カテゴリ:2009.05 パリ旅行( 73 )


2009年 11月 13日

モンパルナス墓地 -その3-

パリの3大有名墓地の中で、モンパルナス墓地に行ってみようと思ったのは、
単にシャルトルから帰ってくる列車が着くモンパルナス駅から近い、それだけの理由だった。

ちょっとネットで探したら、この墓地にジーン・セバーグやサルトルのお墓があることを
紹介した記事はすぐに見つかった。実際にお墓を見た人の写真入りブログも多い。
他にどんな人のお墓があるんだろ?と思ってあちこち捜してたら、パリ三大墓地の有名人お墓の
地図付きガイドみたいなサイトを発見した(あったんだよ、そういうのが)。

ナニ語だかよくわからない(フランス語じゃないと思う)このサイトで、映画関係者のお墓が
他にもあるんじゃないか?と思って、生前の職業で検索してみた。
「そんなに有名じゃないけど、かつて見た俳優サンのお墓が!」なんて発見を期待したわけだ。
確かに捜すと何人か出てきた。でも知らない名前の人ばっかりだなぁ…と思って見ていたら、
タイヘンな人の名前を発見した。

     

     Demy, Jacques   filmmaker

     
     え? これは …??


     …ジャック・ドゥミーのこと…??

ジャック・ドゥミーだ…間違いない。フィルムメーカーっつうから映画監督だろ。

彼のお墓がある!
え?ジャック・ドゥミーって誰かって?ジャック・ドゥミーってこのブログに散々書いた
シェルブールの雨傘を撮った監督なんだよ!

これは運命的な巡り合わせだったと言っていい。こんな偶然があるなんて…。
モンパルナス墓地を紹介したどんな日本語サイトにも、ジャック・ドゥミーのお墓なんて
書かれたものは一つもなかった。まぁそうだよな。フランソワ・トリュフォーみたいな
超有名映画監督ってわけじゃないんだから。

たまたまマニアックなお墓サイト?を発見し、フと検索してみて彼のお墓を見つけるなんて…。
このことを知ったときから、モンパルナス墓地でジャック・ドゥミーのお墓参りをすることは
イ課長にとって非常に重要なミッションになった。

生まれて初めてフランスに来て、あの映画のロケ地、シェルブールに行ったのが5月19日。
その二日後にパリ・モンパルナス墓地であの映画を撮った監督のお墓参り。
こんなことが出来るなんて、想像もしなかったよ。

ジャック・ドゥミーのお墓も探すのにちょいと手間取ったけど、やがて見つけた。
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巨大なマツボックリがたくさん置いてある。このお墓だけがこう。
彼とマツボックリって、何か関係があるんだろうか?

ジャック・ドゥミーの奥さんは、やはり女性映画監督として有名なアニエス・ヴァルダだ。
ドゥミーが亡くなった後、奥さんは愛する夫の子供時代を描いた「ジャック・ドゥミの少年期」
という映画も作っている(見てないんだけどさ)。

写真じゃツタの葉で見えづらいけど、墓石の一番手前のところにはすでにVARDAという
彼女の名前が刻まれてる。彼女は死んだら夫の隣に眠ろうと、もう決めているんだね。
その時は、このジャック・ドゥミーの名前の下にも彼女の名前が彫られるんだろう。
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モンパルナス墓地の静かな時間が流れていく。
じーーーーーっと彼のお墓の前にたたずんで、しばらくの間、その時間の流れに身を任せた。

映画史に大きな足跡を残した大監督というわけじゃないかもしれない。
しかし、彼はイ課長が最も愛する映画を撮ってくれた監督なのだ。
残念ながら、イ課長は供えるお花も何も持ってこなかった。
でも、ジャック・ドゥミーのお墓参りに来られたアカシとして、今こそパリの風習にならって
メトロの切符を彼のお墓の上に置こう。
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ジャック・ドゥミーのお墓のことを紹介した日本語の記事なんてお目にかかったこともない。
それなのに、今自分はこうしてここにいる。ここに来られた。運命を感じたよ。
ここにお墓参りに来た日本人なんて、これまでにいたんだろうか?

