タグ:遺跡・廃墟 ( 39 ) タグの人気記事


2016年 03月 16日

ベンメリア遺跡に行く【その2】

ベンメリア遺跡を一言で言えば「わからないことだらけ」ということになるんだろうと思う。
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そもそも、誰がどういう目的で建てたのかがよくわからない。
一説では「アンコール・ワットを作る前の“予行演習”として作ってみた」とも言われてるようだけど、
巨大寺院を作るための練習に、巨大寺院を作るというのはイ課長には信じがたい。それじゃまるで
落語の「試し酒」じゃねぇか(笑)。
(五升の酒が飲めるか?と言われた男が、まず外の酒屋で五升飲んで試してきたっていう、あれね)
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ベンメリア遺跡って、四角い回廊がグルッと取り巻き、真ん中に高い建物があるという構造らしくて、
もしそうであればスタイルとしては確かにアンコール・ワットに似てる。規模的にも近いらしい。つまり
アンコール・ワット並みにデカい遺跡だったらしいのだ。
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ただ、こんな風に「らしい」を連発してるくらいで、遺跡の全体像はよくわかってない・・・らしい(笑)。
上の画像はWikipediaから拝借したもので、この赤線の範囲が見学可能範囲みたいなんだよね。
つまり赤線の範囲外は地雷除去もまだ完全じゃないって可能性は十分ある。考古学者のみなさんたちも
おいそれと気軽に調査できないんだろうなぁ。
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これだけわからないことだらけだから、見学者のココロモチもアンコール・ワットとは全然違ってくる。
アンコール・ワットだと、ここが西参道、一番外側のここが第一回廊・・みたいに、遺跡の中で自分のいる位置を
把握しながら見学できる。しかしそもそも全体構造がわかってないベンメリアじゃ、自分が今いる場所なんて
「広大な廃墟のどこかである」ってこと以外はわからない。要するにわからないことだらけなのだ。
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しかしタ・プロムでも書いたように、ベンメリア遺跡においても事前知識はあまり必要ないと思うよ。
その出自や由来は考古学者だって(たぶん)よくわかってないんだから、一般旅行者にわかるわけがない。
建築上の特性を考証しようにも、ほとんど崩れてるんだから、これまたわかりっこない。
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そんな具合にわからないことだらけにもかかわらず、ベンメリア遺跡は素晴らしい。
昼なお暗いジャングルに覆われた神秘の巨大廃墟、聞こえるのは風にゆれる木々のざわめきだけ・・
まるで子供の頃に読んだ冒険物語の舞台が現出したかのごとくだ。
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ここに来たら、ひたすらそういう神秘のムードを肺一杯吸い込みましょう。
森林浴ならぬ神秘浴。ベンメリア遺跡はそんな場所ではないかと思うのだ。

ちなみに、下の写真は石の建物の上を植物が這い登っていき、そのあげくに建物てっぺんから
巨大な木を繁らせているという場所で、ここが最も「ラピュタ的」とされる場所らしい。
天空都市ラピュタの廃墟を突き抜けた巨木を連想させるんだろうな、きっと。
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しかしだね。何度も言うけど「ラピュタのモデル説」はどう考えても間違った風説。
さらにこれも繰り返しになるけど、ラピュタのモデルであるかどうか、なんてことを超越して
ベンメリア遺跡は素晴らしい場所だと思うのだイ課長は。ツアーで一緒だったカップルの女性の方が
「なんか、ここ、一番良かったかも・・」と言ってたけど、そういう気持ちになるのもわかる。
特に廃墟系が好きな方にはたまらないと思う。

アナタがカンボジアに行って遺跡見学する機会があったら、ちょっと遠いけどぜひベンメリア遺跡も
候補に加えて旅程を検討することをお勧めしたい。イイよ~?ここは。
 
 
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by tohoiwanya | 2016-03-16 00:03 | 2014.09 ベト・カン・タイ旅行 | Comments(4)
2016年 03月 14日

ベンメリア遺跡に行く【その1】

さて、それではシェムリアップでの観光活動の最後にベンメリア遺跡の話を書こう。

ベンメリア遺跡  と聞いても知ってる人は多くはないはずで、もちろんイ課長も知らなかった。
しかし以下のような事情から「ぜひここを見たい」と思うに至ったのである。

①行った人の話を読むと、ここって典型的な“廃墟系”の遺跡で、やけに良さそう
②行ってみたいと思っていたトンレサップ湖とココが組み合わせのツアーになっていた
③ベンメリア遺跡はアンコール遺跡群の共通入場券の範囲外だから、ムダな3日券を
 買わなくて済む


