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2011年 03月 31日

ハンプトン・コートに行く -その1-

ロンドンからハンプトン・コートに行くには鉄道が便利。30分弱ってとこかな。
ただし直行は少なくて、途中で一度乗り換える場合が多いからご注意下さい。
この辺についてはいずれ、ロンドン鉄道ネタを書く時、詳細にご紹介しよう。

曇り空の2010年11月20日土曜日の朝、イ課長はハンプトン・コートに向かった。
目指す駅の名前はそのものズバリ「Hampton Court」。終点駅なのである。
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おお、駅にはちゃんと日本語の看板まで出ているではないか。助かるね。
駅前から橋をわたると(川幅は広くないけど、ここ、一応テムズ川の上流らしい)、なるほど、
向こう岸に重々しいコゲ茶のレンガで造られたハンプトン・コートが見えてくる。
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これが正面入口。建築様式としては「チューダー様式」っていうらしい。
大法官トマス・モアを描いた名作映画「わが命尽きるとも」でもこのあたりが出てきてたよなぁ。

さて、ここでハンプトン・コートにまつわるゴースト伝説を整理しておきたい。
前回「ここにはゴースト伝説の2つや3つあってもおかしくない」って書いて、
キャサリン・ハワードの幽霊の例を挙げたけど、実際問題としてハンプトン・コートには
一体どのくらいのゴースト伝説があるのか?…いや、あると言われているのか?

とにかくすごいんだコレが。さすがは英国随一のゴースト・スポット。出演者?も多彩で、
イ課長がちょっと確認しただけでもこれだけのゴースト伝説がある。

①キャサリン・ハワード:
前回書いたお妃5号。彼女が叫びながら走っていくというホーンテッド・ギャラリーこそ
今回のハンプトン・コート探検の最重要地点なのである。

②ジェーン・シーモア:
使い捨て男子出産マシンとして死んだお妃3号。大時計で有名な中庭クロック・コートで
彼女の幽霊を見た、いや私は階段で見たといった報告が多い(…らしい)。 

③アン・ブーリン:
お妃2号。このヒトは「1000日のアン」っていう映画にもなってるほど有名な王妃で、
ハンプトン・コートばかりじゃなく、斬首されたロンドン塔でも自分の生首を持った姿で
出没するだの、子供時代を過ごしたナントカ城にも出るだの、あちこちでゴースト伝説になってる。
多忙な出演スケジュールをこなすゴースト界のスーパー・セレブといえる。

④トマス・ウルジー枢機卿:
ヘンリーの重臣だったけど、お妃1号離婚工作に失敗して地位を追われ、このハンプトン・コートも
横取りされた(形の上では献上した)。恨んでるだろうなーそりゃ。

⑤ヘンリー8世:
上記①〜④の幽霊が出る原因を作った張本人まで幽霊になって出てくるっていうんだから
なんだかもうワケがわかりません。

⑥シビル・ペン:
ヘンリー8世の息子エドワードの乳母。ハンプトン・コート内に埋葬されたけど、19世紀に
その墓が掘り返され、移設されたのがキッカケでゴーストになって復活したんだとか。

王と王妃、さらに重臣から乳母まで。華麗なチューダー王朝人脈…いやゴースト脈に彩られた
ハンプトン・コートのゴースト伝説というわけなのだよ。アナタも行きたくなった?(笑)

え?しょせん伝説だろうって?
ふふ…ふふふ…ではアナタはこのゴーストを見ても平静でいられるかな?

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これは伝説や伝聞じゃないのだ。2003年にこうして監視カメラにまで幽霊っぽい人影が
写ってたっつうんだからワクワクするじゃないか。ハンプトン・コートはそんじょそこらの
「…という言い伝えがある」程度の、ヘボ心霊スポットとは格が違うのだよ。カクが。

さて、入場券を買おう。14£だ。
14£っつうと、1£130円として…約1800円?たけぇ!!…格が違うから仕方ないか(チクショウ)。
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10時の開館には少し時間があった。外は寒いからチケット売場近くのショップを覗く。
予想されたことだが、店内は「ヘンリー8世と6人の妻」関連グッズの品揃えが充実してる。
しかしこんなマグカップでコーヒー飲んで、美味しいかね?
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そんなヒマつぶしをしてるうちに10時になった。いよいよ行くぞハンプトン・コート。
まだ観光客もまばらで、やけに静かだ。しかも薄暗い曇り空。
昨夜出現したゴーストたちの“残り香”くらいはまだ中に漂っていそうな雰囲気ではないか。
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…うう、また長くなってしまった。ひっぱって申し訳ないが、続きはまた次回。



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by tohoiwanya | 2011-03-31 00:16 | 2010.11 欧州出張 | Comments(2)
2011年 03月 28日

ハンプトン・コートに行く -序章-

さて、烏來に続いて、こんどはハンプトン・コートの話をしたい。
(ようやく、普通のイ課長ブログを書く気になったらしい)
これも1回では終わらない。まず、イ課長がなぜハンプトン・コートに行こうと思ったか、
その背景を説明しておく必要がある。まぁいうなれば“序章”とでもいうか…。

【背景その1:ヘンリー8世と6人の妻】
ハンプトン・コートに住んだ王様として有名なのはヘンリー8世という人だ。
このヘンリー8世、有名な理由はいろいろあるけど、何と言っても「6人のお妃様と結婚した
とんでもないエロ王」というのが最大の理由であることは間違いない。
ご存知の人も多いだろうけど、ザッとおさらいしてみよう。

お妃1号:(キャサリン・オブ・アラゴン)
若死にした自分の兄の嫁サンだった女と結婚。女の子しか産まれず(後のメアリ1世)、ヘンリーが
他の女と交尾したくなったんで強引に離婚され、幽閉同然の生活を強いられたあげくに寂しく死ぬ。

お妃2号:(アン・ブーリン)
どうしてもこの女と交尾したくて1号を離婚したのに、前妻同様、女の子しか産まず(後の
エリザベス1世)、待望の男の子を産んだと思ったらこんどは死産。夫ヘンリーはまた他の女と
交尾したくなり、邪魔になった2号は姦通のヌレギヌを着せたあげくにロンドン塔で斬首刑。

お妃3号:(ジェーン・シーモア)
2号の斬首直後に結婚。というか、その前からとっくにデキてた。待望の男の子を産むも、
難産で本人は死亡したっつうんだから、3号は事実上、使い捨ての男子出産マシン。

お妃4号:(アン・オブ・クレーブズ)
ドイツの貴族の娘と結婚。肖像画を見て美人だと思い込んでたヘンリーだけど、実物を見て
あまりの落差に初対面で離婚を決意(笑)。1〜3号の末路を知ってた4号は素直に離婚を承諾し、
ぶじに天寿を全うした。

お妃5号:(キャサリン・ハワード)
4号の侍女だった、年の離れたコギャルと結婚。性的にだらしないパプー女で、男スキャンダルが
噴出し、大騒ぎになったあげく2号と同様に姦通の罪で斬首刑。

お妃6号:(キャサリン・パー)
この人の場合、幸いにもヘンリーの方が先に死んでくれた。良かったねぇ。

…という、スサマジい結婚遍歴。エリザベス・テーラーどころじゃないのだ。

このヘンリー8世っていう人、6人中2人の妻を斬首刑にしたっていうだけでも相当なもんだけど、
他にも、お妃1号との身勝手な離婚を法的に認めなかった人格高潔な大法官トマス・モアを斬首刑。
醜女のお妃4号を世話した腹心の部下も腹立ちまぎれに斬首刑。
もちろん、2号の姦通の相手にデッチあげられた5人の男(5人?!)も当然、全員斬首刑。
やることがもうメチャクチャなのだ。

