タグ:カルチャーショック ( 42 ) タグの人気記事


2013年 01月 27日

インドの“そういう”事情について

ヒンズー教社会では婚前交渉に対する許容性がないので、男たちは恋人がいてもいなくても
“禁欲的”な環境下に置かれている…インドに行く前、インド野郎たちの「そういう」事情に関して
イ課長はそういうイメージを持っていた。ガイドブックにもそんなようなことが書いてあったし。
おおまかに言って、日本の独身男たちよりかなり“不自由”なんだろうな、と思ってた。

ところがだ。
デリーでの仕事中、例によって車で市内を移動してて、ある公園のワキを通ったら
車中にいた通訳さんが教えてくれたことがある。

通「イカチョさん、ここ、ナントカこうえんよ ひろいこうえんよー」
イ「ほぉ…」
通「このこうえん、よるになると カップルがおおいことで ゆうめい」
イ「ほぉ~そうなんですか」
通「そうですよ。だってインドにはラブホテルがないからね」
イ「はっ?・・あーー、なるほど、公園で・・・ははぁ」

宗教的に、結婚するまでエッチなことはトンでもないわ!ってことかと思ってたけど、
この話を聞く限りでは、カノジョのいる男なら、「夜の公園でイチャイチャ」程度の
“性的行為”は、少なくともデリーみたいな都市部ではアリみたいだねぇ。
これはちょっと意外だった。そんなに“禁欲的”ってわけでもないじゃん。インド野郎。
(下の写真はその公園じゃないよ)
f0189467_2273665.jpg

同じくデリーでこんな経験もした。アポ時間まで待つために喫茶店に入った時の話。
インド女性の代表的衣装としてサリーと並んで知られてるのがサルワール・カミーズだ。
別名、パンジャビ・スーツとも言われている。下がパンツになってて、こんな感じのやつ。
f0189467_2591562.jpg

ヒザあたりまでの長めのトップス、パンツ、ショールって3点セットが基本のサルワール・カミーズ。
しかし、その喫茶店にいたカップルの女性の方はショールなしで、トップスとパンツだけという
スタイルだったんだよね。へぇ、ああいう着方もあるのかと思って通訳さんに聞いた。
すると意外な答えが返ってきた。

「ああ、あれはね、むねをみせるため」

これまたちょっと意外な答えで驚いた。
ボーイフレンドの前で女性が自信のある部位をアピールしやすい服を着るというのは理解できる。
胸に自信があればピタTシャツを、脚に自信があればミニスカートを着る。日本の女性だって
身に覚えのある人はいるはずだが(笑)、しかし、インドでも同じだったとは意外。

なぁんだ、インドも実はそれほど“禁欲的”ってわけでもないんだ、と思った。
そりゃまぁ、ラブホテルがないのは不便だろうけど、カップルが夜の公園でイチャイチャしたり、
女性が彼氏の前でちょっぴりセクシーな衣装を着たりするあたりは日本と大差ない。
ヒンズー教だナンだっていっても、インドの独身男女、けっこううまくやってんじゃん、と思ったさ。

…というイ課長の考えはどうも甘かったようだ。
ご存知の人もいるだろうけど、去年の12月、デリーでひどい集団強姦事件があり、
インド各地での強姦事件の多さや、その悪質さが報道された。イ課長もショックをうけたよ。

強姦事件が多いって話を聞くと、インドの独身男たちはやはり禁欲的環境下に置かれて
「シたいけどできない」→「飢えすぎて、性欲暴発」という図式なのか?とも思える。

しかし、インドの公園がイチャイチャカップルでいっぱいという話を聞いてたイ課長としては
どうも単純にそう思う気にもなれなかった。そりゃまぁ、確かに「イチャつく相手」のいない
モテない野郎だっていっぱいいるだろうから、そういう連中が…ということなのか?

今回のデリーの事件、それに限らず、インドでは強姦がモノすごく多いって話と
「公園がイチャつきカップルだらけ」という経験がどうしても整合しなくて、イ課長なりに
いろいろ考えた。
f0189467_2292450.jpg

同じ頃、集団レイプされた女性が警察に訴えたら、警察から「強姦した相手の一人と
結婚すれば?」と言われ、被害者が憤慨のあまり服毒自殺したっていう事件もあった。
ここにはインドの女性蔑視・女性差別がある、と誰もが思う。イ課長も思う。

こういうのは「どうせヤッても大した罪にゃならないんだから」っていう感じで、
モテない男たちが強姦に走った、と考えることができる。要するに“性欲暴発型”。
まぁこれはイ課長にも理解はできる(やらないけどさ)。

しかし、例のデリーのレイプ事件はカップルが狙われたってところが引っかかる。
むしろレイプを誇示してるっていうか、単に「ヤりたい」っていう以上の、リンチした結果を
誇示するような異常性がある。ほとんど猟奇殺人の世界。イ課長の理解を超えている。
「どうせ一生カノジョなんて出来ないんだ」っていう男たちの、ヤケクソ復讐みたいな感じ。
いわば“恋愛貧者復讐型”とでもいうか…ターゲットがカップルだっただけにそう思う。

インドには下層カーストの男とか、ド貧乏な男もたーーーくさんいる。
夜の公園でイチャつくことも、結婚も生涯ムリそうで、売春婦を買うカネもない男たちも
たぶんたーーーーくさんいるんだろう。

そういう自分の人生を諦めることもできる(っつうか、諦めることしかできない)。
だが、まだ若くてヤリたい盛りの男たちにとってはどうか?そんな一生を送るくらいだったら
こんな人生をオレに押し付けた社会に復讐してやれ、と思うヤケクソ男もいるだろう。
そんな彼の周りに恵まれたイチャつきカップルがたくさんいれば、彼の復讐対象が誰になるか、
復讐形態がどんなものになるか、何となく想像がつくような気がしてくる。
f0189467_2312747.jpg

ちょっと暗い話になって申し訳ない。
イ課長はインドって国を基本的に好きだし、現地で会ったインド人もみんないい人だった。
しかし、インドにはイ課長が想像するしかない暗部・深部があることもまた事実だ。

とにかく強姦される女性が多いという社会、強姦犯に寛容という社会はやっぱ、異常だよ。
今回のレイプ事件で、世界中の女性が「インドに観光なんて行きたくないわ」と思っても
それは無理もない話で、これに関してインドに弁解の余地はほとんどないと思うのだ。