共通入場券対象外ってことは、アンコール・ワットやアンコール・トムなんかの遺跡密集ゾーンからは
離れた、不便な場所にあるわけで、そもそもこの遺跡が発見されたのが1990年代になってからなんだと。
内戦当時の地雷も多く埋まってたのを何とか除去して、21世紀になって一般公開にこぎつけたらしい。

そんなベンメリア遺跡だが、一部の日本人の間では局所的に知名度がすごく高い。
ある特別な理由があって有名なのだ。その特別な理由が何かというと・・・


④ここって「天空の城ラピュタ」のモデルになった遺跡なんだぜ というもの。
日本でベンメリア遺跡を紹介した情報を読むと、大抵はこのことに言及している。 

だがね、イ課長はこの場を借りて声を大にして言っておきたい。
「ベンメリア遺跡=ラピュタのモデル説」は完全な間違いであると。

考えてもみたまえ。映画「天空の城ラピュタ」が公開されたのは1986年だよ?
当時まだ発見されてもいなかった遺跡が映画のモデルになるわけがないではないか。それを
現地のガイドさんまで「にほんの えいがの もでるになりました」なんて言ってるのはいかがなものか。

ただね、このベンメリア遺跡、とにかく素晴らしくイイんだよ。それは間違いないの。
あの緑に覆われた、打ち捨てられた廃墟を見てラピュタを想起する人がいるのは無理もない話で、
その評判がいつの間にか「ここがモデルになった」っていう誤った風説につながったんだと思われる。

「ラピュタのモデル説」うんぬんを除外しても、ベンメリア遺跡は神秘的で、それはもう素晴らしい。
その素晴らしさを、拙い筆で可能な限りご紹介していきたいと思うのである。

まずは遺跡まで行かねばならぬ。けっこう遠いんだよ。
シェムリアップから80km近く離れてて、車で1時間半くらいかかる。四輪車でそうなんだから、
100ccバイクに牽引されたトゥクトゥクじゃ軽く2時間はかかるはずだ。しかも道は途中から
舗装すらされていないダート。トゥクトゥクだとちょっと厳しいかもなー。
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ダート道路を延々と走ってようやく着きましたベンメリア遺跡。
車を降りると南国のキョーレツな日差しがイ課長を焼き、焦がし、炙り、溶かす。
とにかくこの日は朝からド快晴だったのだ。
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さっきも言ったようにここは共通入場券範囲外だから、別途チケットを買わなければならない。5ドル。
KHAM SOMETHって会社名が書いてあるけど、これ、調べたらカンボジアの建設会社らしい。ってことは、
ベンメリアは例の「ベトナム利権」の範囲外ということになるんだろうな。
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これだけ町から離れた田舎だから、アンコール・ワットみたいに観光客がワンサカいる観光地とは
だいぶ雰囲気も違う。観光地っつうより、周囲はカンボジアの農村って感じだよ。
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歩き始めると・・・うおお、地雷に関する看板だ。
2003年から始まり、現在でもまだ地雷除去は継続中らしい。とりあえず遺跡の中は除去したみたいだけど、
周辺の森にはまだ残ってるんだろうなぁ。だからベンメリア遺跡に来たら、フラフラと見学コースをはずれて
一人でどっか探検してみようなんて了見は起こさない方がいい。それは極めて危険なのである。
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おっと、五頭のナーガ発見。
これ、ベンメリアが竣工した当時(たぶん12世紀頃)から残ってるオリジナル?
もしそうだとしたらビックリするほどの保存状態の良さだ。アンコール遺跡群の中でもこれだけ
キチンと残ってるナーガは少ないじゃないか?
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なーんてイ課長の考えは砂糖菓子のように甘かったようだ。廃墟系のベンメリア遺跡においては
コレと同程度にきれいなナーガが平気で地面に打ち捨てられてたりするんだよ。ひえーーなんてこった。
ここはもはや現世にあらずして幽明の境界。遺跡の保存状態だナンだと騒ぐ人間どもの卑小な営みなど
超越した場所に、我々はこれから入ろうとしているのかも・・。
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そんな神秘に満ちた廃墟・ベンメリア遺跡。
次回、さらにたっぷりとご紹介させていただくのである。写真もいっぱいあるしね。

