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2018年 02月 05日

威勢のいいマンダレー野郎が就く職業

さて、バガンネタもだが、マンダレーネタも書いていかんとな。

マンダレーにはヤンゴンみたいな路線バスは(たぶん)ない。流しの四輪タクシーもなかった。
頼れるのはバイクタクシーか、乗合ピックアップトラックってことになる。

この乗合ピックアップって、タイでいうところのソンテウにあたる。
小型トラックの後ろを座席に改造したもので、途中で乗客を乗せたり降ろしたりしながら
目的地まで走る。だからピックアップっていう名称になったんだろうな。マンダレーで
初めてピックアップに乗ったのはバガンから移動してきた日の午後だった。

初めての町で、初めての乗合ピックアップに乗るガイジン。不安要素はいっぱいある。
ドレに乗りゃいいのか?目的地でちゃんと降りられるか?料金いくら?帰りのピックアップは
何時頃まであるの?・・etc。
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しかしだいじょーぶ。マンダレーのピックアップには運転手に加えて必ず「車掌」がいる。
この車掌がとにかく優秀で頼りになるんだよ。イ課長の初ピックアップ体験を例にご説明しよう。

行きたい場所はアマラプラという所だった。マンダレーから40分くらいかかるらしい。
とりあえずアマラプラ行きピックアップが出てるはず、という場所に行ってみた。

すると確かにピックアップは何台も停まってる。しかしドレがドコ行きかカイモク不明。
そこにいた屈強なニイちゃんに「アマラプラ?」と聞くと、これに乗れというから乗った。
後で知るわけだが、この屈強ニイちゃんこそアマラプラ行きピックアップの“車掌”だったのだ。

車内はこんな感じ。狭い。身を縮めて座る巨大ロボット。同乗者にお坊さんがいるあたり、
いかにも東南アジアの仏教国を旅してるなぁって気分にさせてくれる。
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しかしピックアップが走り出すとそんなノドカな気分も吹っ飛ぶ。次々に人が乗り込んできて
車内は相当の混雑だ。人間だけじゃなく荷物も多いからね。下の写真の奥、紺のポロシャツ着た
ガッチリしたお兄いさんが車掌ね。その右、ピンクのシャツきたヤセた若造は、もしかすると
「車掌見習い」の若いヤツかもしれない。ガイジンはイ課長ひとり。
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停車+乗客乗り降りの頻度はけっこう高い。
車掌は走行中、常に荷台の乗り口ワキに立ち、鋭い掛け声で運転手に停まれとか走れとか、
指図し、乗客から料金を徴収し、かと思うと乗客の荷物の上げ下ろしを手伝ったりして
けっこう忙しい。

長く停車することもある。そういう時はたちまち物売りが寄ってくる。
東南アジアの公共交通機関は楽しいのう。
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そんな道中を楽しんでたら、何の変哲もない道の途中で車掌が突然イ課長に「降りろ」と言う。
え?ここがアマラプラ?もっと遠いのかと思ってたぞ。この車掌のお兄ぃさんはイ課長が乗る時に
「アマラプラ?」って聞いたのをシッカリ覚えてて、教えてくれてたわけだ。道中、乗客はかなり
入れ替わったのに大した記憶力だ(ま、ガイジン乗客が一人だけだから目立ったのも確かだろうが)。
いやありがとう。教えてくれなきゃイ課長は絶対確実に乗り過ごしてたよ。

あ、戻りのピックアップの最終が何時か聞かなきゃ、と思ったら、そんな外人旅行者の不安を
見透かしたように「ファイブ、オクロック」と教えてくれる。ひょええー、ちゃんと心得てやがる。
恐れ入った。お前さんたちこそまさにプロだ。この場を借りて改めてお礼を言わせてもらうぜ。
ちなみに、町の中心部からアマラプラまで約30分乗って料金は500チャット(45円くらい)。
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この後もマンダレーで何度かピックアップに乗ったけど、車掌の仕事ぶりにはいつも感心した。
運転手への指示や料金徴収ばかりか、時には病院みたいな「乗客のいそうなところ」で降りて
中に入って“営業”までやる。まさに車掌こそがピックアップの運行責任者と言ってよさそうだ。
車掌が御者なら、ドライバーは単に御者の指示に従う馬に近い(笑)。荷台の右後ろンとこが
常に彼らの定位置なのである(車が右側通行で、乗客も道路の右側で待ってるからね)。
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彼らを見てたら、何となく江戸時代の船頭さんを連想した。落語によく出てくる。
町の重要な交通機関の運行を担うお兄いさん。体力なしのジジイには勤まらない仕事だ。
元気で声がデカくて威勢が良くて、大荷物持ったご婦人にはやさしいっつうんだから、
男の中の男だぜ。マンダレーの女どもが放っておかねぇだろ、ええ?

庶民の、そして貧乏性ガイジン旅行者の(実際、外国人乗客は常にイ課長だけだった)強い味方、
ロンジー姿が似合うお兄いさんたち、ピックアップ車掌は今日もマンダレーを走るのである。

 

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by tohoiwanya | 2018-02-05 00:29 | 2017.08 ミャンマー・タイ旅行 | Comments(0)