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2019年 09月 18日

ミュンヘンでハイティンクの第九を聴く その3

第九が始まった。
 
ベルナルト・ハイティンクに抱いていた「スタンドプレイ的要素がない、キチッとした
音楽をやる人」というイメージはまさにその通りだったね。彼が振る第九はあんまり
テンポ揺らさず、滔々たる流れに貫かれている(下の写真はもちろん開演前の練習風景)。
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第九ではテンポ揺らす指揮者ってけっこう多い。「曲が盛り上がる所で少し早める」のが
よくあるパターンで、そうすると確かに高揚感は増す。

一番よくあるのが第4楽章、合唱がフルコーラスで歓喜のテーマを歌うところだろうな。
その直前にオケがスローな弱音からぐぅわっ!と盛り上がるから、それに乗って最高潮に
盛り上げたいと指揮者は思うわけで、ここでテンポを少し早める人がけっこう多い。

しかしハイティンクはそういうことしない。テンポはほとんど変えずキチッと進める。
だから第2楽章あたりは「キモチゆっくりめかな」と思えたのに対し、普通の指揮者が
「ここはガラリ変わってゆ〜ったり聴かせよう」と考えたがる(んじゃないかな?)
第3楽章はむしろキモチ速めに流れていく印象。

しかし第1・第2楽章でイ課長はすでに感動してたよ。
凡百な指揮者が凡百なオケをゆっくり振れば、音楽は間延びして、空疎で、退屈になる。
しかしそこはハイティンク、そして名だたるバイエルン放響。ゆっくりめの演奏が
実に豊かに、隅々まで充実しながら流れていく。「抑制がきいた演奏」ということも
できるだろうけど、抑制されていても熱い。素晴らしい。

イ課長は若かりし頃に第九の合唱に加わったことが何回かある。
この夜は指揮者の顔がよく見えたから、第4楽章はつい合唱団員の気持ちで
ハイティンクを見てしまう。

第4楽章では指揮者が“一緒に歌う”ことが珍しくない。もちろん声は出さないけど
歌詞に合わせて口をあける。手ではオケを、顔と口では合唱団を指揮するような
感じになる。合唱団員にすれば指揮者が一緒に歌ってくれると盛り上がるんだよね。

しかしハイティンクはそういうこともしない。「盛り上げるぜ」的な“操作”は
ホントにしない人なんだね。

そんな姿を見る全ての聴衆の心に「彼の指揮姿を見られるのは今夜が最後かも・・」
という思いがよぎったはずだ。何せ89歳のご高齢。イ課長も同じことを思ったさ。
間違いなく楽団員や合唱団員も同じことを思いながら弾き、歌ってたと思うんだよ。
会場中がその思いを共有していたと思う。

もうねぇ、あの時の会場の雰囲気は表現しようがないよ。誰もが「これが最後か・・」と
切ないような気持ちでいる一方で、オケや合唱団からは「ミュンヘンで聞ける最後の
ハイティンクの夜、ゼッタイ名演にするぞ」って熱意が伝わってくる。素晴らしい。

いつまでも聞いていたかったけど、第九の演奏は終わった。
大歓声、大拍手はいつまでも、いつまでも続く。長い曲を振り終わった89歳のご老体を
何度もアンコールで呼び出すのは悪いな・・とは思うけど、今夜の感動を指揮者に
伝える方法はこれしかない。やがて聴衆は全員立ち上がって拍手し始めた。
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「アンコール、1枚だけ撮らせてくだしゃい!ごめんなしゃい!」と心で謝りながら
サッと撮ったのが上の1枚で、中央、右を向いてる白い頭のご老体がハイティンク。
ハイティンクが引っ込んだあと、楽団員同志が抱擁し合ってたのも印象的だったなぁ。
「今夜の演奏よかったよ!」っていう達成感がオケにもあったんだろう。

いやー・・期待以上の、素晴らしい夜でございました。
再びSバーンに乗ってミュンヘン中央駅に戻る間も、イ課長の心は満たされていた。
ドイツ語に苦しみながらチケットとった甲斐があったよ。
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この7か月後には引退することになるハイティンクの第九を、なぜかミュンヘンで
聴けたことは本当に千載一遇の機会だった。イ課長生涯の自慢になるよ。

9月で引退すると伝えられる90歳の巨匠・ハイティンク。
あの夜の感謝を込めてこの記事をハイティンクに捧げるとともに、引退後も
お元気でいて頂きたいと心から願うイ課長なのである。

ちなみに、この演奏会の動画が下記URLで見られます。たぶんイ課長が行った日の
翌日あたりに録画したんだと思われる。1曲目の「静かな海と楽しい航海」と
第九の4つの楽章全部が収録されてるから長いけどね。
https://www.br-so.com/bernard-haitink-2-p13337/

 


by tohoiwanya | 2019-09-18 00:05 | 2019.02 欧州出張 | Comments(4)
2019年 09月 16日

ミュンヘンでハイティンクの第九を聴く その2

ハイティンクのことを少し書いておきたい。
ベルナルト・ハイティンクといやぁベテランの巨匠。カラヤンとかショルティみたいな
“スター指揮者”って感じではないけど、「巨匠」という言葉は彼にこそふさわしい。
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長くオランダのコンセルトヘボウと一緒にやってた人で、スタンドプレイ的というか、
「ノリで聞かせる」的要素のない、キチッとした音楽を聴かせる指揮者っていう
イメージがある。来日もしてるはずだけど、イ課長が彼の実演を聴くのは初めて。

