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2012年 08月 09日

打ち棄てられた大聖堂

スタンダールっていうフランスの作家がいる。
「赤と黒」とか書いた大作家だけど、イ課長は一冊も読んだことはない。

そのスタンダールが、ゴシック建築がワサッと集まるルーアンの街を評して
「ルーアンはゴシック建築のアテネである」と言ったらしい。
すでに見た大聖堂や裁判所以外にもルーアンにはホントにゴシック建築が多いのだ。

たとえば大聖堂を出てちょっと東の方を見ると、もう一つ別の高い尖塔が見えた。
あれも大きそうな教会だよな。どれ、行ってみっか。

行ってみると、確かに立派な教会らしい。らしいが何も見えません。
建物から尖塔の根元まで、何から何まで修復工事の幕に覆われて、大聖堂っていうよりも
「工事中の大きな何か」にしか見えねぇぞ、おい。はるばる日本から来た人間にその態度か?
フ ・ ラ ・ ン ・ ス ・ 人~~~そんなにイ課長を怒らせたいかッ?!
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これ、たぶんサン・マクルー教会っていう教会なんだと思う。
やはりフランボワイヤン・ゴシックを代表する華麗な大聖堂らしいけど、ここまでロコツに
工事中じゃどうしようもない。入口も探すことなくサッサと見学はあきらめた。

実はルーアンにはもう一つあるんだよ。ゴシックの大きな聖堂が。
本日書きたかったのはむしろソッチの方なのだ。

名前はサン・トゥアン教会という。
遠くからでもよく見える、巨大ゴシック建築で、例のポトフ食った後に行ってみた。
(実はその前に一度入ろうとしたら、14時までは閉まってるってコトだったんだよね)

教会の中に入ったイ課長は二つのことにビックリした。
一つめは内部が予想以上に壮大だってことだ。こりゃすごい。見事なゴシック大聖堂だ。
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身廊と側廊を隔てるアーチがルーアン大聖堂だと二段の尖塔アーチになってたんだけど
ここは一段。その分、ひとつのアーチがものすごくデカくて立派で、壮大な印象が強まる。
見てよ下の写真。人間と比べてこんなにデカいアーチだもんね。すっげーー。
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だが驚いたことがもう一つある。それは中に人がいないってこと。ガラーン。
人影自体がマバラで、観光客なんて全然いないよ。こんな立派な大聖堂なのに?

このあたりからイ課長は妙な違和感を覚えはじめた。確かにこの教会、大きくて立派だ。
だがこの床ときたら・・・普通、立派な大聖堂の床ってタイル装飾がきれいに施されて
いるもんだけど、ココはまるでコンクリート打ちっぱなしみたいな、こんな床なの?
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ルーアン大聖堂は信者が座るイスが床たくさんあったし、小さな祭壇とか、壁の彫刻とか、
ロウソクの寄付台とか、とにかくいろいろあった。人が集まる教会ならそれが普通だろう。

しかしここは教会側面が「使わねぇんだからふさいどけ」と言わんばかりに、ベタッと
白い板でふさがれてて、何もない。見てるうちにだんだん薄気味悪くなってきた。
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この大聖堂・・・全然使われてないよな、どう見ても。
日常的に信者が集まったり、ミサが行われてるみたいな「人の温もり感」ゼロ。
壊れてるとか汚れてるっていうんじゃないけど、使用されないまま放置プレイって感じ。

見てよ下の写真。これ、内陣にあった祭壇の一つなんだけどさ。
普通だったらステンドグラスをバックにきれいに飾られた祭壇があるはずなのに、
ここは祭壇手前に箱みたいなものがガタンと倒れ、倒れっぱなしのままになってる。
建物管理されてるのか?これじゃまるで「打ち棄てられた大聖堂」ではないか。
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何でこんなことになったの?
管理費コスト負担に耐えられず、放置プレイすることにしたとか?それとも他に
何か特別の理由があるんだろうか?
人がほとんどいないんだから内部はもちろん静かだ。でも宗教的静寂ってのとは全然違う。
ただ巨大っていうだけのガランとした聖堂空間。ハッキリいって居心地はよくない。
バラ窓なんかも立派なんだけどなぁ…
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上にも書いたように、ルーアンはゴシックのアテネと称されたこともある街だ。
そのルーアンで、大聖堂と並んで巨大&立派なゴシック建築であるサン・トゥアン教会。
その立派な教会が、実は(おそらく)使われていない大聖堂であったとは…

いやぁ、びっくりしたよ。
びっくりさ加減では、ある意味ルーアン大聖堂よりこっちの方が大きかったともいえる。
これだけリッパな建物でありながら、訪れる人もほとんどない、打ち棄てられた大聖堂。
ルーアン大聖堂やサン・マクルー教会はあんなに手厚く修復してもらってるっていうのに…。
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可哀想・・というか、痛ましい気持ちになっちゃったよ。これが同情せずにいられるか。
おい、サン・トゥアン教会もほかの教会みたく、きちんと修復して内部もキレイにしてやれよ!
不公平だぞ!えこひいきすんな!フランス人!!