そもそも、このハンプトン・コート宮殿も元はウルジー卿っていう重臣の家だったのを
横取りしちゃったんだよね。その身勝手さにかけては英国王室史の中でも傑出した王様といえる。
(下がトマス・ウルジー卿の肖像画。子供の身体に大人の頭みたいで気持ちワルイ絵だ)
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【背景その2:ゴースト伝説】
英国では幽霊、つまりゴースト伝説がものすごく多い。いや、多いというよりも
ゴースト伝説が“珍重される”と言った方がいいのかもしれない。

何しろ、「この屋敷には●●のゴーストが出るという伝説がある」っていうと、そのお屋敷の
不動産価格がグッとはね上がるっていうんだからスゴい。
古い建物で、今は女子校として使われてるなんていうところがあるんだけど、その女子校の
パンフレットにはちゃんと「我が校には○○のゴーストが出るという伝説がある」って
書かれてるらしい(笑)。日本で「ウチの学校には幽霊が出ます」なんて書いたら、生徒は
一人も集まらないだろうけど、イギリスにおいては「ソコにゴーストが出る」ということは
その場所の「歴史あるイワクインネン」を表す付加価値みたいに捉えられてるんだね。

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(上の写真はヘンリー8世とお妃3号と男の子。男の子の顔がこれまたキモチ悪い)


さてだ。
上に書いたように、ヘンリー8世の妻たちは夫の身勝手で大体ひどい目に遭わされた。
特に首をチョン切られた2号・5号なんかは現世に残した恨みもさぞや深かったはずだ。
英国人のゴースト好きと考え合わせれば、ハンプトン・コートに彼女たちのゴースト伝説の
2つや3つあっても全然おかしくないと思うでしょ?

で、実際のところどうかというと…
ハンプトン・コートにはゴーストが出る。少なくとも出るとされている。

おそらく英国のあらゆるゴースト伝説の中でもハンプトン・コートのソレは最も由緒正しい?
ロイヤル・ゴースト伝説と言えるだろう。

中でも、現在絵画展示ギャラリーになっている長い廊下に出る幽霊は有名だ。
ここは「髪をふりみだしたキャサリン・ハワード(お妃5号ね)が自分の無実を王に嘆願しようと
叫びながら走っていく幽霊が出る」というスバラしい場所なんだよね。
その廊下には「ホーンテッド・ギャラリー」という名称までついているんだから恐れ入る。


さぁ、これで大体おわかりになりましたね?
なぜイ課長が土曜の半日観光にイソイソとハンプトン・コートに行こうと思ったか。
ゴースト好きな英国、その中でも最も有名なゴースト・スポットだよ?
アン・ブーリンやキャサリン・ハワードのゴーストにぜひお目にかかりたいではないか。
さぁいざ行かん、ハンプトン・コート宮殿へ。

…と言いたいけど長くなったから続きは次回。本日は序章だけで終わっちまった(笑)。




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by tohoiwanya | 2011-03-28 00:03 | 2010.11 欧州出張 | Comments(2)
2011年 02月 18日

ロンドンのヘボ地下鉄 -その2-

欧州出張で土曜日といえば仕事が終わった翌日で、最終滞在地で半日観光できる日。
去年の出張ではロンドンがその最終滞在地にあたったわけだ。
当然いそいそとハンプトン・コートなんぞを観光したのである(寒かったけどね〜)。

しかし本日の主題は前回に続きヘボ地下鉄だ。イ課長は執念深いのだ。
ハンプトン・コートからウォータール駅に戻り、さらにウォータールー橋を歩いたあの日
ロンドン地下鉄はあの日もヘボヘボだったのだ(笑)。

とりあえずウオータールー橋をわたってテムズ川の対岸に着いたはいいけど、
さて、この後どうしようか。イ課長はガイドブックを開いて検討してみた。

まだ時間があるから金融街シティでもぶらつくか…その先にあるロンドン塔を
見物する時間はないだろうけど、タワーブリッジくらいなら見物できるよな。
タワーブリッジってまだ生で見たことないんだよ、イ課長は。

地下鉄路線図を見ると、黄色で表示された路線のTempleっていう駅がわりと近くにある。
そこからシティ中心部に近いMonument駅まで乗ってももいいし、タワーブリッジそばの
Tower Hill駅まで乗ってもいい。どうせイ課長は一日フリー切符持ってるんだから、
ナンだったら両方行ったってイイわけだ。よし。とりあえずTemple駅を目指そう。

ウォータールー橋のたもとからTemple駅まで歩き始めた。ほどなく赤いマルの中に
UNDERGROUNDと書かれた、おなじみの地下鉄マークが見えてきた。近いじゃん。
えーと…地下への入口は…こっちかな?

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・・・・・ナンだこれわ。

見た瞬間に「この駅は(少なくとも今日は)閉鎖なんだ」とすぐに悟った。
悟ると同時に、イ課長の体内は怒りではなく、すぐにあきらめムードで満たされた。
閉鎖かよ〜…まぁ何しろロンドンの地下鉄だもんなぁ…(タメ息)。
自分がロンドン地下鉄のヘボさ加減にかなり順応したと思えた瞬間であった。

土日だから閉鎖なのか、あるいは一定期間ずっと閉鎖なのか、その辺はわからん。
何かの工事か、他の理由で閉鎖なのかもわからん。でも工事中には見えないけどなぁ〜?

まいったなーーしかし。
このTemple駅がダメとなると、次に近い地下鉄駅は同じ黄色表示路線の隣の駅だ。
隣の駅まで歩くか…しかしこの「イエロー線」、今日はこの駅だけじゃなく、このあたりの区間
ぜんぶダメと考えた方がイイんじゃないか?Temple駅だけ閉鎖ってのは考えづらいもんな。
数日間でロンドン地下鉄に対する推理力と猜疑心が大きく成長したことに感心した瞬間であった。

イエロー線のこのあたりの駅が軒並みダメと仮定すると…
他路線につながるのはMonument駅だ。そこまで歩くの?参ったなーーー。

Monumentって、今いるTempleから数えて4つ目の駅だ。
地下鉄駅4つ分ってけっこうな距離だ。東京の銀座線だったら銀座から赤坂見附まで。
このクソ寒いのによゥ…ったく。全部オマエが悪いんだぞ!ロンドンヘボ地下鉄!
なーーにがアンダーグラウンドでい!閉鎖じゃねぇか!プンスカ!!
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おそらく、土日っていうのは平日以上に区間閉鎖だの駅の閉鎖だのが多いんだろうな。
日本でも電車の運行を停めなきゃいけないような工事は土日を狙ってやるもんね。

この時は半日観光だったから、たいして時間を気にしてたわけじゃないけど、
寒さにふるえながら地下鉄駅4つ分歩くのはけっこうしんどかった。

ひたすらテムズ河畔を歩き通してようやくMonument駅の近くまで来た。
テムズ川のこの地点にはミレニアム橋っていう変わったデザインの橋がかかってる。
この橋はその名のとおり、西暦2000年記念事業の一環として架けられた橋だそうで、
車の通らない歩行者専用橋なんだよね。せっかくだから歩いてみよう。
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お?タワーブリッジが遠くに見えるじゃん。
やったーー。イ課長はついにタワーブリッジを見られたーー。ばんざーーい。
こんな遠くから見るハメになったのは全部ロンドン地下鉄が悪いんだーー。ばかー。
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とにかくこの日はよく歩き、かなりくたびれてパディントン駅に戻ってきた。
幸い、赤い路線と茶色い路線はチャンと動いてたから戻って来られたとも言えるが。

