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2012年 08月 09日

打ち棄てられた大聖堂

スタンダールっていうフランスの作家がいる。
「赤と黒」とか書いた大作家だけど、イ課長は一冊も読んだことはない。

そのスタンダールが、ゴシック建築がワサッと集まるルーアンの街を評して
「ルーアンはゴシック建築のアテネである」と言ったらしい。
すでに見た大聖堂や裁判所以外にもルーアンにはホントにゴシック建築が多いのだ。

たとえば大聖堂を出てちょっと東の方を見ると、もう一つ別の高い尖塔が見えた。
あれも大きそうな教会だよな。どれ、行ってみっか。

行ってみると、確かに立派な教会らしい。らしいが何も見えません。
建物から尖塔の根元まで、何から何まで修復工事の幕に覆われて、大聖堂っていうよりも
「工事中の大きな何か」にしか見えねぇぞ、おい。はるばる日本から来た人間にその態度か?
フ ・ ラ ・ ン ・ ス ・ 人~~~そんなにイ課長を怒らせたいかッ?!
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これ、たぶんサン・マクルー教会っていう教会なんだと思う。
やはりフランボワイヤン・ゴシックを代表する華麗な大聖堂らしいけど、ここまでロコツに
工事中じゃどうしようもない。入口も探すことなくサッサと見学はあきらめた。

実はルーアンにはもう一つあるんだよ。ゴシックの大きな聖堂が。
本日書きたかったのはむしろソッチの方なのだ。

名前はサン・トゥアン教会という。
遠くからでもよく見える、巨大ゴシック建築で、例のポトフ食った後に行ってみた。
(実はその前に一度入ろうとしたら、14時までは閉まってるってコトだったんだよね)

教会の中に入ったイ課長は二つのことにビックリした。
一つめは内部が予想以上に壮大だってことだ。こりゃすごい。見事なゴシック大聖堂だ。
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身廊と側廊を隔てるアーチがルーアン大聖堂だと二段の尖塔アーチになってたんだけど
ここは一段。その分、ひとつのアーチがものすごくデカくて立派で、壮大な印象が強まる。
見てよ下の写真。人間と比べてこんなにデカいアーチだもんね。すっげーー。
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だが驚いたことがもう一つある。それは中に人がいないってこと。ガラーン。
人影自体がマバラで、観光客なんて全然いないよ。こんな立派な大聖堂なのに?

このあたりからイ課長は妙な違和感を覚えはじめた。確かにこの教会、大きくて立派だ。
だがこの床ときたら・・・普通、立派な大聖堂の床ってタイル装飾がきれいに施されて
いるもんだけど、ココはまるでコンクリート打ちっぱなしみたいな、こんな床なの?
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ルーアン大聖堂は信者が座るイスが床たくさんあったし、小さな祭壇とか、壁の彫刻とか、
ロウソクの寄付台とか、とにかくいろいろあった。人が集まる教会ならそれが普通だろう。

しかしここは教会側面が「使わねぇんだからふさいどけ」と言わんばかりに、ベタッと
白い板でふさがれてて、何もない。見てるうちにだんだん薄気味悪くなってきた。
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この大聖堂・・・全然使われてないよな、どう見ても。
日常的に信者が集まったり、ミサが行われてるみたいな「人の温もり感」ゼロ。
壊れてるとか汚れてるっていうんじゃないけど、使用されないまま放置プレイって感じ。

見てよ下の写真。これ、内陣にあった祭壇の一つなんだけどさ。
普通だったらステンドグラスをバックにきれいに飾られた祭壇があるはずなのに、
ここは祭壇手前に箱みたいなものがガタンと倒れ、倒れっぱなしのままになってる。
建物管理されてるのか?これじゃまるで「打ち棄てられた大聖堂」ではないか。
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何でこんなことになったの?
管理費コスト負担に耐えられず、放置プレイすることにしたとか?それとも他に
何か特別の理由があるんだろうか?
人がほとんどいないんだから内部はもちろん静かだ。でも宗教的静寂ってのとは全然違う。
ただ巨大っていうだけのガランとした聖堂空間。ハッキリいって居心地はよくない。
バラ窓なんかも立派なんだけどなぁ…
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上にも書いたように、ルーアンはゴシックのアテネと称されたこともある街だ。
そのルーアンで、大聖堂と並んで巨大&立派なゴシック建築であるサン・トゥアン教会。
その立派な教会が、実は(おそらく)使われていない大聖堂であったとは…

いやぁ、びっくりしたよ。
びっくりさ加減では、ある意味ルーアン大聖堂よりこっちの方が大きかったともいえる。
これだけリッパな建物でありながら、訪れる人もほとんどない、打ち棄てられた大聖堂。
ルーアン大聖堂やサン・マクルー教会はあんなに手厚く修復してもらってるっていうのに…。
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可哀想・・というか、痛ましい気持ちになっちゃったよ。これが同情せずにいられるか。
おい、サン・トゥアン教会もほかの教会みたく、きちんと修復して内部もキレイにしてやれよ!
不公平だぞ!えこひいきすんな!フランス人!!




by tohoiwanya | 2012-08-09 00:16 | 2011.11 欧州出張 | Comments(6)
2012年 07月 31日

ルーアン大聖堂に入ろう -その2-

大聖堂の中に入るぞ、今度こそ(笑)。

ちなみに、ルーアン大聖堂は入場料なし。無料。
これはルーアンに限らず、欧州の多くの教会がそう。たとえそれが有名な観光名所でも、だ。
パリのノートルダム寺院も、ケルン大聖堂も、アミアンシャルトルランス
中に入って見学するだけなら全部タダだった。

いま挙げたこれらの教会は遺跡じゃない、全部“現役”の教会だ。現役である以上は
「教会の扉は常に全ての人に開かれていなければならぬ」という思想を体現して
入場料ナシで全ての人を受け入れている…ということなんじゃないかと思うんだけど、
本当のところはわからない(笑)。