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by tohoiwanya | 2012-08-09 00:16 | 2011.11 欧州出張 | Comments(6)
2012年 08月 06日

パテとポトフ

激暑国出張するか、しないかの決着は再来週に決まる。
とりあえず、ルーアンの話を続けよう。またゴシック教会の話っていうのもナンだから
(要するに他にも教会を観にいったというわけだが)、今日はメシの話題。

ルーアンでメシを食ったのは13時を過ぎた頃。あちこち観光した後だった。
寒かったし、歩き疲れてもいたし、暖房の効いた着席できるレストランで落ち着いて
食うことにした。といっても、外のテラス席をビニールで覆って暖房してるってだけだが。
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さて注文だ。フランスのレストランでの注文なら、2009年に多少は経験してるから
イ課長はもう大丈夫だぜ。ふふん。いつものように前菜とメインっていう組合せにして、
ついでにビールでも頼んで、フランスの休日ランチをゆっくり楽しもうじゃねぇか。
ところで今日の前菜とメインは何だろう?
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・・・・・・ふーむ、ほほー、なるほど・・・ヒトッコトも読めねぇよ

フランスのレストランの手書きメニューってとにかくこの「グニュグニュ文字」がお約束。
もうちょっと読みやすく書いてくんねぇか?ただでさえフランス語パプーのところに
このグニュグニュ手書き文字が相手じゃお手上げだよ。
あああギャルソンが注文取りに来ちゃった。どうすりゃいいんだ。追い詰められるイ課長。

とりあえず前菜(entree)とメイン(plat)とビールだって言えば何とかなるだろ。
以下、あの時の注文に際してのイ課長とギャルソンの会話を忠実に再現するとこうなる。

「ボンジュールムッシュー」
「ボンジュール・・あー・・アントレ・・エ・・プラト(実際には最後のtは発音しないらしい)シルヴプレ」
「アントレ、ホニャホニャホニャパテホニャホニャホニャホニャ?」
「(あ、いま、パテって言った?)・・・あー・・パテ」
「プラ、ホニャホニャホニャホニャポトフーホニャホニャホニャ」
「(ポトフ言うたよな?いま)・・・・ぽ、ポトフ」

相手の言ったことの聞き取れた断片だけをオウム返ししてランチのオーダー無事終了。
なんと素晴らしいイ課長の語学力(笑)。

だが、この記事を書きながら写真を改めて見て初めて知ったよ。「ポトフ」って
フランス語ではPot ou fu(feuか?)って書くんだね。へええ~~~~。
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ビールをちびちび飲みながら、メシを待つ。
パテとポトフって言葉に聞き覚えがあったとはいえ、それがどういう料理かとなると
実はよくわからない。パテっていうのはたしか「練り物系」の食い物じゃなかったっけ?
出てくる料理がよくわからないというのも、フランスならではの食の楽しみ?だ。

お、きました前菜。パテね。
あーこれは…うん、まぁ、想像してたものとそう大幅な違いはないよ。
「ネトッとした練り物にネトッとしたソースをからめてネトッと食う」って感じのモノで
なかなか美味しい。パンにもビールにも合う。
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ネトッとしたパテを食いながら、「ポトフってのはどんな料理だっけ?」と考える。
こちらは「煮込み系」だったはずだけど、詳細はよくわからん。どんなんだっけ?

…と思ってるうちに、いよいよポトフ様の登場です。やっぱ煮込み料理っぽいね。
だが、イ課長はこのポトフを見て直感的に「大変なことになった」と思った。
料理がドウコウじゃなく、とにかく量が問題だ。写真じゃわかりづらいかもしれないけど
日本だったら軽く「お二人様分」になるくらいの、すごい量なんだよこのポトフ。
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寒いからこういう温かい料理は嬉しいんだけど、この量はさすがに…。
うう…イ課長もすっかりトシぢゃ。これを完食するのは無理というものぢゃよ…。

完食がムリとすると、どの辺から優先して食うか、だよな。
やっぱ貧乏性イ課長としては「肉を残す」っていうのは、とてももったいないことに思える。
作戦としては、まず上部に堆積したジャガイモやニンジン、キャベツ等々の野菜を食い、
「肉の層」を露出させたら肉中心の攻撃に切り替えるか…などと、考えながら
ルーアンのポトフとイ課長との戦いの幕は切っておとされた。

厳しい戦いだったよ。
結局、ビールをお代わりしつつ、何とか肉だけは完食したが、野菜は少し残した。
ルーアンのポトフに負けたぜ、くそ。

値段はよく覚えてないけど、ビールお代わりして25ユーロくらいじゃなかったかなぁ?
30ユーロいったかなぁ?まぁ相応の値段ってとこだろ。ごちそうさまでした。

ポトフとの戦いが終わった頃はもう2時を回ってたはずだ。
勘定を済ませて店を出たときのイ課長は満腹すぎて顔が赤黒くなってたはずだ(笑)。
パリ行きの列車が出るまであと1時間弱。
ルーアンの街を少し歩いて、腹ごなししなきゃ…




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by tohoiwanya | 2012-08-06 00:17 | 2011.11 欧州出張 | Comments(4)
2012年 07月 31日

ルーアン大聖堂に入ろう -その2-

大聖堂の中に入るぞ、今度こそ(笑)。

ちなみに、ルーアン大聖堂は入場料なし。無料。
これはルーアンに限らず、欧州の多くの教会がそう。たとえそれが有名な観光名所でも、だ。
パリのノートルダム寺院も、ケルン大聖堂も、アミアンシャルトルランス
中に入って見学するだけなら全部タダだった。

いま挙げたこれらの教会は遺跡じゃない、全部“現役”の教会だ。現役である以上は
「教会の扉は常に全ての人に開かれていなければならぬ」という思想を体現して
入場料ナシで全ての人を受け入れている…ということなんじゃないかと思うんだけど、
本当のところはわからない(笑)。

とにかくタダなんだからイソイソと中に入る。
そして、巨大ゴシック教会に入って最初にするお約束の行為、すなわち
「うーわーーーー…」と言いながら、高い天井を見るために首をグーッと反らせる。
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いやぁ…イ課長は正直言ってちょっと驚いた。
イ課長が読んだゴシック教会建築に関する本ではルーアンの大聖堂を取りあげてる本って
意外に少なくて、当然のことながら事前の知識も少なかった。
そういう事情と、モネの連作の印象とが相まって、ルーアンの大聖堂っていうのは
「スゴいのは主に外観であって、中は大したことないんだろう」という漠然とした予想があったんだよ。