モンパルナス墓地は5時(だったか、6時だったか)になると閉まるんだね。
手に持った鐘を鳴らしながら、管理人が墓地を巡回して閉園を知らせている。
静かな夕暮れの墓地に、カラーン カラーン という音が響く。
出口の門のところにも鐘があって、係員が鳴らしてる。物寂しい音だね。
何となく、この静かな墓地にもっといたかったけど、イ課長も帰らなきゃ。
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今回の旅行では、あの映画に対するイ課長の想いに対して、全てが味方してくれた気がする。
映画の神様がこの時ばかりはイ課長に微笑んでくれたのかも。

ああ…フランスに来られてよかった。
シェルブールに行けてよかった。
そして、ジャック・ドゥミーのお墓参りができてよかった。

どうもありがとう。イ課長に味方してくれた全ての状況に御礼を言った。
そして、もちろん、あの映画を撮ってくれたジャック・ドゥミーにも。
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by tohoiwanya | 2009-11-13 00:02 | 2009.05 パリ旅行 | Comments(4)
2009年 11月 11日

モンパルナス墓地 -その2-

モンパルナス墓地めぐりは続く。
いやしかしね、モンパルナス墓地の「お墓設置密度」って相当に高い。
こんな感じでギシーーッとお墓同士がくっついて建てられてるから、墓と墓のスキマを通って
向こう側に行くしかない、なんて場所もけっこうある。
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こんなに墓だらけじゃ、ブラブラ歩いて著名人のお墓を偶然発見するなんてことは不可能だ。
今回、イ課長は入念に事前調査し、どの辺に誰の墓があるか調べておいたけど、それでも
お目当てのお墓を見つけるのにはけっこう時間がかかったよ。

本日は女優さんのお墓を巡りながら、生前の彼女たちの美しかった頃を偲びたい。
著作を読んだこともない偉大な哲学者のお墓より、映画で見た女優さんのお墓の方が
イ課長にとって思い入れが深くなるのは当然なのだ。

…といっても、モンパルナス墓地でイ課長が事前に位置を確認できた女優さんは二人だけ。
その一人がデルフィーヌ・セーリグだ。

この人は「去年マリエンバートで」っていう映画に出たことで映画史に名を残した。
他にも「ロバと王女」とか、いろいろ出てるんだけど、イ課長が見て、しかも印象深く覚えてるのは
何といっても「ジャッカルの日」で演じた上流階級有閑マダム役だな。
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調べてみると1932年生まれで1990年に亡くなってる。まだ58歳だったんだ。
キュッと微笑んだ時の口元がキレイな、すごい美人だった。
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モンパルナス墓地の、わりとヘリの方に彼女のお墓がある。
セルジュ・ゲンズブールの墓みたいにワンサカお供え物があるわけじゃないけど、
生前の彼女のファンが今でも墓参に来るんだろうな。赤い花がキレイだ。

モンパルナス墓地に眠る女優さんで最も有名な人となるとおそらくジーン・セバーグだろう。

この人はそんなにたくさんの映画に出たわけじゃない。しかし彼女の名は映画史に永久に残る。
サガンの原作を映画化した「悲しみよこんにちわ」に出演して、イッキに有名になった。
彼女のショート・カット姿があまりにチャーミングで、同じようなベリーショートの髪型を
セシール・カットというようになったのだ。
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そして何といってもゴダール監督の「勝手にしやがれ」で彼女は時代のミューズになったんだよね。
この映画におけるジーン・セバーグの魅力には、世界が打ちのめされた。
「勝手にしやがれのジーン・セバーグ」は映画史においてはすでに一つの偶像と言ってもいい。
この映画の彼女のファッションをハリウッド女優がマネしたなんて話は今でも聞く。
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「勝手にしやがれ」の衝撃があまりに強かったから、ジーン・セバーグは当然フランス女優だろうって
気がしちゃうけど、この人、実はアメリカ出身のレッキとしたアメリカ人なんだよね。

イ課長としては中学生のときにテレビで見た「大空港」で、バート・ランカスターと惹かれ合う
空港職員役が印象深いなぁ。この映画だとちゃんとアメリカ人に見える(笑)。
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ジーン・セバーグがどうして死んだのか、イ課長は全く知らなかった。この人って実は
晩年(といっても若いけど)はかなり心を病んで、結局パリで自殺したんだって。
車の中で睡眠薬自殺したらしい。まだ40歳の若さで…だ。美人薄命って言葉は本当なんだなぁ。
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彼女のお墓はモンパルナス墓地のわりと中央部にある。
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誰が作ったのか、小石のハートマークがあった。
彼女の美しさを忘れられない、熱心なファンが並べたんだろうな。
アメリカ生まれではあるけれど、パリを舞台にしたフランス映画で映画史に永遠の名を刻んだ
ジーン・セバーグの永眠の地は、やはりパリ・モンパルナス墓地こそふさわしいんだろう…。