パディントン駅の改札を出た。ロンドンのヘボ地下鉄に乗るのもこれが最後だろうな。
あとはホテルに預けた荷物をピックアップして空港行って…ところでこの表示は何だい??
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ひぃーーーーーッ!これって「本日の路線別運行状況」に違いない!
白いところが「Good Service」つうから、いうなれば「平常運転」。
青くなってるトコは「Part Closure」って書いてある。「部分的閉鎖」か。
便宜上イエロー線って書いたのは「サークルライン」、これもやっぱり青くなってる。しかも
ここだけは「Planned Closure」なんて書いてある。「計画的閉鎖」とでも訳すべきか。

…なんて英語のオベンキョウはどうでもいいんだよッ!!
11路線のうち5路線、ほぼ半分が何らかの閉鎖っつうんだから呆れけぇるじゃねぇか。
いくら土日に集中工事するっつうてもだな、もう少しヤリようってもんがねぇのか?

大体なぁ、計画的閉鎖だなんて言ってもなぁ、イ課長はそんな計画知らねぇよ!
3日前にロンドン来たばっかのガイジンが知るわけねぇじゃん!計画的もヘチマもあるかい!!

「ヘボさに順応した」と思ったが、ロンドン地下鉄のあまりと言えばあまりのダメさ加減に
結局ブチ切れたくなった瞬間であった。

まったくもう〜…ホンッッットどうしようもねぇ野郎だよ、ロンドンの地下鉄は。
オリンピックまでにマトモな了見に改心するとはとても思えないんだけどなぁ〜?




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by tohoiwanya | 2011-02-18 00:09 | 2010.11 欧州出張 | Comments(2)
2011年 02月 16日

ロンドンのヘボ地下鉄 -その1-

以前に「ロンドンでダメダメなもの3つなら、その一つは地下鉄の運行」って書いた。

ロンドンの地下鉄運行に関しては、20年前に訪れたときは全然問題だと思わなかった。
他の都市と同様、地下鉄は当たり前に動き、イ課長たちは当たり前にそれを利用した。

ところがだよ…

去年行った時はヒドかったねー、ロンドンの地下鉄。
「ロンドンの地下鉄は運行中断だの、駅の臨時閉鎖だの、いろいろあるぞ」と
事前に聞かされてはいたが、実際利用してみてつくづくヒドいと実感した(笑)。

一つにはオリンピックを控えてるっていうことが影響してるんだろう。
とにかくロンドン地下鉄網いたるところが工事中で、工事による駅の一時閉鎖だの
路線の部分運休なんていう変更が多いみたいだ。

しかしオリンピックがあろうがなかろうが、だ。
とにかくロンドンの地下鉄は施設の老朽化や不十分な保守管理といった根本的問題を
抱えてるって気がするんだよなー。まるでモグラたたきのように次々見つかるダメ部分を
次々と補修工事してると、そんな印象をうける。

まぁいい。とりあえず本日は皆様をロンドン地下鉄体験ツアーにご案内とまいりましょうか。
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地下に行くのにはこんな感じの長〜いエスカレーターに乗っていくことが多い。
エスカレーター横には大体映画とか舞台の広告なんかが並んでたね。
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ホームはこんな感じ。トンネルはすべて円筒形にクリ抜かれてて、車両もぜんぶ上部が
ラウンドシェイプ。だから通称「チューブ」。パリはメトロ、ロンドンはチューブと。

トンネルと地下鉄車体のサイズの差ってのがまた驚くほど少なくて、下の写真をみると
トンネルのサイズが、電車がギリギリ通れる直径だっていうのがわかるよね。
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問題はこの「上部が内側に曲がったドア」だ。これがイカン、実にイカン。
普通の人には問題なくても、イ課長のように身長の不自由なヒトには大変な苦労を強いる
とんでもないドアなんだコレが。

ロンドンの地下鉄ってけっこう混んでるから、最後に必死に乗り込んで、自分の背中で
プシュッとドアが閉まるなんてこともママある。まぁそんなことは日本でもママあるが。

しかし、ドアぎわに背のデカい人間が立つと、とんでもないことになる。
この曲がったドアが閉まるんだよ?当然、頭はそのドアより低い位置にする必要がある。
必然的に、長身者はドアの湾曲に合わせてずーーっと首をかしげてなきゃイカン。
次の駅に着くまでずーーーーーっとだ。何せ車内はすし詰めなんだから。

混んだ車両だから目の前にも乗客はいる。その乗客に、まるでキスを求めるように(笑)
首をかしげ、顔を寄せ続けていなければならないというこの運命。
背高ノッポだけが味わう、ロンドン地下鉄の隠された地獄と言っていい。

ドアぎわに乗ったノッポに不自然なヨガのごときポーズを強いるロンドン地下鉄。
長身者たちがロンドン市交通局に集団訴訟が起こさないのが不思議だ。
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ちなみに車内はこんな感じで、これはもちろん写真を撮れる程度に空いてた時に撮った。
混んでる時は押し合いヘシ合い、その上首ネジ曲げたりして、写真どころじゃないのだ。

ん?ある駅に停車したと思ったら地下鉄がいつまでたっても発車しないぞ。
5分…10分…発車しない。一体どうしたんだ?何かあったのか?

車内アナウンスがある…もちろんナニを言ってるのかイ課長にはよくわからない。
するとドウよ。乗客たちは何やら口々に唸りながら、続々と降りていくではないか。
イ課長、思わず隣にいたオバサンに「ホ、What?!」って聞いちゃったぜ。
しかしこのオバサン、苦笑いして力なく首をヨコに振ってみせるだけ…

「この電車ココで運行ヤメ。死んだ。みんな降りて」というわけだ(たぶん)。
ついさっきまで元気に走っていた地下鉄の“突然死”。実に悲惨な話ではある。
しかしもっと悲惨なのは乗客だよクヌヤロウ。
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列車から降ろされた乗客で狭いホームはあふれんばかり。この次に来た電車に乗るしか
ないわけだが、それがどんなに混んでいるか、考えただけでもウンザリだ。

乗客たちは口々にロンドン市交通局に対する呪いの言葉を叫び…と言いたいとこだが、
実はロンドンの紳士淑女、地下鉄のこんなヘボっぷりには慣れっこなんですねー。
辺りには従順なあきらめムードだけが漂っているのである。

…と、こんな調子で、まったくどうしようもねぇヘボなんだよ、ロンドン地下鉄はよゥ。
もうちょいと身を入れてマジメにキチンと走ったらドウなんだ?ばっきゃろう。
特にあのヒン曲がったドアだ。アレが長身者をいかに苦しめてるか、少しは考えろ。
東京の大江戸線だってもう少し長身者にやさしいぞ。ロンドン地下鉄のバカ!!