 
[PR]

by tohoiwanya | 2013-01-27 02:31 | 2012.10 インド出張 | Comments(6)
2013年 01月 22日

インドの夕刊フジ

話は突然、インドに飛ぶ。

イ課長が泊まったデリーのヒルトンでは毎日部屋に新聞が2種類、届けられた。
2紙っていうのは、いわゆる高級紙と大衆紙で、イギリスでいえばThe TimesとSun、
日本でいえばさしずめ朝日新聞と夕刊フジといったところか。

英語の不自由なガイジンには写真や広告の多い大衆紙の方が面白いのは当然で、
もっぱらそっちを読んだ。Delhi Timesっていう新聞だ。
f0189467_2583712.jpg

一面からカラー写真や挿絵があふれてて、難しい政治や外交問題なんかとは無縁そうな
新聞であることがすぐわかる。写真だけ眺めててもけっこう面白いんだよね。

特に面白かったのが、変身特集みたいな記事(というか、写真)だ。
おそらく「あなたをたちまちモテ女・モテ男に大変身させる!」みたいな特集で、
Before と After の写真が並んでるからおかしい。たとえばこんな感じ。
f0189467_2591166.jpg

f0189467_2594532.jpg

こういうのは実に面白いよねぇ~。
これを見ると、特に女性の“変身”に関しては、ブスが美人に変わるっていうより、
「フツーの女性が妖艶な女性に変身する」というブブンが強調されてるように思う。

ほら、下の写真なんかもそう。
ジミ専のイ課長にはBeforeのスッピン顔でもカワイイと思うんだけど、
このAfterのように、もっと目の化粧をキツくして妖艶美女風に仕立てることが
ポイントらしい。しかしさぁ、ちょっと水っぽくなってないか?(笑)
f0189467_3012100.jpg

さらに興味深いのはシーク教徒の殿方の変身だ。
シーク教徒の男性の場合、ターバンとヒゲという条件は変えようがないわけだから、
変身余地はあんまりないんだけど、こんな風に服のコーディネートで大変身というわけだ。
しかし、この彼なんかも変身前からすでに十分二枚目だと思うけどなぁ…。
f0189467_305734.jpg

同じような「インドの夕刊フジ」はムンバイにもあった。Mumbai Mirrorだ。
イ課長のムンバイ滞在中、国民的な大歌手の甥だか娘だかが拳銃自殺するという、
夕刊フジ好みの事件が発生したため、翌日の第一面はどかーんとその事件が扱われてる。
ちなみに、この国民的歌手(下の写真の左側のおばあちゃんと推測される)の自宅は
通訳さんの家の近所だったそうで、警察やTV局が集まって大変な騒ぎだったらしい。
f0189467_2571330.jpg

このように、デリーにもムンバイにも夕刊フジがあって、現地の人にはゴシップネタを、
イ課長にはブログネタを供給してくれるわけだけど、その中でイ課長が最も驚いた
衝撃の新聞広告をごらんに入れよう。DELHI TIMESに載ってた広告なんだけどさ。

                        どーーーん。
f0189467_312475.jpg

最初に目にした時は、ビクトリア・シークレットみたいな女性の下着の広告だろうと思った。
だが待て。ここは日本じゃない。インドだ。インドでもこんなセクシーな女性用下着の
広告があるの?ちょっと気になったから少し注目してみた。

広告の右下に裸体の男女が抱き合ってるパッケージがあるのがわかる。ははぁ~なるほど。
こりゃ新作アダルトDVDか何かの広告っぽい。このパッケージが商品というわけだ。
しかしDVDともちょっと違うようだが…?
f0189467_314327.jpg


    ええッ?

こ、こ、これは、こ、こ、コンドー○の広告でございましたかそうでございますか。
コン○ームの広告が新聞一面にデンと出てるのも驚くし、そのパッケージがこんな
裸体男女の抱き合い写真であるというのもちょっと驚く。しかしこの際それはいい。

問題はその横に書かれた言葉だ。
Chocolate Flavored Condoms・・・・チョコ味のコ○ドームぅ~?

実はこの広告を見るまで、イ課長は「味つき○ンドーム」なんぞというものが
この世にあるとは知らなかったので、それはもう大変な衝撃だった。
その後調べてみたところ、味付きコンドー○というのは日本にも一応あるようで、
フレーバーとしてはイチゴとか、まぁそういう“果汁系”が多いようだ。

しかしチョコ味がいいのか…インド。うーーん…。
チョコ味コン○ームを、セクシー写真パッケージに入れて商品化し、
セクシー写真の全面広告で宣伝するわけか…インド。うーーん…。

この全面広告だけ見ると、インドは性的にオープンでおおらかな国にも思えるが、
実際にはむしろ逆なはずで、インドの男たちはすごく性的に抑圧された…というか、
まぁ早い話、欲求不満だと思うんだよね。

インドで大社会問題になったレイプ事件なんかも、インドの男たちの置かれた状況を
暗示してるようにも思える。インドじゃ「風俗に行ってスッキリ」なんてしたくても
風俗産業自体が(たぶん)ないし、仮にあったとしても、風俗なんぞに行くお金の
ない人たちだって何億人といるはずだ。

インドの、特に独身の男たちのモヤモヤというのはどういう感じなのだろうか?
そして、インドの若い女性たちの立場は?

インド出張中、この問題について掘り下げる機会はなかったが(当たり前だ)、
ちょっとしたことで「ははぁ~なるほど」と思ったことは何度かある。

というわけで、インドの夕刊フジの広告の話からつなげるわけじゃないけど、現地で
見聞きした乏しい体験を材料に、次回はインドの“そういう”事情について考察してみよと思う。
 
 
[PR]

by tohoiwanya | 2013-01-22 03:05 | 2012.10 インド出張 | Comments(6)
2012年 12月 06日

ムンバイを思い出してしまう理由

前回、急にムンバイについて書きたくなったのは理由がある。

週末にレンタルで「スラムドッグ$ミリオネア」という映画を見たからだ。
ご覧になった方もいるだろうけど、あの映画はムンバイのスラム街を舞台にしている。
 


登場人物の一人にスラム育ちの女の子がいるんだけどさ、そういうの見ると
雨の日にムンバイで見たあの女のコの記憶とかが、たちまち蘇っちゃうんだよ。
何せ10月に行ったばっかりじゃん?影響されやすい(笑)。

ムンバイ空港の周辺にはアジアでも有数の巨大スラム地区がある。
映画の主人公たちも確かこの地区で生まれ育ったっていう設定じゃなかったかな?
着陸する直前にその上を飛ぶから、飛行機からもスラム地区はよく見えるし、
車でホテルに向かうときもスラム地区を横に見ながら走ることになる。

