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カテゴリ:2011.06 ウィーン旅行( 82 )


2011年 10月 13日

フンデルトヴァッサー

さて、ドナウ川観光は完結したわけだけど、
それに付随して、今度はウィーン建築ネタを一つご紹介したい。

ゼセッションの記事のところで、今回の旅行では世紀末様式の建築を見るのが
大きな楽しみの一つだったって書いた。
ウィーンのガイドブックなら、今やシェーンブルン宮殿みたいなバロック建築と並べて
オットー・ワーグナーやオルブリヒの世紀末建築を扱わないものはない。
しかし、それ以外にもウィーンには建築物で見るべきものが少なくないのだ。

ドナウ川観光を終え、クレムスから乗った電車の終点はウィーンのフランツ・ヨーゼフ駅。
しかし、我々は終点の一つ手前のスピッテラウっていう駅で降りた。
そこの方が地下鉄の乗り換えには便利だからそうしたわけだが、この駅には
確かアレが近くにあったはずだ…アレが…。電車の窓に顔をくっつけて「アレ」を探す。

見えた!!アレだ!あれがそうだ。間違いない。
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オーストリアの現代画家+建築家にフンデルトヴァッサーっていう人がいる。
ウィーンの建築物の見どころといえば、この人のデザインした建物も有名で、
上の写真の金色の煙突も彼の有名な作品なんだよね。

イ課長は、フンデルトヴァッサーっていうと非常にビビッドな色使いの絵を描く人…
くらいの認識しかなかったんだけど、ウィーンにはこの人がデザインした建築物が
いっぱいあって、建築家としての業績も大変なものなんだよ。
彼がデザインした建物はバロックとも世紀末とも全く違う、ウィーン建築の魅力の
重要な部分を占めている。

さっき電車の窓から見た変チクリンな金の球。これ、何だと思う?
以前にハイリゲンシュタット観光のところで正解を書いちゃってるんだけど、
これ、実は清掃工場の煙突なのだ。

降りた駅のホームからだとますますよく煙突が見える。うーーむ…異様だ。
異様だけど、ウムを言わせぬ強烈な視覚的インパクトに見とれずにはいられない。
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このスピッテラウ駅、Sバーン(要するに国鉄)のホームからから地下鉄に乗り換えるのに
階段を登って地上に出る必要があった(他に近い乗り換え口があったのかもしれないが)。
地上に出るとフンデルトヴァッサー設計の清掃工場の全容が目に飛び込んで来る。
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うっひょーーーー。すごい建物だねぇ。
この清掃工場の異様な形と異様な模様。「これはナントカを表現したものである」みたいな
理由づけみたいなものも当然あるんだろう。あるんだろうけど、イ課長の目には
「まるで子供の工作のように、キレイで珍しい色とパターンと形状を詰め込むのが
 面白くてしょうがなかった」というシンプルな動機で作られたように思えるなぁ。
そういう子供みたいな建築動機の前では難しい解説なんて意味がない。
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これが清掃工場なんだからねぇ…。

ちなみに、このフンデルトヴァッサーという人。日本びいきとしても知られてて、
大阪の清掃工場のデザインも手がけてる。下がWikipediaから引用した写真だけど、
これなんかもスピッテラウの清掃工場と同じで「二つとないような面白い色と形の
清掃工場を作っちゃうもんね!」という思いが感じられる一方で、「確かに同じ人が
デザインしているな」っていう、共通性があるのも面白い。
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日本びいきのフンデルトヴァッサー氏。
彼の名前を英語になおせば「ハンドレット・ウォーター」、つまり
フンデルトヴァッサーさんっていう苗字は「百の水さん」という意味になるわけだ。

彼はそこで「百水」っていう漢字読みの雅号?のハンコを作り、サイン代わりにそれを
自分の絵に押したことでも知られている(笑)。


2000年に亡くなってるんだけど、きっと晩年まで面白いジイさんだったんだろうなぁ。




by tohoiwanya | 2011-10-13 00:02 | 2011.06 ウィーン旅行 | Comments(2)
2011年 10月 11日

デュルンシュタインという町 -その2-

メルク~ドナウ川クルーズ観光ネタ、今日こそは完結させます。

そもそも「メルク修道院に行こう」を書き始めたのがいつかと思ったら、9月7日ぁ?!
いくら忙しかったとかなぁ、国内出張があったとか言ってもなぁ、
1ヶ月以上かかるって、展開遅すぎだろ!いいかげんにしろイ課長!バカたれが!!

数少ない読者にはご迷惑をおかけしております。申し訳ありません。「これまでのあらすじ」は
特につけませんので、過去の記事をご参照いただければ幸いです(平身低頭)。

さて、このデュルンシュタインって街。
電車の本数は異常に少ないが、こじんまりとした街の感じはたいへんよろしい。
いかにも歴史のある街っぽくて、ドナウ川岸から街の方に行く途中にはこんな中世の遺構が
そこココにドンと残ってたりするのだ。
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街は人も少なくて、観光客も少ない。
のどかな田舎町そのものっていう風情だね。
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ちなみに、この街は中世史にからんだ、ちょいとしたエピソードを持っている。
イングランドのリチャード1世(俗にリチャード獅子心王と言われるヒト)が、
何かのイキサツで(この辺が複雑でよくわからない)オーストリアのレオポルドって王様に
捕らえられ、幽閉されたことがあるんだけど、その幽閉された城っていうのが実はこの
デュルンシュタインの山の上にある、今は廃墟となったこの城なのだ。
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結局この城には登らなかったんだけどね。
ここまで登ればさぞかしドナウ川の眺めはキレイだっただろうなぁ…。
我々はこんな低いところから写真を撮るしかなかったわけだが。
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ちなみに、この街はアンズ加工製品が名物らしくて、アンズのリキュールなんてのも
あるらしい。由来はよくわからないけど、トホ妻はお目当てのアンズジャムを買って
満足した様子だった(笑)。確かにアンズジャムを売ってる店はたくさんあった。