最初に書いたように、ロンドンの地下鉄はヘボであるって話は行く前から聞いてはいた。
現地の通訳さんも、翌日の地下鉄運行が大丈夫か調べてくれたりしたもんだ。
しかし東京の地下鉄に慣れたイ課長としては、実際に体験するまでは実感としては
わからなかったね、このダメさ加減。

上に書いた「地下鉄の突然死」に遭遇したのは金曜の夜のことで、前に書いた
バークレー・スクエアを見に行く途中のことだ。仕事が終わった夜だったからまだイイけど
こんな状況が朝だの昼だのにアチコチの路線で頻発してたらたまったもんじゃないぜ。
…でもまぁ、たぶん頻発してるんだろうなぁ、あの調子じゃ。

ロンドン地下鉄体験ツアー、いかがでしたか?
世界を代表する大都市の、地下鉄のダメさ加減をご堪能いただけましたでしょうか?
それではまた長〜いエスカレーターに乗って地上に戻りましょう。やれやれ。
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だがしかし、ロンドン地下鉄のダメっぷりはこれだけじゃ済まないのだ。
翌日、土曜日の半日観光のときもイ課長はロンドン地下鉄のおかげで迷惑を蒙った。
ロンドン地下鉄告発記事にはちゃんと「その2」があるのである(笑)。




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by tohoiwanya | 2011-02-16 00:15 | 2010.11 欧州出張 | Comments(0)
2011年 02月 07日

イングリッシュ・ナショナル・オペラ

欧米の大都市に出張した時の、イ課長の重要なオタノシミといえばオペラだ。
過去にプラハフランクフルトミュンヘンワシントンDCで、出張ついでにオペラを観た。
仕事の準備より、現地劇場の演目チェックやチケット購入といった準備活動の方に
ずっと真剣に取り組んでいるんじゃないかというご批判があるかもしれないけど、
その批判はまったく当たっている(笑)。

昨年の欧州出張ではフランクフルトとロンドンでオペラを観る物理的チャンスがあった。
しかし欧州に到着早々、まだ出張の先も長いフランクフルトでオペラ鑑賞っていうのは
気分的にはあまりステキじゃない。やっぱこういう娯楽は出張最後の夜とかその前日とか、
とにかく出張終盤に設定して「最後にオペラがあるから、それまで出張を頑張ろう」という
モチベーション高揚につなげたいところだ。
(ほらね?一応シゴトのこともチャンと考えてるでしょ?)
というわけで、フランクフルトでのオペラ鑑賞は見送り、ロンドンに賭けた。

ロンドンのオペラといえば、一番有名なのは言わずと知れたロイヤル(王立)オペラハウス。
コヴェント・ガーデン・オペラの名でも有名な、世界でも指折りのオペラハウスだ。
でもイ課長滞在中の演目がイマイチ魅力的じゃなかったんだよねぇ。
(たしか、「アドリアナ・ルクブルール」か何かだった)

ロンドンにはもう一つオペラがある。イングリッシュ・ナショナル・オペラだ。
ここはロイヤルオペラほど有名スター歌手が出るわけじゃないけど、チケット料金は安くて、
要するにまぁ庶民の味方のオペラハウスとでもいうか…。原曲が何語であろうと、
必ず英語で上演するのが原則になっているらしい。

イ課長滞在中のナショナルオペラの演目を調べたら…お!「ラ・ボエーム」やん!
おおこれはイイ。ラ・ボエームといやぁプッチーニの超名作オペラ。
しかもオペラ演出家としてけっこう名の知れたジョナサン・ミラーの演出。

ボエームならイ課長も何度も観たことあるから、話のスジを追うことにキュウキュウとせず
舞台をゆったり楽しめるじゃん。これはいい。断然コレだ。
というわけで、そのままネットでチケットを予約。
業務に関わる出張手配は面倒だの煩雑だの言うくせに、こういうコトは素早い(笑)。

イギリス国内ならチケット郵送っていう方法が可能みたいだけど、外国じゃそうもいかん。
そういう人たちのための、イングリッシュ・ナショナル・オペラのシステムはこうなってる。

①欲しいチケットをクレジットカードで予約し、決済する
②上演当日早めに行き、①でネット決済した時のカードを劇場玄関のチケットマシンに
 入れるとスルスルとチケットが出てくる…

…というようなことが英語で説明されていた。へぇ〜。
ワシントンDCだと予約番号みたいなのを窓口で示し、パスポートを提示した上で
予約したチケットをオバチャンが渡してくれたけど、ココは機械化されてるわけだ。
チケット引き換えは重要だから、何時までにやらなきゃダメかとか、真剣に確認しておきましょう。

ちなみに、買ったのは3階席のサイド。料金は58£(約8,000円弱くらい)だった。
何かのトラブルでチケットが手に入らないと8,000円がパー。真剣にもなるわな。
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さて、オペラの当日だ。2010年11月18日の夜だ。ここはロンドンだ。
ナショナル・オペラの本拠地、ロンドン・コロシアムはトラファルガー広場に近い繁華街にある。
ビッグ・ベンまで歩いたあの夜、とりあえず先にチケットだけ確保しとこうと思って、
上演の1時間以上前に劇場の中に入ってみた。
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はは〜…確かに正面ロビーのわきに機械が2台ある。これがチケットマシンか。
さっそくチケットを予約した時のクレジットカードを入れてみよう。

入れると画面になにか英語が出た。よく意味がわからなくて一瞬パニクったけど、
ほどなくスルスルとチケットが印刷されてきたではないか。よかったよかった。
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実際にはまだ上演までだいぶ時間があったから、ピカデリーサーカスまで散歩したり、
オペラ鑑賞前の腹ごしらえをしたりしたわけだけど、まぁその辺は後日の更新で書くとして
本日のところはさっそく劇場の中に入ろうではないか。

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おおおーーーーーーー…

うーむ…想像していたより劇場の内部はずっと豪華だ。歴史と伝統を誇る劇場なんだろう。
プラハの時もそうだったけど、やっぱせっかくヨーロッパの劇場でオペラ観るなら、
近代的なホールじゃなく、こういう、19世紀的香りの残る空間で観るのがキブンだよね。
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オペラ自体も非常によかったよ。
歌手陣もオーケストラも、誰かが突出して目立つってことなくバランスがとれてて
クォリティは非常によくまとまっている。イタリア語上演なら全然わかんないけど、
英語上演だから「こんな風に英訳するんだ〜」ってのがところどころわかったりするのも楽しい。

イングリッシュ・ナショナル・オペラの「ラ・ボエーム」。
非常に楽しませていただきました。途中で眠くなることも全然なかった(笑)。

最初の方で書いたように、ロンドンのオペラといえばロイヤル・オペラが有名。
(ちなみに、ロイヤル・オペラは2011年に来日公演もやる)
しかし、ロンドンのもう一つのオペラハウス、イングリッシュ・ナショナル・オペラも
なかなか良うござますよ。ロンドンご訪問の際のナイト・アミューズメントとして
イ課長、お勧めいたしますですよ?



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by tohoiwanya | 2011-02-07 00:19 | 2010.11 欧州出張 | Comments(2)
2011年 02月 03日

ドイツ・英国 喫煙事情

以前、ドイツは喫煙に関して意外にユルいっていう話を書いたことがある。
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上の写真のように、ドイツのホテルもエレベーターホールみたいなパブリック・ゾーンでは
タバコはダメみたいで、灰皿にタバコダメマークがついてる(部屋では吸ってよかった)。
ドイツだって別に野放しというわけでは全然ないのだ。

でもドイツで道を歩いてると、けっこうよく灰皿(と、そこでタバコを吸う人)を見かけるんだよ。
たとえばフランクフルト中央駅でも、どこの出口にも必ずゴミ箱と灰皿がある。
東京駅の八重洲口や丸の内口のワキに灰皿があるかと言えば、たぶんないだろう。

フランクフルト近郊の小さな駅で、夜の6時過ぎに電車を待っていた。
とりあえずその日の仕事も終わったし、電車待ってる間に1本タバコでも吸おうかなと思って
灰皿あるかな?と探したらちゃんとあった。ここでもゴミ箱と一緒になってる。
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JR東日本は新幹線以外のホームにはたぶん喫煙所なんてないし、灰皿もないはずだ。
しかしドイツ国鉄だと小さな駅でもチャンとあるというわけだ。相変わらず中途半端な喫煙者である
イ課長、この時はこの灰皿でタバコを吸わせていただきました。

ちなみに、イ課長がドイツ出張のたびに現地で買うタバコはこれ。
日本で売ってる一番軽いヤツとたぶん同じ、ニコチン0.1mgっていうタイプだと思う。
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英語なら「アールワン」、ドイツ語ならたぶん「アールアインス」って発音するんだろうけど
ドイツのタバコ屋でいくら「アールアインス」って言っても通じない。
コレだよって指差すと、(おそらくトルコ系の)店員が得意そうに「アールアインス!」って
イ課長に発音の手本を示しやがる。同じように言ったじゃねぇかよクヌヤロウ!!