以前にムンバイ空港着陸前の写真を載せたことがあるでしょ?
この時、イ課長は「ムンバイには青い屋根の家が多いんだなぁ…」と思った。
だが地上から見ると、あれが「青い屋根」じゃないことがすぐにわかった。
f0189467_015957.jpg

あれは雨を防ぐための青いビニールシートだったんだよね。
スラムに散らばる鮮やかなブルーの色。これこそがイ課長にとってムンバイという街の
最初のイメージであり、それが実はビニールシートだと知ったことがムンバイという街における
最初の驚きだったといえる。

映画の主人公はイスラム教徒って設定みたいで、ヒンズー教徒の襲撃で家族を失い、
兄弟で孤児になる。悲惨を絵に描いたような幼少時代。

実際、デリーよりムンバイの方がイスラム教徒が多かったような印象はある。
何でわかるかっていうと女性の服装。下の写真みたいに、目以外を全て隠したイスラム女性は
デリーじゃ見かけなかったけど、ムンバイでは時々見かけた。「デリーよりイスラム比率が
高いのかなぁ…」なんて思ったよ(ちなみにインド全体のイスラム教徒率は約13%)。
f0189467_024559.jpg

雑然として、混沌として、ちょっと薄汚れた世界的大都市ムンバイ。
昭和30年代キッズであるイ課長にとって、ムンバイにはほのかな「昔の東京っぽさ」が感じられた。
周囲に拡大余地の大きいデリーと違って、ムンバイは地形が半島だから土地が狭くて、
必然的に建物は高層化する。そういうのが整然とじゃなく、雑然と乱立してるってあたりに
「昔の東京」っぽさが感じられたんだよねぇ。
f0189467_0103572.jpg

映画の中で、建設中の高層ビルで、主人公が兄と話をするシーンがあった。
昔住んでたスラム地区が再開発されて高層ビルになるっていうのは「発展するムンバイ」の
象徴的光景なんだろう。高層建物が密集したムンバイの風景は、広々したデリーとは印象がガラリと
違ってて、イ課長としてはムンバイのあのゴミゴミした風景に本能的懐かしさを感じる。
f0189467_045019.jpg

発展するムンバイ。しかし依然としてスラム街が多いのも事実だ。特に川沿いでよく見かけた。
全ての古代文明がそうだったように、街は水のあるところに出来るわけだ。
目印は例の青いビニールシート。それを見れば「ああ、ここもスラムか…」ってわかる。
もっとも、移動の車窓から撮った写真の中で、スラムっぽいものはあんまりないんだけど。
f0189467_052464.jpg

映画の主人公は、成長してIT企業の「お茶汲み」になる。
字幕は「お茶汲み」になってたけど、映画のセリフを聞いてイ課長はハッとした。

「チャイワラ」って言ってたんだよ。あーーなるほど、そういう言い方をするんだ。
リクシャーのドライバーのことはリクシャワラって言うのを知ってたから、
チャイを運ぶ人のことはチャイワラって言うんだろうとピンときた。

インドのオフィスにはチャイワラが確かにいた。(たぶん)お茶汲み専用従業員。
全員男性だったけど、地位はハタから見ても低そうで、チャイワラには訪問者側も遠慮しない。
ある訪問先で面談が終わり、先方が応接室を出た後、イ課長と同行してた現地インド人スタッフが
訪問先のチャイワラに「おいキミ、チャイを4つ持ってきてくれたまえ」みたいな感じで
命じたんでビックリしたもんだ。他社で働くチャイワラに仕事を命じちゃってイイの?

チャイワラ。あるいはチャイワーラー。
お茶汲みだけの専門職。けっこうトシのいった人もいたけど、たぶん給料は安いんだろう。
「主人公はあの仕事なのか…」と思いながら、自分がインドで、同じようにチャイワラから
チャイをもらって飲んだことを思い出したさ。

インドには行ったことあるけど「スラムドッグ$ミリオネア」は観てないという方。
ぜひ鑑賞をお勧めします。インドにいた時の記憶がウリウリと蘇ることウケアイ。
主人公ジャマールくんがインド風に首ユラユラさせてるのも見られるよ(笑)。
 
 

[PR]

by tohoiwanya | 2012-12-06 00:14 | 2012.10 インド出張 | Comments(4)
2012年 10月 26日

インド出張・悲しきビール生活

イ課長の海外出張で欠かせないものといえば缶ビール。
だが、インド出張におけるビール生活は極めてストレスフルなものだった。

まず前半のデリー。ここがねぇ…
ホテルに隣接してショッピングモールがあるんだけど、コジャレたブランドショップは
いっぱいあっても、ビールを売ってるような普通の食料品店or酒屋は皆無。う~…。

このモールにはビール飲ませるバーがあるはずなんだけど、なんだこりゃ、改装中か?
「まもなく」だと?ざけんじゃねぇ。いま!今すぐ開店しろ!オープンライッナウ!
f0189467_23472099.jpg

しょうがないんで、チャイニーズレストランでメシ食うついでにビール飲もうとしたら
信じ難いことに、その店はビールを置いてないときた。にゃにをゥ~??

結局飲んだのはコーラ。ううう…「インドではビールはけっこう高い」って話は聞いてたが、
高いもナニも飲めねぇじゃねぇかよ。飲ませろビール!がう!(←禁断症状)
f0189467_23475382.jpg

結局、デリーでのビール生活はヒルトンのレストランに限定されたのである。
ホテルのレストランなんかで飲むと高いビールがさらに高くなるし、いちいち外出用の服に
着替えないといけないから面倒くさい。あーあ…部屋ン中で半裸でリラックスしながら
缶ビール飲めないってのは困ったもんだぜ。下の写真はデリーでの仕事が終わった金曜の夜、
レストランでビールを飲みながら、明日行くアグラの研究をした時のものなのである。
f0189467_23483882.jpg


ビール生活改善を期待して移動したムンバイ。ここがまたデリーに輪をかけて悲惨。
ホテル周囲は見事にナニもない。相変わらずホテル内レストランだけが頼みの綱だ。
f0189467_23504162.jpg

しかもイ課長はムンバイではよりによって偶然「あの日」に遭遇してしまったのだ。
10月8日月曜日は現地駐在日本人社員との会食が予定されてて、イ課長は何が食いたいか
リクエストを聞かれんだよね。

「うーん…まぁ私はナンだって…ビールさえ飲めりゃいいんですから」
「ムンバイはデリーと違って海が近いですからね、シーフード系インド料理とかは?」
「おお~それはいいですね♪」