これがなかなかどうして。内部は素晴らしく重厚だよ。
まさにゴシック建築の王道を行くようなゴシック聖堂。こりゃお見それ致しやした。
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しかも、とにかく意外なほどデッカい。
こうやって身廊(一番天井が高い中央の通路)を左に見ながら、ちょっと暗い側廊(身廊の
両側にある、ちょっと天井の低い通路)にたたずで先を見ると、交差廊をはさんで
はーるーかー先まで側廊が伸びているのがわかる。こんなに大きかったんだ。
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イ課長が特にすげぇと思ったのは柱だ。
ゴシック教会の柱が実際には1本の石の柱であるにも関わらず、見た目は「何本もの細い円柱が
タバになって巨大な柱を形成してるっぽく見せる」っていうのは他の大聖堂でも見た。

しかしこのルーアン大聖堂の柱はかなり特徴的で、こんな風に、まるで柱に沿って何本もの
細いガス管が設置されたようになってる。しかもそのガス管は柱にくっついてない。浮いてる。
これが柱?!こういうのも見た記憶ないなぁ。
石造りの重量感を感じさせず、天に向かうような垂直性を強調するのはゴシック建築では
当たり前だけど、この「浮いた細い柱」はすげーと思ったよ。地震がない国だからこその
思い切ったデザインといえるとかもしれない。
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午前中にゴシック聖堂を見た時の常として、東側、つまり奥の祭壇側に太陽がある。
ルーアン大聖堂の祭壇奥のステンドグラスから光が差し込むサマは、アミアンほど明るくなく、
適度に暗い神秘性があって、イイ感じに美しい。うーむ…ルーアン、やるね。
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ステンドグラスだってなかなか見事なものだ。
下の写真の右上あたりの、両手を広げた女性の表現なんかを見ると意外に現代的で、
ひょっとするとシャルトルなんかに比べて作られたのがかなり後の時代なのかなぁ?
だから、フランスゴシック建築の本ではルーアン大聖堂はやや“冷遇”されているんだろうか?
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シャルトルやランスやアミアンに比べて作られた時代が新しいっていうのは、おそらく
そうなんだと思う(ちゃんと調べろよヲマエ)。
しかし新しかろうがドウであろうが、イ課長はルーアン大聖堂の内部にはかなり感心したから
これまた欧州教会見学時のお約束、お金を寄付してロウソクを寄進することにした。
右端の、一番長いロウソクが火をつけたばかりのイ課長ロウソクなのである。
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正面入口の「三角形装飾取り外し事件」の不始末では対仏感情が悪化したけど、
ルーアン大聖堂、内部はなかなか見応えのあるものだったよ。
イ課長の対仏感情もだいぶ改善したぞ(笑)。




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by tohoiwanya | 2012-07-31 17:30 | 2011.11 欧州出張 | Comments(4)
2012年 07月 27日

ルーアン大聖堂に入ろう

モネが描いたルーアン大聖堂の連作シリーズ。

建物にあたる光の(色の)変化を捉えることに対するモネの、ほとんど妄執ともいえる
執着を示した連作として名高いけど、全部で何枚あるのかイ課長は知らなかった。
まぁたぶん十数枚とか、そんな感じだろうと思っていたのだが…。

実は33枚もあるんだと!これにはちょっと驚いた。
ひたすら同じ場所・同じ構図でルーアン大聖堂が朝、昼、夕方と変化していくサマを
33枚描くってスゴすぎる。やはり妄執だよ(笑)。ネットで拾ってきた画像を3枚だけ
ご覧に入れよう。ことごとく、この構図だ。
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この絵で見るルーアン大聖堂、一番特徴的だと思うのは、大きなバラ窓(絵ではほとんど
黒い洞窟みたいに見えるが)の前にくっついてる、二等辺三角形のデッパリだよね。
この三角形の中に「フランボワイヤン式=火焔式」を象徴する、炎が燃え上がるような
技巧的な装飾が施されている。バラ窓の前にこんな装飾が高く出っ張ってる教会って
他のゴシック聖堂じゃ見た記憶がなくて、ルーアン大聖堂の大きな特徴と言っていいんだろう。

さっそくモネが見たのと同じような角度で…あれ?…あれ?…あれ?
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おかしいな?例の三角形のデッパリがないぞ。
モネの絵はこの角度からじゃなくて、別の窓を描いたもんだったのか?

いやしかしもう一度見比べてほしい。どう見たってこの位置から描いてるよな。
あのバラ窓の前に三角形のデッパリが絶対あるはずなのに、ない。えええ~?
この辺から、フランスで何度か味わった経験のある悪い予感が急速に広がり始めた。
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かーーーッ!やっぱりそうだよ。修復かナニかであの三角形部分だけはずしてやがる!
三角形の装飾をとっぱずした言い訳らしき看板があるよ。言い訳すんな、ばかたれ。
何でイ課長が来るのに修復なんてするかなーー!フランス人のばか!
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さっきも言ったように、バラ窓の前の、このタテ長三角の華麗な装飾こそが、この大聖堂の
最も特徴的な部分。モネの連作の画像を見るとわかるように、彼は明らかのこの
「暗いバラ窓の前にある三角形の装飾に光が当たる」という部分を中心的なポイントに据えて
大聖堂を描いてる。そこを…あろうことか…現在ハズしてますだぁ?…くっ…てめぇ…。

いや、そりゃね?いいよ?修復は必要だよ。
しかし、正面ファサードの一番重要な装飾だけモギ取っちゃうっていうのは
いかがなもんだ?木造建築なら「一度はずして、また組み立て直す」ってことも
できるんだろうけど、石造建築の飾りの部分だけ取っちゃうなんてこと出来るのかい?
まさか根元をノコギリでギコギコやってハズしたんじゃねぇだろうな?
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2009年にランス大聖堂に行った時もよゥ、一番有名な「微笑みの天使」像ンとこだけ
修復で隠してやがったしよゥ、今回はルーアン大聖堂でこれかい。まったくもう~…。
フランスでこういう失望を味わった時の常として、イ課長の対仏感情は急速に悪化する(笑)。