 
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by tohoiwanya | 2016-03-14 00:05 | 2014.09 ベト・カン・タイ旅行 | Comments(0)
2016年 01月 30日

アンコール・トムを見る【その3】

口元にクメール・スマイルをたたえた巨大観世音菩薩に見守られながら、バイヨンをグルグルと歩き回る・・
あれは素晴らしい体験だった。タ・プロムですでに十分度肝を抜かれてたけど、アンコール・トムに来て
ますます驚きは増した。アンコール遺跡ってこんなにスゴいものだったのか。ちょっとシャレた表現を使えば
イ課長は「アンコール遺跡という石の密林に初めて足を踏み入れ、そして酔いしれた」という感じか。

しかし巨大岩山のようなバイヨンから地上に降りると、そこにまた素晴らしい見ものがある。
それは何かっていうと、レリーフなんだよ。

すでにアンコール・ワット第一回廊の記事を読んだ方は「またレリーフぅ?」と思うだろう。
確かにあそこでもイ課長は大いに感動した。しかしバイヨンの近くのレリーフを見たときは
別の意味でまた深く感動したのだ。

位置的にどこ、と詳細に説明できなくて申し訳ないんだけど、とにかくバイヨンから降りてきた我々を
ガイド氏は華麗な浮彫りレリーフが彫られた大きな壁が連なる場所に案内してくれた。
アンコール・ワットの第一回廊みたいに屋根がある場所じゃなく、屋外にあるレリーフなのである。

屋外にあるせいか、こんな感じで(おそらく)水の浸み込みのせいで変色しちゃった箇所もあるけど、
保存状態はなかなか良くて、細かい部分の細工までよく見える。アンコール・ワット第一回廊と同様に
すごく稠密な構図のレリーフになってる。これは何かの出陣風景っぽい。
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こっちも左から右に行進する人や動物がミッシリと描かれてるけど、こんな風に二階建て構図に
なってるから、アンコール・ワット第一回廊と同様にすごいボリューム感。
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見学の順番は実際にはアンコール・トム⇒アンコール・ワットだったけど、実際に建設された順序でいうと
アンコール・ワット⇒アンコール・トムの順番になる。同じ12世紀で、時期的にさほど離れてないけど
様式としては先に作ったものより後に作ったものの方がより洗練されたものになるのが普通だ。

そう考えながら見ると、レリーフの動物、特にウシやゾウの描き方が力感あふれて見事だ。この辺から
例によってイ課長はまずレリーフの出来に感心し始めた。
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こういう壁が次から次と現れるんだからすごいボリューム感だ。この辺の感じはアンコール・ワットに
通じるものがあって、その迫力とボリューム感にイ課長はだんだん興奮し始めた。
 
しかし、イ課長が最終的に感動するに至ったのはガイドさんが説明してくれた小さな部分を見た時だ。
たとえばこれ。みんなが左から右に向かってゾロゾロ歩いている中で、二人の男が地面にしゃがみこんで
何かしてる。どうもこれって要するに「サボッてる」らしいんだな。酒だか何かを飲んでるトコらしい。
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アンコール・トムって、早い話がジャヤヴァルマン7世当時のクメール王国の首都の、その王宮なわけで
バイヨンっつうたら王宮の中心にある寺院だ。王様が建設を命じた、その国で一番立派な寺院の壁にだよ?
わざわざおサボリ野郎を彫るか?

下の写真のシーンにはさらに驚いた。
後ろにいる亀(スッポンみたいなもんかな?)が前にいる男の尻に噛みついてる図だもん(笑)。
噛まれた方は「痛ぇなヲイ!!」って思わずケツを手で押さえて後ろのオバさんに文句言ってる。
こういうおフザケというか、遊び心というか、「本来の趣旨と関係ないシーン」がいくつか
まぎれ込んでるんだよ。何度も言うが首都の中心にある最もエラい寺院の壁に、だよ。
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この説明をガイド氏から聞いてイ課長は感動した。
他の遺跡、たとえば古代エジプトでもギリシャでもローマでも何でもいいけど、首都中心の神殿の壁に
「男がスッポンに尻を噛まれてる図」なんておフザケを描く(もしくは彫る)ことがあり得るだろうか?
(どれも実際に見たことないから知らないけどさ)