このハイティンク、この演奏会があった時点で89歳。今この記事を書いてる9月時点では
90歳というご高齢で、前回書いたように9月のルツェルン音楽祭を最後に引退することを
この春発表したらしいんだよ。今となってはあのミュンヘンの夜は超貴重な機会だったわけ。
こんな偶然をイ課長に与えてくれた神に感謝しよう。

買ったのは61ユーロ(約7,500円ってとこか)の席だった。
席グレードとしては最下級の一つ上くらいの、まぁしょせん下級席。でもこの席だと
オケの後ろの席を取れるんだよ。オケの後ろなら指揮者がよく見えるじゃん。この際
ミーハーに徹して、指揮するハイティンクを見たいっていうんでココにした。 
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ちょっとオーケストラの様子を見てみよう。
あっちじゃコントラバスだけもぞもぞ低い音で練習してる。左側が合唱団の席だな。
イスがあるってことは、日本でよくある「第三楽章の前にゾロゾロ入る」じゃなく、
合唱団は最初から座ってるということか。
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前のヘリのところから下を覗き込むと、ティンパニ奏者が。
第九の前半ふたつの楽章、特に第二楽章ではティンパニ奏者が最高にカッコいい。
今夜も期待してるぜ。バチも折れよとばかりに叩いてくれ。
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ついでに楽譜をズームで撮ろうっと。完全にミーハーと化したイ課長(笑)。
この夜の1曲目はおなじベートーヴェン作曲の「静かな海と楽しい航海」っていう
変わった題名の曲で、イ課長は初めて聴く。
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この夜の「ハイティンクの第九」はドイツのTVで放映されるようだった。ZDFかな。
観客の目に入りやすい舞台ワキカメラの女性担当者はちゃんと黒いワンピースなんだね。
もう当然放映されただろう。ドイツのみなさん、指揮者から見て左手上方の画面スミに
写ってた(かもしれない)おでこの広い巨大ロボットがイ課長だったんですよ。
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そうこう言ってるうちに観客もほとんど席につき、開演。
1曲目はさっき楽譜を見た「静かな海と楽しい航海」で、聴いてみて初めて知ったけど
この曲も男女混声合唱が付くカンタータなんだね。
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ただし指揮がハイティンクじゃない。黒髪の背の低い指揮者で、イタリア人かな?
イ課長が高校生の頃、大指揮者カール・ベームが来日した時に副指揮者?でやはり若い
イタリア人がついてきたけど、今思えばあれが無名時代のリッカルド・ムーティだった。

だがイ課長は1曲目からハイティンクが振ると思い込んでたんで激しく動揺する。
まさかご高齢のハイティンクの体調が悪くなって代役?ひょっとして2曲目の第九も
彼が振るの?苦労してチケットとった巨匠ハイティンクの第九をだよ?ミュンヘンの
会場まで来て聴き損なったりしたらだよ?イ課長は悲嘆のあまり死ぬぞ。

だがご安心あれ。
2曲目、会場割れんばかりの大拍手と共に舞台に登場したのは巨匠ハイティンク。
やったーー。彼の実演を初めて、なぜかミュンヘンで、しかも第九で聴けるんだ。

その第九の演奏の様子は次回だ。
(たぶん)最後の海外出張、最後の娯楽を飾るにふさわしい感動的な演奏だった。
え?早く読みたい?イ課長も早く続きを書きたくてしょうがない(笑)。
 
 


by tohoiwanya | 2019-09-16 01:19 | 2019.02 欧州出張 | Comments(0)
2019年 09月 13日

ミュンヘンでハイティンクの第九を聴く その1

ブリュッセルからいきなりミュンヘンに話が飛ぶが、この話は今月中に書かねば。
今年9月のルツェルン音楽祭を最後に引退することを表明した、ある大指揮者の話。
これを書きたくてウズウズしてた。当然続き物記事になるのである。

あの出張ではブリュッセルやデュッセルドルフでは夜に会食が入りそうだったから、
娯楽をハメ込むとすれば最後の滞在地、ミュンヘンに賭けるしかなかった。
2泊の間にどんな娯楽があるか必死に捜しましたよ。

11年前に「とんでもマクベス」で途中挫折したバイエルン国立歌劇場。久しぶりに
行きたかったけどいい演目がない。うーん・・じゃオーケストラはどうだ?