まぁしゃあない。
イ課長だってそれほど狭量なオトコではない。大人なのだ。
三角形装飾取り外し事件?のことは胸の内に収めて、とにかく中を鑑賞するとしよう。
…といいたかったところなのだが…。

うーむ…いわば「大聖堂の顔」が修復でハズされちゃってたのにショックをうけて、
聖堂に入るまでのことをこんなに長く書いちまったじゃねぇか(笑)。
このまま続けて書くと長くなるから、大聖堂の内部鑑賞は次回更新にまわすことにする。

え?ハナシ引っ張るなって?これはね、イ課長がワルいんじゃないの。
何もかもフランス人が悪いのだ(笑)。



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by tohoiwanya | 2012-07-27 23:45 | 2011.11 欧州出張 | Comments(2)
2012年 07月 25日

ルーアンを歩く

ルーアン・リヴ・ドロワ駅を出たイ課長はとりあえず、南に向かって歩き始めた。
これがリヴ・ドロワ駅の外観。なかなか立派な駅だ。
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前回記事のコメントでも指摘されてるけどリヴ・ドロワって、「右岸」っていう意味で
左岸だったらリヴ・ゴーシュになる。こういう言い方は街の真ん中にセーヌ川が流れる
パリでよく聞く言い方だ。右岸っていう以上、ルーアンも街の真ん中を大きな川が流れてる。

そのルーアンを流れてるのはナニ川か?少なからず意外なことに、これが実はパリと同じ
セーヌ川なんだよ。パリからルーアンまで同じセーヌ川でつながってたとは知らなかったぜ。
大聖堂やなんかがある街の中心部は駅から南に歩いた右岸の川っぺりに広がってるみたいだから
とりあえず南に向かって歩き始めたというわけだ。

歩いてると、こんな風にいかにも情緒ある石畳の路地がそこココにある。
いいよね、こういう道。なにげない路地が好きなイ課長としては心ひかれるものがある。
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「ほら、こちらに曲がってみない?うふ」と甘い声で誘われてるようで(道がしゃべるかよ!)
ついフラフラと曲がりたくなるけど、地理不案内な身としては迷子になりそうなワキ道の
誘惑には目をつぶり、品行方正に?地図を片手に大聖堂を目指して大通りを南に歩く。

うお?フと上を見上げるとガーゴイルがおなじみのゲロ吐きポーズで口をあけてる。
大聖堂はまだもう少し先のはずだが、この建物はなんだろ?
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…と思ってみると、うっわーーーーガーゴイル軍団がズラリと並んでるよ。すげぇ。
これだけたくさんガーゴイルがくっついてるってことは、相当立派&巨大なゴシック建築のはずだ。
しかし、この辺にはデカい教会はないみたいだけどなーー??
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地図を確認すると、この建物はどうやらノルマンディー地方の最高裁判所らしい。
なるほど裁判所か。そりゃ建物が立派なのもうなづける。
とりあえず建物外観をブラブラ歩きながら見てたんだけど、そうやって見てるうちに
イ課長はむしろ建物の外壁が気になりだした。これ、ひょっとすると…
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どうやらその「ひょっとすると」らしいんだよ。
ルーアンの最高裁判所外壁には未だに第二次大戦の弾痕がナマナマしく残っている。
「残そう」と思って残しているのは間違いなくて、要するに「あの戦争を忘れないように」
っていうことだろう。しかし、その弾痕の数ってのがハンパじゃないんだよ。
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考えてみたらルーアンって連合軍が上陸したノルマンディー海岸からわりと近いわけだし、
内陸に進撃しようとする連合軍と、それを阻止するドイツ軍との間で激しい市街戦が
あっても不思議はない…つうか、間違いなくあったはずだよな。うーむ…。
この最高裁判所、ルーアンのゴシック建築の中でも非常に優れたものらしいんだけど、
イ課長にはこのスサマジい弾痕だけが印象に残っちまったよ。

さて、気を取り直して先に進もう。
最高裁判所からまたちょっと南に行くと、巨大時計がある。
イ課長は知らなかったけど、ルーアン観光名所として必ず挙がる有名な時計らしい。
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うーむ…確かに豪華絢爛な時計だ。たいへん立派。
この時計があるあたりはもうルーアンの街の中心部といっていい。
だってほら、この時計のマタの下から、もう大聖堂がすぐ近くに見えてるじゃん。
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というわけで、次回はいよいよフランスゴシック教会の中でも
フランボワイヤン・ゴシック(火焔様式)の傑作といわれる、華麗な装飾で有名な
ルーアン大聖堂をご紹介するのである。



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by tohoiwanya | 2012-07-25 00:06 | 2011.11 欧州出張 | Comments(4)
2012年 07月 23日

ルーアンに行ってみよう

イ課長がこれまでにこなしてきた欧州出張では、必ず「金曜に仕事が終了、土曜に半日観光、
そのまま土曜の夜の便で帰国」というのがお決まりのパターン。
土曜日の半日観光で見たプラハリューベックアウクスブルクブリュージュ
ハンプトンコート等々の場所はどれも思い出深いところばかりだ。

しかし、去年の11月出張の場合、土曜の半日観光どころか、土日がマルマル休めた。
こういうのはイ課長も初めてで、この土日をどう過ごすかを考えるのは楽しかったなぁ。
基本線としては、こんな感じで検討を進めた。

①せっかく二日あるんだから土曜日はパリからちょっと離れた街に日帰りで行ってこよう
②日曜日は夕方までひたすらパリ市内でマニアックな観光に没頭しよう
 (夜にはパリで同行者と合流する予定だった)