まぁタバコ銘柄発音問題はおいといて…だ(笑)。

こんな風に、比較的屋外でタバコを「吸いやすい」ドイツからロンドンに行ったわけだ。
さて、イギリスの喫煙事情はどうなのか?

たぶん法規上はドイツよりはタバコを吸いづらい国なんだと思う、イギリスは。
ホテルの部屋にも灰皿がなかったから、たぶん全館禁煙なんだろうな。
通訳さんの話だと、イギリスではパブでも店内では吸っちゃダメって法律ができたそうで、
レストランなんかではもちろん、街を歩いてても灰皿なんてついぞ見かけない。

明らかにドイツよりは喫煙に対するシメツケは厳しいといえる。
じゃ、吸ってる人も少ないかというと、実はみんなけっこう吸ってんだコレが。

店内禁煙になったっていうパブじゃ、客は店の前の路上に出てスッパスッパ吸ってる。
ホテル近くの、パブが並んだ一角を最初に通った時は「外までお客があふれてるんだ」と
思ったけど、ナンのことはない、店の外に出てタバコ吸ってるだけだったんだ。
店内にはもちろん、外にも灰皿がないから、必然的に店の前の路上には吸い殻がいっぱいだ。
路上の吸い殻の数に関して言えばドイツよりロンドンの方が明らかに多いと思うなぁ。
f0189467_0131478.jpg

これはリーズっていう街の、ある公共機関の中庭に行った時に見た屋外灰皿。
「ロンドンにはないけど、地方だと灰皿あるんだな…」と思って写真に撮ったけど、
この灰皿、実は底がない(笑)。吸殻は全部地面に落ちる。何のための灰皿なんだか…
f0189467_0134829.jpg

こういうところ、お国柄というのか、考え方の違いみたいなものが顕著に出てるね。
ドイツの方がイギリスより路上に置かれた灰皿の数は明らかに多い。
一方、イギリスでは街を歩いてて灰皿なんて見かけない。

しかし、路上の吸い殻の数だと、逆にドイツよりイギリスの方が多いと感じる。
これはイギリスだけじゃなく、パリなんかでもそういう印象を受けた。
街を歩いてて、灰皿を見かけることがない。その代わり吸殻はよく落ちてる。

イ課長の印象だと「灰皿を取っ払ってしまう」というヤリ方はパリやロンドンに関する限り、
路上喫煙者減少より、路上吸殻増加の方に寄与しているような気がするんだよなぁ。

「道に吸殻を捨てたら罰金」で有名なシンガポール。イ課長は一昨年出張で行った。
アソコはタバコのパッケージにはグロい写真まで印刷して禁煙政策を推進してる。
でも、街角には灰皿が多少はあったんだよね。みんなその周りで吸ってたから、
方式としてはドイツと似てるといっていい。

シンガポールの街路は吸殻ひとつ落ちてないキレイさが自慢だけど、実際にはシンガポールで
道路に吸殻が落ちてるかどうかなんて、気にしたこともなかった。それはドイツも同様で、
吸殻は必然的に灰皿に集まる。路上の吸殻なんて気にしないし、気にならない。
片や、灰皿のないロンドンを歩くと、路上の吸殻が相当多いことに否応なく気づく。
喫煙者の視点として、どうしてもそういうところに目がイクんだよ。

ドイツで買ったR1が残ってたから、イ課長は英国ではタバコを買うことがなかった。
上に書いたようにロンドンのホテルが部屋も(おそらく)禁煙で灰皿がなかったから、
ロンドン滞在中、喫煙機会自体が減ったってコトもあるんだけどね。

ハイ、しかし正直に言います。外では何度か吸いました。
外で吸った場合の吸殻処理の基本は「靴の裏でコスッて消してゴミ箱へ」なんだけど、
ロンドンって、ゴミ箱もあんまりないんだよ(これは日本も同じ。テロ対策?)

上の写真の「底なし灰皿」ンとこでも吸いました。当然、吸殻は地面の上に落ちます。
リーズ市内の地面に落ちた吸殻の数を増やしてしまいました。ごめんなさいリーズ。

ロンドン市内でも路上で吸いました。パディントン駅前では吸殻を路上に捨てました。
ロンドンの路上の吸殻の数を増やしてしまいました。ごめんなさいロンドン。


メシの話を書く時と違って、こういう話になると低姿勢にならざるを得ないのである。




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by tohoiwanya | 2011-02-03 00:15 | 2010.11 欧州出張 | Comments(0)
2011年 01月 31日

ロンドン、ホテル朝食との対決

さて、フィッシュ&チップスを食った翌朝だ。ロンドンのホテルの朝メシとの対決だ。
「ロンドンのホテルの朝メシ」っつうとだね、イ課長はやっぱり20年前、新婚旅行の時に
対面した、あのホテルの朝メシを思い出さずにはいられないのだよ。

20年前も朝食付きホテルだったから、朝食を食おうとした(そりゃするわな)。
広いダイニングに行き、ウェイトレスから「コーヒーか?紅茶か?」と聞かれる。
ここまではまぁいい。どこの国のホテルでも大体こんな感じだ。

頼んだコーヒーを飲んでると、ウェイトレスがパンを持ってきた。問題はここからだ。
そのパンを見てイ課長とトホ妻は少なからず驚いたんだよね。

「丸いパンがいくつか、バスケットに盛られてる」的なモノを想像していたんだけど、
そのパンはもうすでに焼かれていた。え?何も頼んでないのにいきなりトースト?
他のパンってないの?パンは薄切りパンのトーストっつうだけで他に選択の余地ナシなの?