などという話をしていたら、インド人社員が話に入ってきて、駐在日本人社員との間で
なにか言葉が交わされた。すると日本人駐在員の顔に暗い影がさす。

「ドライデー?今日が?こないだガンジーの誕生日がそうだったから今日は違うんじゃ…?」
「いや、でも彼がドライデーだって言ってるし…」ボソボソ…。

現地に通じてないイ課長には何の話だかサッパリわからない。そこで聞いてみた。

「今日、何かある日だったんですか?」
「いや、今日がドライデーじゃないかっていうんですけどね」
「ドライデーって?」
「お店がアルコールを出さない日のことですよ」
「えッ?!」
イ課長の顔にも急速に暗い影がさす(笑)。

ドライデーってナニよ?インドにはそんなのがあるの?
その後、ドライデーについて現地駐在とか通訳さんとか、いろんな人に取材したんだけど、
これがまた面白いんだ。

インドのドライデーとは、酒類一切の販売をしちゃいけない日のことで、酒屋はもちろん
レストラン等でのアルコール類提供もダメ。ただし自宅で飲む分にはオッケーだから
この日にビールを飲みたければ前日までに買いだめし、ウチで飲むしかないのだ。

このドライデー。基本は祝日がそうなるみたいだけど、州によってマチマチらしい。
主旨は「酔っ払って騒ぐ人が出ないように」っていうことのようで、宗教的な理由のほかに
「選挙のために、この日からこの日まではドライデー」なんて理由で指定されることも
あるんだと。インドでは選挙にドライデーがつきものらしいのだ。へぇ~~。

結局この夜の会食は、現地日本人駐在員&日本人出張者(つまりイ課長)という計3人が
わびしくライムジュースを飲みながら食うことになった。トホホ…。
ドライデーだと、ホテルに戻ってレストラン行ってもビールは出してくれないよな…。

いや待て、部屋のミニバーはどうだ?昨日見たときはビールあったよ。
いやいや、期待しすぎるな。ドライデーだけに部屋のミニバーからもビールが完全撤去
されているという可能性も・・・こういうときは疑心暗鬼に陥るものなのである(笑)。

幸いなことに部屋のミニバーにはハイネケンと、地元のキングフィッシャーの小瓶が
各2本ずつ冷えてた。普段、イ課長は泊まったホテルのミニバーの飲物を飲むことなんて
ほとんどないが(高いし)、この時ばかりはがぶがぶ飲みましたよ。げふ。
飲むことに必死で写真撮ることなんて忘れてましたよ(笑)。

かくのごとく不遇だったインド・ビール生活。
ムンバイでの仕事を終え、深夜の帰国便に乗るためにクタクタになってムンバイ空港へ。
飛行機を待ちながら飲むのはもちろん地元ビール、キングフィッシャーだべさ。
f0189467_23511048.jpg

「インド出張、終わったなぁ~」と思いながら飲んだこの時のビール。
悲惨なビール生活のあとだっただけに、実にしみじみと美味かった・・・。

 
[PR]

by tohoiwanya | 2012-10-26 00:01 | 2012.10 インド出張 | Comments(6)
2012年 10月 23日

インド結婚事情

インド出張では「ドコソコに行った」とか「アレを見た」っていうネタが少ない反面、
現地で見聞き、体験した異文化ショックネタは多い。

その中から本日はインドの結婚について。
インドの結婚事情ってのがまた「ほんま?」と言いたくなるような驚きに満ちているんだよ。
f0189467_23221094.jpg


結婚は親が決めるもので、結婚相手の顔は式の直前に知るなんてことも珍しくない
離婚は法律的には可能でもヒンズー教社会では極めて困難(不名誉)。離婚率は低い

まぁこの辺は「昔の日本みたい」と言えなくもない。インドでも都市部では恋愛結婚が
増えつつあるっていうけど、まだまだ結婚に関しては本人たちの自由度は低く、
親の権限が大きいようだ。

結婚相手は同じカーストからが大前提

この辺から日本じゃ想像し難い部分になってくる。仮にどんなに愛し合った男女でも
かけ離れたカースト同士の結婚はトンデモない話。「多少差がある」程度でも大きな問題らしい。

イ課長がデリーで聞いた話。
あるインド人男女が結婚を約束した。だが男の方が若干「上位」カーストだったらしいんだな。
女性の親は「ヨメにやったら、娘が嫁ぎ先でいじめられる」っていうんで結婚に猛反対だ。
娘や彼氏の説得にも耳を貸さず、最後は「彼氏の父親」が「彼女の父親」と直接会って、
どうにか納得してもらい、何とかハッピーエンドに至ったんだって。

これもデリーという都市部だからハッピーエンドになったけど、地方だったら同じ結果を
迎えたかどうかはわからない。依然として結婚は同じカースト内っていう思想は根強いみたいで、
そういう意味じゃ、インドじゃ結婚相手探しの範囲は最初から狭いことになる。
f0189467_23224210.jpg
 
 
ヨメ側がムコ側にすさまじい結納(ダヘーズ)を贈る

ぶったまげたのはこの話だ。ヒンズー社会では結婚に際して、嫁ガワが婿ガワに対して
大変な量の贈り物をする。「娘が何人もいたら破産」っていう話が冗談になってない。

このダヘーズという習慣。とにかくその内容がスゴい。
まずヨメの父は、ムコの父・母はもちろん兄弟、親戚に至るまで服をプレゼントする。
もちろん普段着じゃなくて、立派なスーツとか、サリー用の高級布地とかを、だ。

この話を通訳さんから聞き、イ課長は通訳さんに素朴な質問をした。
「おムコさんの両親・兄弟・親戚までとなると、服も相当な枚数になりますよね?」
「おおいよー。さいてい11ちゃくあげる」
「ええッ?!」
「あと21ちゃく、31ちゃくとか。ひとつあまるのがエンギいいの、インドでは」
「ひーーーッ」

服だけじゃない。家具や家電、バイク、車、貴金属、現金等々も贈ったりするって・・
いやたまげた。これじゃホント、娘が何人もいたら父親は破産だよね。

名古屋あたりでは娘のヨメ入りに際してすごいトラックを仕立てて派手に嫁入り道具を運ぶって
聞いたことがあるけど、あれ、もし離婚したらヨメのものとして持ち帰れるんでしょ?
しかし離婚が難しいヒンズー社会じゃ、ダヘーズは事実上完全に「夫のモノ」だ。

ムコ側の一族郎党もダヘーズをあてにするっていう風潮があるそうだし、嫁が持参した
ダヘーズの内容に不満だからって妻が夫に殺される「ダヘーズ殺人」なんてモノまで
あるっていうんだから驚く。それじゃ誰も娘を持ちたがらんよなぁ。