本当はこういう小さな街のホテルにでも1泊して、夕暮れのドナウ川でも眺めながら
のんびりとアンズのリキュールを食前酒に美味しい晩飯を楽しむ…なんていうのが
優雅な旅のあり方なんだろうけど、イ課長たちはなにぶん「夕方にはウィーンに戻って
夜は国立歌劇場に行く」という予定があったから、そんな優雅なことはできん。

歩き疲れて、小さなカフェでチョコレートケーキとジュースで一休み。
この時ばかりは冷たいビールより、甘いケーキの方が欲しかったね。
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そのカフェでバス停の場所を聞き、結局あの超ローカル線ではなく
バスで帰ることにした。バスだって1時間に1本くらいしかないんだけど、
1日に3本の電車よりはずっと利用しやすい。ちなみに、バス停っていうのは
あのわかりづらい駅に行く途中にある。

ブドウ畑の中を通ってクレムスの町へ。
そこからウィーンまで帰ったというわけだ。いやはや疲れたね。
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最後に、ドナウ川観光をこれからする人のために一つ申し上げたい。

イ課長ブログに書かれたことを読むと、デュルンシュタインって小さな町みたいだし、
交通はやたら不便そうだから、それなら切符に書かれた通りにクレムスまで船で行こうと
お考えになるかもしれない。確かにその方がウィーンに戻るのは圧倒的にラクだ。

しかし…、とここでヒトコト言いたいわけだよ。

バスで通ったクレムスの町って、さっきまでいたデュルンシュタインに比べると
すっごく巨大で立派な都会に見えるんだよね。賑やかで人通りも多い。
デカくて賑やかな街だから、それなりに見るべきところもあるんだろう、たぶん。
ただドナウ河畔の旅情…という点になると、ちょっと街がデカすぎる気がする。

その点、デュルンシュタインは下の写真みたいな感じで、中世の香りを残す街のたたずまいが
実に良かった。小さな田舎町だからこそ、の風情といえるのかもしれない。
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当初トホ妻が「クレムスじゃなく、デュルンシュタインで降りよう」と主張した時は
「どっちの町も同じようなモンなんじゃないの?」と思ったんだけど、実際二つの街を見て比較すると
イ課長としても「デュルンシュタインで降りて正解だったかもなぁ…」と思ったものでした。
交通はすごく不便だけどね(笑)。




by tohoiwanya | 2011-10-11 00:15 | 2011.06 ウィーン旅行 | Comments(0)
2011年 10月 02日

デュルンシュタインという町 -その1-

ブログ更新の間がだいぶあいてしまったイ課長です。

いや先週はちょっと大変だったのだ。
日曜から月曜にかけて一泊名古屋出張。その後もかなり仕事がたてこんだ。

実は来週も水曜までは仕事がたてこむ。土日もウチで仕事した。うんざりだぜ。
その後、10月下旬にかけてもう1~2回は国内出張があるだろう。うんざりだぜ。
そして11月下旬には海外出張が…ああああああああうんざりだぜ。

まぁいい。こんなところで仕事を呪ってても仕方がない。
とりあえずドナウ川の旅の続きを書こうではないか。
えーと…遊覧船でデュルンシュタインに到着したトコまで書いたんだよね。
その記事を書いたのはもう10日も前じゃないか。何てヒドい展開だ。ごめんなさい。

とにかくだ。
イ課長とトホ妻はデュルンシュタインの町で船を降りたわけだよ(無理矢理ハナシを戻す)。
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この町に関する予備知識はメルク以上になかった。ほとんど皆無と言っていい。
ココはホントにのどかな小さい田舎町で、観光客もわずかにいるけど、おそらく彼らは
ここのホテルに滞在しているオーストリア人たちで、外人観光客らしき姿はない。

特に見るべきものがあるわけじゃないけど、ドナウ川の流れを望むレストランで
ワインでも傾けながらユッタリ優雅に食事でもするにはちょうどいいところだった。
しかし、実のところ、この時のイ課長はあまりユッタリできる心境ではなかったのだ。

この日、夜はウィーン国立歌劇場でオペラ鑑賞がある。もうチケットも確保してある。
それを見るためには逆算して、夕方にはウィーンに戻っていたい。
しかし我々はウィーンに行く電車のダイヤはもちろん、デュルンシュタインの駅が
どこにあるかもよく知らないだ。帰路の見通しが全然たっておらんではないか。

とりあえず、駅を探そうということになったんだけど、これがドコだかよくわからない。
トホ妻は「帰りの電車は何とかなるよ」などとか気楽なことをヌカし、この町のどこかで
アンズジャムを買うことに気を取られてるが(笑)、こっちはジャムどころじゃない。
夜の予定が決まってるのに帰路の見通し不明という状況をまず打開せねば。

しょうがないのでトホ妻を待たせて、イ課長だけ“遠征”してみた。
アイスを買った店で「駅はアッチの方よ」って教えられた方向に、とにかく歩く。
途中で誰かに聞こうと思うものの、すれ違う人もない田舎町なんだよ。
こんなブドウ畑だけが広がっててさぁ…。
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観光案内所らしきものがあって喜んだのも束の間。そこも無人ときやがった。まいったね…。
しかし案内所の前に簡単な町の地図がある。見ると、近くに駅があるっぽい。
ホントなのかなー?線路も見えないし、この辺に駅なんてあるのかい??