さて、土曜日の①だ。どこに行こうか?
出張準備で忙殺され、ともすれば「あーもう行きたくねぇこんな出張!」というステバチな、
後ろ向き気分なりがちな日々にあって「土曜日はパリからドコ行こうかなぁ~?」と
考えることは海外出張モチベーションの維持に大きく寄与したと思うよ(笑)。

しかしどこに行くかは意外になかなか決まらなかった。
パリを朝発って、夕方頃に戻ってこられるところっていうとある程度範囲が限られるけど、
距離的にちょうどいいアミアンとかランスなんかには2009年にもう行ってるんだよね。
まだ行ったことない場所でステキそうな所。どこかなぁ~?てな感じでフランスの地図を
眺めながら考え、考えた末に思いついたのがルーアンだったのだ。

ルーアンはパリからけっこう近い。鉄道で1時間ちょっと。
ルーアンといえばイ課長が真っ先に思い出すのは、モネが描いたルーアン大聖堂の
連作シリーズだ。そうか、そうだよな、あの街には立派なゴシック聖堂があったじゃん。
マイルドな教会建築ヲタク、イ課長の心がルーアンに傾き始める。

ルーアンって、ジャンヌ・ダルクが火刑に処された街でもあるんだと。へぇ~…存じませんでした。
要するに、歴史あるフランスの古都(フランスにそういう街は多いが)というわけだな。
まぁジャンヌ・ダルクにはさほど興味はないけど、やっぱルーアン大聖堂は見たい。
超有名観光物件があるわけじゃないけど、週末にフランスの古都を散策するのもいいじゃん。
というわけでルーアンに行くことに決めた。

2011年11月26日土曜日の朝。
パリからルーアンに向かう鉄道の旅は、まずサン・ラザール駅から始まる。
この駅は2009年に何度か利用してるからもうおなじみ気分。余裕ですよ、ヨユウ。
…と思ったら、おや、駅前にヘンなドーム?が出来てるぞ。そういや2009年には
この辺一体が工事中だったもんなぁ…こんなのが出来たんだ。それにしてもルーブル前の
透明ピラミッドといい、ココといい、フランス人はこういうの好きだねぇ…。
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駅前の工事が終わって、正面の階段が普通に使えるようになってたのは嬉しかったね。
ここは「男の女」の忘れがたいラストシーンに出てきた階段なんだけど、2009年の時は
工事で見られなかったんだよ。あー意外なほど映画のまま残ってるねぇ…。
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そして、これまたおなじみ、直前まで何番ホームから発車するかわからないシステム。
ええ、フランスなんてしょせんこんなモンっす。承知しておりやす、余裕っす(笑)。
イ課長が乗る8時50分発の列車が何番線発車か、表示をのんびり待たせていただきやしょう。
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ルーアンに行くための切符は例によってSNCFのサイトで予約していた。
ただ、この路線はまだ「チケットを自分でプリントアウト」のシステムに対応してなくて
予約確認証をメールで受け取るという方式。だから切符は当日引き換える必要があった。

イ課長は用意周到に日本から持参した予約確認メールを、この日の朝早く、パリ東駅の
切符売場で切符と交換しておいたのである。予約確認メールってこんな感じ。
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で、受け取った切符はこんな感じね。
長距離TGV路線なんかだと、ほぼ確実に切符は自分でプリントアウトできるんだけど、
ルーアンに行く程度の近場路線だと、こういうこともある。
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てなことを言ってる間に、列車は無事ルーアンに着いた。
朝の10時とはいえ、11下旬のルーアン・リヴ・ドロワ駅はまだ日も低い。
冬の日の早朝って感じだ。しかしもう一度言うが、一応もう10時だ。
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この同じ駅から14時57分の電車でパリに戻るまで約5時間。
ルーアンの街で自由を満喫してやろうじゃねぇか。

というわけで、これからしばらくルーアンを訪ねた時の話を書き続けようと思う。
(まぁ時々、全然違う話に飛ぶこともあるとは思うが)
なかなか情緒に富んだ、いい感じの地方都市だったよ、ルーアンは。

  

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by tohoiwanya | 2012-07-23 00:14 | 2011.11 欧州出張 | Comments(5)
2012年 07月 19日

アーヘンのホーンテッドマンション

去年11月出張でのフランスネタ消化が順調にサクサク進んでいくのかと思いきや、
話は突然その数日前、同じ出張で訪問したドイツのアーヘンという街に飛ぶ。
書き手の気分次第でドコに飛ぶかわからないイ課長ブログなのである。
(要するに“行った順番どおり順ぐりに書く”というのがイヤなようだ)

というわけで、今日はアーヘンの話ね。
夏にふさわしく怪談ネタで…というほどのモンでもないが(笑)。

2011年11月23日、ハンブルクから空路、ケルン空港経由でアーヘンに夜到着したイ課長。
クタクタになってホテルにチェックインはしたものの、なにせどくとるマンボウの教え
信奉するイ課長。その夜もいつものように疲れた身体にムチ打ち、アーヘンのX'masマーケット
見るために、ふたたび夜のアーヘンの街に出撃したのである。

時刻はもう8時過ぎ。冬だから街はすっかり夜のとばりに包まれて真っ暗だ。
ホテルでもらった地図だけを頼りに、駅前の通りを西に向かって歩く。
もう少し行ったら右に折れればいいはず…と思いながら歩いてると、ちょうどその
「右に折れる道」の始まると思われるあたりに、異様に真っ黒で巨大な建物がある。
ふむ…あのドス黒い巨大建物ンとこを曲がるわけだな。