デリーでイ課長と一緒に行動した現地のインド人社員。
彼はまだ20代半ば。興味があったからイ課長はヘタな英語で彼に聞いてみた。

イ「あー、アナタは結婚してますか?独身ですか?」
彼「独身です。でも2年後に結婚する予定です」
イ「おお、2年後に。すると2年後に、彼女の父親は、えー…アナタの父親や母親や兄弟などなどに
  多くの服を贈るのですか?」

サラリと答えた彼の返答はある意味で衝撃的、ある意味で当然のものだった。

彼「Of Course(もちろん)」
 
f0189467_2323104.jpg
 
「百人の娘も息子一人にはかなわない」なんて言葉もあるらしいインド。
こんな状況だから、女児中絶っていうケースが増えちゃって、男女の人口比もいまや
10:9に近いくらい男が多くなってるんだとさ。インド政府もこれはヤバいってんで
だいぶ前に「ダヘーズ禁止令」を出しりしたんだけど、長年の風習はなくならないようだ。

しかし女が少なくなりゃ「男余り社会」なわけで、女の売り手市場ってことじゃん?
そうなっても、なお女のガワが膨大なダヘーズをムコ側に贈るという習慣が残り続けるなら
それこそクレージーな話だ。むしろ男の方が贈り物でもナンでもして、数少ない女性を
何とか獲得しようと競争するのが市場原理ってもんだろ。

女の売り手市場になってもなお、ダヘーズは残るのか、それともなくなるのか?
やや大げさにいえば、インドの未来はそこにかかってるって気がするよ、イ課長は。

 

[PR]

by tohoiwanya | 2012-10-23 23:29 | 2012.10 インド出張 | Comments(4)
2012年 10月 17日

インド・首振りの法則

海外出張で、外国人と会って話をする。

話の最後にイ課長が「つまり、貴殿としてはコレコレこうすべきだ、ということですね?」と
日本語で聞いたとする。これは話の趣旨を再確認するための質問だから、こちらとしては
「その通りです」という答えが返ってくるはず、と思いながら尋ねてるわけだ。

通訳さんがイ課長の言った日本語をその国の言葉で通訳する。
相手は通訳さんの話の途中で、すでに「そうそう、その通りです」というニュアンスを込めて
ウンウンとうなづいている。言葉がわからなくてもイ課長はそのしぐさを見るだけで
「要するに彼はコレコレこうすべき、と言いたいんだ」ということを確認できるわけだ。

こんなことは当たり前の話だと思うだろうけど、恐るべきことにインドにおいては
それが当たり前の話ではないのである。

一部では有名な話だけど、インドでは「その通り」「Yes」っていう時に首を横に振る。
にわかには信じ難いけどホントなのだ。

上述の例でいえば、通訳さんが「コレコレこうすべきだ、ということですね?」と話してる間、
インド人たちはかすかな微笑みを浮かべながらゆっくりと首を左右に振るんだよ、なんと。
彼らにすれば「キミのいう通りだよ」っていうジェスチャーなんだろうけど、確認同意を求めた
イ課長としては「ええッ?!違うの?そうじゃないの?」と動揺することになる。

この独特の「インド・首振りの法則」に気づくまでには数日間を必要とした。
出張も後半になって、ようやく愚かなるイ課長も「どうやらインド人は相手の話を聞きながら
“そうそう”と思うときは首をゆっくり横に振るらしい」ということがわかってきた。
f0189467_2325790.jpg

これは面白すぎる発見だったので、日本に戻ってからさらに検索していろいろ調べてみた。
「インドではYesで首を横にふる」っていう話はけっこういくつも出てくる。
しかし詳細に研究?していくと、もう少しコトは深いようだ。

Yesのとき首を横に振るって、もう少し正確に言うと…なんて言ったらいいのか…
フラフラとペコちゃん人形風に振るような感じなんだよね。それが基本のようだ。

「アナタは日本人ですか?」「Yes」「目的は出張ですか?」「Yes」みたいに短く
Yesと返答するときは全部ペコちゃん方式。振り方も早くて1~2回振るだけ。

ただ、イ課長の面談のときみたいに、相手の話を聞きながら「うんうん、そうそう」みたいな
同意を示すところでは、日本の「No」の時と同じように左右に、ゆっくり振るんだと思われる。
つまり日本だったら「話を聞きながらゆっくり何度もうなづく」となるべきところで、
彼らはゆっくり首を左右に何度も振るのだ。

「Yes」っていう返答のときはペコちゃん方式で短く。
話を聞きながら「そう~、まったくその通り」っていうときはゆっくり左右に。
これこそが「インド・首振りの法則」・・・と推測される。

この話をトホ妻にした時、ヤツは驚きながらこう聞いてきた。
「じゃ、インド人は“No”っていうとき、どういう首の振り方するのよ?」
これは確かに重要な質問だが、答えるのは難しい。

たとえばこういう動画がある。これによるとYesもNoも同じ振り方であるといってる。



こっちの動画では自分で説明しながらインド首振りの法則を説明してくれてるみたいなんだけど
肝心の説明内容がよくわからぬ(笑)。振り方にも年代差があるようなこと言ってない?
 

 
イ課長の乏しい経験だと、「ううん」っていう感じの軽い否定のときはペコちゃん方式
だったって気がするけど、強い否定のときどうだったかと言われると…うーん、あんまり
そういう局面がなかったからなぁ。正直言ってよくわからない。
f0189467_2332112.jpg

しかしまぁ、インドって国はいちいち面白いよなぁ。

インドでは常に「へぇ~」「ははぁ~」って思いながら過ごしてたような気がする。
首の振り方ひとつでブログ記事1回分書けちゃうんだから(笑)、面白い国だぜホント。
 
 

[PR]

by tohoiwanya | 2012-10-17 23:04 | 2012.10 インド出張 | Comments(10)
2012年 07月 12日

ナゾの柵に関する欧州横断的考察

ようやくウィーンネタも主なものは書き尽くしたかな、という気になってきた。

いやーー長かったね(テメェが言うな)。
去年の6月に行ってから、今年の7月まで、途中2回の出張と1回の旅行をはさみつつ、
ウィーン旅行カテゴリでこれまで82件の記事を書いてきたことになる。
パリ旅行カテゴリの記事数が73件だから、記録を大幅に塗り替えてしまったぜ。
(おそらく、もうちょっと増えると思うし…)

今後もウィーン旅行ネタが思い出したように時々登場することはあるだろうけど、
徐々に去年の出張、今年の出張、こないだの東欧・北欧旅行ネタに軸足を移そう。
移すのがすでに遅過ぎる気もするが…。