なおも歩くと…お?あれか?しかし、ここもまた異様に人の気配のない駅だ。
近づいてみると正面の緑色の扉は封鎖されてる。観光案内所といい、駅といい、
どうしてこう誰もいないのだ??仕方がないから駅のワキをまわって、線路の方に行ってみた。
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線路はあるがホームはない。地面から直接車両に乗り込むらしい。一体どんな電車が停まるのか。
だがそれ以前に、駅員も乗客も人ッ子ひとりいないこの駅、ホントに使われてるの?(笑)
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だんだん不安になってきた。
とりあえず電車の運行ダイヤを確認する必要がある。駅の壁に何か貼ってあるから、
きっとアレが時刻表に違いない。あれを見よう。
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うっひゃーーナンだこれわ?!
1日に上り下り3本ずつしかないの?たったさんぼん?!こりゃまたびっくりの超ローカル線。
15:31っていう電車を逃せば、もう夜まで電車はないのだ。もっとも、この駅の様子だと
廃止ローカル線の廃駅の壁に、時刻表だけ貼られたまま残ってるという可能性も否定できんが…(笑)。

ウィーンからメルク修道院を見て、ドナウ川クルーズをしようという皆さん。
皆さんが、ドナウ川遊覧船をクレムスの町で降りるなら、問題ないです。
しかし、たまさか我々のように途中のデュルンシュタインの町で降りようと思ったら
帰りの電車には気をつけましょう。何しろ、一日3本らしいですから。
さらに言えば、そういう町で降りたがる配偶者にも注意が必要です(笑)。

実は、イ課長&トホ妻は結局この15:31の電車には乗らなかったんだよね。
もっと早い時間のバスでクレムスに出て、ウィーンに戻ったのだ。なぜかっていうと、
デュルンシュタインの町ってホントに小さいから、観光はすぐ終わっちゃうんだよ。

そんな、ドナウ河畔の小さな町・デュルンシュタインの様子は次回ご紹介しよう。
今日はこの町の駅が見つけづらいって話と電車の少なさを伝えるだけで終わっちまった(笑)。




by tohoiwanya | 2011-10-02 21:45 | 2011.06 ウィーン旅行 | Comments(0)
2011年 09月 21日

ドナウ川・船の旅 -その2-

ヴァッハウ渓谷。
「渓谷」っつうくらいだから、川の両側は平野ではなく山が迫ってて、驚くべきことに
このヴァッハウ渓谷っていうのは世界遺産に指定されているんだよね。
世界遺産に指定された渓谷を我々はいま遊覧船に乗って下っているわけだ。
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一説によると、ドナウ川で遊覧船に乗る価値のあるほどの眺望が楽しめるところって、
このヴァッハウ渓谷くらいしかないらしい。

川の両側には古城とか、田舎町の教会の尖塔とか、次々と現れてくる。
むかし、ドイツのネッカー川の遊覧船に乗ったことがあるけど、あれと同じような感じで
船上からの眺望はたしかに美しい。
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ちなみにこの遊覧船、観光ポイントになると解説をアナウンスしてくれる。
アナウンス言語はドイツ語、英語、そして日本語なのである。
昔、ドイツ古城街道の遊覧バスに乗ったときも日本語のアナウンスがあって驚いたっけ。
ドイツ・オーストリア(に限らないんだろうが)って日本人観光客が多いんだねぇ。
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やがて船はヴィレンドルフという場所に差しかかる。
「ヴィレンドルフ」と聞いて「え?もしかして…」と思った方は考古学ファンかも。
あの有名な先史時代の遺物「ヴィレンドルフのヴィーナス」が発掘されたのはココなのだ。

多産と豊穣を象徴する、巨乳・巨尻・巨腹が強調されすぎた女性像。
考古学的価値はよくわかんないけど、ものすごく有名なのは確かだ。
「ヴィレンドルフのヴィーナス」っていう上手いあだ名が効いた、とも考えられるね。
(下の写真はWikipediaから拝借したヴィレンドルフのヴィーナス像)
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ふーむ…考古学史上にその名を残すアレは、ここで取れたのかぁ。
何の変哲もない田舎町にしか見えないが、元々ココには古代遺跡があったらしいね。

せっかくだからズームをうんと効かせてヴィレンドルフの村を撮ってみる。
クリーム色の建物にWillendorfって書いてあるのはいいとして、棒の先に国旗をつけた
この長〜〜い飾りは何だろう?同じものをいくつか見かけたよ。
まさか鯉のぼりってこともないだろうし(笑)。
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船の上は相変わらずオーストリアガキ軍団で騒がしい。
しかししばらく観察してると、彼らの中にも真性オチャラケからちょっとネクラまで
だんだんキャラクターの差がわかってきて面白い。

たとえばこの左端の男のコ。
他の連中がひっきりなしにワイワイしゃべってるのに、このコだけは無口で、おそらく
学級委員タイプの、頭はイイけど仲間にはとけ込めないタイプらしいとトホ妻と推測した。
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やがて、我々はこの男のコに「ユリスモール」というあだ名をつけた。
(萩尾望都の古典的名作漫画をご存知の方でなければわかってもらえないのだが)
他の男子たちがみんな丸首Tシャツ姿なのに、ユリスモールだけ前ボタンのついたシャツを
着てるというあたりが、また実にソレらしい。
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結局、このユリスモールたちはSPITZというところでゾロゾロと下船していった。
急に船が静かになった(笑)。