アンコール・ワットの第一回廊にだって、乳海撹拌にしろラーマヤナにしろ全体が非常にドラマチックな
構図で統一されてて、こんな幕間茶番みたいなひとコマが入り込む余地はなかったと思う。そう考えると
アンコール・トムの「おサボリ飲酒」とか「スッポン尻噛み」のおフザケってスゴいことだと思うんだよ。
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とにかく、とても自由に楽しく作ってる感じなんだよね。このレリーフ。
ちょっとフザケたシーンを紛れ込ませた方が面白いじゃん。バレたって死刑やムチ打ちになるわけじゃ
ねぇんだし、彫っちゃえ彫っちゃえ!みたいな石工たちの楽しい作業ぶりを想像しちゃうんだよ。

もちろん、実際にはどういう経緯でこういうおアソビが彫られたのかはわからないんだけどさ。
しかし中央寺院の壁に彫られた壮大かつシリアスなレリーフの中に「バカバカしい日常」をちょびっと
だけ混ぜちゃうという、その“創作スタンス”にイ課長はひどく感心したのである。
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もちろんおフザケはごく一部まぎれ込んでるだけで、一見すればそれはもう壮麗なレリーフだよ。
こんなアプサラ(天女)も描かれてる。カンボジアの伝統舞踊を「アプサラ・ダンス」っていうけど、
あれはまさに天女の舞を地上で人間が再現してるってことなんだろうな。ただしレリーフに描かれた
アプサラたちの踊りっぷりは足をガバッと広げて、舞踊っつうより新体操の選手みたい(笑)。
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この後イ課長たちは車で昼食に向かった。だから広大なアンコール・トムの中にいくつもある
見どころのうち、バイヨンを含む一部しか見てこられなかったわけだ。しかし、それでも素晴らしかった。

こうして(書いた順序はバラバラだが)、タ・プロム⇒アンコール・トム⇒昼食⇒アンコール・ワット
⇒プノン・バケンで夕日 という一日ツアーは終わったことになる。
いやーー・・・ホントに、見れば見るほどもっと見たくなる、そんなトコだよ、アンコール遺跡群って。
こうやってあの時のことを思い返しながら書いてるだけで、もう一度行きたいという気分がモーレツに
強くなって、ちょっと困ってるんですが、イ課長は(笑)。

 

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by tohoiwanya | 2016-01-30 00:27 | 2014.09 ベト・カン・タイ旅行 | Comments(2)
2016年 01月 27日

アンコール・トムを見る【その2】

アンコール・トムの中心にあるバイヨンは仏教寺院として、須弥山を模して作られたといわれている。
須弥山(しゅみせん)についちゃイ課長もよく知らないけど、要するにここは物理的にアンコール・トムの
中心である同時に、哲学的には世界の中心ということになる(んだろうと思う)。
 
そのバイヨンに足を踏み入れる。須弥山に登るわけだ。中は例によって石を彫ったいろんなレリーフやら
装飾やらであふれてて素晴らしい。見てよこの細部の意匠。柱一本でもこんな感じなんだからスゴい。
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例によってデバターさんたちもたくさんいる。
こちらのデバターさん、冠の装飾も見事だけどちょっと伏し目がちに見える表情も美しい。
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こっちにもいる。このデバターさんも美しいのに、左の乳房が(もしかすると右もか?)欠けてるではないか。
可哀想に。修復できないのかなぁ?
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しかしだね、バイヨンにおいては柱の装飾やデバターはあくまで序奏。
バイヨン観光の主役といえる存在は、アナタがいよいよ岩山の上部に登ったところで対面することになる。
それは何かというと・・・

 

