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2013年 08月 05日 ( 1 )


2013年 08月 05日

アウシュビッツ強制収容所 その2

博物館では、まずアウシュビッツの全体像が説明される。
いうなれば「はじめに -アウシュビッツ強制収容所の概要-」といったところか。
とりあえず、地理的関係はこのパネルがわかりやすいから、イ課長もこれを元に説明しよう。

パネルのほぼ真ん中下のあたりに KL AUSCHWITS Ⅰ っていう施設がある。
これがいわゆる「アウシュビッツ強制収容所」で、いまイ課長たちがいるのもここだ。
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パネル左寄りに  KL AUSCHWITS Ⅱ BIRKENAU って書いてあるのがビルケナウ強制収容所。
ビルケナウの方が圧倒的に面積が広くて、大規模な収容所であることはこれを見れば一目瞭然だ。
「本店」だけじゃサバききれなくて、近くにウンと大規模な「支店」を作ったということらしい。
我々が普通イメージする「アウシュビッツ」って、この2つの収容所機能を合わせたもの、と考えていい。

両収容所は直線距離でせいぜい2kmくらいしか離れてない。
我々もアウシュビッツを見学した後は、バスでビルケナウに移動することになる。

この革ジャンのおばさんがガイド。英語の上手な人で、であるがゆえにイ課長にはややヒアリング困難。
ただね、負け惜しみで言うわけじゃないけど(笑)、アウシュビッツでガイドさんの英語がわかるかどうかは
それほど決定的な問題ではない、とイ課長は思う。
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「アウシュビッツの概要」をガイドさんが説明しようとすれば、どうしても収容所の面積が何万㎡だとか、
ここに収容された人がウン百万とか、死んだ人がウン百万とか、定量的な説明が多くならざるを得ない。
なんとかミリオンみたいな巨大な数詞がやたら頻出することになる。

要するに数量としてイメージするには大きすぎる数ばっかりで、英語がわかっても事情は同じだと思う。
仮に日本語で「百万人が殺された」って言われても、とっさにはピンとこないのと同じだ。だから、
英語ヒアリング能力が拙劣だから行ってもわからないという心配はしなくていいと思う。極端に言えば、
説明が全くなくてもアウシュビッツに行って、感じるものは大きいと思うのだ。

ちなみに、アウシュビッツには正式のテストに合格して、公式ガイドを務める日本人が一人だけいる。
中谷さんという男性で、この人に日本語でガイドしてもらってアウシュビッツを見学するというのは
ものすごく有意義だと思うよ。たとえ「百万人が殺された」と言われて、すぐにピンとこなくても、だ。
イ課長も中谷さんの著作を図書館で借りて、行く前に予習したよ。

展示物の中には当時の収容者リストみたいなものもある。
文字は読めないけど、こういう手書きのものって、なんかナマナマしくて存在感あるんだよなぁ。
ワルシャワ蜂起博物館で、当時書かれた葉書を見たときのことを思い出す。
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こういう写真もある。ON THE WAY TO DEATH(死への道)って書いてある。
収容所に到着早々、「労働力価値なし」と選別されてガス室に直行させられてるとこじゃないかなぁ?
女子供が多いということ、服装の感じ(長く収容された後のようには見えない)からそう推測される。
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ガス室で発生した死体は焼却にまわされる。クレマトリウム。模型でその処理プロセスが示されている。
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写真左の方に築かれたヤマが何でできてるか、説明するまでもない。
こういう作業はドイツ軍ではなく収容者から選別された人間がやらされたといわれている。
この作業に従事している間は殺されずに済んだのだ。
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展示室を先に進む。
げう。これはガス室で使われたチクロンBの空き缶のヤマだ。
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げうーー。もちろんとっくに有毒成分は消えたカスなんだろうけど、やっぱりキモチ悪い。
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「アウシュビッツの概要」から始まった展示はこうしてだんだんダークサイドに入っていく。
たとえばまずこんなのがある。これって、収容者から没収したメガネの山なのだ。
なんとかミリオンって言われても実感がわかないけど、こういう実物は無言の説得力がある。
これらのメガネをかけていた人たちがどうなったか、考えなくてもわかるし。
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でもね、メガネあたりを見てるうちは、それでもままだいいんだよ。
「このメガネをかけてた人たちはみんな・・・」と考えるゆとりが見学者のガワにもまだある。
しかしだんだん打ちのめされてそういう余裕がなくなっていく。何に打ちのめされるかっていうと、
要するに展示物の内容に加え、その量に圧倒され始めるからなんだと思う。

「どんなもの」が「どんだけの量」あるか、次回さらにご紹介しまっす(まだまだ続くぞ覚悟はよいか?)。


  

by tohoiwanya | 2013-08-05 00:15 | 2012.06 東欧・北欧旅行 | Comments(6)