SPITZの次が、イ課長&トホ妻たちの降りるデュルンシュタインの船着き場。
メルクを出てから1時間強のドナウ川の船の旅。いやー気持ちよかった。
ほどなくデュルンシュタインのシンボル(なのかな?)の水色の尖塔が見えてきた。
そろそろイ課長たちも降りる準備をしようか。
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ここからドナウ河畔の田舎町、デュルンシュタイン観光が始まるのである。
続きはまだまだあるのである(笑)。





by tohoiwanya | 2011-09-21 01:07 | 2011.06 ウィーン旅行 | Comments(4)
2011年 09月 17日

ドナウ川・船の旅

魅惑の土曜出勤に酔いしれているイ課長ですこんにちは。

リアル生活の方じゃ、11月下旬の海外出張がいよいよ現実化しはじめて、すでに
通訳さん探しなど、海外出張前恒例の「ああまたかよ」的な多忙モードに入っている。
おまけに、書き出すとキリがないくらいのメンドウがイワシの群れのように襲ってきて
イ課長は暗い。

まぁいい。出張準備の暗い日々についてはいずれゆっくり書く機会があるだろう(笑)。
メルク修道院~ドナウ河クルーズ観光はけっこう大ネタだから、ハナシはまだまだ続くのである。

豪華バロック宗教建築を満喫し…というより、バロック宗教建築の過剰装飾にかなり辟易して
メルク修道院を出たイ課長&トホ妻。さて、次はドナウ河だ。観光船だ。

目的地のデュルンハイムまで約1時間の船の旅。
しかしこの観光船、そんなに頻発してるわけじゃない。意外に便数は少ない。
1時間に1便どころか、1日に5~6便しかないんだよ。

イ課長たちは11:00メルク発の船(たぶんこれが一番早い)に乗ったけど、これを逃すと
次の船は13:50だから、約3時間も空いちまう。11:00の船は逃せない。

メルク修道院から船乗り場までは…15分くらい歩いたかなぁ?少し余裕をもって早めに行きましょう。

ここで、今朝ウィーン西駅で買った「ヴァッハウ・コンビチケット」のうちの船の分の切符を
実際の乗船券と引き換える。それはチケット売場でやるわけだけど、イ課長たちの前にいた
二人の男性客がやけに時間をかけてやけに大量の乗船券を買ってるから少し待たされる。

この大量乗船券購入の理由はほどなくわかるわけだが…。

船乗り場はこんな感じ。質素だよね。
川自体もやけにショボく見えるけど、これ実はドナウ川の支流にすぎなくて、
ちょっと先にもっとご立派な本流があるわけだ。
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そろそろ出発だな、という頃、ワイワイとやけに大勢のガキんちょが乗船してきた。
感じとしては、まぁオーストリアの中学生くらいか。20~30人はいたんじゃないか?
さっきの乗船券大量購入はコレだったのか。あれは引率の先生だったんだな。

せっかく静かだった遊覧船の屋上デッキもヤツらが乗ってきて、たちまち騒々しくなる(笑)。
しかし、このくらい(推定・15歳程度)のガキは万国共通でうるさいのう。
イ課長がザンクト・シュテファンで会ったかわいい小学生たちも、あと数年もするとこうなるのだろうか。
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…なんて言ってるうちに、いよいよ船は出発。
さっきまでいたメルク修道院がキレイに見えるワ。
どんな角度で写真を撮ろうとしても、ガキがアングルに入るのは避けられない(笑)。
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やがて、船はドナウ川の本流へ。天気がよくて気持ちいいのーー。
実際、この日半袖シャツから露出したイ課長の腕は一日で相当やけたのである。
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しかもだ。出発早々、このガキどもの一人がやらかしてくれたんだよねー。
屋上デッキにのぼる階段のところでビシャッ!と水をまき散らすような音がするから
何かと思って見たら、信じ難いことに、ガキ軍団の一人の女子が噴水のような勢いで
階段で嘔吐してるではないか。おいおいおいおい。

いやしかし、ああいう嘔吐って日本じゃあまり見ないよ。
苦しそうに「おえッ…」と吐くんじゃなく、口に含んでた牛乳を噴き出すかのように、
勢いよくビシャッ!と吐いてた。ずいぶん勇壮な船酔いもあったもんだ。
というか、出発直後にもう船酔いって、ナンボ何でも早すぎないか?
大体、ドナウ川の遊覧船ごときで船酔いするもんなんだろうか?

しかしまぁ、しばらくしたら彼女は船にあったモップみたいなもんで自分で掃除してたから、
一応「吐きっぱなし」ということはなかった。ふむ。行儀がいいとは到底言い難いが、
自分の後始末は自分でするという程度のシツケはちゃんとなされているようだ。

ちなみに、下の写真に「噴水」の犯人の女子が写ってるけど(笑)。あれだけ派手に吐いたと
思ったら、あとは船酔いの様子もなくキャアキャア騒いで元気ってのがまたよくわからん。
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…と、イ課長&トホ妻、一般観光客、噴水女子を含むオーストリアガキ軍団たちを乗せ、
ドナウ遊覧船は美しきヴァッハウ渓谷を下っていくのでありました。
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次回、船からの眺めをたっぷりご紹介しようではないか。
ついでに、オーストリアガキ軍団の生態も(笑)。





by tohoiwanya | 2011-09-17 12:41 | 2011.06 ウィーン旅行 | Comments(2)
2011年 09月 14日

メルク修道院を観にいこう -その3-

さて、メルク修道院見学の最後に現れた驚異の豪華絢爛デコラティヴ空間。
これ、ナニかっていうと、この修道院の礼拝堂らしい。要するに教会だ。
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確かに、奥には祭壇らしきものがあるし、真ん中の通路をはさんで左右には長椅子が並んどる。
おっしゃる通り、教会なんだろうココは。
しかしこの教会、あまりといえばあまりに装飾がド派手でキンキラすぎないかい?
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思い出されるのは、やはりトホ妻と16~7年くらい前に行った南ドイツのヴィース教会だ。
ヴィース教会って、外から見ると田舎の原っぱの中に建ってる質素な教会なんだけど、
中に入るとこれでもかっていうくらい美麗なロココ装飾があふれ返ってる。
(下の写真はWikipediaから拝借したヴィース教会の内部の写真)
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人里離れた不便な田舎の教会、疲れてヒイヒイいいながらやっとたどり着いた巡礼者。
だが、一歩教会内に足を踏み入れると、そこに広がる「まるで天国そのもの」のような絢爛たる
輝きの世界に巡礼者は宗教的恍惚を味わうと…
ヴィース教会はそういう効果を狙って設計されてる、みたいな話を読んだことがある。