とにかくタダなんだからイソイソと中に入る。
そして、巨大ゴシック教会に入って最初にするお約束の行為、すなわち
「うーわーーーー…」と言いながら、高い天井を見るために首をグーッと反らせる。
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いやぁ…イ課長は正直言ってちょっと驚いた。
イ課長が読んだゴシック教会建築に関する本ではルーアンの大聖堂を取りあげてる本って
意外に少なくて、当然のことながら事前の知識も少なかった。
そういう事情と、モネの連作の印象とが相まって、ルーアンの大聖堂っていうのは
「スゴいのは主に外観であって、中は大したことないんだろう」という漠然とした予想があったんだよ。

これがなかなかどうして。内部は素晴らしく重厚だよ。
まさにゴシック建築の王道を行くようなゴシック聖堂。こりゃお見それ致しやした。
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しかも、とにかく意外なほどデッカい。
こうやって身廊(一番天井が高い中央の通路)を左に見ながら、ちょっと暗い側廊(身廊の
両側にある、ちょっと天井の低い通路)にたたずで先を見ると、交差廊をはさんで
はーるーかー先まで側廊が伸びているのがわかる。こんなに大きかったんだ。
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イ課長が特にすげぇと思ったのは柱だ。
ゴシック教会の柱が実際には1本の石の柱であるにも関わらず、見た目は「何本もの細い円柱が
タバになって巨大な柱を形成してるっぽく見せる」っていうのは他の大聖堂でも見た。

しかしこのルーアン大聖堂の柱はかなり特徴的で、こんな風に、まるで柱に沿って何本もの
細いガス管が設置されたようになってる。しかもそのガス管は柱にくっついてない。浮いてる。
これが柱?!こういうのも見た記憶ないなぁ。
石造りの重量感を感じさせず、天に向かうような垂直性を強調するのはゴシック建築では
当たり前だけど、この「浮いた細い柱」はすげーと思ったよ。地震がない国だからこその
思い切ったデザインといえるとかもしれない。
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午前中にゴシック聖堂を見た時の常として、東側、つまり奥の祭壇側に太陽がある。
ルーアン大聖堂の祭壇奥のステンドグラスから光が差し込むサマは、アミアンほど明るくなく、
適度に暗い神秘性があって、イイ感じに美しい。うーむ…ルーアン、やるね。
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ステンドグラスだってなかなか見事なものだ。
下の写真の右上あたりの、両手を広げた女性の表現なんかを見ると意外に現代的で、
ひょっとするとシャルトルなんかに比べて作られたのがかなり後の時代なのかなぁ?
だから、フランスゴシック建築の本ではルーアン大聖堂はやや“冷遇”されているんだろうか?
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シャルトルやランスやアミアンに比べて作られた時代が新しいっていうのは、おそらく
そうなんだと思う(ちゃんと調べろよヲマエ)。
しかし新しかろうがドウであろうが、イ課長はルーアン大聖堂の内部にはかなり感心したから
これまた欧州教会見学時のお約束、お金を寄付してロウソクを寄進することにした。
右端の、一番長いロウソクが火をつけたばかりのイ課長ロウソクなのである。
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正面入口の「三角形装飾取り外し事件」の不始末では対仏感情が悪化したけど、
ルーアン大聖堂、内部はなかなか見応えのあるものだったよ。
イ課長の対仏感情もだいぶ改善したぞ(笑)。





by tohoiwanya | 2012-07-31 17:30 | 2011.11 欧州出張 | Comments(4)
2012年 07月 27日

ルーアン大聖堂に入ろう

モネが描いたルーアン大聖堂の連作シリーズ。

建物にあたる光の(色の)変化を捉えることに対するモネの、ほとんど妄執ともいえる
執着を示した連作として名高いけど、全部で何枚あるのかイ課長は知らなかった。
まぁたぶん十数枚とか、そんな感じだろうと思っていたのだが…。

実は33枚もあるんだと!これにはちょっと驚いた。
ひたすら同じ場所・同じ構図でルーアン大聖堂が朝、昼、夕方と変化していくサマを
33枚描くってスゴすぎる。やはり妄執だよ(笑)。ネットで拾ってきた画像を3枚だけ
ご覧に入れよう。ことごとく、この構図だ。
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この絵で見るルーアン大聖堂、一番特徴的だと思うのは、大きなバラ窓(絵ではほとんど
黒い洞窟みたいに見えるが)の前にくっついてる、二等辺三角形のデッパリだよね。
この三角形の中に「フランボワイヤン式=火焔式」を象徴する、炎が燃え上がるような
技巧的な装飾が施されている。バラ窓の前にこんな装飾が高く出っ張ってる教会って
他のゴシック聖堂じゃ見た記憶がなくて、ルーアン大聖堂の大きな特徴と言っていいんだろう。

さっそくモネが見たのと同じような角度で…あれ?…あれ?…あれ?
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おかしいな?例の三角形のデッパリがないぞ。
モネの絵はこの角度からじゃなくて、別の窓を描いたもんだったのか?

いやしかしもう一度見比べてほしい。どう見たってこの位置から描いてるよな。
あのバラ窓の前に三角形のデッパリが絶対あるはずなのに、ない。えええ~?
この辺から、フランスで何度か味わった経験のある悪い予感が急速に広がり始めた。
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かーーーッ!やっぱりそうだよ。修復かナニかであの三角形部分だけはずしてやがる!
三角形の装飾をとっぱずした言い訳らしき看板があるよ。言い訳すんな、ばかたれ。
何でイ課長が来るのに修復なんてするかなーー!フランス人のばか!
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さっきも言ったように、バラ窓の前の、このタテ長三角の華麗な装飾こそが、この大聖堂の
最も特徴的な部分。モネの連作の画像を見るとわかるように、彼は明らかのこの
「暗いバラ窓の前にある三角形の装飾に光が当たる」という部分を中心的なポイントに据えて
大聖堂を描いてる。そこを…あろうことか…現在ハズしてますだぁ?…くっ…てめぇ…。