するとだ。
ガスタイク(Gasteig)ってところでバイエルン放送交響楽団の演奏会があるではないか。
しかも曲目はベートーヴェンの第九!しかも指揮は巨匠ベルナルト・ハイティンク!!
これはいい!(たぶん)最後の海外出張の、(これは絶対に)最後の滞在地で聴く第九!
フィナーレを飾るにふさわしい荘厳なイベントではないか。
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出張準備と同じくらいの時間と情熱を傾け、チケットをネット予約した。途中からは
ドイツ語のみの表示になって苦労したけど、何とか予約確認書はプリントアウトした。
これで入れるよな?もしダメと言われたらその場で舌を噛んで死のう。

デュッセルドルフからミュンヘンに移動した木曜の夜、ホテルで一休みしたあと再び
ミュンヘン中央駅からSバーンに乗ってガスタイクに出撃。ふふ・・ハイティンク・・
しかも第九・・しかもここは本場ドイツ・・うふ・・うふふふ(←少しイッてる)

ところでコンサート会場とされるガスタイクって何か?
ここは一種の文化複合施設で、コンサートホールとか図書館とか大学とかいろいろあるらしい。
地図で場所は確認してたんだけど、愚かなるイ課長は地下から地上に出たら東西南北の
見当がつかず(これはよくある)、通りを逆方向に歩いちまった(これはバカ)。
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不安になってそこらの兄ちゃんに聞いたら「ガイスタクはあっちだよ、あっち!」と
教えられ、慌てて反対向きに歩く。さっき降りた駅を通り越してさらに歩くと、ほーら
ちゃんとあるじゃんガスタイク。失敗は成功の母なのだ。
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すげー立派な建物。写真左下、みんなが向かっているのが入り口だろう。
さっそくイ課長も続いて入る。出張だからネクタイとジャケットは着てる・・つうか、
それしか服を持ってないわけだが、こういうフォーマル・シーンでは助かる。
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まずすべきは、最も不安だったチケット入手だ。
チケットブースに行ってオズオズと予約確認書を差し出すと、アルファベット順に
並べられたチケットの中からイ課長のをくれた。やったー。チケット引き換え手順が
ドイツ語のみだったから不安でしょうがなかったんだけど、これで大丈夫だ。
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あとは開演までゆっくり待とう。
ハイティンクの第九を聴こうというドイツのクラシック・ファンでロビーはいっぱい。
イ課長の気分も高揚するぜ。そのわりにコワい顔してるが(笑)。
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開演は8時で、7時半くらいから客席に入れた。チケット持ってるからには
怖いものナシだ。胸を張ってホールの中に・・・・おおおおおお
すげーモダンな、立派なホールだねぇ。
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今夜は素晴らしい夜になりそうだという予感がモリモリと高まる。
実際、あれは感動的な夜だったよ。あの夜のことだったらいくらでも書ける。
しかし、ここらで一度区切って、続きは次回だ。うひひ。

 


by tohoiwanya | 2019-09-13 00:09 | 2019.02 欧州出張 | Comments(0)
2018年 04月 29日

金丸座でこんぴら歌舞伎を観る 2

すごい寝不足だったのに、上演中は全然眠くならなかったよ、こんぴら歌舞伎。
舞台がものすごく近いから、東京の大劇場で双眼鏡ごしに見る歌舞伎と違って
役者の息づかいが伝わる。

一応演目を書いておこう。昼の部の最初は「江島生島(えじまいくしま)」。
江戸時代に実際にあったスキャンダルを歌舞伎にしたわけで、これはセリフがほとんどない
いわゆる所作事ってやつだな。ほぼ舞踊。
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20分の休憩をはさんで「鞘當(さやあて)」。これはちょっと楽しみだった。
刀の鞘が当たった2人がケンカになり、そこに仲裁役が入るって構成なんだけど、後半部分は
かなり自由度の高い演出が可能で、今回は芝翫(しかん)を襲名した橋之助が「留め男」として、
2人を分け、そこから先は襲名披露口上になる。
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例の「ご贔屓のほど、隅から隅まで、ず、ず、ず~~~いと・・・」っていうアレだ。
こういうのもナマで見たのは初めて。中村梅玉さん、さすがの貫禄だったね。

最後は世話物の「魚屋宋五郎」で、主役宗五郎はもちろん芝翫。
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奉公先のお殿様のお手討ちにあって妹を殺された直後という湿っぽい場面から始まって
最後は「それでいいのか」と言いたくなるハッピーエンドで終わる、すごい狂言(笑)。

江戸時代の芝居小屋だけあって、回り舞台なんかはすべて人力。
とはいえ、照明はもちろん電気を使ってる。舞台前に並んだ灯りも今は電気だけど、
昔はロウソク使ってたわけで、ここでもわざとロウソクっぽくチラチラさせてる。そう考えると
電気のない江戸時代、お客はずいぶん暗いところで歌舞伎を観てたことになる。
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落語によると、江戸時代は夜芝居というのはなかったらしい。ロウソクをたくさん使うと
火事がこわいっていう理由が大きいようだけど、そもそも夜芝居は暗くて難しかったのかもしれん。

いやいや、堪能させていただきました。
こんぴら歌舞伎なんてもう死ぬまで来る機会はないだろうけど、江戸時代の芝居小屋で
こんな近くから歌舞伎を観られたなんて、あっしぁね、望外の喜びでござんすよ、へい(←宋五郎風)。
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昼の部が終わったのが大体2時半頃。まだ日は高い。
こんぴら歌舞伎の舞台、金丸座は位置的に金毘羅様にお参りするための長大階段の、
最初の22段を登って左に曲がり、坂を登った先にある。