ちょっとしんみりしてきました…。
 
しかし、イ課長がモンパルナス墓地で本当にお墓参りしたかった人は別にいるのだ。
次回「その3」でその人のことを書こう。もっとしんみりしちゃうと思うけど(笑)。
  


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by tohoiwanya | 2009-11-11 00:16 | 2009.05 パリ旅行 | Comments(0)
2009年 11月 09日

モンパルナス墓地 -その1-

パリ旅行ネタには「その1、その2…」って感じで、連続してタップリ書きたいネタが多い。
今回はモンパルナス墓地について書こう。このネタもやはり1回では終わらない(笑)。

墓地に観光に行くっていうのは変といえばヘンだけど、有名人のお墓が多い墓地って
けっこう観光地化してる。ウィーンなんかだと中央墓地に行って有名作曲家のお墓めぐりってのが
完全に定番観光コースになってるよね。

パリにはモンパルナス、モンマルトル、ペール・ラシューズっていう有名な3つの墓地があって、
それぞれ誰もが知ってる作家だの哲学者だの映画監督だの俳優だの音楽家だのが
「おお、あの人がここに」って感じで眠っている。その中でイ課長が行ったのはモンパルナス墓地だった。

ここにはシャルトル大聖堂に行ってパリに戻ってきた、その足で行った。
平日の、そろそろ夕方になる時刻の墓地。それでもけっこう人が歩いてたけど、その中には
イ課長みたいな「観光墓参り」に来た人も多かったんだと思う。

モンパルナス墓地にある著名人のお墓として、必ず真っ先に挙がるのが
サルトルとボーヴォワールのお墓だ。
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実存主義哲学の第一人者、20世紀を代表する哲学者サルトル。
「人は女に生まれるのではない。女になるのだ」の「第二の性」で有名な作家ボーヴォワール。
この二人は法的には結婚してなかったけど、実質的には生涯のパートナーだった。
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法的に夫婦じゃなくても、一緒のお墓に入るのはこの二人にとってこの上なく自然だったはずだ。
こういう有名人のお墓には花を供えることが多いのは万国共通だけど、パリではなぜか
メトロの切符を置く、という風習?があるようだ。でも、イ課長の切符はまだここでは置かない。

これは「悪の華」で有名な詩人ボードレールのお墓。
サルトルもボーヴォワールも読んでないイ課長だが、「悪の華」は高校生の時に読んだよ。感慨深いなぁ。
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ボードレールって人はなかなかシャレ者だったんだけど実際には父親の遺産を使い果たして禁治産者になったり、
実生活上では相当破滅型の人だったらしい。

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20世紀を代表する名フルーティスト、ジャン・ピエール・ランパルのお墓もモンパルナス墓地にある。
彼の演奏したフルート曲はイ課長のiPodにも何曲も入ってるよ。日本びいきとしても知られてて
琴の名曲「春の海」をフルートで録音したりもしてる。
そんなに昔の人じゃなくて亡くなったのは2000年。まだ新しい墓石の上に供えられた花がキレイだ。
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フランス国内での人気・知名度という点じゃこの人かも。歌手のセルジュ・ゲンズブール。
イ課長としてはこの人には特に思い入れはなくて、ジェーン・バーキンと結婚して、その娘が
女優のシャルロット・ゲンズブールであるってことくらいだけど、フランスでは未だに大変な人気らしい。
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死後も人気が高くて、みんなが花だの写真だの、争うようにお供えするもんだから
墓なんてほとんど見えないよ。まるで花屋の店頭みたいなスゴいことになってる(笑)。
 
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セーヌ左岸の、都会の中にある墓地で、周りにはビルが建ってるけど、墓地の中はシンと静かだ。
パリを愛した人たちが眠るにはイイところと言えるかもしれない。

というわけで、モンパルナス墓地の観光墓参りは「その2」に続くのである。
次回は「女優さんのお墓めぐり」ざます。
  


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by tohoiwanya | 2009-11-09 00:23 | 2009.05 パリ旅行 | Comments(0)
2009年 11月 04日