しかもやけに薄いトーストじゃないか?…しかもやけにカリカリに黒く焼いてないか?
しかもそのトーストが挟まってるこの「トースト立て」っつうのか何つうのか…コレは何だ?
頭の中にかなりたくさんのハテナマークが飛び交う朝食だったのだ。

トーストを持ってきたウェイトレスがおごそかにイ課長とトホ妻に宣言した。
「標準はこのトーストと飲み物だけ(あとはジャムとかその程度)のコンチネンタル
ブレックファストである。あとホニャポンド追加すれば肉類などを加えたイングリッシュ・
ブレックファストを食えるが、お前たちはどうする?」

薄くて黒くてカリカリで、火事場から拾ってきたベニヤ板みたいなトースト、それがタテに
ズラリと並んだ姿を見て気後れした我々は「と、とりあえずコンチネンタルでいいス…」と
答えたのである。

あれから20年。
ロンドンのホテル朝食は今どんな感じなのであろうか…?非常に興味があった。

ダイニングに行くとおネエチャンが「コーヒーか紅茶か?」と聞いてくる。ここまでは同じ。
パンはと見ると…お?小さい菓子パンっぽいのが何種類か置かれているぞ。

おお?これは意外だ。これ、何となくおフランス風の朝食じゃないかい?
しかしこれは悪くないかも。カリカリトーストより個人的には菓子パンの方がいいな。
さっそく菓子パンを二つ取り、生のグレープフルーツをたっぷり取った。
菓子パンと果物、あとジュースとコーヒーの朝食なんて、けっこういいじゃん ♪♪
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菓子パンを食ってると、コーヒーを持ってきたウェイトレスがイ課長に質問してきた。
「トーストはブラウンか●●か?トマト・ソーセージ・卵・マッシュルーム・ベーコンはどうする?」
(●●はイ課長が聞き取れなかったブブン)

…え?
こ…この菓子パンが朝食じゃなかったの?イングリッシュ・ブレックファストが別にあるの?
ビュッフェ式の朝食で、並べられたものを取って食うんだと思い込んでたけど、ココは
客ごとに厨房でオカズやトーストを調理して持ってくるの?…ぞ、存じませんでした。

動揺を隠しながら、とりあえず聞き取れた方のブラウンのパンを頼み、オカズに関しても
ウンウンとうなずいて持ってくるように頼んだ。そういう方式だったのかぁ…。
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うおおー出たーー!懐かしき「トースト立て」!!
他の国ではマッタク見かけない食器?だけど、英国では相変わらず使われてるんだ!
朝食のパンはトースト以外に選択肢なし、そしてこの独特のトースト立てに立てられた
カリカリの薄いトーストの行列。英国ホテル朝食の伝統は生きていたようだ。
トースト立てを懐かしがりながらジャムをつけてトースト食ってると、やがてオカズが来た。
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う…う…やけにスゴい量だ。さっき菓子パン二つも食っちゃってるのに…。
実はこれ、本来は「トマトとベーコンと卵にして」みたいに、5種類のオカズの中から
チョイスする方式だったみたいなんだよね(そのコトには後で気づいた)。
イ課長がウンウンとうなずくから、ウェイトレスさんはオカズ全種を持ってきたようだ(笑)。

味はっつうと…うーん…ベーコンとトマトは及第点だろうが、卵とソーセージとキノコは…
特に卵が…ホテル朝食のスクランブルエッグなんてどこでも同じような作り方のはずなのに
あまり美味くない。やけに“薄い”って感じ。牛乳入れすぎか?

ドイツのホテルと比較しちゃうと、やはり圧倒的な差があると言わざるを得ないな。
ドイツはパンの種類なんか、すげぇ豊富だったもん。もちろんトーストが欲しければ
自分でパンを切って、自分でトースターで焼ける。
ハムやソーセージや卵なんかのオカズ類にしても、段違いにドイツの方が美味しい。

しかし、この時はイ課長は「味」よりもむしろ「量」が問題だった。
すでに菓子パン二つ食ったあとにトーストと「オカズセット全種」だからね(笑)。
途中で「トーストのお代わりは?」と聞かれて、当然断ったけど、それでも最後の方は
さすがに腹一杯すぎて少し残した(主に卵とマッシュ)。ごめんなさい。

ドイツのホテル朝食に比べれば、やはり英国のホテル朝食はだいぶ落ちる。
まぁこれは十分予想されたことではある。もし逆だったら大事件だが。
しかし「不味い!」というほどではない。大したことはないけど、まぁ食える。
これは昨晩食ったフィッシュ&チップスの評価と同程度だな。
それでも品数の多さという点ではまぁまぁ多かったといえるのは確かだろう。

でも、この朝食の中で一番美味しかったのは、最初に勘違いして食った
菓子パンと生グレープフルーツだったというのが正直なところなのだ(笑)。



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by tohoiwanya | 2011-01-31 00:20 | 2010.11 欧州出張 | Comments(0)
2011年 01月 27日

ロンドン・夜の名曲選 -その2-

London by Night」を脳内エンドレス再生しながら、ビッグ・ベンまで歩いた翌日。
2010年11月19日金曜日は出張最後の日だった。
リーズって町で仕事して、2時間列車に揺られてロンドンのキングス・クロス駅に戻ってきたのが
6時ちょい前くらい。ロンドンはとっくに夜。とっくに真っ暗。
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1週間の出張全スケジュールを終え、さすがに疲れたから、駅で通訳さんと別れた後は
ホテルに戻って一休み…なんてことはしないのだ。イ課長は「どくとるマンボウの教え」を
信奉するオトコ。仕事も終わったし、ロンドン最後の夜だし、歩き回ろうではないか。

それに、ちょっと行ってみたいと思ってた場所があったんだよ。
しかもソコは昼間じゃなく、暗くなってから行く必要があった。夜じゃないとダメなの。
仕事が終わったロンドン最後の夜。ソコに行くのには絶好の機会ではないか。

というわけで、地下鉄に乗ったイ課長はGreen Parkという駅に向かった。
行きたかったのは、その駅に近いバークレー・スクエアというところだ。

ロンドン・夜の名曲選という標題で、バークレー・スクエアと聞いただけで、
「あそこ行ったの?モノズキだねぇ」と思ったアナタはスタンダード・ソングが好きですね?
そう、名曲「バークレー・スクエアのナイチンゲール」に唄われた、アソコですよ。
わざわざ行くなんて、我ながらモノズキだなぁと思いましたよ、ええ(笑)。

静かな高級住宅街の中の公園といった感じを予想していたんだけど、地下鉄を出ると
お?意外にもけっこう賑やかな街じゃないか。
キレイなショッピング・ビルがあって、通りの向こうにはゴージャスなホテルもある。
へえ〜…バークレー・スクエアって、こんなに繁華街に近かったんだぁ。

例によって「A Nightingale Sang in Berkeley Square」を脳内エンドレス再生しながら歩く。
バークレー・スクエアはすぐに見つかった。楕円形の、そんなに大きくない公園だ。

十分予想されたこととはいえ、真っ暗な公園っつうだけで、別に何もない(笑)。
しかし個人的には「ここがあの名曲に唄われたアソコか…」となかなか感慨深いものがあったよ。
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That certain night,
The night we met,
There was magic abroad in the air.
There were angels dining at the Ritz,
And a nightingale sang in Berkeley Square.

あの夜のこと
私達が出会ったあの夜よ
あたりが魔法にかかったようだったわ
リッツでは天使たちが夕食をとり
そしてバークレー・スクエアではナイチンゲールが鳴いていた


I may be right, I may be wrong,
But I'm perfectly willing to swear
That when you turned and smiled at me,
A nightingale sang in Berkeley Square.

間違ってないはずよ それとも間違ってる?
でもこれだけは誓って言えるわ
あなたが振り返って私に微笑みかけたとき
バークレー・スクエアでナイチンゲールが鳴いていたのよ



脳内でこの曲を思い出しながら、イ課長は卒然と気がついた。
そうか!今まで考えたこともなかったけど、歌詞の中にある「Ritz」って、
地下鉄の駅ンとこで見た、あのゴージャスなホテルのことだよ、ホテル・リッツ。
The Ritzって看板が出てたもん間違いない。そうだったのかぁーーー。

バークレー・スクエアは確かにホテル・リッツに近いよ。歩いて数分だもん。
この辺一帯が魔法にかかれば、イ課長がさっき降りたGreen Park駅のあたりまで
魔法の威力が及び、ホテル・リッツで天使が晩飯を食うことだってあるだろう(ねぇよ)。
日比谷公園の歌に帝国ホテルが出てくるようなもんで、地理的必然性があったんだ。
こういうコトって実際に来てみないとわかんないよねぇ。ちょっと感激してしまった。

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The moon that lingered over Londontown
Poor puzzled moon, he wore a frown.
How could he know that we two were so in love?
The whole darn world seemed upside down.