いや、そりゃね?いいよ?修復は必要だよ。
しかし、正面ファサードの一番重要な装飾だけモギ取っちゃうっていうのは
いかがなもんだ?木造建築なら「一度はずして、また組み立て直す」ってことも
できるんだろうけど、石造建築の飾りの部分だけ取っちゃうなんてこと出来るのかい?
まさか根元をノコギリでギコギコやってハズしたんじゃねぇだろうな?
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2009年にランス大聖堂に行った時もよゥ、一番有名な「微笑みの天使」像ンとこだけ
修復で隠してやがったしよゥ、今回はルーアン大聖堂でこれかい。まったくもう~…。
フランスでこういう失望を味わった時の常として、イ課長の対仏感情は急速に悪化する(笑)。

まぁしゃあない。
イ課長だってそれほど狭量なオトコではない。大人なのだ。
三角形装飾取り外し事件?のことは胸の内に収めて、とにかく中を鑑賞するとしよう。
…といいたかったところなのだが…。

うーむ…いわば「大聖堂の顔」が修復でハズされちゃってたのにショックをうけて、
聖堂に入るまでのことをこんなに長く書いちまったじゃねぇか(笑)。
このまま続けて書くと長くなるから、大聖堂の内部鑑賞は次回更新にまわすことにする。

え?ハナシ引っ張るなって?これはね、イ課長がワルいんじゃないの。
何もかもフランス人が悪いのだ(笑)。




by tohoiwanya | 2012-07-27 23:45 | 2011.11 欧州出張 | Comments(2)
2012年 06月 20日

カールス教会に“登る”

イ課長とトホ妻が泊まったホテルからほど近いカールス・プラッツ駅。
そのカールスプラッツ駅からほど近いところにカールス教会がある。
必然的に、カールス教会はホテルから「ほどほど」近い場所にあったわけだ(笑)。
歩いてせいぜい12〜3分ってとこかなぁ。

この教会は新婚旅行の時に見て「うわぁ~西洋の教会だぁ〜」と思って印象深く覚えてるし
(新婚旅行が初欧州体験だったイ課長、当時は今よりもさらに、さらにバカだったのだ)
今回の旅行でだって外観だけなら道を歩いてて何度も何度も見た。

しかし、中には入ったことは一度もなかったんだよ、カールス教会。
せっかくだから中にも入ろうぜ、というわけで滞在も終盤になった頃に行ってみた。
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この教会、入口左右に立ってる円柱が有名だ。
近くから見るとものすごく細かい彫刻がラセン状に上に向かって延々と続いてる。
どんな目的でこの柱が作られ、この彫刻が何を表してるのかは知らないけど、
この彫刻の感じからすると天使や聖人じゃなく、世俗の人たちを表してるようだけど…
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まぁいい。そういう疑問は積み残したまま、中に入ろう。

中はこんな感じ。正面の祭壇、真ん中が三角形になった透かし彫り?がちょっと変わってるけど
全体としてはまぁウィーンのよくあるバロック装飾コッテリ教会なんだろうと思う。
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なぜ「だろうと思う」なんていう中途半端な書き方をしたかというと、実は教会内で
大修復工事をやってて、巨大足場が組まれてたから、中はほとんど見られなかったんだよ。
これがそうで、白い布で覆われた中層足場まではエレベーターで、さらにそこからまた
階段で上に上がるようになってる。これじゃ落ち着いて内部鑑賞どころじゃない。
しょうがねぇなぁ…まったく。
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あれ?なんだか人がエレベータに乗ってこの足場の上に登っていくみたいじゃん?
うそ。一般の観光客がこの足場に登れるの?うひゃ、登りたい、登りたい。
マイルドな高所恐怖症のくせに、こういうの見ると反射的に登りたがるバカなのである。

というわけで登ってみた。
教会の尖塔から外を眺めるんじゃなく、教会の内部をこんな風に高みから見下ろすと
何となく浮遊感があって、「神様の視点」を味わってるような気分になるね(笑)。
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ふだん、はるか上に眺めてるドームの天井画を間近から見るなんていうのも初めての経験だ。
これが非常に面白い。何が面白いって「はるか遠くから鑑賞される」ことのみを
前提として描かれてるから、間近で見るとけっこうゴマカしてるというか、
合理化・省力化してるのが如実にわかるのが面白い。

それでもマリア様(なのか?)とかは一応キチンと描いてる。格調高いとはいえないが。
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ところがこの辺になると「遠くから見るとブロンズ像に見える」ように描かれた
平面画に過ぎない。光沢の部分の描き方も簡単なアミカケだけでさぁ、けっこう雑だよね。
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さらにスゴいのがこれ。
壁面に茶色い泡みたいなものが描かれてるけど、これ、要するに「なんちゃって大理石」なんだな。
マーブルっぽい模様を描いてるだけ。でもはるか下から見ると大理石っぽく見えるって寸法。
下からしか見られない前提だから、でっぱりに隠れるトコにはそのマーブル模様さえ描いてない。
どうせ見えないんだから描いてもしょうがないのだ。レヒネルさんとは大違いだ(笑)。
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おまけに緑や金の飾り、その他の装飾も全部「ソレらしく立体的に描いた絵」だよ。ひでぇ〜。
どうせ下から見りゃ細かいとこはわかんないんだから、こんな感じでいいんだろうな。

それにしても、はるか上に見上げるべき教会天井画をこんな風に上から見下ろすっていうのは
まったくもって空前絶後の経験だよ。すごく異様だ。
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これだけ高いところにいるけど、イ課長が立っているのは鉄パイプで組まれた足場。
ガラガラ崩れるんじゃないかって不安がだんだん恐怖に変わりつつあったので、
天井画見学はこのくらいにして、地上に戻ったイ課長なのでありました(笑)。