メルク修道院の礼拝堂はロココじゃなく、バロック装飾なんだろうけど、同じように
「天国錯覚効果」はあるんじゃないか?つうか、こうなるとロココとバロックの間には
過剰装飾という共通点がある以外に、何か違いがあるのかい?といいたいよ(笑)。
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礼拝堂内、どこを見てもその豪華絢爛すぎる装飾に圧倒され…つうか、あきれ果て、
「ひぃーーー」と小声で悲鳴をあげながら、眺めるしかない。

しかしさ、やはりイ課長としては思うわけだよ。
ココは修道院の礼拝堂だろ?ってことは修道僧たちがここで祈るわけだろ?
修道僧っていやぁ、我々のイメージに浮かぶのは、薄汚れた茶色い毛布みたいな僧衣を着て、
薄汚れた茶色い毛布みたいなフードを頭からかぶった、それこそ映画「薔薇の名前」に出てきた
ショーン・コネリーみたいな感じの、世俗とは隔絶したオジサンたちなわけじゃん、やっぱ。
このメルク修道院は「薔薇の名前」のモデルになったとされるトコでもあるわけだし。
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こういう、薄汚れた毛布を着たオッサン軍団がこの豪華絢爛礼拝堂で祈ってたわけかい?
質素な服を着た修道僧なら、薄暗い石造りの質素な礼拝堂こそマッチするってもんだろー。
施設内部の豪華さと、想定ユーザー層の質素さのバランスの悪さに目がクラクラするぜ。
それとも、この超豪華礼拝堂は修道僧たちが使う空間じゃなかったのかね?

しかしまぁ、この礼拝堂で祈ったのが誰であったにせよ、だ。
率直に言おう。断言しよう。イ課長はバロック教会よりゴシック教会の方がいいワ。
フランスでいくつも見てきた巨大ゴシック教会の、あのステンドグラスに照らされた
薄暗い空間には宗教的神秘があった。たとえばこんな風にさ。

しかしこの洪水のごとき過剰装飾の礼拝堂に神秘が感じられるかい??
悪いけど、イ課長には感じられないんだよなー。
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つい数分前に豪華絢爛なメルク修道院図書館を見たばかり。
つい昨日は豪華絢爛なプルンク・ザールを見たばかり。
こう連続して「超高カロリー・バロック定食」ばっか食ってるとさすがに腹がもたれる。

それでも、これがシェーンブルン宮殿みたいな、王侯貴族の住まいならまだいい。
修道院の教会でこれはなぁ…まぁ好みの問題ではあるのだが。
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そういう意味ではメルク修道院礼拝堂でイ課長は自分の好みを再認識したよ。
西洋教会建築についていえば、こういう装飾トゥーマッチなバロックやロココより
神秘的なゴシック、ぐっと質素なロマネスク教会の方が明らかに好みなんだな。
時代的にいえば「お古い方」が好き、ということになる。

観光2日目にして、すでにゲップがでそうな気分になり始めたバロック「これでもか装飾」。
ウィーン滞在中、さらに見ることになるわけだが…(笑)。



by tohoiwanya | 2011-09-14 00:01 | 2011.06 ウィーン旅行 | Comments(0)
2011年 09月 12日

世界で最も美しい図書館 -その2-

世界で最も美しい図書館番付の上位力士(力士って…)プルンク・ザールを見たのが日曜。
そして、やはり同番付で常連のメルク修道院図書館を月曜に見ているイ課長&トホ妻。
単なる偶然とはいえ、二日続けてとなるとこちらもつい「超美麗図書館」の比較をしたくなる。
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まぁ図書館としてのスケールなら断然プルンク・ザールの方に軍配があがる。
建物規模的にもかなり差があるし、当然のことながら蔵書の数もアッチの方が多いだろう。
特にメルク修道院の図書館は天井が(あくまでも相対的には、だけど)ずっと低いから
その分、「こじんまり感」も強くなる。

しかしまぁ、プルンク・ザールが豪華すぎて現実離れしてるのに対し、こっちは
こじんまりしてる上に四角い部屋だから、何となく学校の「図書室」っぽくてホッとできる。

…とは言ったって、それはあくまでも比較の上でのハナシ。
メルク修道院の図書館だってそれだけ捉えれば異常なほど豪華絢爛だよ。
修道院なんだからさ。ここまでする必要があったのか?と言いたい(笑)。

細部を見てみよう。
真っ先に気がつくのは収蔵された本の背表紙が全て同じ装丁であるということで、
これはプルンク・ザールと全く同じ方式だ。昔の図書館ってみんなコウなんだろうか?
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何度もいうけど、読みたい本を探しづらくないかねぇ?
仮にそれが見つかったとしても、本を借り出した後の持ち運びが重そうだ。
(この辺、学校の図書室から本を借りる感覚になってる)

