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2009年 07月 20日 ( 1 )


2009年 07月 20日

コタン小路

モンマルトルの丘の上にサクレ・クール寺院がある。

高い丘の頂上にあるから、サクレ・クールはパリのいろんな場所から見える。
パリっ子にとっちゃエッフェル塔なんかと並ぶ街のシンボル。
別の言い方をすれば、遠くにサクレ・クールが見えるコトが「パリであること」の
一種の記号になってる。映画「死刑台のエレベーター」なんかでもオフィスの窓から
遠くに、しかしちゃんとソレとわかるようにサクレ・クールが写ってた。

サクレ・クールに行くには当然のことながら丘を登らなければならない。
登るルートとしては寺院正面の階段がわかりやすいし、公園として整備されててキレイだし
階段からのパリの眺めもサイコー。大多数の人はここから頂上を目指すはずだ。
実際、この階段はいつも観光客でにぎわってる。
しかしイ課長には「ぜひここから行きたい」と思ってた別の“登攀ルート”があった。
コタン小路_f0189467_23101635.jpg

それがコタン小路なのである。パサージュ・コタン  直訳すればコタン横丁とでも
いうところだろうけど、やはりここは「コタン小路」という言い方を使いたいところだ。

コタン小路はサクレ・クールの裏の方にある。
細い路地の突き当たりに急な階段が続くこの光景は、ユトリロの絵「コタン小路」で
有名で、イ課長がここに行きたいと思った理由もユトリロの絵を知ってたからだ。
コタン小路_f0189467_23105152.jpg

コタン小路_f0189467_2311294.jpg

ほら、絵と比べてみ?驚くほどユトリロが描いた当時の面影が残ってるのがわかる。
階段右側の家が1フロア増床した以外は窓の位置とかも全く絵のままだ。素晴らしい
…と言いたいところだが、また工事の柵だ。さらに緑色の…これ、ゴミ箱だろ?
ど〜してこういう情緒ブチこわしグッズ置くかなぁー!フランス人のバカ!

まぁいい。とにかくこの「コタン小路ルート」を登ってサクレ・クールに行こう。
ここは典型的な「距離が短いわりに高低差キツい」型ルートだからけっこう大変。
細い階段の両側は庶民的なアパートで、誰かの話し声とかテレビの音とか、さらに
赤ん坊の泣き声とかまでよく聞こえる。日本で言うと長屋に近い風情だ。
コタン小路_f0189467_23123917.jpg

階段を登る途中で振り返ってみる。うわーアッという間に高くなったなぁ〜。
しかし路地の巾が狭すぎてほとんど眺望ってものがない(笑)。これで2/3くらい登ったかな?

昼間、アミアン大聖堂を見て散々歩いた後だからこの登りはキツかったぜ。
はぁはぁ…とりあえず、サクレ・クールの正面に出て、大きく開けたパリの眺望を見たい。
あの奥の階段を登れば正面側に出られるはずだ。
コタン小路_f0189467_2313374.jpg

しかし、サクレ・クールも裏側だと観光客がまったくいないね。
地元の保母さん(かな?)が大量のガキンチョたちを連れて散歩してた。
コタン小路もそうだけど、誰もが知る有名なモンマルトルの丘も、一部の観光エリアを除けば
意外なほど庶民的な、フツーのパリの人々の生活感が感じられるんだよね。
こう言っちゃナンだけど、「お金持ちの住むところ」という感じは薄いエリアだ。

おそらく昔からそうだったはずで、そういう街の風景をユトリロは愛した。
もっとも、後年になってからの風景画には絵葉書を見ながら描いものが多いらしい。
元々、若くしてアル中で入院したり、生活的には破綻した人みたいなんだよね。

でも、彼が愛したモンマルトルの風景は今もほぼそのまま、残っている。
ちょいとばかり感慨にひたるイ課長であった。

サクレ・クールについては次回、書くっす。


 


by tohoiwanya | 2009-07-20 23:33 | 2009.05 パリ旅行 | Comments(6)