初めて入ったカールス教会、なかなか稀有な体験をさせてくれたよ。あんがとね。




by tohoiwanya | 2012-06-20 00:01 | 2011.06 ウィーン旅行 | Comments(2)
2012年 05月 28日

ブダペストで見たもの・食ったものたち

次の土曜日、2日にはもうイ課長はダークな旅行に行く飛行機の中だ。
出発前にウィーン旅行ネタを消化し尽くすのはもうあきらめた(笑)。だが、せめて
ブダペストネタだけは書き尽くしてから出かけよう。今日と、あともう1回で終わる。

今日はこないだと同様、小ネタまとめて大放出って感じだ。
まずはこんな教会からいってみよう。


①聖イシュトヴァーン大聖堂
ペスト地区にあるイシュトヴァーン大聖堂。
後で知ったけど、ここは国会議事堂と並んで、ブダペストで最も高い建物らしい。
確かに、漁夫の塔からペスト地区を眺めた遠景の写真に写ってるよホラ。
ドナウ川の向こう岸、ひときわ目立つ高いドームと2本の塔が小さく写ってる。あれ。
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近くから見た外観はこんな感じ。
高いドームは先っちょしか見えないから、イマイチ「高い建物」って実感がわかない。
しかし中に入ってイ課長は驚いた。
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うわーこれはまたキレイなこと。
「古くに建てられた歴史ある大聖堂」を想像してたんだけど、ついこないだ完成した
ばかりかと思いたくなるくらい、どこもかしこもピッカピカに磨かれている。
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調べてみると1905年に出来たっていうから、パリのサクレ・クールと同じくらいか。
100年ちょっと前。ロマネスクやゴシックの大聖堂なんかに比べれば確かにずっと新しい。
とはいえ、天井に使われてる金色の塗装(というか金箔?)が100年以上前のものとは
ちょっと信じ難い気もする。最近改修されたばっかなのかも。
あの高いドームを内側から見るとこんな感じ。すげーー。
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しかし、イシュトヴァーン大聖堂をこんなにピカピカに改修する(あるいは磨く)なら
ドナウ川に面したあの王宮のあたりも少しキレイにしてやったらどうよ?
もっとも、これは国や市のおカネでキレイにしてるんじゃなく、教会独自予算かな。
世の東西を問わず、宗教法人ってのはおカネもってるのかも。



②ブダペストの自転車専用レーン
ブダペストの街を歩いてて、ハッと気づいた。この街にも自転車専用レーンがあるやん。
しかし、ただ歩道上の色を変えて区別してるウィーンに比べ、
ブダペストの自転車専用レーンはすごくわかりやすい。
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ほらね?こんな風に柵で分かれてるもん(むろん、市内全域がそうではないだろうが)。
これなら現地の事情にウトい外人旅行者がフラフラと自転車専用レーンを歩くこともない。
うーむこれは親切だ。こういうところに予算をつける行政の考え方も良心的だ。
(なにかと財政のことが気になって仕方がないらしい)



③エルジェーベト橋
下の写真の白い吊り橋。エルジェーベト橋という。
フランツ・ヨーゼフ皇帝の奥さんで、ミュージカルにもなったあのエリザベートのことだ。
彼女はウィーン宮廷生活が肌にあわず、しょっちゅう旅行してたっていうけど、ハンガリーのことは
すごく気に入ってたとされる。時まさにオーストリア=ハンガリー二重帝国の時代で、
エリザベート自身もハンガリー皇妃という立場だったことになる。

ハンガリーにすれば、オーストリア・ハプスブルグ王朝は「憎き支配者」だったわけだけど、
やっぱ誰しも美人には弱い(笑)。エリザベートはハンガリーを愛し、ハンガリー国民も
またエリザベートを慕って、こんな美しい橋の名前として今でも彼女の名前を残してるわけだ。
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このエルジェーベト橋はブダペストの繁華街・ヴァーツァイ通りの先にある。
さて、イ課長たちもヴァーツァイ通りで何か腹ごしらえするか。


④アンナ・カフェ
イ課長たちが入った店はアンナ・カフェ。ブダペストではけっこう有名な店のようで、
ガイドブックなんかにもよく紹介されてる。もちろん後で知ったんだが(笑)。
足が棒になったイ課長とトホ妻はここで帰りの長い列車のたびの前に腹ごしらえ。
イ課長はグラーシュみたいなシチューとパンを食った。
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いやー、この時はさすがに疲れてたよ。クタクタだった。
朝10時ちょい前にブダペストに着いてから夕方まで、まぁよく歩いた。
メシを食い終わって、まだ戻りの電車まで多少時間があるかな…?なんて思いながら
イ課長はアンナ・カフェのテラス席で少しウトウトしちまったのである(笑)。
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さて、腹も満ちたところで、そろそろ地下鉄に乗って東駅に戻りましょうかね。
半日歩き回ったブダペストとの別れの時間が近づいてきたのである。





by tohoiwanya | 2012-05-28 13:08 | 2011.06 ウィーン旅行 | Comments(2)
2012年 04月 23日

バロック過剰摂取

ウィーンを象徴する建築様式といえばバロック様式だ。

最近はもう一つの有力な候補としてユーゲント・シュティール=世紀末建築に対する関心が
高まってはいるけど、そうは言ったってウィーンに来た観光客がまず見るのは
ホーフブルクとかシェーンブルンとか、絢爛豪華バロック建築の数々。

これは教会とて例外ではない。
ウィーンに教会はいっぱいあるけど、おおむねどれもバロック教会。
ザンクト・シュテファンは一応ゴシック様式ではあるけど、意味不明の極彩色照明で
内部が照らされているのを見たイ課長としては、あのザンクト・シュテファンを
ゴシック教会の仲間に加えるのにはいささか抵抗感がある(笑)。