ロンドンの街を照らしていた月は戸惑って
ちょっと眉をひそめていたわね
私達がこんなに愛し合ってることを知るはずもなくて
何だか世界が逆さまになったようだったわ


The streets of town were paved with stars,
It was such a romantic affair.
And as we kissed and said goodnight,
A nightingale sang in Berkeley Square.

街の通りは星で舗装されていたみたい
なんてロマンティックな出来事だったのかしら
私達がキスして おやすみを言ったとき
バークレー・スクエアではナイチンゲールが鳴いていた



イ課長の個人的見解として、この曲は「女性の立場」で歌って欲しい。
そこで今回は女性言葉で訳詩を書かせていただいております。
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Our homeward step was just as light
As the dancing of Fr-ed Astaire,
And like an echo far away
A nightingale sang in Berkeley Square.

私達が家路につく足取りは軽い
まるでフレッド・アステアのステップのように
そして 遠くで響くこだまのように
バークレー・スクエアのナイチンゲールが鳴いていたわ


I know 'cos I was there,
That night in Berkeley Square.

ちゃんと知ってるの だって私はあそこにいたんですもの
あの夜の バークレー・スクエアに



うーん…まさに夢見るようにロマンチックな歌詞だねぇ…本当にキレイな曲だ。
名曲だけあって「バークレー・スクエアのナイチンゲール」は多くの人が歌ってて
イ課長のiPodにも7バージョン入ってる。
ナット・キング・コールやフランク・シナトラといった大御所はもちろんイイし、
オルゴールみたいな前奏にのせてアニタ・オデイがしっとり歌う名唱もこれまたイイ。

でもイ課長が大学生の頃、最初にこの曲を知ったのはマンハッタン・トランスファーで、
彼らが最初に録音したアカペラ・コーラス版のこの曲(後にもう1バージョン録音してる)こそ
最高と言わせていただこう。

ちなみに、ナイチンゲールというのは、もちろん看護婦さんのことではなく(笑)、
日本では小夜啼鳥(サヨナキドリ)と言うらしい。シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」に
「あれはナイチンゲールよ、まだヒバリは鳴きません」っていう有名なセリフが
あるくらいだから、夜によく鳴くトリなんだろうな。
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バークレー・スクエアからニューボンドストリートに出て、北西に向かって歩くと
そこはロンドンを代表する繁華街・オックスフォード・ストリート。
静かで真っ暗だったバークレー・スクエアに比べると別世界のように明るく華やかだ。
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「今年の海外出張も無事終わったなぁ…」と思いながら、クリスマスイルミネーションに輝く
オックスフォード通りをブラブラ歩いたっけ。
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ロンドンの賑やかな高級ショッピング街にほど近い、静かな公園バークレー・スクエア。

観光価値はゼロと断言していい。
夜に行ってみたって真っ暗なだけだし、ナイチンゲールなんて鳴いてない(笑)。
でも出張最後の夜に、あの名曲にうたわれたバークレー・スクエアに行ったことは、
イ課長の中ではなかなか美しい「ロンドンの思い出」になってるんだよ。


ちゃんと知ってるの だってイ課長はあそこにいたんですもの
あの夜の バークレー・スクエアに





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by tohoiwanya | 2011-01-27 00:02 | 2010.11 欧州出張 | Comments(10)
2011年 01月 19日

海外出張で使う携帯電話 -続編-

昨年3月、海外出張では必ずレンタル携帯電話を借りるという話を書いたことがある。
ちょうどPHS→携帯への乗り換えをどうしようか考えてる時期だった。

結局、イ課長はその後ほどなくしてPHSを解約し、auの携帯に乗り換えた。
買ったのはソニエリのS002という機種なのである。
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デザイン的には好みじゃなかった。明らかに女性向け機種でイ課長の手にはやや小さいし。
それでも、これをチョイスした理由は2つある。

①海外ローミングのGSMの方にだけは対応してて、出張で使えそうだったから
②新規契約で端末価格が0円だったから

海外で使える範囲の広さだったら、GSM+CDMAのデュアルローミング対応機種の方がいい。
だがそれらはみんな何万円もする。高すぎる(←PHSユーザーは高い端末に慣れてない)。

2010年、海外出張があるなら欧州の可能性が高いっていうのはある程度わかっていた。
欧州は「GSMエリア」みたいだから、とりあえずGSM対応だけあれば出張で使えるかな?と思って
女性向けデザインであることには目をつぶってコレにしたのだ。
(要するに端末0円機種を選んだコトの言い訳がしたいらしい)

この新しい携帯を初めて海外で使ったのは台湾旅行だった。
「海外出張で自分の携帯を使う」という初めての経験の予行演習を台湾でやったわけだ。

結論からいえば、この時は東京のトホ妻と音声通話はもちろん、日本語メールも出来た。
これなら問題ないというわけで、2ヶ月半後の欧州出張では初めてレンタル携帯を借りずに
自分の携帯を持参し、グローバルパスポート機能を使ってみたのである。

結論からいえば(またかよ)、これは非常に有用かつ快適だ。
「初めて自分の携帯持って海外出張行きました」なんて今頃喜んでるわけだから、
マトモな携帯ユーザーからすれば笑っちゃうようなレベルだろうけど、イ課長にとっては
極めて新鮮かつ重大なコトで、海外出張での活動の地平がグッと広がったような(やや大げさ)
ことだったんだよね。

フランクフルト空港に到着し、GSMに切り替えてみると、しばらく電波を捜してたけど
すぐに現地でローミングする相手(っていう言い方はヘンか?)を見つけた。
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こんな風に、いま「o2-de」の電波でつながりますよっていう表示が出る。
別にミッフィーに注目しなくていいの(笑)。女性向け機種だからしょうがないんだよ。

17日水曜日、ICEに乗ってアーヘンを越え、リエージュに着く途中で国境を越える。
越えると、ちゃんと表示はベルギーでのローミング相手に切り替わる。
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ロンドンではこんな感じ。最初はT-Mobile UKだったけど、最後のヒースロー空港では
vodafoneになってたから、複数のキャリアの電波を選べるようになってるみたいだ。
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今回、パソコンの方に問題があって、ドイツにいる間はネットがほとんど使えなかった。
だから、会社と連絡をとるために携帯の日本語メールだけでも何とか使えたことは
ものすごく助かったんだよね。レンタル携帯のノキアだと、むりやりメール使おうにも
ローマ字でやるしかない。海外で自分の携帯を使えるって、ホント便利なんだなぁと
つくづく実感したイ課長なのであった。

ただし、自分の携帯であるがゆえの問題もある。
イ課長は寝るとき、目覚ましアラームにいつも携帯を使う。
フランクフルトのホテルでも真夜中に東京のオフィスにメールを打ち、そのまま
枕の近くに自分の携帯を置いて、寝た。

寝てたらメール着信音で起こされた。ムカッ!!東京のオフィスからの返信だ。ばっかやろう…
ヲマエら、時差というものを認識しとらんのか?こっちは真夜中だぞ。少しは気を使え。
ムカつきながら「こっちはいま夜中の2時だ」と返信し、メール送信の自粛を促した…が、