しかしそれにしても、このデッカい建物は一体なんだい?
最初は古くて大きな建物だなぁ…と思って眺めてたんだけど、しばらく見てるうちに
だんだん薄気味悪さを感じてきた。
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中世の城郭建築はどれも開口部がすごく小さいもんだけど、この建物も窓が極めて小さい。
何となく牢獄を連想させるものがある。しかも屋根ンところに何カ所かある窓の扉が
血の色のように赤く鮮やかで、気味悪さを増幅させる。建物下部にアーチ型トンネルあって、
そこが通れるようになってるから、おそらく大昔の城門みたいなもんなんだと思うけど、
あたかもどこかのテーマパークにある西洋幽霊屋敷に見える(笑)。

そこでイ課長は自主的にこの塔のことを「アーヘンのホーンテッドマンション」と名付けた。
イ課長が泊まった例のホテルからX'masマーケットの会場、つまり大聖堂なんかがある
市の中心部に行くには、このホーンテッドマンションを右に曲がるのがわかりやすいのだ。

翌朝早朝、イ課長はまたもやホテルから散歩に出た(モノ好きだねぇ…寒いのに)。
11月下旬だから早朝っつうてもまだ真っ暗で実質的には夜。人通りも極めて少ない。
しかし中心部に行こうとすればまたホーンテッドマンションのとこを曲がらないと…。

うーーむ…夜明け前の空を背景に建つ姿、相変わらずデカくて不気味な塔だぜ。
しかし、とにかくこの建物の下を曲がって大聖堂の方に行きたいから…
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     ・・・え?


       ・・・・えええ?


             ・・・・・・ひ、人がいるよ。こんな夜中に?!

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ホーンテッドマンションの下に座っているナゾの黒い人影。
あたりは真っ暗。周囲に人通りは絶えてなくイ課長一人。そういった状況にあって、
イ課長としてはこのナゾの人影の解明よりも、そこから足早に立ち去る方を優先したい
気分だったので、そうすることにした。君子は危うきに近寄らないのである(笑)。

このアーヘンのホーンテッドマンション。
明るい時間に見るとこんな感じ。まぁ昼間みても、やっぱり幽霊屋敷的なたたずまいの
不気味な塔であると言わざるを得ないよな。
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さて、ではあの不気味な人影は何だったのか?一応それも解明した(昼間にね)。
午後になって通訳さんと一緒にもう一度ここを通ったら、こんなおニイさんがいたのである。
明け方、イ課長をビックリさせたのはアンタだったのかい。
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後ろに何か説明プレートがある。
通訳さんがザッと読んでくれた内容によると、大昔にここで見張りか何かをしていた兵士が、
フとした着想で、靴を修理する道具だったか…とにかくナニかをドウにかする道具の
新しい工夫を思いついたとか何とか…そういったことを記念?した銅像らしいのである。

トホホ・・・何だそりゃ? 詳細は不明だが、とりあえず何か歴史的もしくは
感動的なデキゴトを記念したモニュメントでないことは確かなようだ。

このアーヘンのホーンテッドマンション。
建物がすごく古くいものであることは間違いないし、たぶんアーヘンのガイドブックには
これがどういう建物であるか、紹介されてるんだろうと思う。

しかし何せこっちはアーヘンに1泊しかしない出張中の身。
ガイドブックによる現地情報収集なんてハナから放棄してたから、このホーンテッドマンションが
何なのか、出張から8ヶ月たった今でもイ課長にはわからずじまいなのである。
見張り中に何かの道具を発明したという、なかなかアイディア豊富な、別の言い方をすれば
任務に不真面目な兵士の銅像がある幽霊屋敷という以上の知識をイ課長は持っていない。

この塔が何という名称で、何のために作られたのか?
真相をご存知のアーヘン関係者がおられたら、ぜひイ課長にご教示いただきたいのである。

 

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by tohoiwanya | 2012-07-19 00:18 | 2011.11 欧州出張 | Comments(2)
2012年 07月 17日

パリ・巣ごもりの夜

関東はまだ梅雨明けも宣言されてないのに、イッキに真夏の暑さ。
汗っかきのイ課長は完全に「全身ポストイットおばけ」と化しております。

さて、そんな暑さの中、寒かった去年11月の欧州出張ネタを続けよう。
今日も「出張から解放された、あの夜」の続きを書く(よほど嬉しかったんだな)。

2011年11月25日金曜日の夜22時ちょい過ぎ。
シュツットガルトを出発したTGVは無事、イ課長をパリ東駅まで届けてくれた。
パリとイ課長との、2年半ぶりの再会。

しかし、何せ時期は11月下旬で、時刻は22時をまわってる。
パリの街は冬の長い夜のトバリに包まれてるし、一方のイ課長もまたドイツから移動して
クタクタという状態。あまり感動的な再会の光景とは言い難い。

東駅や北駅(この二つは近い)周辺の夜の治安が極端に悪いとは思ってなかったけど、
かと言って良くもなさそうだし(笑)、イ課長は疲れてるし、寒いし、とりあえず今夜は
サッサとホテルにチェックインして、メシ食ってビール飲んでバタッと寝ちまおうぜ。

夜遅く到着することは分かってたから、ホテルは東駅近くの安ホテルをとった。
徒歩5~6分ってとこかな。チェックインして、部屋に入る。大した部屋じゃない(笑)。
しかし窓をひょいと開けてみたら…

うわぁ~~、このホテル、窓からパリ東駅が一面に見渡せるんだ。ちょっといいねぇ。
駅のざわめきがかすかに聞こえて、旅情をかきたててくれるじゃん。うーむ…
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…なんて感慨にひたってる場合ではない。
とりあえず今夜のメシ調達のため、イ課長はふたたび夜の東駅に向けて出撃した。
こんな夜遅くに開いてそうな食い物屋は駅周辺しかなさそうだったからね。
できればテーブル席で食うんじゃなく、何かテイクアウトして、ついでに缶ビールを
確保した上で、今夜はホテルでのんびり巣ごもりしたい気分だった。