パリ行く人々 -サン・マルタン運河編-

パリ行く人々定点観測シリーズ、サン・マルタン運河編。

天気のいいサン・マルタン運河の堤防でメシを食いながら、パリジェンヌたちを眺める。
ここもやっぱりオシャレでカッコいい連中が多いんだよ、まったく憎たらしい。

イ課長の近くで、やはり運河の堤防の上でランチを楽しむ女子学生たち。
日本の公園のベンチでコンビニ弁当食ってるOLと基本的には同じなんだけど、
何だかオシャレに見えるんだよな〜。ハラ立つよなぁ〜。
え?昼間から缶ビールのイ課長より食ってるモノもオシャレっぽい?さいざんすか。
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こちらでは4人組が運河ぞいでおしゃべり。
まだ若い(おそらく)女子学生で、高価なものを着てるようには全然見えないが
なぜかみんなサマになってる。特にこの黒人の女のコのピンクのヘアバンドが目をひく。
右から二人目のハダシの女の子もカワイイね。
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あははは、こっちじゃもうみんなハダシになってるよ(笑)。
たぶんこの辺に高校か大学があるんだと思うんだよなぁ、女子学生がやけに多かった。
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こっちでも(たぶん)女子学生がアイス食ってる。
このグループは、女子は黒いタイツをはくというキマリでもあるんだろうか?(笑)
しかし、この黒人の女のコはすっげースラリとしたスタイルでカッコよかった。
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以前のバスティーユ広場の定点観測、そしてこのサン・マルタン運河での定点観測を
総合して考察するとだね、「パリ行く人々」がなぜオシャレでカッコよく見えるのか、
イ課長なりの仮説が考えられる。

ポイントは色使いにあると見た。カラーコーディネートが巧みなんだよ。
どこかに鮮やかな色を使ったり、その日のテーマカラーで揃えたりしてるように思える。

前に載せたバスティーユ広場の観測例だと、たとえばこのマダム。
彼女の今日のテーマカラーは明らかにエビ茶だ。手にさげる紙袋までカラーコーディネートしてる。
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この左の女子はムラサキだ。シャツ、スカーフそして肩にかけたバッグの色が見事に揃ってる。すごい。
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4番目の写真の、アイス食ってる黒人の女の子の場合は黒いタイツと明るいペパーミントグリーンの
サマーセーターという、色の組み合わせが実に鮮やかでキマッてる。

要するにそういうことだ。
パリ行く人々がオシャレに見える要因。それは彼らのカラーセンスの良さにあり…と。
以上がパリ行く人々を定点観測したイ課長による深遠なファッション考察の結論なのでした。おほん。

…え?イモダサ中年男・イ課長の単なるタワゴト?さいざんすか。

 


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by tohoiwanya | 2009-11-04 00:07 | 2009.05 パリ旅行 | Comments(2)
2009年 10月 31日

サン・マルタン運河というところ

唐突にパリ旅行記の続きを再開するのである。

出張と違って、旅行だと全日程がほぼすべて自分の好きなコトによって埋まる。
だからネタも多くなる。まだ書くことがいっぱい残ってんだよーーー。
やっと着手したばかりのシンガポール出張報告もあるし、その上11月には新たな海外出張報告が
加わることを考えたら、少なくとも来年まではネタの枯渇に困ることはないか(笑)。

さて、パリだ、巴里。
ギュスターブ・モロー美術館オペラ座を観光し、バスティーユ広場でパリ行く人々を
定点観測したイ課長は、そのままぶらぶらとサン・マルタン運河方向に歩いた。
この日はとにかく天気が良かったんだよねー。

サン・マルタン運河って、今回イ課長がパリで最も気に入った場所の一つだ。
パリの東の方をセーヌ川から北に伸びる運河なんだけど、周辺の感じがもう実にイイ。
イ課長は見てない「アメリ」って映画の中で、主人公が川で水切り遊びをする場面が
あるそうで、その場面が撮影されたのがこのサン・マルタン運河(らしい)。

この辺はモンマルトルの丘にも近くて、パリの中では“下町”と言えるエリアだ。
その真ん中にマンマンと水をたたえた運河があって、途中にいくつも太鼓橋がある。
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運河の両側はまさに絵に描いたような「パリ市民の憩いの場」という風情だ。
時間はちょうど昼過ぎだったんだけど、学生なんかが運河の堤防に座ってみんなで
メシを食ったりしてる。
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うーーーん…実にイイ雰囲気だ。イ課長も今日のランチはカフェとかじゃなくて、
このサン・マルタン運河の堤防で食うことにしよう。

サン・マルタン運河はかなりの高低差のある地形に作られてるらしくて、何カ所も
水位調節用の水門がある。ここを通る船は必ずこの水門で一時停止するわけだ。
お、太鼓橋の向こうから運河クルーズの遊覧船がやってくるではないか。
観光客をいっぱい載せた遊覧船がのんびりと水門で“上昇”するのを見るのも楽しいね。