またメール着信音で起こされる。テメエいいかげんにしろ。
読むと「時差ボケで大変かもしれませんが、少しでも寝て下さい」なんて書いてやがる!
てめぇ〜〜…全然わかってないようだな。そんなにイ課長を怒らせたいか。

めちゃくちゃ不機嫌になりながら、さらに返事を書く。
「着信音で起こされたのである。こっちにメールする時はそっちの夕方にしてくれ」と
怒りを押し殺したメールを出した。
すると再び着信音。見ると「えー!起こしちゃったの?ごめんなさーい!!」というメール…

…ということはさすがになかった(笑)。
もしそんなメールが来てたら、イ課長は帰国後にその女子社員を殺害したであろう。

ま、そんな“被害”もあったけど、自分の携帯を海外出張で使えるのはホントに便利。
今頃になって初めてグローバル・パスポート携帯って便利なんだということを発見した、
周回遅れの携帯ユーザー、イ課長なのでした。

ちなみに、auの請求書ではその月の海外ローミング使用分はわかるようになっている。
だからイ課長は当然のようにauの請求書のコピーをとり、その部分にマーカーで印をつけて
出張中の使用料金を出張経費として会社に請求したのである。4000円くらいだったかな?

もちろん、その料金の中には私用で日本のトホ妻なんかとメールした分がかなり
含まれてるはずで、純粋に業務で使った分となると…半分もないんじゃないかな〜?

いいじゃンかよ!そのくらい!!それでもレンタル携帯電話よりは安いんだからッ!
 



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by tohoiwanya | 2011-01-19 00:07 | 2010.11 欧州出張 | Comments(8)
2011年 01月 17日

フィッシュ&チップスとの個人的闘争

ロンドン到着の夜、イ課長がロンドン初メシとしてGarfunkle'sでオーダーしたもの。
それはFish and Chipsなのであった。Fish 'n Chipsと口語的に書くこともあるらしい。

タラやカレイ、オヒョウなどの白身魚の切り身に、小麦粉を卵や水またはビールで溶いた衣をつけて
油で揚げたものと、ジャガイモを細い棒状に切って油で揚げたチップスと合わせて供する。
この場合のチップスは、薄くパリッとしたポテトチップスのことではなく、日本語で言うフライドポテト
(アメリカで言うフレンチフライ)のイギリスでの呼び名である。 一概には言えないが、大体のカロリーは
一人前(魚の切り身小一切れにジャガイモ中一個分)で450キロカロリー程
(Wikipedia記述を引用)。

フィッシュ&チップス。
英国ではごくありふれた、庶民的な食い物とされる。だがイ課長は食ったことがない。

何しろコッチは20年前に「マズいもの大賞・揚げ物部門」1位獲得の、あのフライドチキン
完膚なきまでにヤラレている。あの時はロンドン滞在中、他に揚げ物を食ってみようなんて気が
マッタク起きなかったのは致し方ないところだ。

比較的リスクの低そうなそうなメニューは他にもあった。ステーキとか、ピザとかね。
だが今回は20年前たぁ違うぞ。タタカイの心構えは万全なんだからな。
ロンドン出張の初メシ、いきなりド真ん中の典型的イギリス料理から攻めてやろうじゃねぇか。
もうちっとやそっとのマズさじゃ驚かねぇぞ。覚悟してかかってこい。フィッシュ野郎!
(20年ぶりのロンドンメシとの対決を前に、だんだんケンカ腰になっていくのである)

イ課長は敢然とウェイトレスのねえちゃんにフィッシュ&チップスを注文し、さらに
英国産ビールを頼んだ。どうせならハイネケンとかじゃなく、ロンドンの名のついたビールを
飲んでやろうじゃねぇか。毒を食らわば皿までも。ロンドンメシ食らわばビールまでも。
揚げ物もビールもまとめて相手ンなってやらぁ!来るなら来い!(←依然としてケンカ腰)
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はぁはぁはぁ…ちょっとコーフンしてしまったぜ。落ち着こう。
とりあえず、テーブルに置かれたロンドンなんとやらってビールを飲んでみよう。

ちょっと独特の味のクセみたいなものがあるが、まぁこれは好み、ないし慣れの問題だな。
それ飲んで、フランフルト→ブリュッセル→ロンドンを1日で駆け抜けた疲れを癒してると、
おお、いよいよ運ばれてきやがったな?フィッシュ&チップス!
この20年間でイ課長もちったぁ場数を踏んできたんだ。オレをギャフンと言わせたきゃ
それなりのマズさでかかってきやがれ!(←またケンカ腰)
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しかし…で、でけぇ…。
比較物がないから写真じゃわからないかもしれないけど、かなりデカいフライだ。
シッポつけたまま揚げる、日本風のかわいいアジフライに“換算”したら何匹になるだろ?
このデカい揚げ物全部が20年前のマズさだったりすると、これは相当手強いか…?
まぁいい。腹減ってるし、とにかく食おう。レモンとタルタルソースを適当にブッかけ、
ロンドンの揚げ物とイ課長との、20年ぶりの対決の幕は切って落とされた。

(モグ)…ん?

んん…(モグモグ)…ンむ…これは…

(ゴクン)…うむ、そうめちゃくちゃヒドくはないだろ。これなら食えるよ。

もちろん「なんて美味しいんだ!」というほどでは全然ない。ここは台北ではない(笑)。
しかし、すごく美味しいわけではないにせよ、激マズというほどでもない。まぁ食える。

白身魚の肉は柔らかくてまぁまぁ。フライのコロモはけっこうガビガビだけどね。
デロリッとした緑色の煮豆らしきものは…うーん…これはあまりおいしくない。
フライドポテトは…まぁこれは普通だろ。他の国で食うのと同じレベルと言っていい。

総合的に評価すれば「大したことはない」ってあたりが妥当かな。
ぜひまた食いたいと思うようなモチベーションの炎が燃え上がることは全くない。
「大して美味しいわけではないが、とりあえず食えるレベル」ってわけだ。

カネ払ってレストランで注文したものが「食えるレベルである」という、ごく当たり前のことが
重大なコトに思えてしまうっていうのは、あまりにも悲しいものがあるが、もし20年前に
食った揚げ物がコレだったら、別にトラウマになるほどのコトもなかっただろう。

ふーむ…20年間の恨みを込めてケンカ腰で食ったわりには、大したマズさではなかったな。
ロンドンのメシがかなり改善されたっていうウワサは本当だったのか?

いや、この程度のことで気を許してはならん。
そもそも、この時食ったフィッシュ&チップスは最初からすごく有利な立場にいたわけだよ。
何しろ比較対象は20年前のアレだ。アレはあまりにもアレ過ぎるシロモノだったから、
今回、イ課長が「アレよりはずっとマシ」と感じたとしても驚くにはあたらない。
最初からハードルが低かったのだ。

20年前のロンドンのトラウマがイ課長の心と味覚に与えた傷はあまりにも深い。
これしきのコトでロンドンのメシが改心したなんて、まだ到底信じる気はないぞ。

…とすれば、とりあえず次に検証すべき食い物は明日の、ロンドンのホテルの朝食だよな。
当然イ課長としては、出張前半で食ったドイツのホテルの朝食と比較するもんね。
比較対象のハードルはグッと高くなる。

よし、明日のホテルの朝食にジックリ注目させていただこうじゃねぇか。
首を洗って待ってやがれよ、ロンドンのメシめ。

ロンドンメシ関連の更新は、今後も執念深く続くのである(笑)。



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by tohoiwanya | 2011-01-17 00:08 | 2010.11 欧州出張 | Comments(4)