…と、ここまでの書きっぷりでもわかるように、極めてマイルドな教会建築オタクである
イ課長は、バロック教会というのが正直言ってあまり好きではない。
これはある意味当然の成り行きで、バロック教会の最大のウリ?は内部の豪華絢爛すぎる
装飾にある(と思う)わけで、建築という側面ではコレと言って見るべきものはないんだよ。
(まぁ内部装飾だって建築のうち、と言われればそうなんだけどさ…)

世界で最も美しい図書館Part1、およびPart2、さらにメルク修道院の礼拝堂なんかを見て
すでに満腹すぎるくらいバロックを詰め込んだイ課長なんだけど、そうは言っても
ウィーンの街をブラついてれば、そこかしこに立派そうな教会があるわけだし、そういう教会に
入れば当然のごとく、さらなるバロック装飾攻撃にさらされるわけだ。

本日はそんなコテコテのバロック教会を二つご紹介しよう。
「すげぇ過剰装飾の渦だった」ってこと以外ほとんど覚えてないのだが…(笑)

まずはペーター教会からいってみよう。
ここは旧市街の中心部、ザンクト・シュテファンにも近くて、以前に
外見だけは写真でご紹介したことがある。で、中はどうかというと…

うっひゃ〜・・・ゴテゴテキンキラキンで早くも目がくらみそうざます。
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しかしこの教会、それでも巨大ドーム構造はなかなか見事で、上を見上げると
はるか天上に天井画が描かれてる。真ん中にハト?みたいな鳥がいるのがわかる?
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しかし祭壇はと見れば・・・うう・・5秒以上みたらゲップがでそうな過剰装飾。
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ほの暗いゴシック教会の中で祈りを捧げる人影がロウソクに照らされる…なんて姿は
信仰のないイ課長が見てもそれなりに襟を正したくなる光景といえるけど、
こういうのはちょっとねぇ…まぁそれでも欧州で教会に入った時のお約束。
帰路の無事を祈って1ユーロ払ってロウソクだけは立てておこう(左下がイ課長ロウソク)。
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次はフランツィスカーナ教会だ。
ここはクライネス・カフェっていう有名なカフェ(何で有名なのかは不明)の近くの
教会で、外見はドウってことない普通の建物みたいなんだけど、中に入ると…

うーん…ここもかなりイッちゃってる。
さっきのペーター教会よりマシと思うかもしれないけど、細部をみるとむしろ逆。
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ほら見てよこの柱。「普通のまっすぐな柱じゃつまんない」ってんでこうしたのかも
しれないけど、ヘビが巻き付いたようなこんな柱の何が有難いのだ?
これを見た時にはもうはっきりと「うわ悪趣味…」と思っちまったよイ課長は。
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この祭壇の(たぶん)マリア様だって、ナンと言ったらいいのか…。
これを見たときは反射的に、日本橋の三越本店にあるアレを思い出しちまったぜ。
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ご参考までに、三越本店のアレってコレね。天女像とかいうらしい。
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いやもうホント、この過剰装飾にはホトホト食傷した。もういいざます。
「1回の旅行での適性バロック摂取量」を大幅に超過したのは間違いない。

こういうのは好みの問題だから、バロック教会が好きな人も当然いるだろう。
しかしイ課長の中では、バロック教会は「結婚式場としては最適だが祈りの場ではない」
という思いが強くなったのは確かだ。申し訳ないけど。

過剰バロック摂取に胃もたれしながらウィーンの路地を歩くとこんなものがある。
左は以前に書いた馬車よけだと思うけど、右の金属製のヤツもそうかな?
こんな凝ったデザインの金属製の馬車よけもあるの?興味深いねぇ…
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…てな調子でさ、少なくともバロック教会の中よりはウィーンの路地の方が
はるかにイ課長の興味をひくものが存在しているわけですよ、ええ。




by tohoiwanya | 2012-04-23 00:39 | 2011.06 ウィーン旅行 | Comments(8)
2012年 02月 29日

フランクフルト大聖堂というところ

さてフランクフルト大聖堂。

そもそも、フランクフルト大聖堂なんて知ってた?
ご存知ない方が多くても当然で、イ課長だってフランクフルトに来るまで知らなかったし
出張でこの街に6回来ていながら、ぜひ観に行こうという気にはならなかった(笑)。

しかし6回めのフランクフルト出張で初めて行ってみることにした。
欧州出張&旅行を重ねるうちにイ課長も教会建築には少~しは詳しくなったことだし、
遠くから尖塔しか見たことがなかったフランクフルト大聖堂、中を見学させてもらおうか。
他にこれといった観光物件もないわけだし…(笑)。

フランクフルト大聖堂。泥縄で調べたところでは、正式にはバルトロメウス大聖堂っていうんだと。
まず外見はこんな感じだ。塔は明らかにゴシック様式。元は13世紀に出来たみたいで、
神聖ローマ帝国時代には皇帝の戴冠式が行われたなんていう由緒ある大聖堂なのだ。
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とはいえ…だよ?第二次大戦の空襲でやられたんじゃないのかなぁ?と思って、さらに
調べてみたら、今の形に再建されたのは、何と1990年代になってかららしい。へぇ~。
尖塔に時計が飾られてるあたり、ビジネス都市・フランクフルトらしいなぁと感じるのは
イ課長だけだろうか。まぁいい。中に入ってみよう。
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ほほう〜…尖塔もそうだったけど、中も茶色いよ。
ってことはリューベックのレンガゴシックみたいにレンガで作ってあるのか?
いや待て…ちょっと変だぞ…。
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ちょっ…これは?…どういうことだ??
この白い線は明らかに後から描かれている。レンガゴシックとは似て非なるモノだよ。
地色の茶色にしたって、素材そのものの色っていうより後から塗ったっぽくないか?
えええ?茶色く塗装したところに白い線を描いてるわけかい?何だってまたそんなことを…??