結局、東駅近くの、さびれ果てたピザ屋でピザを買い、通りすがりの店で缶ビールも
調達することが出来た。この頃にはもう夜11時を過ぎてたはずだ。
ホテルに戻る道もほとんど店じまいしちゃってたくらいで、こんな夜遅くに
ピザと缶ビールという「ホテル巣ごもりグッズ」を確保できたのは上出来だったといえる。
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ホテルの部屋に戻り、リラックスしてビールをぐびり。
まだナマ温かいピザを食う…わびしい海外出張サラリーマンの悲哀が漂うよねぇ。

しかしだ。
意外に思うかもしれないけど、この時のイ課長はやけに満ち足りてたんだよ(笑)。
安ホテルの一室で、アルミホイルを皿がわりに冷えかけたピザを食い、缶ビールを飲む。
海外出張にありがちな孤独でうらぶれた夜だ。しかしこの夜は何せ…
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①無事出張前半ドイツでの仕事が終わり、つつがなく移動してこられたわけだし
②宿も、清潔なシーツのベッドも、メシも、缶ビールも、ちゃんと確保できてるし
③今夜はもうこれ食ってバッタリ寝ればいいだけだし、
④明日、あさっては休日だし
⑤いま自分がいる街はパリだし

…という諸々の条件が重なってたからねー。パリのホテルでこうやって巣ごもりして、
「明日の仕事」の心配をせずに過ごせることが嬉しくてしょうがなかった。

天にもパリにも昇る心地で、金曜の夜遅くパリに着いたイ課長。
その最初の夜はこんな風に物質的には極めてみすぼらしく、精神的には極めて充足した状況で
過ぎていったわけなのでありました。

もちろん、このあとピザを食い終わったイ課長が「いつ眠ったか覚えてない」くらい
すみやかに寝てしまったのは言うまでもないのである。

 

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by tohoiwanya | 2012-07-17 00:03 | 2011.11 欧州出張 | Comments(0)
2012年 07月 15日

海外出張からの解放

なんかミョーな標題だな、我ながら(笑)。
しかし他にいいのが思いつかなかったのだ。

人によって、あるいは仕事の内容によって程度には大きな差があるだろうけど、
イ課長は海外出張で業務上の日程が全部終わる(もしくは一区切りつく)と、
ものすごくホッとして、やたらと解放感にひたる。

まぁ当然といえば当然だよな。
これが旅行なら「ああ、もう帰らないといけないんだ…」って気持にもなるだろうけど、
楽しくもない仕事で、一切の不手際が許されないプレッシャーの下で出張スケジュールを
何とか最後まで走りきるとホッとするんだよ。とにかく無事終わったことが嬉しい。
業務スケジュールの呪縛から解放されて自由になる、その喜びは格別のものがある。

しかも自由になった場所は日本じゃない。外国だ。これがまた重要なポイント。
これが国内出張だと、終わった時でも「会社に電話しなきゃ…」てな感じで、気分的に
いろんなシガラミがまとわりついてる。しかしここは海外だ。シガラミなんてないんだよ。
そのことが解放感を一層強める、っていうブブンはあると思う。

過去の海外出張の中で、スケジュールが終わった解放感が異常なほど強くて、もう
天にも昇る心地というか、「嬉しすぎて死にそう!」ってくらい嬉しかったっていう
経験が2度ある。どちらも忘れがたいものだ。

一度目は前にも書いたけど、2007年、初の欧州出張全日程を終えて迎えたプラハの夜だ。
あの時は本当に嬉しかった。外国で、出張の緊張から解放されるということに酔いしれた。
「プラハの街もボクを祝福してくれてるー!」って感じで、海外出張が無事終わると
こんなに嬉しいもんなんだってことに、自分自身で感動してた(笑)。
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その後の海外出張でも「終わった、ウレシイ!」っていう気持ちはどれも基本的には
同じだったけど、2007年欧州出張での、あの宙に浮くような幸福感は経験してない。
「回を重ねていくとだんだん感動が薄れるのかなぁ?」なんて思ったりもした。

ところがだ。
意外なことに、昨年11~12月の欧州出張でイ課長は久々にその気分を味わったのだ。
すでに欧州出張は何度も経験してるはずなのに、なぜあの時はそんなに嬉しかったのか?

ちょうど出張前半、ドイツでの日程が済んで、明日から土日の「中休み」に入るっていう
金曜の夜だったんだよね。ドイツでの日程はとにかくキツいの一言に尽きた。
それらを何とかミスなくこなして、土日2日間はゆっくり過ごせるんだよ?うっひーーー♪
これは嬉しいよ。このコトが解放感倍増要因の一つだったことは間違いない。

第二の要因としては、シュツットガルトから乗り換えなしのTGVに乗ったことだろうな。
目的地は終着駅だから、寝たきゃいくら居眠りしてもいいわけだ。乗り過ごす心配ゼロ。
これに乗りさえすりゃ、あとは「緊張モード」のスイッチを切ってもいいんだって感じで、
TGVのシートに座った時からすでに週末休みの序奏が始まってるようだった。
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第三の要因として、「単独行動になった」っていうことも非常に大きい。
去年の欧州出張では日程の大半をエラい人と同行してた。業務上の同行者がいれば、そりゃ
どうしてもいろいろ気を使う。しかし、金曜夜のTGVからはイ課長一人だったのだ。
同行者と日曜夜に再び合流するまでは気楽な一人旅を味わえるんだよ。そりゃー解放感も
一段と高まろうってもんだぜ。

…といった具合に、この時は「解放感倍増要素」がいくつも重なっていた。
まだ出張が全部終わったわけではないんだけど、イ課長が異常なほどの解放感に
打ちふるえたくなった気持ちはわかるような気がするでしょ?
しかし、結局のところ、上に整理した3つの解放感倍増要因もフッ飛ばすくらい、
第四の要因が決定的に重要だったのは否定できないところだ。それは…