お、地球儀がある。
プルンク・ザールにも同じような巨大地球儀があったな、そういえば。
知識の殿堂に置かれるインテリアとして、巨大地球儀というのははずせないらしい。
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メルク修道院の図書館で目につくのは本棚のオジサンたちだ。
本棚の上の方に装飾としてくっついてるんだけど、本棚の上部を背中にオンブして
重みに耐えているようなポーズになってる。これはつらい職務だ(笑)。
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図書館の天井画はこんな感じ。
位置的にいって、向こうの建物にあった大広間と、この図書館っていうのが
まさにUの字みたいに湾曲テラスをはさんで左右対称同じ位置に作られてるみたいだし、
天井画も、部屋の広さも同じような感じだ。
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何かの理由でアッチの部屋は広間に、コッチの部屋は図書館になったということだな。
将来、もっと蔵書が増えればアッチの部屋も図書館にするつもりだった…
…というのがありそうな話に思えるが。

図書館を出ると、らせん階段で下に降りる。ココがまたちょっとギョッとするんだ。
ひょいと覗き込むと、らせん階段が地下のドコまでも続いているように見えるからね。
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これ、実はらせん階段中心の底に鏡が置いてあるんだよ。
だから、らせん階段の上階に向かうブブンが映っているにすぎない。
しかしパッと見るとあたかも「底なし階段」に見えて、なかなか面白い視覚効果だ。

てな感じで、らせん階段の写真を撮ってたら、少し先を歩いていたトホ妻が
興奮した顔でイ課長の服をひっぱって呼ぶ。

「ねぇ、ちょっとコッチ来てごらん、早くはやく!」

ちょっ、ちょっと待て、いまらせん階段の写真撮ってんだからさ。
図書館はもうたっぷり見たんだから、少しゆっくりさせてくれよ。

カメラをしまって、トホ妻に引っ張られて次の部屋に入ってみる。
すると…


うっぎゃーーーーーー!?またまた豪華絢爛なナニカが現れたぞ。何だこりゃ?!
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ロクに下調べもせず「図書館が豪華でスゴいらしいよ」って程度の予備知識しか持たずに
メルク修道院を見学すると、最後にこんな風にブッたまげるハメになるのである。

というわけで、続きはまた次回。
前回がメルク修道院旅行記のその2で、今回は「世界で最も美しい図書館」のその2。
しかし、ハナシ自体は前回の「その2」と今回の「その2」がつながっていると。
こういう長編ネタ、読む方も大変だろうが書く方だって大変なのだ(笑)。




by tohoiwanya | 2011-09-12 00:13 | 2011.06 ウィーン旅行 | Comments(0)
2011年 09月 09日

メルク修道院を観にいこう その2

さて、それではメルクの駅から世界遺産・メルク修道院に登ってみましょうかね。
丘の上にある修道院に行くには上り坂を登らないと行けないのである。
まぁ建物自体は見えてるから道に迷うことはあり得ないけど、登り坂は細い道で
地図がないとちょっと見つけづらい。

中世のたたずまいを残す石畳の細道。
向こうから僧衣に身を包んだ修道僧が歩いてきそうな感じだが、赤い看板が邪魔だ(笑)。
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細い坂道やら石段やらを登ること6~7分ってとこかな。
やったーーー。メルク修道院の入口に到達しました。
ウィーン西駅から電車も駅も道も間違えず、無事たどり着いたのである。
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しかしだよ…それにしてもだよ…
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やけに建物(特に外壁塗装)が新しくないかい?いわゆる「“時代”がついてない」というか…。
11世紀に建てられ、18世紀に大規模改築された修道院っつうんだけどさ、どちらかというと
完成直後のテーマパークに見える(笑)。最近塗りなおされたばっかなんだろうな。

さっき「道に迷うことはあり得ない」って書いたけど、実は我々はここから少し迷った。
なぜって、入口がドコなんだかよくわからないんだよ(笑)。
門のワキに近代的ガラス建築の階段があるから、そこなのかと思って入ってみたけど
どうも違うようだ。うーむ、よくわからぬ。

周囲の観光客はゾロゾロと庭園の奥にある建物に向かう。
ああ?あそこが入口なの?とりあえず彼らにくっついてその建物に向かってみる。
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ふーむ…ここはなんというか…ちょっとした「離れ」というか「あずまや」というか…
とりあえず入口じゃないよココは。キレイな建物だけど、特にドウってことはない。

あちこちさまよって、ようやく入口を発見。
少しずつ入場させてるから、入口(メインの建物に向かって左側にある)階段なんかは
西洋老人団体観光客たちが渋滞しておったわさ。

メルク修道院に関しては「スゲエ図書館がある」ってこと以外、ほとんど知らなかった。
しかし、中に入場して目に入るのは昔の遺物を展示した博物館っぽい展示室ばっかり。
たとえばこんな感じ(下の写真はメルク修道院HPのもの)。
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展示室はどれもモダンで照明が凝ってて、これまたやけにテーマパーク風だ。
まぁ確かにキレイだよ?キレイだけどさ、はるばるメルク修道院に来てだぜ?まるで
銀座のデパートの催事場で開催されてる「オーストリア古美術展」かのごとき展示を
見せられてもなぁ、ちょっとなぁ~(笑)。

というわけで、モダンな展示室はザッと早足で見ただけで、お目当ての図書館を探す。
こういう時、イ課長は見る価値を感じないものにはやけに冷淡、見たいモノに対しては
やけにセッカチな男なのである(笑)

奥の方の部屋に入ったら、そこは小さな展示室じゃなく豪華な天井画が目に飛び込んで来た。
おおお!ここがクダンの図書館か?!
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…いや違う。ここじゃないよ。ココは単なる大広間だろ。そもそも本がないし(笑)。
でもこの先に部屋はないみたいだよ?ここがドン詰まりなんじゃないの?
ってことは、さっき早足で展示室をぱーーーっと見てる時、気がつかずに図書館を
通り過ぎてきちゃったのかい?あれれー??