イ課長なりに理由を推測してみた。

①この教会が再建されたのは1990年代ってことから考えて、実際にはレンガじゃなく
コンクリートブロックを積み重ねて柱を造った(白線とは別に、大きなブロックの
継ぎ目みたいな痕跡がうっすらと見えるでしょ?)。

②予算上の関係でそうなったのかもしれん。あるいは20世紀にはこんな巨大建造物を
レンガで造る建築技術自体が失われていた可能性も十分ある

③しかし、せっかく歴史ある大聖堂なんだから“時代”を感じさせたい。そこで
コンクリートブロックを茶色いレンガ色に塗り、レンガっぽく白線を後から描いたと。

…と、そういうことなんじゃないかと思えるのだが…。
しかしちょっと…これはなぁ…「白線が描かれた柱」と思うと、マイルドな教会建築ヲタクの
イ課長としてはやはり正直ガッカリだ。
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イ課長が以前に「悪しき例」と書いた名古屋城の復元をちょっと思い出してしまった。
外見的には復元したけど、実際には近代建築技術&材料で作ってるから、近くで見ると
何だかなぁ…っていうタテモノになっちゃってると思うんだよなぁ、こういうの。
レンガ色に塗った上に白い線描くくらいだったらさぁ、20世紀の工法&材料で作った20世紀の
ゴシック教会なんだぞって開き直ってコンクリートのままの方がまだ良かったんじゃないか?

いや、しかしこれはあくまで憶測に基づいた一匹のガイジンの意見にすぎぬ。
こういう風に作らなきゃいけない別の理由があったのかもしれないけどね。

大聖堂の中にはこんな場所もある。
おそらくこれは「昔の教会の一部が残ってるから保存してます」っていうことだろうな。
これだけ歴史ある教会だけに、(見た目だけでも)コンクリートにはしたくなかったってことかな。
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うーーむ・・・・いかん・・・。
この大聖堂をとおして「フランクフルトの隠れた魅力発見!」といきたかったんだけど
結局また「フランクフルトはどうもなぁ」という結論に落ち込んでしまいそうではないか。

これではいかん。
フランクフルトを「つまらない街」とケナすことは誰にでもできる。
だがこの街に6度も出張してお世話になってんだから、ちったぁフランクフルトの魅力を
伝えてだな、この街のファンを増やすのに貢献するのが男の義理ってもんだろイ課長。

もう1回だけイ課長にチャンスをくれ、フランクフルト(笑)。
出発前にあと1回は更新できるだろう(仕事しろって)。今度こそ、読む者をして
「私もフランクフルト行ってみたくなった」と思わしめるような記事を書くからさ。

 


by tohoiwanya | 2012-02-29 00:29 | 2011.11 欧州出張 | Comments(0)
2012年 01月 16日

ブダペストに行こう! -その5-

ブダ地区の観光名所である王宮やマーチャーシュ聖堂は丘の上にある。
だから、バスも途中グネグネと曲がる坂道を登って丘のてっぺんまで登ることになる。
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さぁようやく着きました。ブダ地区の中心、マーチャーシュ聖堂前。
ここは何となくあたりの風景や人通りの賑やかさ、そして何よりバスに乗ってる観光客が
たくさん降りるから、バス停の名前がわからなくても「ここだな」ってのがわかる。

おーーー…これがマーチャーシュ聖堂か。この塔の感じからするとゴシック様式やな。
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ここはブダペストに来た観光客なら誰しも来るところで、ガイドブックにも必ず取り上げられてる。
イ課長とトホ妻も「まぁナニはさておき、ここに…」と思って来たわけなんだけど、
実際のところ、この聖堂についての予備知識なんて全然なかった。

このマーチャーシュ聖堂って、13世紀に建てられた教会なんだけど、16世紀頃には
ハンガリー一帯がトルコに支配されてたもんだから、何と一時はイスラム教のモスクに
改装されちゃってたらしい。そういう意味ではイスタンブールのアヤ・ソフィアと似てる。

ただ、ココの場合はアヤ・ソフィアと違ってキリスト教軍がふたたびトルコ勢力を
追い出したから、キリスト教の聖堂として再改装されたという数奇な歴史を持ってる。
こういうこと、全部帰国してから知ったんだが(笑)。
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ここで注意すべきは、エントランスという表示にダマされてはいけないということ。
観光客の列があって、入口って書いてあれば誰でもここに並んで入るんだと思うじゃん?
ところが、入口のところで「入場券は?」と聞かれる。へ?ここで買うんじゃないの?

実は入場券売場は数十m離れた別のところにあるのだ。
まったくもーー、それなら Ticket→ とか書いといてくれればいいのに。
チケットを買って列に並びなおしてようやく中に入れた。やれやれ。
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おおーーー…外側はゴシック聖堂だけど、中はだいぶ雰囲気が違う。
細かいモザイク的幾何学模様が柱や壁にギッシリと描かれてるなんていうあたりは
何となく東方正教会的な雰囲気というか…むしろアラビック風にすら思えるよね。
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同じ東欧でもプラハの聖ヴィータ大聖堂はケルン大聖堂をモデルに作ったっていうだけあって、
内部もドイツやフランスのゴシック教会建築とそれほど大きな違いは感じなかった。
だがブダペストのマーチャーシュ大聖堂には「西にはない感じ」が濃厚にある。
同じ東欧圏の中でプラハとブダペストのこの差。地理的条件に起因するのか、歴史的要因なのか?
非常に興味深いところだが、イ課長にはもちろん理由はわからない(笑)。

マーチャーシュ聖堂を見学して外に出たら、漁夫の塔に向かおう…つうか、すぐそこにある。
ここは建物自体に見るべきものはないが、ここからドナウ川ごしに見るペスト地区の眺望は
サイコウで、中でもドナウ川に面して建つ国会議事堂の壮麗な姿は本当に素晴らしい。
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この国会議事堂もまたブダペストを象徴する建物で、今年のお正月映画として公開された
「ミッション・インポッシブル」でもブダペストの場面でこの国会議事堂の上を空撮で
撮ってた。観てたイ課長は「うぉぉブダペスト~!」と心の中で声をあげたもんだ。