こちとら、歌舞伎だけ見て満足して帰るようなジイさんバアさんたぁわけが違うぜ。
次は金毘羅様の本宮まで785-22=763段のぼってお参りだ。夜行バスと圧縮体育座りで
ナマッた足を鍛えて血行よくしてやろうじゃねぇか。

え?昼飯?お参りが終わってから考えりゃいいんでい。
トホ妻との旅行じゃ、常に「観光優先・メシは後回し」になるんでい。てやんでい。

 


by tohoiwanya | 2018-04-29 22:47 | 国内出張・旅行 | Comments(0)
2018年 04月 27日

金丸座でこんぴら歌舞伎を観る

いやーまさか自分の人生で、こんぴら歌舞伎を観ることがあるとはなぁ・・・。
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天保年間に建てられた、現存する日本最古の芝居小屋・金丸座(一度移築してるらしい)。
要するに、江戸時代と同じように芝居が観られるわけだ。こんな稀有な経験ができるのは
日本広しといえどもここだけ(なんだと思う)。毎年春に開催されるこんぴら歌舞伎は
日本中から歌舞伎ファンが押し寄せる。当然、チケット獲得は難しい。

まず、いろんな旅行会社がツアー客用にチケットをガッポリ押さえてるはずだ。
フリーの個人客が普通にネット予約なんて、しょせん無理なんじゃないかと思ったけど、
やってみたら運よく取れた。諦めずにトライしてみてよかった。

そしてやって来ましたこんぴら。金丸座は駅から徒歩で行けるけど坂の上にある。
お年寄りにとってはノボリに飾られた坂道を登るのはけっこう大変そうだった
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おおっ、これが金丸座か。こういうトコなんだなー。
いつもならもっとジミッとした感じなんだろうけど、今日ばかりは役者看板がズラリ、
ノボリもはためいて華やいだ気分にあふれておる。
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中は当然土足禁止。下駄箱はない。
玄関のところでビニール袋を渡されるから、そこに自分の靴を持って入っていくわけ。
さぁ客席に入っていくぞ。わくわく・・・。

おおおおおおーーーーーーーー。
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おおおおーーこれはすごい。中はこういう感じなのか。江戸時代の芝居小屋。
いやーすごいすごい。寝不足も忘れてコーフンしてきたぞ。この独特の天井は
「ぶどう棚」というらしい。
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席は「一階 は4 の 5番」だけど、位置は全然わかんない。係員に案内してもらう。
この人ゴミの中、どうやって自分の席に入っていくかというと、驚くべきことに
各列を仕切る板の上をカニ歩きして移動するのである。下の写真を参照されたい。
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ようやく自分の席に着く。舞台はおそろしく近い。
その代わり、見る場所はおそろしく狭い(笑)。各席に座布団と座椅子が用意してあるから
そこに座って超コンパクトな体育座り状態で縮こまって見るしかない。巨大ロボットには
苦しいポーズだが仕方ない。江戸時代の日本人って小さかったんだなぁ・・。
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てな具合にキャアキャアいってるうちに拍子木が鳴っていよいよ開演。
上演中の写真は当然ないわけだが、せっかくの珍しい機会、こんぴら歌舞伎ネタを
次回、もう一つ続けたいと思うのである。

 


by tohoiwanya | 2018-04-27 00:11 | 国内出張・旅行 | Comments(4)
2017年 09月 06日

三文オペラ鑑賞

怒涛のようなミャンマーネタの嵐が続くかと思ったらいきなり英国ネタ(笑)。
まだちょこっと残ってるんだよ。どうせミャンマーネタはこの後ガンガン続くわけだから
箸休めに時々英国ネタを挿入するのである。

さてだ。話はグリニッジ観光した日のこと。
この日の夜、イ課長たちにはもうひとつシアター系娯楽の予定があった。
火曜のコヴェント・ガーデンオペラ、木曜のロイヤル・フェスティバルホールに続く
シアター系娯楽。それは「三文オペラ」なのである。
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これ、何と言えばいいのかなぁ?オペラという題名ではあるけど、ミュージカルとも言える。
とにかく三文オペラといやぁ演劇史上屈指の傑作。日本でも時々上演される。
脚本ブレヒト、作曲クルト・ワイルというだけあって、元々はドイツ語劇(でも舞台はロンドン)。
独文科出身のトホ妻が昔っから大好きな、深い思い入れがある演目なわけで、ロンドン滞在中に
「Three Penny Opera」を上演してることをヤツが知った瞬間、これを観に行くことが決まった(笑)。
トホ妻の好みを尊重するやさしい夫であるワタス。

場所はナショナルシアター、別名オリビエ・シアター。かの偉大な名優ローレンス・オリビエに
ちなんだ命名だろう。劇場前にはこんな銅像も。これは代表作「ハムレット」じゃないかな?
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ナショナルシアターは例のロイヤル・フェスティバルホールとすごく近い。並びと言っていい。
今や通い慣れたサウスバンク。この時はなぜか劇場前が自転車だらけ。なんで?ロンドンじゃ週末の夜
ここに自転車乗りが集合する風習でもあるのかい?
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ナショナルシアターの中はこんな。半円スリバチ型といった感じか。段差が大きいから前の人の頭が
邪魔になることもなく快適。かなり後ろの席だったけど音響もよく聞こえた。
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三文オペラのストーリーや音楽についての詳細は省こう。イ課長よりトホ妻の方が断然詳しい(笑)。
劇冒頭で歌われる「匕首マッキー(マック・ザ・ナイフ)」だけは誰でも絶対に聞いたことがある
超有名スタンダードナンバーだよ。