 
  どーーーーーーーん
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     どかーーーーーーーーん
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この巨大顔面。遺跡観光ツアーの案内でも散々見た。
アンコール・ワットと並んで、この巨大顔面はアンコール遺跡につきものなんだなぁと思ってたんだけど、
バイヨンにあるモノだったんだ、コレ。
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何がスゴいって、バイヨンの上部に登ると、そこらじゅうあらゆるデッパリの四方の面にこの巨大顔面が
ドスンと彫られてる。だからどの方向を眺めても必ずこの顔が目る入る。そりゃもう圧倒的迫力&重量感で、
自分はいまトンでもなくスゴい場所を歩いてるんだということを実感する。
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前に書いたようにバイヨンは仏教寺院である。ではこの巨大顔面は何なのか?
実はこれ、観世音菩薩らしいんだよね(違うという説もあるようだが)。
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そこらじゅうにいるから観世音菩薩の大顔面はものすごい数にのぼる。
デバターさんと同様、まったく同じ顔ってのはないそうで、そう言われると確かにちょっとずつ違う。
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ガイド氏が「これは、にほんの、ふうふでやってるまんざいしに にてるそうです」と紹介したこの菩薩。
見てすぐわかった。鳳啓介&京唄子の唄子に似てるんだな。ワシもそう思う(笑)。
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このバイヨン上部で観世音菩薩の巨大顔面に囲まれた時は興奮したねー。
結局、同じようなアングルの写真にしかならないとわかっていても、ソコに巨大菩薩顔面があると、
「うおお、ここにも、うわ、あそこにも」って感じで、つい写真を撮ってしまう。
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いやぁ、例によってロクに予習せずここに来たイ課長だが、バイヨンには興奮かつ感動しちまったぜ。
こんなに重厚かつ圧倒的な造形に出会えるトコだったんだなぁ。下の写真、イ課長と菩薩顔面の距離があるから
こういう比率で見えるけど、顔面の真ん前に立てば当然もっとずっとデカい(菩薩の方が、だぞ)。
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世界の中心・須弥山=バイヨンの通路でイ課長は熱にうかされたように写真を撮り続けた。
そのせいもあってアンコール・ワットでデジカメバッテリー切れという地獄に落ちるわけだ。くそ。
みなさん、アンコール遺跡観光の時はデジカメの予備バッテリーをお忘れなく。

アンコール・トム、次回もう一回続けさせちくり。
何せ素晴らしかったからね、ココは。

 
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by tohoiwanya | 2016-01-27 00:35 | 2014.09 ベト・カン・タイ旅行 | Comments(4)
2016年 01月 25日

アンコール・トムを見る【その1】

アンコール・ワットで4、プノン・バケンで1、タ・プロムで3。
それぞれの場所に行った時のことを書き散らかした記事の数である。すでに8記事。

これから始まるアンコール・トムも続きものになるだろうから、1日の遺跡観光ツアーで周った
場所の話だけでフタケタの記事ってことだ。毎度遅い展開ですむまそん。

さて昼メシも済んだから(笑)、いよいよアンコール・トム遺跡。
アンコール・ワットほどじゃないけど、有名だから名前は聞いたことある人が多いと思う。イ課長も
名称は知ってたけど、逆に言えば名称以外に関しちゃヒトかけらも知らなかったと言っていい。

最初は遺跡っつう以上、前に見たタ・プロムみたいに石造りの建物がある場所なんだろうと
思ってたんだけど、車を降りて歩いてみると目につくのは広大な草原と密林ばっかりで、
それらの中に石の構築物がところどころ点在してるような感じに思える。
ほら、あっちには何やらイワクありげな廃墟が見えるじゃん。うーむ、廃墟っていいよなぁ。
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いや待て。向こうにもイワクありげな遺跡が見えるぞ。人も座ってる。あれがアンコール・トム?  
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いやいや待て。こっちには異様な巨大岩山があるぞ。こっちの方がスゴそうだぞ。これがアンコール・トム?
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目の前にあるものは象のテラスというところらしい。象のテラスってガイドブックに載ってたな。
うーん、象のテラスも見たいが、さっきの廃墟も近くで見たい。さっきの巨大岩山はもっと見たい。
こんなダダッ広いところに、こんなにいろいろあるなんて・・・。
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このあたりから愚鈍なイ課長もだんだん気づき始めた。どうやらアンコール・トムってところは前に見た
タ・プロムなんかよりずーっとずーーっと広大で、その中に見どころがいくつも存在してるようだ。

参考までに、アンコール・トムとアンコール・ワットの規模の違いを地図でご覧いただこう。
二つの遺跡は近接してるけど、敷地面積という点じゃアンコール・トムの方が圧倒的に広いのだ。
アンコール・ワットを「寺院の遺跡」とするなら、アンコール・トムは「寺院等々を含む都市の遺跡」と
言っていいんだと思う(下はGoogle mapの拡大図)。
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しかしこの時のイ課長はほとんど予習してないから、ナニがドコにあるのかもさっぱりわからない。
ここはガイドさんが頼りだ。彼はアンコール・トムを見学するにあたって、まず地面に図を書いて
全体の大まかな構造を我々に説明してくれた(下の写真はサカサマ側から見てる)。
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四角いアンコール・トムには東西南北それぞれに出入口と門がある。西大門、北大門、南大門と
名称がついてるんだけど東側だけは門が二つあって「勝利の門」と「死者の門」という名称になってる。
前者が凱旋帰還とかのお祝いゴト用、後者が戦死者搬入とかの忌みゴト用に使われたらしい。
祝儀・不祝儀で通る門が違うあたり、何となく深く納得できてしまう。