こうやって、いったん船を水門で停めて水位を調節する。
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これから進もうとするところと水位が同じになったところで水門がギーーー。
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はーい、行ってらっしゃーーい。パリの下町を抜ける運河クルーズもオツだねぇ。
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サンサンたる陽光の下、パリの下町を流れるサン・マルタン運河のほとりで昼食。
イ課長が近くのスーパーで調達した食材は以下の通り。
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小さい方がマカロニサラダみたいなもの。
大きい方がチキンの入った野菜サラダ。
そしてもちろん、真っ昼間から大量のビールなのである当然なのである(笑)。

運河べりにはアッチでもコッチでもパリっ子たちがゴロゴロしたり、しゃべったりしてる。
うーむ…ここでまた定点観測してみようかな。

というわけで次回は「パリ行く人々定点観測シリーズ」第2弾、サン・マルタン運河編でござんす。



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by tohoiwanya | 2009-10-31 01:02 | 2009.05 パリ旅行 | Comments(2)
2009年 10月 01日

イ課長、フランス警察に取調べられる

それは、シェルブールで教会や傘屋を見終わり、メシも食い終わって、そろそろ
駅に戻ろうか…という状況の時に起きた。ちょうどこの写真を撮った直後のことだ。
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イ課長が写真を撮ってると、右手の方でパトカーが停まった。
中から二人の警官が出てきてコッチの方に歩いてくる。仕事でどこかに行くんだろう。
…いやしかし、どうも彼らはイ課長に向かって歩いてくるように見えるんだが…。

警官は二人コンビ。やや小柄なのと、大柄で頭がスキンヘッドのとだ。
小柄な方がテキパキとした口調でイ課長に英語で話しかけてきた。

警「アナタはフランス語を話しますか?英語を話しますか?
イ「えー…あー…英語…」
警「アナタのナショナリティはドコですか?
イ「ジャパンです」
警「ジャパン。けっこう。パスポートを拝見できますか?
イ「あ、はいはい。どうぞ」
バッグからパスポートを出して彼に渡した。
小柄な警官はそれをめくってちょっと見ていたが、やがてこう言った(と思う)。

警「パスポート番号をチェックしてよろしいですか?
イ「?? い…イエス」

小柄な方の警官はイ課長のパスポートを持ってパトカーに行き、無線でパスポート番号の
チェックを依頼しているようだ。昨日、ムーラン・ルージュ前で同じような光景を見たけど
まさか、単なる外国人旅行者のイ課長が同じ目に遭うとは思わなんだぜ。

パスポート番号を照合している間、スキンヘッドの大柄警官がイ課長を見張るようにして
そばに立ってる。あの…ひょっとしてイ課長が逃走する恐れがあると思ってる?

しかし街の写真を撮ってるだけの外国人旅行者を調べるってのはなぜなんだろ?
シェルブールの街の様子をスパイしていると思われたのか?
はたまた、どこかの国のテロリストの人相とイ課長のツラが似てたのか?

もちろん、調べられたって何もないことはわかりきってるんだから、こちらとしては気楽。
逆に、そばに立ってるスキンヘッド警官に「これ、何なんですか?」「ボク、逮捕されるの?」とか
冗談半分で質問してみたいという激しい欲求をおさえられない(笑)。
そこで、ちょっと笑いながら冗談っぽく彼に向かって聞いてみた。

イ「あの…私は…テロリストですか?(笑)」
スキンヘッド警官はイ課長の冗談に対してニコリともせずに答えた。
警「ノー。我々はイミグレーション・ポリス(入国管理警察…とでも訳すべきか)である
イ「ははぁ〜…アイシー。ここは港町ですからね」

シェルブールの街を歩いてて、外国人らしき人なんてほとんど見かけなかった。
しかし、ここは港町であり、レッキとした軍港でもあったはずだ。
外国人の出入りは多いはずで、そういうのを専門に管理する警察ってことらしい。
日本じゃ聞かないけど、フランスではそういう警察があるんだねぇ…。

空港や鉄道でパスポートチェックされたことはあるけど、町中でいきなり警察官から
氏素性を調べられるなんてイ課長は始めてだ。貴重な経験だ。
フランスの警官に調べられた記念に、ぜひ一枚、写真を残しておきたい(笑)。
でも、この無愛想なスキンヘッド警官に「写真一枚いい?」なんて言えないよなぁ…

