2018年 07月 30日 ( 1 )


2018年 07月 30日

シュエサンドー・パゴダで朝日を見る その3

シュエサンドー・パゴダの西側に広がる光景を見たイ課長は一瞬のうちに激しく感動し、
一瞬のうちに悟った。バガンの朝日鑑賞で見るべきは、朝日がのぼる東じゃなかったんだ。
西だったんだよ!朝日を正面からうけてダイダイ色に染まる、西側の仏塔群。この美しさは
写真では到底伝えられない。
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ああ何てこった。朝日鑑賞という目的に引きずられ、イ課長を含む全ての観光客はずっと
東の方向ばかり凝視していた。今も大多数の観光客は東側にいて、西側テラスを歩いてるのは
イ課長一人だ。しかしこの西側テラスからダイダイ色に染まる仏塔群を見た時、イ課長は
東側で朝日を見ていた時以上に感動してしまったのだ。これだ。これだよ。この光景こそ、
まさにバガンでだけ、朝日の時だけ見られる奇跡ではないか。
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日が昇る東の方を見ると、当然のことながら全てのものは逆光になる。
それに、アッチはここまで仏塔が密集してない(と思う)。例のけしからぬタワーなんかも
視界に入ってしまう。こういう風には絶対見えないんだよ。西だ。見るべきは西だ。
そう悟ったイ課長はほとんど恍惚となりながら少しずつ色を変えていく赤い仏塔群を眺めた続けた。
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この時、イ課長はある本の一節を卒然と思い出した。
以前書いた、シャクルトン関連本にあった一節で、浮氷の群れが巨大な波のうねりに合わせて
押し寄せるという筆舌に尽くせぬ壮大な光景を、探検隊全員が魅入られたように眺めてた時、
隊員の一人がテニソンの詩の中の一節を思い浮かべるんだよね。それがまたやけに
カンドー的な一節なんだよ。

見たことのない これから見ることもない ここでもどこでも
わたしが死ぬまで たとえ三つの命を生きようとも この大いなる奇跡・・・


「アーサー王の死」っていう長~い詩の一節だそうで、もちろんイ課長は読んでない。
しかし大げさ好きのイ課長はバガンで、朝日に赤く照らされた西側の仏塔群を目にして、
シャクルトンの本にあったこの大げさな一節を思い出してしまったわけですよ。

わたしが死ぬまで たとえ三つの命を生きようとも この大いなる奇跡・・
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おおーーい。そこの仏塔に登ってるカップルさんよーー。
いつまでも東側に見とれてないで、だまされたと思って西側に回ってごらん?
このバガンの奇跡、早くみないと仏塔の色がダイダイ色じゃなくなっちゃうよー。
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実際にはバガンで朝日を眺めるのは奇跡でも何でもない。ビザとって飛行機乗って、
バガンで早起きすれば誰でも見られる。その気になりゃイ課長だってもう一回見られる。
なにも三つの命を生きなくてもいいのだ。もし、もう一度見る機会があったら、こんどは
早めに西側に移動して、暗闇から徐々に浮き上がるダイダイ色の仏塔たちを・・

・・・てなことを書くつもりだった。

だがこの記事を書くために確認調査をしていたイ課長は衝撃的事実を知った。
「奇跡でも何でもない」なんてことは安易に書けなくなったのだ。コトによると、
今回イ課長が見たようなバガンの朝日はもう見られないかもしれないんだよ。
ショッキングなこの情報。詳細は次回。

 

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by tohoiwanya | 2018-07-30 00:09 | 2017.08 ミャンマー・タイ旅行 | Comments(2)