まずは目の前の象のテラスを詳細に眺めよう。ここは重要な見どころの一つだ
このテラス、自国の軍隊を王様が閲兵するときなんかに使った場所なんだって。今イ課長たちが
立ってるあたりに、当時のクメール王国の兵士たちがズラッと並んでたわけか。
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手前にびよーんと伸びたのが象の鼻を象徴してるってことなんだろうけど、イ課長としては
少し離れたところにある、横から見た象のレリーフの方にさらに感心した。見事なもんだ。
ところどころ小さな穴が開いてるけど、あれってカンボジア内戦の銃弾の痕なんだろうか?
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ガイドさんは象のテラスから歩いて、さっき書いた巨大な岩山の方に我々を引率する。
ふうむ、これに登るの?なんかスゴそう・・・てな感じで、この時のイ課長はあまりにも無知だった。
だがしかし今はこの巨大岩山が何か、十分知っている。
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この岩山こそ、アンコール・トムの中心にある巨大仏教寺院バイヨンであり、このバイヨンこそが
アンコール・トム観光の白眉に他ならないのだよ諸君。

写真もたっぷり撮ってるから次回の更新でご紹介しようではないか。みっっちりと(笑)。

  
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by tohoiwanya | 2016-01-25 00:20 | 2014.09 ベト・カン・タイ旅行 | Comments(6)
2016年 01月 15日

タ・プロム遺跡を見る その3

初めて行ったカンボジアで最初に参加した遺跡見学ツアー。
その最初の訪問場所だったタ・プロム遺跡は、アンコール遺跡群の中でイ課長が生まれて初めて見た
遺跡だったことになる。事前に多少は予習したとはいえ、見るものすべて物珍しく、驚きに満ちてた。

本日はそんなタ・プロム遺跡を例にとって、アンコール遺跡全体に通じる小テーマについて書こう。
「アンコール遺跡といえばチョメチョメ」という、そのチョメチョメの部分がいろいろあるわけで、
たとえば・・・


【遺跡の崩壊】
アンコール遺跡といえば、その崩壊が常に問題になる。要するにどんどん崩れてるんだよ。
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アンコール・ワットやアンコール・トムはそれでもかなりチャンと残ってる方で、タ・プロムだと
かなりあちこち崩壊してる。傷んでるとかヒビ割れてるっていうレベルじゃなく、完全にガラガラと
建物自体が崩れちまってるところが少なくないのだ。
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いずれご紹介するベンメリア遺跡なんて、もう塀や建物がほとんど崩壊して崩れた石だらけ。
遺跡というより廃墟といった方がいい(それがまた素晴らしくイイんだが)。

崩壊の原因は材質上の劣化、外部要因、人為的なもの等々いろいろあるらしい。
たとえば昼間と夜の温度差のせいで石の強度が弱くなったり剥離したりもするみたいだし、
風雨の影響(特に水がしみ込むのは石にとってマズいらしい)も大きい。そうなると
根本的には防ぎようがないともいえる。
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動物の影響ってのも多いんだよね。コウモリのフンで石が劣化したとか、遺跡にサルが登って飾りを
落っことしたなんて例もある。実際、アンコール・ワットにけっこうサルいたもんね。
(下の写真がアンコール・ワットで見かけたサル氏)
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さらにタ・プロムで顕著なように「植物による破壊」というのも深刻。
ただ、イ課長個人としては前にも買いたようにタ・プロムだけはあの木の根っこのあり得べからざる奇観を
残してもらいたいという気がするのだが・・・。


【デバター】
アンコール遺跡といえばデバター、つまり女神像が必ずあちこちに彫られてる。
アンコール・ワットの時にもちょこっとご紹介したけど、タ・プロムにもデバターはたくさんいた。
どれも服装や装飾、表情やポーズが少しずつ違ってて、見てて飽きない。
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下の写真のデバターなんて保存状態もいいし、表情もいいし、ホントに見事だ。
マニアになると「私はあの遺跡のアソコにある、あのデバターが一番好き」なんてことにもなるようだ。
イ課長としてはこの写真のデバターさんは好みだけど、タ・プロムのどこにあったか全く覚えてない(笑)。
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前にも書いたけど、デバターさんはどなたもボン・キュッ・ボンのグラマーな肢体をお持ちで
たいへん肉感的でいらっしゃる。タ・プロム遺跡のデバターさんたちは片手で胸が隠れてるポーズが
多いようで、その分多少はセクシーさが緩和?されてるけどアンドレ・マルローがかつて盗掘したっていう
バンテアイ・スレイ遺跡のデバターなんて、写真で見るとすげー巨乳のグラマー美人なんだよね。
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バンテアイ・スレイ遺跡の有名なデバターは「東洋のモナリザ」という異名があるくらい美しい。
だがイ課長は写真でしか見たことはない。もしまたカンボジアに行く機会があればぜひ
バンテアイ・スレイに行きたいもんだぜ。