パスポート番号のチェックにはけっこう時間がかかった。
イ課長に逃走の恐れはなさそうと判断したのか、大柄スキンヘッド警官が、無線でしゃべってる
小柄警官に近づいて様子を見に行った。よし今だ!イ課長を取り調べた警官の記念写真パチリ!
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しばらくすると小柄な警官がパスポートを返してくれた。
警「サンキュー。ここは港町なのでこうやって外国人の方を確認させていただいて
  いるのです
(というようなことを言ってたんだと思う)」
イ「いえいえ、どういたしまして」

どうやらフランス警察組織はイ課長を「怪しくない外国人」と認めてくれたようだ。
フランスの留置所に送られることなくめでたく無事放免。いやーよかったよかった。
  



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by tohoiwanya | 2009-10-01 00:01 | 2009.05 パリ旅行 | Comments(6)
2009年 09月 28日

パリの赤い風車の下で…

アミアン大聖堂からパリ北駅に帰ってきて、サクレ・クールに行った日。

サクレ・クールのふもとに降りて、そのままアテもなくふらふらと歩いた。
割と庶民的な店が並ぶ道をずっと歩いてたら、そのうち店の様相がガラリと変わり、
大通りの両側にはSEX SHOPなんぞという看板が目立つようになった。

およよ、何だここは?パリの歌舞伎町なのか?

とはいったって、別にハンブルクの飾り窓じゃないんだし、どうってことはない。
まだ明るいし、ぜんぜん妖しげなムードもないから、そのまま歩いてたら…うお!
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赤い風車があるやん!ここが有名なムーラン・ルージュか!
ははぁ〜…つまり、ムーラン・ルージュっていうのは歌舞伎町みたいなパリの歓楽街の
一角にドンと位置してたというわけだ。なーるほど。

歩き疲れたし、ちょっとこの辺で一休みするかってんで、ムーラン・ルージュのまん前にある
カフェに入った。例によって外のテーブルに座ってビールを頼む。
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のんびりとビールを飲んでると、面白い光景に出会った。
ちょうどムーラン・ルージュ前の大通りで何かの交通取り締まりをしてたんだよ。

スクーターに乗った青年が婦人警官に停められて免許証の提示を求められる。
「えー?オレ、なんもしてないスよ?」って言ってるのが聞こえてくるようだ。
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ところが婦人警官は彼の免許証を持ったまま車の中に入ってしまった。
おそらく、免許証番号を何かのデータベースと照合してるんだろうな。
「ちえーーー、ついてねぇなぁ…ったくよう」
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照合にはけっこう時間がかかる。なかなか免許証を返してもらえない。
「けっ、しょうがねぇから音楽でも聞いてよ」
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やっと免許証を返してもらい、無罪放免。彼はヘルメットをかぶって走り出す。
「ったく、冗談じゃねぇぜホントによ〜」
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そんな4コマ漫画みたいな光景がビールを飲むイ課長の前で展開していく(笑)。
何の取り締まりなんだかよくわかんないんだけど、とにかく二輪車をターゲットに
してるのは間違いないようで、この後も引っかかったライダーがいる。
彼は免許証を照合する婦警さんのそばまで言って何か交渉してるよ。
「ねぇ、急いでんスから、早く免許証返してくださいよ〜」てな感じかな。
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まったくバカバカしい光景の写真を撮ったもんだと我ながら思う。
しかし、こういうバカバカしい写真をわざわざ紹介したのは、ある目的があるからだ。

免許証を取り上げ、パトカーの中で番号を照合する。
フランスの警察官はこういうコトを日常的にやるようだ、というのは上の写真でもわかるけど、
実はムーラン・ルージュ前でこの写真を撮った翌日、イ課長自身が同じような目に遭ったのである。

警官に取り調べられた場所はシェルブールだった。
何だってまたイ課長が警官に…? そう思うでしょ? イ課長自身もそう思った(笑)。

その時の事情は次回の更新で明かされるのである。

  


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by tohoiwanya | 2009-09-28 00:30 | 2009.05 パリ旅行 | Comments(0)
2009年 09月 24日

映画ヲタクの旅 -シェルブールの雨傘6-

街を歩きながら考えてみた。
シェルブールの雨傘という映画を全く知らない旅行者の目に、この街はどう映るかなぁ?
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イ課長としては想像するしかないんだけど、とにかく「小さくて、こじんまりして感じのイイ港町」
という印象を持つ人が多いんじゃないかと思う。
パリに比べりゃ圧倒的に田舎だけど、観光客がいないから静かで落ち着いてて、
地元の人たちだけのためにユルい時間が流れて行くような、のんびりした街だった。
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メシを食えそうなカフェもいっぱいあるけど、結局、海に面した店にした。
ここは傘屋のある建物からも歩いてすぐで、さっきこの辺を歩いた時に気づいてたんだよ。
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店の名前は文字通りの「シェルブール港のカフェ」。
店内でもいいんだけど、せっかくだから外の席にした。
ちなみに、イ課長は今回のフランス旅行中に入ったカフェではほとんど外の席を選んだ。
やっぱ景色とか、道行く人とか眺めていたいじゃん。

