅の2区間め、スリン→ナコンラチャシマ間も無事に、しかも とっても楽しく走破したイ課長なのでありました。
by tohoiwanya
| 2020-02-07 00:02
| 2019.08 ラオス・タイ旅行
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