【苔】
アンコール遺跡群を観光する季節はいつ頃がいいのか?

いつ行ったって暑いという点では大した差がないから、気温的にはいつでもいいようなもんだろうけど
雨季か乾季かという点は重要だ。屋外観光だから雨が降らない方がいいのは確かで、そういう点じゃ
乾季の方がお勧めということになるんだろうと思う。
 
たまたまイ課長が行ったのは9月半ばの雨季まっさかり。しかし雨季の遺跡観光もまたイイんだよ。
雨季のメリットとしては湖や池の水位が上がるから、たとえばアンコール・ワット前の池も大きくなる。
「水面に映る逆さアンコール・ワット」を撮るなんて時には嬉しい(ああどうせオレは撮れなかったよクソ)。
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イ課長が雨季に遺跡観光して良かったなぁと強く思ったのは、むしろコケだな。
乾季だと苔もさほど目立たなくなるらしいんだけど、雨季に、鮮やかさを増したコケがびっしりと石に
くっついてると、それだけで廃墟っぽい神秘的ムードが高まって美しい。
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同じことはツアーに参加したほかのメンバーも思ったようで、「コケきれいねー」なんて言いながら
コケに覆われた巨石の写真を撮ったりしてたら、ある女性参加者がフと言った。

なんだか抹茶チョコレートみたいだわ

これは実に卓越したタトエというべきだ。崩壊した遺跡の残骸も緑のコケに覆われたせいで、グッと
ソフトでロマンチックな光景に見えてくる。コケなしだったらこんな雰囲気は生まれないだろう。
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雨季にアンコール遺跡群を観光すれば、そこココで緑鮮やかな抹茶チョコレートを見ることになる。
イ課長としては、アンコール遺跡群観光に適した季節として「乾季は知らない、でも雨季はいいぜ~」と
お勧めしたい気持ちがちょびっとあるんだよね、実は。

 
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by tohoiwanya | 2016-01-15 00:45 | 2014.09 ベト・カン・タイ旅行 | Comments(4)
2016年 01月 12日

タ・プロム遺跡を見る その2

密林に食われた遺跡、タ・プロム。
密林のガワに立って言えばまったくアッパレな食いっぷりで、至るところで榕樹が遺跡にからみつき、
のしかかり、かぶさってる。

うわあああ。もうここなんて完全に榕樹の根っこがかぶさって、遺跡が見えぬ。
その根っこのわずかな隙間から見学者は出入りするのである。
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うーーーーわああああ。な、何スかこれは。
もうこうなると地球の植物っていうより、エイリアン的な異星植物がこの遺跡で繁殖してンのかと
思っちゃうじゃねぇか。遊星からの物体X状態。
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木がタ・プロム遺跡を食ってるその食いっぷりがあまりにスゴいので「この遺跡を今後どうするか」という
点についちゃ学者の間で論争があるらしい。

一つは遺跡を食ってる木を除去しないとイカンという考え方だ。
このままどんどん木が成長を続ければ、いずれ木の圧力で遺跡は崩れる。そうなる前に木を取り除いて
修復すべきであるというもの。
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もう一つは木をどかさない方がいいという考え方。
ここまでスゴいことになっちゃうと、今や「木が遺跡を支えている」というべきで、この木がなくなったら
遺跡はガラガラと崩壊しちゃうに違いないからこのままにしとこうというもの。
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こんな風に木に食われまくった遺跡を修復した経験なんて誰もないはずだから「過去の経験」に照らして
こうした方がいいと判断できる学者もたぶんいないんだろう。結局どうしたらいいのか誰もわからない(笑)。