もっとも、シェルブールくらいの小さな港町じゃ通行人だってそうあるわけじゃない。
たまに通る車の音と、あとはウミネコの鳴き声くらいしか聞こえてこない。



あーーーーーーーーー…


あーーーーーーーーー…



イ課長は、しみじみと幸福だった。


この映画を初めて観た中学生の頃は、自分がフランスに行って、この映画の舞台になった街を
訪ねるなんて夢のまた夢だった。

その中学生が、こんな中年男になって、とうとう来ることができたんだよ。

駅も、教会も、傘屋も、オペラ劇場も見ることができたんだよ。

ホントに良かった。来られて良かった。
万感の思いと共にコーヒーを飲み、メシを食ったよ。
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イ課長を無事にフランスまで運んでくれた全日空の飛行機にも
ストも事故もなく、ちゃんとシェルブールまで列車を運行してくれたフランス国鉄にも
そして、この街をこんな風に昔のまま残してくれたシェルブールの街の人たちにも
すべてに御礼を言いたい気分だった。

さて。メシも食ったし、そろそろ列車の時間も近づいてきた。駅に移動するか。
名残惜しいけど、そろそろシェルブールの街とお別れしないとな。

駅に向かって歩いていくと、こんな食堂の看板にこんなのがあった。「小さな雨傘」
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これもまた映画にちなんだ店名に違いない。
田舎の港町の人たちにとっては、40年以上前とはいえ、今でも愛されてる名画の舞台に
自分たちの街が使われたことがきっと自慢なんだろう。

おそらく、イ課長が死ぬまでに、この街を再び訪れることはないだろう。
でもこの街に来たことで、イ課長は死ぬ時に「思い残すこと」が一つ減ったのは間違いないよ。
 
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列車が動き出した。
ギイになったつもりで最後のシェルブールの駅の写真を撮った。
お別れだよ。シェルブール。ばいばい。


 

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by tohoiwanya | 2009-09-24 00:49 | 2009.05 パリ旅行 | Comments(22)
2009年 09月 22日

映画ヲタクの旅 -シェルブールの雨傘5-

いよいよ「その5」に突入したシェルブール旅行記。
こうなったら「最もシェルブールのことを詳細に紹介したブログ」を目指して
イ課長は今日も書くのである。

シェルブールの雨傘の映画の冒頭はセピア色の画面で港の風景が映し出される。
これを見ると、奥の方は海じゃなく、山があるように見える。
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どういう構造の港なんだろう?と思ってたんだけど、実際に行ってみてわかった。
この辺の「港の情景」って、実際には海を背にして陸に向かって撮影してるんだね。
つまり、これらのショットは港の、最も陸に入り込んだドン詰まりの部分ってことになる。
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この映画を撮った当時にくらべると、この辺に停泊する船の数もだいぶ減って
ずいぶんサッパリしちゃったけど、この二つの写真で見比べると船の停泊所に面して
道があり、商店街があるっていう構造自体は変わってないことがわかる。
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映画の冒頭、セピア色の画面からカメラをずーっと手前の方にひいてきて
真上から見た石畳をバックにしてタイトルが映るんだけど、位置的に考えると
その撮影をやったのは、上の写真を撮るためにイ課長が立ったあたりのはずだ。
多少模様替えはされてるみたいだけど、この辺も基本構造は変わってないんだと思う。
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反対側、つまり外洋側を見るとこうなってる。
この、ずーーーーーっと向こうにはイギリスがあるわけだ。

駅の方向にはちょっとした山があって、テッペンには何か要塞みたいなものが建てられてる。
ノルマンディー上陸作戦があったことからもわかるように、この辺は第二次大戦の頃は
戦略的に非常に重要な地点だった。要塞の形を見るとあまり昔のモノには見えないから、
比較的最近のものじゃなかろうか。
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この辺の山の風景も映画には出てくるんだよね。
ローラン・カサールが妊娠したジュヌヴィエーヴを「お腹のコドモは私たちの子供として
育てましょう、どうか私と結婚してください」と、港を歩きながらカキ口説く場面で
奥の方にこの山が映ってる。
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こういうことって、実はシェルブールに行ってる時にはわからなかったんだよ。
日本に戻ってきて、いっぱい撮った写真と映画の画面を見比べると「ああ、ここはアソコだ」って
ことがわかってくる。