ロッテ・レーニャのこともちょっと触れておきたい。
三文オペラと言やぁロッテ・レーニャっつうくらい、この舞台を当り役にした往年の大女優。
・・・と言われても顔を思い浮かべられる人はほとんどいないだろうと思うが。

しかしこの女優、なつかしの大ヒット商業映画に意外な役で出演してるのだ。
「007ロシアより愛をこめて」のおっかねぇロシア諜報部のおばさん役。あの映画の最後で
ホテルのメイドに変装し、靴から飛び出す毒刃物でショーン・コネリーを殺そうとするオバさん、
といえば顔を思い出す人が多いんじゃないだろうか。あの頃はすでにお年を召していたが、
若い頃は大変な美人大女優だった。
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ま、とにかくそんな三文オペラを見たわけですよ。
金曜日ってことは前日が例の国民投票で、この日の朝にEU離脱が決まったという日だ。
劇の中でも役者が離脱にちなんだアドリブを言って観客が大笑いしてたけど、英語だったから
イ課長には何がウケてるのかよくわかんなかった(笑)。

6月下旬、ちょうど一番日の長い夏至の頃だったけど、上演終了後はさすがに夜らしくなってる。
ロイヤル・フェスティバルホールと近いから、見える景色も似てる。

あーあ・・明日はもう日本に帰らないといけないのか・・そんなロンドン滞在最後の夜。
テムズ川ごしに見るロンドンの夜景はやっぱ美しいのう。
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・・なんて書くとこれで終わりっぽいけど、英国ネタはまだほんのちょっと残ってる(笑)。
ミャンマーネタの合間をぬって時々顔を出しますからね、英国ネタ。

 


by tohoiwanya | 2017-09-06 00:02 | 2016.06 英国銀婚旅行 | Comments(0)
2017年 03月 19日

コヴェント・ガーデンでオペラを観る

年度末の地獄・在宅仕事の合間を縫って深夜に更新するイ課長でございます。

しかしオペラネタも久しぶりだよなぁ。
こればかりは東南アジア旅行じゃ書けないネタだからね。

ロイヤル・オペラ、通称コヴェントガーデン・オペラには新婚旅行ン時のホロ苦い思い出がある。
当時はネットもなかったから事前に演目スケジュールなんて確認できない。そこで、ロンドン到着後に
とにかくブッツケで行ってみたわけだ。何かいい演目があれば切符を買うつもりだった。
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すると滞在中に「サムソンとデリラ」をアグネス・バルツァとホセ・カレーラスという当時の
二大スター歌手で見られる日があった。ただ、すごく高い席しか残ってなかったんだよね。

で、結局あきらめたんだよ。今にして思えばあの時ムリしてでも・・と思うが。
何せ貧乏新婚旅行だったからねぇ。その後2度ロンドン出張するたびにコヴェントガーデンの
演目はチェックしたんだけど、なぜかいつもいい演目と日程が合わず、ナショナル・オペラや
ロイヤル・アルバートホールには行ったけどコヴェントガーデンだけは縁がなかった。

だからイ課長とトホ妻にとっては今回のコヴェントガーデンでのオペラ初鑑賞は25年の時を経た
リベンジだったといえる。新婚旅行のアダを銀婚旅行で討つんだから執念深い夫婦だ(笑)。
演目はヴェルディの「ナブッコ」。もちろん今回は日本にいるうちにチケットをネット予約し、
事前にDVD借りて予習もして準備万端で臨んだのである。

行ったのは例のナショナル・ポートレート・ギャラリーの後。コヴェントガーデンまでは歩いていける。
これがロイヤルオペラハウス。一応ギリシャ神殿みたいなネオ・クラシック様式の建物だけど、
外観的にはウィーンやミュンヘンやブリュッセルの方が風格あるんじゃないか?
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中はこんな。一応廊下のジュウタンは赤いけど天井も低いし大したことないねぇ。
欧州の歴史あるオペラハウスならもうちょっとゴージャスな内装を期待したいんですが・・
そりゃ確かに廊下を見に来たわけじゃないけどさ・・。
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まぁいい。客席に入ってみよう。中はこんな感じ。
ふむ、やっと「歴史あるヨーロッパの歌劇場」って感じになってくるね。バルコニー席がぐるーっと
馬蹄形に取り囲む伝統的スタイル。照明も昔のロウソクっぽさを出してムードある。
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天井はこんな感じ。
一応「ソレらしく」作ってはいるけど、印象としては「そんなに古くない建物」って感じがするなぁ。
以前みたロンドン・ナショナルオペラの建物の方がよっぽど歴史と伝統を感じさせた。もしかすると
コヴェント・ガーデンは第二次大戦の空襲で壊れて建て直したのかも。その可能性は十分ある。
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休憩時間にロビーをぶらついたら、昔の舞台の写真が展示されていた。女性歌手のこの衣装を見れば
演目は蝶々夫人だと一目でわかる。過去の有名な蝶々さんソプラノ歌手4人の写真ってことだろうが
欧米人が演じた蝶々夫人の姿って、悪いけど日本人にはコッケイにしか見えない。
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その中で下の写真の左側の歌手、キモノ姿は変だけどちょっと昔の白黒映画のスチール写真風だ。
誰かと思って写真の下の名前を見てトホ妻とイ課長はビックリしたよ。ドイツの大ソプラノ歌手
エリザベート・シュヴァルツコップじゃん。彼女はロンドンで喋々さんを演じたことがあるんだ。
へー・・彼女がムリヤリ日本人に扮するとこういう感じになるのか。
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で、「ナブッコ」はどうだったかっていうと、なかなか良かったよ。
さっき言ったように渡英前にDVDも見て予習もしたしね。しかし知れば知るほど内容はトンデモない。
バビロン捕囚の時代が舞台で、ナブッコって実はネブカドネザルのこと。そのネブカドネザルが
最後は「ユダヤの神様ばんざーい」でハッピーエンドって、めちゃくちゃすぎる。そんなのアリか。
しかしそれまで売れないオペラ作曲家だったヴェルディはこれでアテて、後に大作曲家になった。