今日は“移行期間”ってことで、複数の出張・旅行にまたがる話を書きたい。
異なる出張や旅行で訪問した異なる場所に関し、ひとつの横断的なテーマで記事を書くのは
なかなか楽しいもので、こないだの空港喫煙室なんかもそのパターンだったけど、
今日はもっとスキャンダラス?な内容なのである(笑)。

下の写真を覚えてる人はいるだろうか?
f0189467_025935.jpg

ウィーンの裏通りを歩いてて発見したナゾの柵で、その設置理由はよくわからない。
もしかすると「立小便防止柵」じゃないかっていうのがイ課長の仮説で、コメントでも
「立小便防止柵」説を消極的に支持?する声があった。

このナゾの柵をウィーンで見たのが去年6月、ブログに書いたのが去年11月の話だ。
ちょうど11~12月にかけての欧州出張準備でバタバタしてた頃だったわけだが…。

その11~12月の欧州出張で、イ課長はフランスのリールという街に行った。
リールでは仕事の都合上、同行者との合流時間まで時間をつぶす必要があったので、
通訳さんと一緒に街をブラブラして、教会なんかを見学したりしてたわけだ。

ある教会を出て、通りをフと振り返ったら、イ課長はあるものを目にした。
目にした瞬間にギョッとして、ギョッとした瞬間にもう写真を撮っていた。
f0189467_024598.jpg

これは明らかにウィーンの「アレ」と同じ目的で設置されてるよな?
ウィーンのがギザギザ付きの柵?だったのに対し、こっちは湾曲した金属板ではあるけど
カドッコをカーブで覆うことで接近を阻止するっていうたたずまいがまったく同じだ。

ウィーンだけじゃなかったんだ、コレ。他の街にもあるんだ。
もちろん「他の街にもある」という事実だけで、この柵の設置目的が明確になったとは
まだいいきれない。その辺は依然として推測するしかないわけだが…

でも、何となく「立小便防止柵」説がさらに信憑性を帯びてきたと思わない?
リールのやつは板状になってるから、一段と防止性能も高そうではないか。
絶対にサセないぞ!という設計?だよね(その分、材料コストも高そうだが)。

シツケの悪いヤロウが外で立小便するっていう事情はどこの国でも同じはずだし、
立小便スポットとしてどこの国でもカドッコが好まれるという事情も同じはずだ。
対抗策として、“適地のカドッコ”への侵入を阻止するための柵が欧州で普及しはじめた…と。
きっとそうだよ。絶対そう。こんなモノがあちこちの国で同じように設置される理由が他にあるかい?

リールでこれを見たことでイ課長は「立小便防止柵説」にかなり自信を深めた。
これが昨年11月末の話だ。しかしここで話はまたさらに半年ちょっと飛ぶ。
ついこないだの東欧・北欧旅行でヘルシンキの街を歩いてた時のことだ。

おおおおッ!(←実際、かなり驚いた)
思わずフォントを拡大した上に太文字で声を上げたくなる(笑)。ヘルシンキにもあったとは!
f0189467_042383.jpg

柵の高さ、カーブの形状、設置された高さ等々、これはウィーンと非常によく似ている。
ギザギザのない、金属棒スタイルではあるけど、同じ用途であることは明らかだ。

オーストリア、フランス、さらにフィンランドでも普及していたのかよ立小便防止柵。
ギザギザがあったり、湾曲板だったり、金属棒だったり、形状に多少の差はあるが
ここまで同じモノを見れば、その設置目的はもはや「立小便防止」以外に考えられないよ。
立小便防止柵、実は「全欧州的」な建築装飾(といっていいのか?)のようだ。

それにしてもこの防止柵、素人が簡単に作れるモノじゃない。金属プレス装置か何かで
プロの手によって加工されたことは間違いない。建物への設置だって簡単じゃないと思うよ?
ひょっとすると、欧州には「立小便防止柵メーカー」や「立小便防止柵設置業者」なんて
業種がビジネスとして成立しているのではないか?
材質とか、カーブの角度とか、設置は地上高このくらいっていう施工基準なんかが
ISO規格か何かで決められているのではないか?…などと考えたくなる(笑)。

今後、イ課長が欧州で同じものを見たら、写真を撮らずにいられないのは間違いない。
欧州のどの街では見かけ、どの街では見かけないかを考察するのも興味深いよね。
(実際、パリやワルシャワじゃ一度も見なかったと思うんだよなー)。

というわけで本日のイ課長ブログ、(たぶん)立小便防止柵について書いてみました。
これ、ひょっとすると欧州の立小便防止柵を総合的に考察した日本で初めての論文かも(笑)。



[PR]

by tohoiwanya | 2012-07-12 00:05 | 出張・旅行あれこれ | Comments(4)
2011年 11月 14日

ブリュッセルで見たもの

とうとう風邪をひいてしまったイ課長です。ゲホゲホッ!!

まぁいい(良くないが)。
今度の出張のことを考えると暗くなるから、過去の出張に目を向けよう(笑)。
前回の記事で「立ち小便阻止用(かどうかわかんないけど)トゲトゲ柵」の話を書いたら、
トツゼン、ブリュッセルで見たあるものを思い出した。だから書く。
立ち小便からの連想で思い出したわけだから、やや尾篭な話が続いて申し訳ないが。

折しもつい先日、男子トイレの小用についても“個室化”を望む男が増えている
なんていうニュースをどこかで読んだ。ズラッと並んで用を足す通常タイプだと
「隣の人の視線が気になる」とか、そんなことが書いてあった。

これについてはいろいろ考えることがある。
イ課長がガキの頃の日本なんてまだ発展途上国で人々は貧しく、「人目をはばかる」的な
お上品な精神性もあまり根付いてなかった。屋外での立ち小便もわりとありふれてたし、
屋外で複数のヤロウが「連れション」するなんてことも全然珍しくなかった。

しかし、今それをヤレるかっていうと、確かに抵抗あるよねー。
単独立ち小便だって昔はけっこう大胆にそこらでやってたような気がするけど、今は
周囲に人目がないことをよほど確認してからじゃないと出来んよなぁ。

そういう「人目をはばかるキモチ」が出てきたっていうのは、文化的に成熟・高度化した
証左とも考えられるわけで、文化が成熟してくれば、清潔性に対する意識だって向上する。
日本にしたってヨーロッパにしたって、昔に比べれば今の方がそういうところはずっと
モラルが向上しているはずだ。

…と、何やらエラそうなことを書いてるけど、要するに昔と違って今は立ち小便なんて
気軽に出来るものではなくなったということだ。特に都会じゃその傾向は強いはずだ。

ところがだ。

2009年の欧州出張でブリュッセルの街を歩いていたとき、イ課長は街角で
ヘンなものを見かけた。「まさかコレって…」と思って写真に撮ったのだが。
f0189467_23591571.jpg

