2013年 03月 11日 ( 1 )


2013年 03月 11日

あの日から二年

昨年の3.11はちょうど欧州出張から帰国した翌日で、日曜日だったはずだ。
イ課長は自宅で時差ボケボケで、震災1年目を考えるユトリはあまりなかった。

しかし今年、オフィスにいる時に遭遇したあの震災から2年目の日を、同じオフィスで迎えるとなると
やはりいろいろ思い出さずにはいられない。
軽薄おバカな旅ネタが中心のイ課長ブログだが、あの日のことを少し書いておきたい。

最初の揺れがきたのは、ちょうど紙コップにコーヒーを注いで持ってきた時だったんだよね(笑)。
大きな揺れがきて、女子社員は悲鳴をあげ、みんな床に座り込んだ(立っているのは難しかった)。
ちょっとしたパニック状態で、あわてて防災用ヘルメットをかぶる者、デスクに頭を突っ込む者、
みんな動転していろんなことをしてたよ。

イ課長も机の中に入ろうかと思ったんだけど(体格的にそれは非常に難しいことなのだが)、
その時、さっき持ってきた紙コップから、揺れにあわせてコーヒーがちゃぷん、ちゃぷんと
右に左にこぼれ出し、デスクがコーヒーでびしょびしょになっているのに気づいた。

「コーヒーがキーボードにかかったらパソコンが壊れちまう・・」なんてバカなことを考えながら
揺れが収まるのを待った。
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あの日は、その後何度も大きな揺れが来た。
その何度目かのとき、イ課長は外の様子を見ようと思ってヨロヨロと窓にしがみついて
外を見たんだけど、その時見た光景は忘れられるものではない。

歩道にスキマができて、地震の揺れに合わせてそのスキマが広がったり狭まったりしている。
その動きに合わせるように、スキマが広がったときに「ゴボッ」「ゴボッ」って感じでリズミカルに
地下から泥が噴き出してる。これが話に聞く液状化現象か。
湾岸埋立地に出来たコジャレた街が、今まさに壊れていくのを見るのは恐ろしかったね。
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ご存知の通り、イ課長の勤務先がある浦安市は、液状化被害が突出してひどかったエリアで、
その後すっかり「被災地」として有名になっちまった。被災地でありながら、その後の計画停電じゃ
シッカリ電気停められたんだから、踏んだり蹴ったりだったよ。
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結局、震災当日は会社に泊まった。
結果的にはその方がよかったんだと思う。あの夜の主要道路は相当混乱したみたいだし
イ課長は千葉県浦安市から東京都府中市まで歩かにゃならん。無理っす。
歩くことはハナからあきらめて会社に泊まった。もっとも、自宅にいたトホ妻や実家の両親と
何とか連絡がついて、無事が確認できたから泊まっていられたとも言えるが。

会議室の椅子を並べて、ベッドがわりにして寝たけど、寝心地は非常に悪かったねぇ。
おまけに、夜中に何度も何度も携帯の緊急地震速報が鳴るからオチオチ寝てられない。
警報が鳴るたびに恐怖でバッと目が覚める。結局ほとんど眠らぬまま、翌日の朝を迎えたよ。
朝6時半頃に会社を出て、なんとか電車を乗りついで自宅に戻ることができた。
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液状化でボコボコになった浦安からかろうじて戻ってきたイ課長の眼には、
「地震のツメアト」が全然感じられない府中の街が、なんとなく信じられなかったよね。
ちょっと極端にいうと「戦争してる国」から「戦争してない国」に入ったような感じだった。

こんな“被災”経験、東北の被災者の方々にくらべれば取るに足らぬものであることは
重々承知している。しかし多くの日本人にとってそうであったように、イ課長にとっても
2年前の震災は「それまでの人生で遭遇した最も大きな自然災害」だったわけで、
備忘録がわりに書き留めておきたかったのである。

あの日はまだ状況がよくわからぬまま、このブログで状況報告だけした。
しかし、その後状況がわかってくるにつれ、ブログはあまり更新できなくなった。
福島原発の、刻々と事態が悪くなるニュースを毎日見てた時は、正直いって
「今この時のことを、“あの時は大変だった”と将来振り返れるんだろうか?」と思った。
このまま、何もかもがどんどん悪くなるような気がして、気持も沈んだもんだった。

2年後のいま、こうしてイ課長は生きている。普通に会社で仕事を続けている。
あの震災以後、行った海外出張の回数だって、すでに4回を数えてる。
こうしてみると「生活は元に戻った」と言っていいんだろう。

しかし元に戻ってない人たちもたくさんいる。
取り返しのつかないものを失った人たちもたくさん、たくさんいる。
そにて何より、あの震災で亡くなった方々がたくさん、たくさん、たくさんいるのだ。

この後、14時46分に会社では黙祷があるらしい。
イ課長としても、震災で亡くなった方々のご冥福を祈りたいのである。


 
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by tohoiwanya | 2013-03-11 14:40 | 日本でのオシゴト | Comments(0)