そんなオペラもはねてホテルへの帰路。
毎度思うけど、ヨーロッパの大都市でオペラ劇場に行って過ごす夜って、それだけで何となく
うきうきする。オペラがはねた後、駅まで夜の町を歩くのもまた楽しからずやってやつだ。
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ちなみに、この夜のオペラチケットは1枚148ポンド。当時のレートなら2万円を越えてる。
ビンボイ新婚旅行当時はいきなり現地に行ってわずかに残った高額チケットに手が出なかったが
日本にいるうちに演目を確認して切符も予約しておけるなんて隔世の感があるよ。

あれから25年。銀婚夫婦のロンドンオペラ・リベンジはこうして果たされたのでありました。


 


by tohoiwanya | 2017-03-19 00:53 | 2016.06 英国銀婚旅行 | Comments(6)
2017年 02月 18日

ロイヤル・フェスティバルホールに行く

時々はさまるロンドンネタ。今日はクラシック音楽ネタだ。久しぶりだなぁ・・

欧州の大都市に行けば、夜はやっぱ音楽・シアター系の娯楽を楽しみたい。
ロンドンなら限られた旅行日程の間でもオペラや音楽会に行くチャンスは多いわけで、
ちょうど滞在中にフィルハーモニア管弦楽団の演奏会があった。イイネ。

チケットは日本からネット予約した。予約に成功するとこんな感じのPDFが送られてくるから
印刷して持参すればいい。ちなみに、鉄道と違って英国の音楽会チケットのネット予約では
大きなトラブルがなかったことは一応書いておく必要があるだろう(笑)。
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チケット代は27£。当時のレートだと4,500円弱ってとこかな。チケットのファイルが
残ってるといろいろ確認できて便利だね。交通博物館のチケット代はバカ高いと思ったけど、
このチケット代は(LEVEL6って書いてあるくらいで、かなり上階の席ではあったが)
まぁリーズナブルじゃないか?

ロンドンでは過去にロイヤル・アルバートとか、ナショナル・オペラとかには行ったけど
ロイヤル・フェスティバルホールに行くのは初めてだ。有名なこのホールはテムズ川の
川っぺりに建てられているのである。
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地上階に足を踏み入れると、こんな感じで人がワイワイいて、ドコがナニやらさっぱりわからん。
チケットに「Blue Side」って書いてあるから、青い表示のある方に行くしかない。
この後エレベーターで何フロアか昇って正しい入場口にたどりついた。
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さて客席を見てみよう。おおおーーーさすがに立派だねー。
ロイヤル・フェスティバルホールって舞台の向こうにも客席があるタイプだったんだ。
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昔風のオペラ劇場なんかだと間仕切りをはさんでボックス席がぐるーーッと並んでるけど
ここはこうやってボックス席が壁から飛び出した形になってる。わりとモダンな客席だ。
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当然ロイヤル・ボックスもある。
この日は王族は誰も来てなかったけどね。どうせならキャサリンとか見たかった(笑)。
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この日の演目は最初・・何だったかな?その後ベートーヴェンのP協奏曲4番、最後は
やはりベートーヴェンの「田園」という構成。客席はやはりご年配の方々が多かった。
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実はこのコンサートに行った日は、例のEU離脱国民投票の、まさに投票日だったんだよ。
あのオジさん・オバさんたち、ちゃんと投票済ませてたんだろうか?この時点では
まさか離脱になるたぁ、この人たちですら思ってなかっただろう。

休憩時間にテラスに出てみた。日の長い6月だから8時まわってもまだ夕方のように明るい。
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音楽会が終わる頃になると、それでもさすがに暗くなった。
夜景がキレイだからテムズ川の橋を徒歩で渡って、向こう岸の駅から帰ることにした。
橋からビッグ・ベンがよく見えたよ。やっぱロンドンの夜景はええのう~。
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思わずまた「London by night~♪」と夜の名曲選の世界に浸りながら散歩したくなったけど
トホ妻も一緒だし、そういうことはしません(笑)。対岸のチャリング・クロス駅から
地下鉄に乗ってまじめにホテルに帰ったのでした。昼間ストーン・ヘンジ見て疲れてたし。
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・・そして翌早朝、ホテルでBBCの開票速報を見てぶったまげることになるわけだ。
そう考えると、ロイヤル・フェスティバルホールに行ったあの夜は、人々のキモチとしては
「EU加盟国である英国」としての最後の夜だったわけで、感慨深いのう・・。