ウィーンからブダペストには船でも行けるそうだけど、ドナウ川を船で行った場合は
ブダペストに北から入ることになるので、市内が近づいてくると進路に向かって右側の丘の上に
今我々がいるブダ地区の王宮が見え、左側にはこの壮麗な国会議事堂が迎えてくれるわけで、
それはもう実に感動的な眺めらしい。

漁夫の塔から国会議事堂を撮ると、上の写真みたいに手前に塔が入っちゃっうんだけど、
あきらめずにもう少し左側に移動すると、さらにグッドな撮影ポイントがあった。
そこで撮った写真も載せておこう。え?上のと変わらん?まぁそう言わないで…(笑)。
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いやぁ~…東駅の地下鉄で×印にアタフタしたり、デアーク広場で思考停止状態に陥ったり
ピンチはいろいろあったが、ちゃんとこうしてブダペスト観光できてるじゃん。
文盲&失語症のハンデを越えて、何とかなった。いや良かったよかった。

…と、ブダペスト旅行記1~5までは時系列的に、「経験した順」に極めて忠実に書いた。
とりあえず、イ課長とトホ妻がここに至るまでの様々な経験が、これからブダペストに
初めて行く人のために少しは役に立つかもしれないと思ったからね。

しかし、ここから先はいつものように時系列的にではなく、書きたいトピックを取り上げて
書いていこうと思う。ブダペストで書きたいことはまだまだある。
でもマーチャーシュ聖堂以降は、イ課長たちもだんだんブダペストでの移動に慣れてきて、
それほど大きなドジを踏むこともなくなったし(それでもバスに乗り間違えたけどさ)、
ここから先は「経験した順」じゃなく「書く気になった順」にブダペストのことを書いていくのである。

個人旅行で、初めて行くブダペストで、公共交通機関だけ使って観光しようという人に
(そういう人があまり多いとは思えないが)ここまでのイ課長たちのオタオタ経験が
多少なりともお役に立てば嬉しい。
ブダペストは美しい街です。頑張ってください。イ課長&トホ妻もこのあとまだまだ頑張ったんです。





by tohoiwanya | 2012-01-16 00:34 | 2011.06 ウィーン旅行 | Comments(1)
2011年 09月 14日

メルク修道院を観にいこう -その3-

さて、メルク修道院見学の最後に現れた驚異の豪華絢爛デコラティヴ空間。
これ、ナニかっていうと、この修道院の礼拝堂らしい。要するに教会だ。
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確かに、奥には祭壇らしきものがあるし、真ん中の通路をはさんで左右には長椅子が並んどる。
おっしゃる通り、教会なんだろうココは。
しかしこの教会、あまりといえばあまりに装飾がド派手でキンキラすぎないかい?
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思い出されるのは、やはりトホ妻と16~7年くらい前に行った南ドイツのヴィース教会だ。
ヴィース教会って、外から見ると田舎の原っぱの中に建ってる質素な教会なんだけど、
中に入るとこれでもかっていうくらい美麗なロココ装飾があふれ返ってる。
(下の写真はWikipediaから拝借したヴィース教会の内部の写真)
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人里離れた不便な田舎の教会、疲れてヒイヒイいいながらやっとたどり着いた巡礼者。
だが、一歩教会内に足を踏み入れると、そこに広がる「まるで天国そのもの」のような絢爛たる
輝きの世界に巡礼者は宗教的恍惚を味わうと…
ヴィース教会はそういう効果を狙って設計されてる、みたいな話を読んだことがある。

メルク修道院の礼拝堂はロココじゃなく、バロック装飾なんだろうけど、同じように
「天国錯覚効果」はあるんじゃないか?つうか、こうなるとロココとバロックの間には
過剰装飾という共通点がある以外に、何か違いがあるのかい?といいたいよ(笑)。
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礼拝堂内、どこを見てもその豪華絢爛すぎる装飾に圧倒され…つうか、あきれ果て、
「ひぃーーー」と小声で悲鳴をあげながら、眺めるしかない。

しかしさ、やはりイ課長としては思うわけだよ。
ココは修道院の礼拝堂だろ?ってことは修道僧たちがここで祈るわけだろ?
修道僧っていやぁ、我々のイメージに浮かぶのは、薄汚れた茶色い毛布みたいな僧衣を着て、
薄汚れた茶色い毛布みたいなフードを頭からかぶった、それこそ映画「薔薇の名前」に出てきた
ショーン・コネリーみたいな感じの、世俗とは隔絶したオジサンたちなわけじゃん、やっぱ。
このメルク修道院は「薔薇の名前」のモデルになったとされるトコでもあるわけだし。
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こういう、薄汚れた毛布を着たオッサン軍団がこの豪華絢爛礼拝堂で祈ってたわけかい?
質素な服を着た修道僧なら、薄暗い石造りの質素な礼拝堂こそマッチするってもんだろー。
施設内部の豪華さと、想定ユーザー層の質素さのバランスの悪さに目がクラクラするぜ。
それとも、この超豪華礼拝堂は修道僧たちが使う空間じゃなかったのかね?