映画の最後に近い方で、ギイが商店街を走ってきて、カフェでマドレーヌと会う場面がある。
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これはまず間違いなく、港に面したこの辺の店を色鮮やかに塗り替えて使ったはずだ。
監督のジャク・ドゥミーはすでに亡くなってるけど、鮮やかな色使いが好きな人だった。
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…だめだよ…とまりません、映画ヲタクが(笑)。

いやしかし、イ課長はこの後に欲を出して「男と女」の舞台となったドゥーヴィルに
移動しないといけない。そうそうシェルブールで恍惚とし続けているわけにはいかんのだ。

考えてみたら、朝6時すぎに起きて朝メシも食わず7:07発の電車に乗って来たんだ。
イ課長、腹ペコだ。とりあえず見るべきものは大体見たし、せっかくシェルブールに来たんだし、
港に面したカフェでゆっくりメシでも食おうよ。
(↑ようやく、正気を回復してきたようである)



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by tohoiwanya | 2009-09-22 00:53 | 2009.05 パリ旅行 | Comments(2)
2009年 09月 20日

映画ヲタクの旅 -シェルブールの雨傘4-

シェルブールに着いただけで正気を半分失い、
「シェルブール雨傘店」を見たことで残り半分の正気の大半も失ったイ課長。
残ったホンのわずかな正気をふり絞って街の中心部に歩いていった。

というか、未だボーーーッとした状態のまま彷徨したという方が近いかも(笑)。

傘屋の建物が残っていた場所っていうのは実はシェルブールの街のはずれの方に近くて
そこからフラフラと歩いてると、もっと人通りの多い商店街みたいなところに出た。
ふーむ…どうやらこの辺が街の中心部なんだろうな。
…てなことを考えながら歩いてたら、お?傘屋があるではないか!!
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これがネットでも紹介されてた、現在のシェルブールの雨傘屋であり、
「シェルブールの雨傘」聖地めぐりに世界中から来る観光客目当ての土産物屋だ。
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ほら、何と看板には日本語まで書いてある。ここだけちょっと観光地っぽいね。
そう考えると、この映画の舞台を訪ねてくる世界中のモノズキたちの中でも
日本人の割合がかなり多いことがうかがえる。ここにも一人いるくらいだし(笑)。

ブラブラ歩いてると、立派な劇場があった。
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小さな街だから、特に探さなくても街の中心を歩いてるとすぐ見つかっちゃうんだね。
この劇場こそ、ギイとジュヌヴィエーヴがオペラ「カルメン」を見てデートした、あの劇場なのだ。
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正面ファサードなんて、小さな街の劇場にしてはものすごく立派だ。
映画の場面と比べてみると、もう全く、全然、これっぱかしも変わってないじゃん。
いやーーー、ここでギイとジュヌヴィエーヴがなぁ…あああ。

フランスの田舎の小さな港町・シェルブールなんてもう死ぬまで来られないはずだ。
ここまで来たら最後の正気を振り絞って、後悔しないように見られる可能性のあるものは
全て見ておこうではないか。
「撮影が行われたのはこの辺」という情報を持っていた最後の場所はオーブリー横丁。
出征の決まったギイとジュヌヴィエーヴが歩く路地だ。
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これもちょっと見つけるまでには時間がかかった。何せ細い道だから。
この辺かな?もう一つ先の道かな?って感じでウロウロしてたら、ほどなく見つけた。
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ここがまた異様に風情のある路地だった。
路地を抜けるとこんなトンネル?みたいなものの向こうに狭い広場がある。
まるで街から隠れたようなところに、隠れ家のようにシャレた家や店がまた並んでいる。
うひゃーーこういうトコ、住みたくなっちゃうなぁ。
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ああもう何だかドコもカシコもいいワ、シェルブールの街は。
映画に使われたところとか、そういうの抜きにしても、すごくいい感じの街だった。
大都会パリもいいけど、誰も知らないような小さな港町の風情もまたいいなぁ…。

みゃあみゃあみゃあ というウミネコの声を聞きながら、
ノルマンディー半島先端の港町ここに来られた喜びをシミジミと味わうイ課長なのであった。

  

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by tohoiwanya | 2009-09-20 01:30 | 2009.05 パリ旅行 | Comments(0)