 


by tohoiwanya | 2017-02-18 01:11 | 2016.06 英国銀婚旅行 | Comments(2)
2014年 05月 04日

ロイヤルアルバートホールでカルメン

オペラネタも久しぶりだなぁ。

昨年2月の欧州出張ではブリュッセルとロンドンに行った。どっちも立派なオペラハウスがある。
冬のヨーロッパ出張といやぁ、オペラは重要な夜のお楽しみだ。さっそく滞在中の演目を調べた。

ところがダメなんだワこれが。
いい演目があっても、現地で会食予定のある夜と重なっちゃってたりして日程が合わない。
ブリュッセルのモネ劇場もダメ。ロンドンのコベントガーデンも、ナショナルオペラもダメ。
しまいにはロンドン・フィルの演奏会とかも調べてみたけど、これもダメ。

冬の欧州に1週間いてオペラの楽しみなし?ちぇーーーっ つまんねーーの。

ロンドンの娯楽をあちこち調べてるうちに、ロイヤル・アルバートホールっていうのがあった。
由緒ある、有名なホールだ。でもここは円形劇場で、オペラはやってないんだよな?
まぁ一応演目をチェックしてみっか。


  む?

     カルメン?


         カルメンッ?!



あまたあるオペラの中で最高の人気演目のひとつカルメンをロイヤルアルバートホールで観るなんて
なかなかオツな夜になりそうではないか。
・・と思ったときにはすでにイ課長の指は自動的に動いて予約のところをクリックしていた(笑)。

ロイヤルアルバートホールはいくつかの地下鉄駅から歩いていける。
ということは逆にいうとどの駅からもやや遠いということで、イ課長はHigh Street Kensington駅から
歩くというルートを採用した。それでも10分くらい歩く。

名前だけは知ってたケンジントン通り。ロンドンは3回目だけど初めて来た。賑やかなところだ。
なぜ駅名が「ハイストリート(高い道)ケンジントン」なのか、もちろんイ課長はその理由は知らないけど、
コジャレたショッピング街として知られてるところ・・・らしい(← 要するによく知らない)。
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にぎやかな店が連なる通りを早足で歩き、やがてその賑やかさがだんだん薄れて、道路の反対側に
真っ暗な(夜だからね)ハイドパークが見えてくると、ホールがどーーーんとその姿を見せる。
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うーむ、これがロイヤルアルバートホールか。ライトアップされた姿はなかなか美しい。
待ってろよ、これからイ課長がオマエを征服してやるからな。
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内部もなかなか立派だ。19世紀に作られたホールには見えんなぁ。
もっとも、作られた当時のままってことはないだろうが。
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ちなみに、よくわからずに取ったイ課長のチケットは個室のテラス席。ふふん。
イ課長だって今やプラハを皮切りにウィーンブリュッセルでも赤絨緞のボックス席なんざ経験済み。
もういちいち「ボックス席だキャーー!!」なんて騒がないんだよ。ははは(ボックス席だキャーー!!)
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個室に入って、初めて客席全体を眺める。うおおおーーーこりゃーー豪華な円形劇場だ。
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望遠レンズで向こう側の客席を眺めるのも楽しい。
高い席はこんな具合に客席のすぐ後ろがバーになってるみたいだ。すっげーー。
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中央の舞台はこんな風にしつらえてある。赤い舞台。
ここでカルメンやドン・ホセやエスカミーリョによる愛憎激が繰り広げられるというわけだ。
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ホールの話ばっかりになっちゃったけど、オペラ自体の出来もなかなか良かったよ。
歌手も合唱もレベルが高くて楽しめる。英語上演のカルメンって初めてじゃないかな。

カルメンとかドン・ホセとか、主要な役どころの歌手たちはおそらくマイクを使ってた。
円形劇場だから、どこを向いても必ず「背中側の観客」がいるわけで、マイクなしだと
背中側になる観客によく聞こえないからっていう措置なんだと思う。

ただね、合唱の人たちはおそらくマイク使ってないはずなんだよ。
「マイクを使ったソロ歌手」と「マイクを使わない合唱」とが混じって歌う場面になると
なーんかこう・・・溶け合ってないというか、微妙にズレてるというか、ちょっと違和感がある。
ま、これはしょうがないんだろうが。でも全体としてはなかなかいい舞台だったよ。

カーテンコール(カーテンないけど)まで見て、サッと帰った。
オペラの余韻を味わいつつ、夜のロンドン散策でもしたかったところだが、そうもいかん。
翌朝はチョー早起きしてキングス・クロス駅から列車に乗り、ハルという街に行かなならん。
夜更かししてるわけにはいかないのだ。
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「明日も早起きして仕事かぁ・・・やだなぁ・・」と思いながらロイヤルアルバートホールを後にした
イ課長なのである。苦役の間のわずかな楽しみ。しかしその後にはまた苦役が待っている。
ま、しょせんこんなもんですよ、海外出張なんて。
 