しかしまぁ、この礼拝堂で祈ったのが誰であったにせよ、だ。
率直に言おう。断言しよう。イ課長はバロック教会よりゴシック教会の方がいいワ。
フランスでいくつも見てきた巨大ゴシック教会の、あのステンドグラスに照らされた
薄暗い空間には宗教的神秘があった。たとえばこんな風にさ。

しかしこの洪水のごとき過剰装飾の礼拝堂に神秘が感じられるかい??
悪いけど、イ課長には感じられないんだよなー。
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つい数分前に豪華絢爛なメルク修道院図書館を見たばかり。
つい昨日は豪華絢爛なプルンク・ザールを見たばかり。
こう連続して「超高カロリー・バロック定食」ばっか食ってるとさすがに腹がもたれる。

それでも、これがシェーンブルン宮殿みたいな、王侯貴族の住まいならまだいい。
修道院の教会でこれはなぁ…まぁ好みの問題ではあるのだが。
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そういう意味ではメルク修道院礼拝堂でイ課長は自分の好みを再認識したよ。
西洋教会建築についていえば、こういう装飾トゥーマッチなバロックやロココより
神秘的なゴシック、ぐっと質素なロマネスク教会の方が明らかに好みなんだな。
時代的にいえば「お古い方」が好き、ということになる。

観光2日目にして、すでにゲップがでそうな気分になり始めたバロック「これでもか装飾」。
ウィーン滞在中、さらに見ることになるわけだが…(笑)。



by tohoiwanya | 2011-09-14 00:01 | 2011.06 ウィーン旅行 | Comments(0)
2011年 08月 03日

ザンクト・シュテファンというところ

「第三の男」ロケ地めぐりも重要目的だったけど、
ウィーンの建築物めぐりもまた今回のウィーン旅行の重要目的の一つだった。
いろいろ重要ミッションの多い旅だったのだ(笑)。

ウィーン建築物めぐりといえば2大お目当ては「バロック建築」か「世紀末建築」となるのが
普通で、今回イ課長たちは「世紀末」の方にやや軸足を置いて見学したわけだが…。

本日はそのどちらでもないゴシック建築。
バロックの都ともいえるウィーンだけど、ゴシック建築物だってもちろんある、。
ウィーンのド真ん中、ウィーンの象徴、ごぞんじザンクト・シュテファン大聖堂もその一つ。

…とは言ってもねぇ…。

いや確かに建築様式としてはゴシックなんだと思うよ。
ただ、フランスで見たパリ・ノートルダム大聖堂だのアミアンシャルトルの大聖堂だの、
ゴシック教会の発祥であり精髄ともいうべきイル・ド・フランスの教会と比べると
「ザンクト・シュテファンってゴシック…なのか?」と思っちゃうブブンもあるんだよ。

新婚旅行で来たときは外から眺めただけで、中に入ったことがなかった。
今回初めてザンクト・シュテファンの中に足を踏み入れてみたわけだが…。

ウワ何だコレ??オラぁまたミラーボールきらめくディスコかと思っちまっただに(笑)。
ゴシック教会ってもっと内部は暗くて神秘的なものなんじゃ…いやまぁいいけどさ。
しかしそれにしてもこのハデハデしい幻灯ちうかナンちうか、こりゃ何だべ?
(なぜ急にイナカ言葉になるのだ?)
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太陽光線がステンドグラスごしに差し込んだとは考えづらい。
確かに大きなステンドグラスはたくさんあるけど、窓の向こうから日が射し込みつつ
反対側からの窓の光も柱に投影されてるなんてこと、あり得んだろう~?
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よく見ると、ところどころにプロジェクターらしき機械が設置されてるっぽいじゃん。
やっぱそうだろ?自然光というには不自然すぎるもんなぁ。ステンドグラス透過光らしき光を
機械で投影してるみたいなんだよ。しかし何のためにそんなコトを…?
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観光客で混んでる上に、とにかくこのキラキラしい幻灯?にさすがにヘキエキする。
これじゃゴシック大聖堂の神秘性もヘチマもない。例によって「無事帰国祈念ロウソク」を
寄付し、早々に外に出た(笑)。

こんどは建物外部を見てみるか。
ゴシック教会をゴシック教会らしく見せるものといえばフライング・バットレス(飛び梁)だが
見てみると、ザンクト・シュテファンにはフライング・バットレスもないみたいなんだよね。

で、どうしてるかっていうと、フライング・バットレスの代わりにこうして
控え壁を外壁部分にタテにいくつも作って壁を補強している。ほぉ~。
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ふーむ…ここでおなじみ、イ課長の仮説がひらめいた。
フライング・バットレス構造を採用するには建物周囲にさらに敷地が必要だ。
おそらく、市街地ド真ん中にあるザンクト・シュテファンには敷地上の制約があって、
とてもフライング・バットレスなんて採用できなかったのでは?

ま、真偽のほどはわからない(ご存知の方がお読みであれば、ぜひご教示ください)。
ザンクト・シュテファンの外部には他にも見るべきものがある。少なくとも内部よりはある(笑)。
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裏の方にはこんな外側に小さな出っ張りがあるけど、実はこれも祭壇というか、一種の
ミニ聖堂になってて、聖堂入口のワキにはこんな聖水入れも設置してある。
この聖水入れ、非常にブキミな意匠だが…。
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死者を送るための祭壇。
それも、聖堂内で大々的に葬儀を開催するんじゃなく、聖堂の外の屋外ミニ聖堂で
チョコッと葬式しちゃいましょうっていうニーズに合わせて作られたものっぽい。

そして、この建物の外にある聖堂でチョコッと弔いをされた人の一人がモーツァルトらしい。
そういや「アマデウス」って映画でも、彼の葬式は参列者も少ないものとして描かれていた。
ふーむ…モーツァルトはここで、ほとんど通りがかりと言ってもいいくらいの葬儀をし、
そのまま遺体は馬車で共同墓地の共同墓のどっかに埋葬されちまったというわけか。
(モーツァルトの遺体は今も不明で、おそらく永久に不明なのである)

ザンクト・シュテファンは中より外の方が見るべきものが多いような気がする。
屋根の、セーターの模様みたいなモザイクなんかもザンクト・シュテファンならではだよね。
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…とは言え、だ。

ザンクト・シュテファンがウィーンのゴシック建築を代表する存在であるのは確かだけど、
観光優先順位という点ではシェーンブルン宮殿や国立図書館みたいなバロック建築の数々、
あるいは分離派館みたいな世紀末建築の数々に比べれば、まぁ…何というか、
「だいぶ後回しでもいいんじゃない?」というのがイ課長の率直な感想なのだ。
…特に内部に関しては(笑)。





by tohoiwanya | 2011-08-03 01:04 | 2011.06 ウィーン旅行 | Comments(4)