仮設の個室トイレがいくつか並んでいる。そして一番手前にあるのは、おそらく
仮設の男子用トイレだ。いや「おそらく」もヘチマもない。実際この写真を撮った直後
ここで用を足しているベルギー人男性がいたんだから。

しかしこれはなかなかスゴい。
ここで用を足すことは言葉の定義という意味では「立ち小便」では断じてない。
ちゃんと公衆トイレでシてるわけだから、立ち小便であるはずがない。
しかし、自分の背中ガワが完全にオープンで人目にさらされた状態なわけだから、
心情的?には「立ち小便」に非常に近いものがあるよね。

うーむ…日本でもお祭りなんかで仮設トイレが並ぶことは珍しくないけど、
男子専用の、こういうオープンスタイルのトイレっていうのは見たことないなぁ。
このブリュッセルのオープン型男子トイレ。イ課長も一応写真は撮ったけど、
実際に利用はせず、ホテルに戻って部屋のトイレを使ったのである(笑)。

しかしまぁ、いくら小便小僧で有名なブリュッセルとはいえ、だ。
こんな写真ばっかりじゃブリュッセルに対して失礼だよな。
もう少し夜のブリュッセルの魅力ある写真もお目にかけよう。

ブリュッセルの街を散歩していると、ショーウィンドウを見るのが楽しい。
お菓子屋にしても、陶器屋にしても、御婦人観光客なら「あ、かわい〜」と叫んで
寄っていきたくなるような凝った飾り付けが並んでる。
f0189467_002577.jpg

f0189467_004083.jpg

まぁイ課長はオッサンだから、特に心惹かれるってわけでもないんだけど(笑)、
こういうキレイなショーウィンドウを眺めてると飽きない。

イ課長的にはやはりこっちの飲食街の方に惹かれるものがある。
ここはグラン・プラスのすぐワキの小道なんだけど、びっしりとレストランが並んでて
どこも観光客で賑わっている。
f0189467_011582.jpg

まぁこういう観光客向けレストランっていうのはお値段的にもちょいと高めで、
イ課長自身はこの路地のレストランでメシを食うことはなかったんだけどね。
(それに、あの時も風邪ひいてたんだよ、考えてみたら)
f0189467_02010.jpg

さて、今年のジゴク海外出張出発まであと一週間。
とにかく風邪を治さなくちゃ。ゲホゲホッ!!

 

[PR]

by tohoiwanya | 2011-11-14 00:02 | 2009.11 欧州出張 | Comments(0)
2010年 09月 19日

台湾の選挙はワンダーランドである

迪化街を後にしたイ課長。
まだホテルにチェックインすらしていない。3時までもう少しヒマをつぶす必要がある。

そのヒマつぶしで歩き回ってる途中、変な看板の存在に気づいた。
最初、あまり注目せずにいた時は、映画か何かの看板だろうと思った。
しかしジックリ見ると・・・・こりゃ映画じゃないよなぁどう見ても。何だろう?
f0189467_033858.jpg

すぐ近くにこんな看板もあった。む?!台北市議員だと??
f0189467_041119.jpg

ってことはナニかい?、これって選挙用の宣伝看板だったのかよ!!
1枚目の写真も選挙用の看板と考えれば納得がいく。
個人の顔と、おそらくその人の名前がデカデカと書かれてるんだから。

「台北市議員」という記述から想像すると、台北市議会選挙があるのかな?
そう思って調べてみた。

今年は台北市、新北市、台中市、台南市、高雄市という、台湾の5大都市(直轄市)で
市長選挙と市議会選挙が行われ、公示は9/1、投票日は11/27。

(台北駐日経済文化代表処のサイトによる)

…ということらしいんだけど、いや驚いたねー。話には聞いてたが台湾の選挙ってやっぱスゴい。
台湾の選挙に対するイ課長のオドロキを以下に整理してみよう。

オドロキその1:
まず選挙にこんな巨大看板が使われてること自体が日本人にとってはオドロキだ。
選挙運動でどこまで許されるかっていうのはおそらく日本と同様に法律で規制されてるはずで、
日本だとポスターが中心だけど、台湾だとビルに巨大看板をかけることができるわけだ。
お金かかるだろうなぁ〜…。

それだけじゃない。何と選挙運動に「バスの車体広告」を使うのもアリなのだ。
イ課長は烏來という街に行ったとき、実際そういうバスに乗ったんだもん。ほら。
f0189467_043066.jpg


オドロキその2:
台北駐日経済文化代表処の情報が正しければ(当然正しいんだろうが)、イ課長がこれらの写真を
撮った8月28日(看板)や30日(バス)って、まだ選挙の公示前じゃん!!

日本でも選挙の公示前に政党ポスターみたいな形を装って実質的に個人PRをする例はある。
だから、まぁそれと同じようなコトなんだろうけど、公示前から巨大看板まで使って
これだけ広告キャンペーン打つわけだから、さぞやお金かかるだろうなぁ〜。

オドロキその3:
何といってもその選挙運動期間の長さだよ。9月1日に公示して、投票日が11月27日?!
ほとんど3ヶ月間あるじゃん。日本なら公示から投票日までって2週間程度じゃなかった?

「みなさんの力を貸してください」「あと一歩です」「明日の台北を担う子供のために」とか何とか
そんな騒々しい状態が1年の4分の1も続くのかい?スゴすぎると言うしかない。

オドロキその4:
実は上の候補者看板の写真を2枚撮った後、ホテルに戻る途中でイ課長はヘンな場所に遭遇した。
f0189467_071038.jpg

いろんな飾りや飲みものがズラリと並べられ、いっぱい人が集まっている。
最初は「縁日かな?お祭りか?」と思って近づいていったんだけど、やがてマイクで
お坊さんの祈祷が流れ始めるではないか。この祈祷っていうのがまた…何と表現したらいいか…
日本のお坊さんの読経、あるいは神主さんのノリトに異様にハデでオドロな旋律をつけたものを
数人がかりでマイクで唱える(歌う)…とでも言えばいいか。
f0189467_073650.jpg

最初は縁日かと思ったイ課長、次に「これはお弔いか?お葬式に遭遇しちゃった?」と思い始めた。
しかし、どう見ても葬式って感じじゃないよ。誰も悲しげな様子じゃないし(笑)、それにホラ、
黒いベスト着た人が笑いながら、周りの人たちと一生懸命握手してるもん。ってことはだ…
f0189467_0971.jpg