長い廊下を探しながらまた戻ったけど図書館なんてない。とうとう入口まで来ちゃったじゃん。
どうなってんだ?図書館はドコなんだよ??(←さっきも言ったようにセッカチ)
仕方ない。こういう時は係員に聞くに限る。もちろん英語で聞くしかないわけだが。

Where is the library?(図書館はドコですか?)」

はははは。中学生の英語の授業で必ず一度は習うフレーズが役に立ったぞ(笑)。
すると、係員はたったいまイ課長が行ったり来たりしてた廊下を指差して何か言う。
やっぱさっきのルートで良かったわけ?

どうやら、さっき「ドン詰まりの大広間」と思った部屋に実はまだ先があったようで、
あそこから一度屋外に出て、ぐーっと湾曲したテラスを通って反対側の建物に行くらしい。
そういうコトだったのかよ。

真上から見て大きな「U」の字型の建物があるとして、イ課長たちはその右上から入場し、
だんだん下におりて右下のところまで来たわけだ。そこに大広間があったと。
そこがドン詰まりと思ったけど、実はそこから「U」の字の下のカーブをわたって
左側のタテ棒(建物)に入るルートがあると教えられた、イメージ的にはそういう感じ。

館内案内図がないから(入口で配ってたようには見えなかったぞ)わかりづらいなー。
まぁしょうがない。今度は途中の展示室なんて一顧だにせず、長い廊下をビュンッと戻り、
さっきドン詰まりと思った大広間までビュンッと歩く。まったくもう…。

ははぁ、確かに言われてみると、さっき天井画を見た大広間のいちばん奥に扉があるワ。
あれをギイッと開けて外のテラスに出ればいいんだな。
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テラスからはこんな風にドナウ川の支流が見える。水の色は泥色だが(笑)。
あとで、この支流から遊覧船に乗るわけだけど、とりあえず今は図書館だよ図書館!
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テラスをわたって反対側の建物に入る。すると…

おおおお!いきなり出ました!こんどこそ間違いない。
やったー。ついにたどり着きましたメルク修道院図書館。長い道のりでした。
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…というわけで、次回の記事は超豪華図書館を詳細にご紹介しましょう。
ブツブツ切れて申し訳ないのう。





by tohoiwanya | 2011-09-09 09:59 | 2011.06 ウィーン旅行 | Comments(2)
2011年 09月 07日

メルク修道院を観にいこう

今回のウィーン旅行ではちょっと遠出する日帰り観光プランを事前に検討していた。
中でも「ブダペスト日帰り観光」っていうのは実に魅力的で、イ課長がぜひ行きたかったところ。

もう一つ、メルク修道院+ヴァッハウ渓谷+デュルンシュタインめぐりというプランもあった。
こっちの方は予備知識もなくて、イ課長としては「ぜひ」というほどでもなかったんだけど、
トホ妻が非常に行きたがったんだよ。こういう時、行きたがってるガワはよく知らない配偶者を
「行く気」にさせるため、説得ないし営業活動をすることになる。
トホ妻がイ課長に対して行った営業の主なポイントは以下のようなものだ。

①メルク修道院は世界遺産にもなってて、とにかく素晴らしい。
②しかも、あの「薔薇の名前」のモデルになった修道院でもある。
③ヴァッハウ渓谷は絶景で有名。せっかくだからドナウ川下りしようではないか。


ふーむ…そう言われると確かに少しソソられる。で、基本的にはトホ妻案に賛同した。
ちょっと調べてみると、メルク修道院入場料+ドナウ川観光船船賃+ウィーンからの
鉄道往復料金を含んだセット券なんて便利なものもあるみたいじゃん。これは便利。

だがちょっと待て。ネットやガイドブックで調べると、このセット券っつうのは
ドナウ川観光を降りるのはクレムスってトコで、そこからウィーンに戻ることになってるぞ。
ってことは観光船はデュルンシュタインじゃなく、クレムスで降りなきゃいけないんじゃない?
(下の写真はセット券の、列車用切符のジツブツ。KREMSって書いてある)
f0189467_0114990.jpg

するとトホ妻はやけに自信をもってこう断言した。
④クレムスなんてたぶんつまらない。一方デュルンシュタインは美しいはずである。
⑤デュルンシュタインからクレムスまで小さなローカル線みたいなのがあるはずだから、
 それに乗ってクレムスまで行き、オーストリア国鉄に乗ればいいのである。


この④に関してはイ課長は判断しようがない。どっちの町も知らないし、本で見ると
どっちも同じように「中世の香りを残すドナウ河畔の町」に見える。
まぁトホ妻がデュルンシュタインにしたいっていうんだから、それでいいか。
⑤もネットでは調べがつかなかった。クレムスまでのローカル線なんてあるのかね?
(このコトで、後で大変苦しむことになる)。

というわけで、例によって前置きが長くなったが、かくのごとき経緯をたどって
メルク修道院→ドナウ川半日ツアーを到着翌々日の6月6日月曜日に敢行したのである。

出発地はウィーン西駅。
ここは20年前の新婚旅行の時も来たっけ。懐かしいなぁ。
西駅といえば、映画「第三の男」で主人公ホリー・マーチンスが到着する駅でもあるのだ。
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終戦直後は屋根もない駅にSLが到着する、なんて光景が描かれてるけど、
今はもちろん屋根もついて、モダンでキレイな駅だ。
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まず例のセット券「ヴァッハウ・コンビチケット」を購入。
いくらだか忘れたけど(ヲイヲイ)、乗車券や入場料を全部バラバラに買うよりは
若干お得になってるはずだ。切符売り場でちょっと並んだけど、さほど問題なく買えた。