 

by tohoiwanya | 2014-05-04 00:04 | 2013.02 欧州出張 | Comments(6)
2012年 11月 07日

3つのルサルカ その2

さて、三つめの「ルサルカ」。

それはルフトハンザ機内で「売春ルサルカ」を見たわずか二日後の話。
仕事でブリュッセルに滞在したイ課長は、ブリュッセルが誇るオペラ劇場として名高い
モネ劇場でまたまた「ルサルカ」を観たのである。

これはブリュッセル滞在中のオペラ上演日程を調べて、日本にいる間に予約した。
だから、ルフトハンザで観た二つめのルサルカが“たまたま”だったのに対して
モネ劇場で観た三つめのルサルカは出発前から計画されたものだったのである。
料金は44ユーロ。4400~4500円ってとこか。日本に比べりゃすごく安いワ。
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外国のオペラ劇場にオペラを観に行く時って、ワクワクする。
モネ劇場に入るのは生まれて初めてだから尚更だ。中の様子を見たいから少し早めに劇場へ。
ギリシャ神殿みたいな、典型的な新古典様式の建物で、いかにも歴史を感じさせる。
ちなみに「モネ劇場」の「モネ」って、英語のマネーのことみたいで、元々ここには
造幣局があったからそういう名前がついたらしい。

うひょーーー。中はさすがに豪華だ。
豪華絢爛な赤絨毯に豪華絢爛なシャンデリア。さすがはブリュッセル随一のオペラハウス。
ヨーロッパ来てオペラ観るなら、こういう空間で観たいよねぇ。
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おまけによくわからずに取ったイ課長の席はボックス席だ。ボックス席でオペラ鑑賞なんて
日本じゃできない経験だから嬉しくなる。そういや、2007年にプラハで「ルサルカ」観たときも
ボックス席だったっけなぁ。
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さて、この豪華なモネ劇場のボックス席で観た三つめの「ルサルカ」。
プラハの演出は極めてオーソドックス、ルフトの機内で観た演出は極めて斬新。
モネ劇場はその中間くらいかなぁ?と漠然と予想していたのだが…。

なんのなんの。モネ劇場の「ルサルカ」もまた極めて斬新な演出だった。
舞台設定は明らかに現代のブリュッセルで、湖のニンフたちはボディコンを着て
バーのカウンターで歌いまくり、肝心のルサルカもシルバーの衣装で広告塔の上で
「月に寄せる歌」を歌うっていうんだから恐れ入る。

しかしまぁ、こういうのは舞台設定を目新しいものに変えたっていうだけのことで、
それはそれでいい。モネ劇場の「ルサルカ」の問題は、例の「とんでもマクベス」と一緒で
演出家が思いつくことを次々と盛り込んだ結果、舞台の上ではいろいろ派手なことが
行われるあまり、観客が歌や演奏に集中できないということだ。

たしかに派手さという点では見事に派手な演出で、道具立てもいろんな趣向満載。
第2幕の最後じゃ劇場中がキラキラの紙吹雪に包まれてタマゲた。歌謡ショーか?これは(笑)。
ボックス席も平土間も、そこらじゅうにもキンキラ紙ふぶきがまき散らされたまま
第3幕に突入だ。モネ劇場の掃除スタッフは明日大変だろうなぁ~。
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第3幕の最後ではとうとう湖のヌシ役が王子様役を殺した罪?で逮捕されるというスゴい展開。
観てるガワも「何がどうなった?」って感じで登場人物の動きや関係性を追うのに忙しいよ。
ブリュッセルのルサルカもかなーり「ぶっとびバージョン」だったと言えるだろう。

こうして、三つめの「ルサルカ」鑑賞経験はぶっとびながらも無事終わったのである。
モネ劇場にかかる月を観ながら家路…じゃなく、ホテル路についたというわけだ。
仕事的にはともかく、オペラ的にはなかなか充実した出張だったよな(笑)。
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それにしても、プラハで観た「ルサルカ」を皮切りに、数年後にルフト機内でも「ルサルカ」、
そしてさらに二日後にはブリュッセルでまたもや「ルサルカ」。
「カルメン」や「椿姫」みたいにポピュラーじゃない「ルサルカ」を3つの異なるプロダクションで、
しかもそのうち二つは海外の実演で観た日本人って少ないんじゃないかなぁ。

しかも、3つのルサルカのうちオーソドックスだったのはプラハのやつだけで、
ルフトの機内とモネ劇場のルサルカはどっちも相当「とんでもビックリ系」だからねぇ。
そういう意味ではさらに珍しい経験といえるだろう。

このように、今年3月の欧州出張でイ課長は「ルサルカ」のビックリ演出を続けざまに見た。
いわば「強いクスリ」を続けざまに服用しちゃったようなもんで、今後どこかで
オーソドックスな「ルサルカ」を見ても「演出にもっと刺激が欲しいぜ、けっ」なんて
思うようになっちゃうんじゃないかと、ちょいとばかり自分が怖いのである(笑)。

 

by tohoiwanya | 2012-11-07 00:14 | 2012.03 欧州出張 | Comments(6)