こりゃ台湾の選挙事務所前だよ!この林國成さんっていうのが候補者なんだ。間違いない。
このナゾの祈祷は選挙の勝利を祈願する、一種の宗教儀式…とでも言えばいいか…。
日本でも事務所開きとか起工式では神主さんを呼んでノリトをあげたりするけど、
台湾では選挙事務所でかくもオドロな宗教儀式が執り行われるのか。すんげぇ〜。

よく見ると、支持者と握手してる候補者の着てるベスト状のものは一番上に載せた写真の
候補者と同じだ。黒くて、エリだけが赤い。しかし名前は別の人だから、台湾の選挙では
男性候補者はこういう“制服”を着るのがハヤリなんだろうか?ナンにせよ面白いなー。

ハデな飾りにあふれた選挙事務所で、お坊さんがオドロな祈祷をマイクで斉唱。
選挙運動には巨大看板やバスの車体をバシバシ使い、投票日まで3ヶ月戦い抜く…
台湾の選挙とは、どうやらそういうものらしい。スゴい。スゴすぎる。

いやー不思議とオドロキに満ちた台湾の選挙、その底知れぬパワーにイ課長は脱帽だぜ。
投票直前の追い込みともなれば、イ課長が行った8月末なんかよりはるかに盛り上がって
スゴいことになってるんだろう。それを見に、もう一度11月に台湾に行きたいくらいだ(笑)。




[PR]

by tohoiwanya | 2010-09-19 00:09 | 2010.08 台湾旅行 | Comments(2)
2010年 02月 17日

ブリュッセルの謎のマヨネーズ

しかし、こうして振り返ってみると2009年11月のドイツ・ベルギー出張の記事って…

11/17 小雨そぼ降るフランクフルトの夜はわびしいぜ  とか
12/ 2 クリスマス市直前の、つまらない時期の出張だったぜ、けっ  とか
1/17 風邪ひいて行った雨のオーステンデは寒くてツラくてわびしかったぜ  とか
2/14 仕事でクタクタになって夜の駅のホームで一人わびしく電車待ったぜ  とか
そんな気の滅入る、わびしい話題ばっかりだな。よほどツラかったに違いない(笑)。

しかしそんな話ばっかりじゃドイツやベルギーに対して申し訳ない。
今日はベルギーで食ったメシに関する、きわめてクダラナいことを書こう。

ブリュッセルでは風邪ひいて、ほとんどは中華ばっかり食ってたって書いたけど、
到着初日はそれでも地元料理を食わせてくれそうなレストランに入ったのだ。

晩飯の定食メニューは2種類あった。
一つはチキン、これは読んでわかったけどもう一つは「Carbonadeナントカ」って書いてある。
カルボナーデ?ナンだそれは?カルボナーラ・スパゲティのことか?…よくわからん。

こういう時、イ課長は原則として「よりわからない方をオーダーする」ことにしているから
チキンじゃなく、このカルボナーデ・ナントヤラの方を注文してみた。
f0189467_0445894.jpg

定食の最初は野菜の具が入ったトマトスープみたいなもの。これは大変おいしくて結構。
一緒にパンも出る。ふむ、このトマトスープにパンを浸して食おうか。いやしかし待てよ…??

パンに添えられたコレは何さ?
やけにドロリと柔らかいバターだなぁと思ってちょっと舐めてみたのだが…
f0189467_0453237.jpg

バターじゃない。こりゃレッキとしたマヨネーズだ。
へぇ〜これは変わってる。ベルギーではパンにセットで、バターじゃなくマヨネーズを出すの?
世界の食習慣は千差万別。隣国フランスならまず必ずパンにはバターだろうが
ベルギーだとマヨネーズとはねぇ。へぇ〜なるほどねぇ〜。イ課長、やけに感心して
せっかくだから“ベルギー風”にマヨネーズをつけてパンを食ってみた。
ま、ごく当たり前の、マヨパンの味だったが(笑)。

続いてメインディッシュ登場。おおっ…カルボナーラとは似ても似つかぬ謎の物体(笑)。
f0189467_0461318.jpg

後で調べたら、これってカルボナーデ・フラマンデとか何とかいう牛肉のビール煮。
ベルギー地元料理っていうと真っ先にあがる代表的なものらしい。へぇ〜。
牛肉がホロホロにやわらかく煮えてて、これまた大変においしかったよ。

なかなか結構と思いながらパンを食い進んでたら、突然イ課長は驚きで手が止まった。
しばし呆然として、わざわざカメラ取り出して再度写真まで撮っちまったよ。
だって、パンの下からちゃんとバターが出てくるんだもん(笑)。
f0189467_0464021.jpg

ってことはナニかい?さっきやたら感心した「ベルギーではパンにバターじゃなくマヨネーズを添える」っていう
あの学説?は単なるイ課長の勘違いで、やっぱベルギーでもパンにはバターなわけ?
勘違いしたまま「ベルギーじゃパンにバターじゃなくマヨネーズなんだぜ〜」なんて
エラそうにイ課長ブログで書く前に気づいて良かった(書いてるじゃん)。
しかもイ課長、実際にパンにマヨネーズつけて食ってるし…(笑)。

いやだがしかし…だ。
とすると、この卓上に運ばれてきたマヨネーズは何のためなのだ?
牛肉のビール煮につけるとは考えづらいから、やっぱパンに塗るためのモノなんじゃ…?

ハッ!そうか!!上の写真でビール煮の奥にフライドポテトが写ってるやん?
あのマヨネーズはきっとこのフライドポテトのためにあったんだよ!
日本だとケチャップが普通だけど、ここベルギーではマヨネーズでフライドポテトを食うんだ。
疑問氷解、真理到達。ああやっぱり世界の食習慣は千差万別…。

…とはいったものの、ホントかなぁ?(笑)
あのマヨネーズはやっぱりパン用に添えられたものであって、「バターでもマヨネーズでも
好きなほうをパンに使いなさい」ってことなんじゃないか、という疑いは残る。

「このマヨネーズは何のため?」と店の人に聞きゃよかったじゃん、と言うかもしれんが
そんなみっともないこと聞けないよ…という以前に、そんな高度なフランス語能力を
イ課長に期待する人はこのブログの読者にはいまい(笑)。

あのマヨネーズはパンのため?フライドポテトのため?
いずれにしても日本人とってはいささかなじみの薄い食い方のはずだけど、果たしてどっちなの?
え?どうだっていい?ま、そう言わないでさ、誰かイ課長に教えてほしいのである。



[PR]

by tohoiwanya | 2010-02-17 00:47 | 2009.11 欧州出張 | Comments(4)