次の問題は何番線からナニ行きの電車に乗ればいいのか、だ。
出発案内板を見ても「Melk」っていう文字のついた電車がどう探しても見当たらない。
おかしいなと思って駅員に聞いてみたら、まず急行でザンクト・ペルテンって駅まで行き、
そこで各駅停車に乗り換えてるらしい。なーるほど。

出発前に構内のカフェでホットサンドイッチとコーヒー慌ただしく駅で腹ごしらえ。
何せホテルの朝食も食わずに6時半頃に出てきたからね。
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乗った急行電車はやけに混んでた。西駅からザンクト・ペルテンまで約40分。
ザンクト・ペルテンから乗った鈍行列車の方はやけに空いてた。ここからメルクまでは
15分くらいといったところか。下の写真はもちろん、すいてた鈍行の方ね。
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さて、着きましたメルク。
小さな駅で、駅前ロータリーは人気も少ない。まだ時間も早いしね。
でも丘の上にはメルク修道院がオイデオイデしているのが見える(してねぇって)。
さぁ行くぞ、世界遺産にして「薔薇の名前」のモデルにもなったというスゴいメルク修道院。
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…というわけだが、長くなったので例によって続きは次回に。すまぬ。




by tohoiwanya | 2011-09-07 00:17 | 2011.06 ウィーン旅行 | Comments(4)
2011年 08月 31日

ウィーンのドゥルヒガング

さぁ、今年の海外出張の暗いハナシは一時忘れて、ウィーンの話に戻そう。

さてだ…(←調子がでるまで少し時間がかかってる(笑))。

これまでイ課長ブログにパサージュの話を二度、記事に書いた。
パリのパサージュはすごく雰囲気あってよかったっていうハナシと、
ブリュッセルにも立派なパサージュがあったっていうハナシだ。

いわば通り抜けアーケード型商店街とでもいうべきパサージュ。
フランスやベルギーでは見たけどドイツなんかにはないんじゃないかな?
地下街は別として、地上の古い建物の中に通り抜け通路が組み込まれてて
なおかつそこが商店街になってるのって、見た記憶ないんだよなぁ…。

ところがだ。
ウィーンにはある。それに近いものが。
もちろんパサージュなんて言わん。ドイツ語だとドゥルヒガングっていうらしい。
パサァ~~ジュ  に  ドゥルヒガング  二つの言語の特徴がよく現れてるのう(笑)。

ウィーンのドゥルヒガングは言葉だけじゃなく、構造的にもパサージュとちょっと違う。
パリのパサージュが最初から「その建物にパサージュを通す」つもりで設計されているのに対し、
ウィーンのソレは「図らずもそういう形になっちゃった」的なところが見受けられる。

まぁ口で説明するより見てもらった方が早い。
ウィーンのドゥルヒガングで代表的なの(かなぁ?)はこれだ。
f0189467_12193421.jpg

確かにこの通路の奥に店がありますよってタタズマイにはなっているが、感じはだいぶ違う。
ブリュッセルはもちろん、パリのパサージュと比べても道幅は狭くて、ホントに通路っぽい。
入口上に置かれた看板も一見すると「このパサージュの看板」かと思うけど実は違うのだ。

とにかくパサージュ好き?のイ課長としては、当然中に入ってみるのである。
中は…おおお、けっこう暗いぞ。それもそのはず、ガラス屋根じゃなく、トンネルだもん。
トンナルの両側はショーウィンドウだ。パリみたいにズラリと店が並んでるわけじゃない。
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通路をなおも進んでいくと、突然“露天”になる。ほほ~。
ガラス屋根になってない分、ここがいわば「採光」を兼ねた場所になってるわけだ。
露天部分に立って、今歩いてきたトンネルを見るとこんな感じ。
トンネル通路を通り、露天部分があり、その奥がまたトンネルという形なのだ。
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出口はこんな感じ。
通りの向こうがまたドゥルヒガングになってるのがわかる。どれ、せっかくだから
向こうのドゥルヒガングにも入ってみようではないか。
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これが、その「向こう側にあるドゥルヒガング」の中。
トンネルの両側はショーウィンドウ、途中にごく小さな露天の広場があり、その向こうが
またトンネルという構造だ。さっきのと同じだ。なーるほど。
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おそらく、ウィーンのドゥルヒガングっていうのはロの字型になった建物に付随して
あるんだろうな。アッチとコッチがトンネルになってて、真ん中は露天。
パリやブリュッセルのパサージュは必ず両側に店舗が整備されて商業空間としての性格が
強いのに対し、ウィーンのドゥルヒガングは「通り抜け通路」としての役割が大きいって感じだ。

最初に見た看板つきドゥルヒガング。
実はあの看板、フィグルミュラーっていう有名なレストランの看板なんだよね。
建物の中庭部分みたいなところにレストランがあるから、そこに行く通路としての
ドゥルヒガングがある。でもただのトンネルじゃつまんないから、両側にショーウィンドウを
つけて少し商業的機能も加えた…と、そんな感じじゃないのかなぁ?

ちなみに、このフィグルミュラーっていうレストランはウィーンのガイドブックには
必ず載ってる有名店で、呼び物は「皿からはみ出すほどの巨大ウィーナー・シュニッツェル」。
看板もこうなっているのだ。でっけぇ。
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ここは人気店で混んでるらしいし、今や年老いたイ課長・トホ妻、こんな巨大シュニッツェルを
完食する自信はまったくない。だからこの店には行かなかったのである。

胃袋に自信のある方はぜひ、行ってみてください。
その時は、アナタもウィーンのドゥルヒガングを通ることになるんだヨ。





by tohoiwanya | 2011-08-31 12:26 | 2011.06 ウィーン旅行 | Comments(2)