これから行こうとする街がパリであったということだ。


あーもう…パリだよ。パリで週末を過ごせるんだよ。
イ課長は2009年に初めてパリに行き、「パリにはやられたな」と思った。
魅惑と誘惑と混沌に満ちた、美しきパリ。
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そのパリに、2年半ぶりにまた行けるんだよ?
このTGVが乗り換えなしで、終点のパリ東駅までイ課長を運んでくれるんだよ?
そして土日は仕事から解放されて、パリで、一人で、好きなように過ごせるんだよ?
まさに天にもパリにも昇るような心地というべきか(笑)。

2011年の英仏独出張でイ課長は800枚近い写真を撮ってるけど、その7割はフランス国内で
撮られたものだ。ドイツや英国に滞在した日はぜんぶ平日の業務日だったけど、
土日をパリおよびフランスで過ごすと、こういうアンバランスなことになるわけだ。

2011年11~12月にかけての欧州出張。あれはホントに長くて、キツかった。
そのうえマンチェスターではカメラ壊して、携帯カメラに依存せざるを得なかったり(笑)、
いろいろあった出張だったよホントに。

そんな去年の欧州出張ネタ、いよいよ本格的にご紹介していきたいと思います。
上記のような理由で、フランスでのネタが多くなるけどね。



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by tohoiwanya | 2012-07-15 00:07 | 2011.11 欧州出張 | Comments(2)
2012年 03月 19日

パリのポストイット・アートたち

さっきまでコタツで原稿を書いていたイ課長ですおはようございます。
今日はこのまま眠らずに会社行くことになるのかなぁ…。
(もっとも、今日目が覚めたのは午後3時だから、眠くならないのも道理なのだが)

さて、明け方のイ課長ブログ更新(笑)。
何書こうかなぁ…。ウィーン旅行ネタはこういう荒んだ?気分の時は避けたい。
去年の欧州出張、もしくは今年の欧州出張ネタから何か…


ピンッ! (←ひらめいた音)


そうだ、アレにしよう。
あのネタはもうスタレ気味かもしれないから、早めに消化してしまおう。
それは去年の欧州出張、パリで土日を過ごした時に見に行ったものなのである。

パリのポストイット戦争って、聞いたことある人、いるだろうか?
イ課長は何かのネットニュースで見た。パリのある会社が窓ガラスに色とりどりのポストイットで
絵を貼ったら、それを見た他のビルの社員が対抗心を燃やして新たなアートを次々と貼りまくり、
とうとうパリ中のオフィスビルで競いあうようにポストイットを使った窓貼りアートが大流行に
なっちまったと。だからポストイット戦争というわけだ。去年の秋くらいのニュースだった。

これはパリでのみ流行した局所的ブームみたいで、他の街では聞いたことがない。
でも記事中の写真を見るとなかなかバカバカしくも見事なもので、ちょっと興味があった。
パリに行ったら見てみたいな、と思ってたんだよ。

結果的には「健全な観光客ならまず行かないパリ観光」ばかりになった今回のパリの休日(笑)。
モノ好きなイ課長は事前にパリのどの辺にいけば、このポストイット・アートが見られるか
ものすごく苦労して入念に調査までしたのだ(仕事しろって)。

日曜日の朝、ホテルを出たイ課長が目指したのはパリの環状道路を越えた先の
ロベスピエールというメトロの駅だ。ここからほど近いゲームソフト会社が
このポストイット・アートを流行らせた会社らしいんだよね、どうやら。
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メトロの駅から地上に出ると、やけに庶民的な通りの両側にやけに庶民的な店が並んでいる。
この先に、ビルの連なるビジネス街なんてあるんだろうか?
とりあえず、事前に調べた通りの方向に向かって歩き出すと、やがて新しいビルが
いっぱい並んだエリアが見つかった。再開発ビジネス街ってやつか。

お!早くも発見。こりゃパックマンだよな。
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しかし、この程度のものはポストイット・アートとしてはごく初歩的なものなのだ。
歩いていくとあちこちの窓にいろんな作品が並んでる。
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上のヤツなんかはなかなか力作らしいんだけど、真ん中にヒサシ?があるから、
何が貼られてるんだかよくわかんねぇ。鑑賞者の視点で貼ってくれんと困るよキミたち。

こっちは昔の映画の…なんだっけ?ギズモだっけ?
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フランスらしく、星の王子様もあるぞ。
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たまたま低い位置の窓にもポストイット・アートがあったから、うーんと近寄って
写真を撮ってみた。こういう風に、鉛筆で下描き?してから貼るんだなぁ…へぇ~。
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イ課長がこの日見た中で、最も「アート」っぽいものといえばコレかな。
最初よくわからなかったけど、これってタバコすってる男の横顔だよね。
ゲームキャラなんかが多い中にあって、この作品はなかなか異彩を放ってたよ。
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このポストイット・アート。もちろん貼ってある窓より貼ってない窓の方が圧倒的に多い(笑)。
ただ、会社によって盛んに張られてるビルと、一枚も貼られてないビルとがあって、
フランスでも「我が社の窓にポストイットアートなんて貼るのはけしからん!」なんていう
会社があるのかな?と想像するとけっこう面白かった。

というわけで、本日はさほど頭を使わずに写真だけで更新できるネタってことで(笑)、
パリのポストイット・アートのご紹介でした。

人気のマッタクない日曜のパリのオフィス街。ここにポストイット・アートを見に来た
モノズキなガイジン旅行者はイ課長一人だけのようだった…当然か(笑)。



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by tohoiwanya | 2012-03-19 05:58 | 2011.11 欧州出張 | Comments(2)