イ課長の個人的意見としては「このままの方がいい」と思うんだよねぇ。
今となってはタ・プロムって場所は歴史あるクメール遺跡と、「それを食ってる植物」とが
セットになって見る者をして驚嘆せしむる奇観を現出してるわけで、この異様な榕樹の根が
なくなっちゃったらちょっと淋しいなぁ・・。とにかくこんな光景を自分が目にするなんてことは
空前にして絶後であろうと、見る者全てが感じるような場所だもん。
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遺跡の一部にはこんな具合に鉄パイプで補強した部分もある。崩壊の危険性という点でいえばかなり
アブナい遺跡なんだと思う。うーーむ・・木を残すべきか、取り除くべきか・・個人的には残してほしいが。
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ぐあっ・・これはまた・・もうどう表現すればいいのやら。
前回書いた「巨大タコがしがみついたような」という子供っぽい形容しか浮かんでこないのである。
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この木から横にびろーーーーんと伸びた根がこんな風に遺跡を這って、ひょいと地面に達している。
こういう異様すぎる造形が完成するまでどのくらいかかったんだろう?暑い国で雨も多くて、
植物の成長も早いだろうから、意外に数十年くらいあればこんな状況になっちゃうんだろうか?
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このタ・プロム遺跡、アンジェリーナ・ジョリーが出た「トゥームレイダー」という映画のロケに
使われたんだって。これだけ異様な奇観にあふれた場所なら冒険活劇の舞台にはもってこいだよなぁ。

うわーここもまた、さっきと同じように遺跡の入り口に木の根が覆いかぶさってる。
とにかくタ・プロム遺跡はこんな光景がそこらじゅうにあるんだけど、ここを見てたとき、イ課長は
木の根のスキマを見てハッとした。
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おおおお何と。木の根のスキマから人の顔のレリーフがちらりと見える。デバターかな?
2013年に見たタイのアユタヤ遺跡の、木の根に抱かれた仏様の首を思い出しちゃったぜ。
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とにかくタ・プロム遺跡というのはこういう所なのである。
「歴史的背景なんて知らなくていいから、とにかく見て驚けばよい」とイ課長が書いた理由が
なんとなくわかったでしょ?この遺跡に来てカンボジアの「密林のチカラ」を目の当たりにすれば
ただもう驚くばかりで、どんなに詳細な説明を聞いても耳を素通りしちゃうよ。
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しかしまぁタ・プロム遺跡には木の根っこ以外にも書くべきことはたくさんあるわけで、
次回はそういう部分もご紹介しよう。何しろ写真はたくさんあるからね。はっはっは。

 
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by tohoiwanya | 2016-01-12 00:16 | 2014.09 ベト・カン・タイ旅行 | Comments(2)
2016年 01月 10日

タ・プロム遺跡を見る その1

さて、昨年から書き続けているクメール遺跡見学の続きに戻ろう。

アンコール・ワット(途中から写真なし)とプノン・バケン(写真全くなし)の紹介が済んだから
次は時間をさかのぼって午前中に見たタ・プロム遺跡だ。ここについては写真もたーーーっぷり
撮ってるからなこんちくしょう(だから後半バッテリー切れたんだろうが)。

アンコール遺跡群を見学すれば、ガイドさんは「ここは12世紀末に立てられた寺院だ」とか、
「ジャヤヴァルマン7世という王様が建てた」とか、遺跡にまつわる歴史的背景を説明してくれる。
見る方もにしても「12世紀末っつうたら・・いい国作ろう鎌倉バフクの頃かぁ・・なるほど」
てな具合に、何も知らずに見るより認識が深まって有意義な見学になる。

だがしかし、これからご紹介するタ・プロム遺跡に関しては、やや乱暴に言えば歴史的背景なんて
知らないままでいいと思う。ただもうそのあり得べからざるアリサマを見てひたすら驚き、
ひたすら唖然としてればイイんじゃないかと思うんだよね。
アンコール・ワットなんかに比べるとタ・プロム遺跡は小規模だし、その知名度も低いけど、
視覚的スゴさに関してはアンコール遺跡群の中でも屈指のものではないかと思うのだ、イ課長は。

実はイ課長もカンボジアに行こうと思うまでタ・プロムなんて聞いたことすらなかったんだけど、
紹介写真を見てたまげた。こんなスゴいところがあるのかよ。ぜひ見たいと思った。

「ここについては歴史的背景なんて知らなくてもいい」って自分で言ってんだから、このブログでも
クダクダしい説明は割愛して、とにかく写真でご紹介していこう。
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駐車場で車を降りると、ガイドさんに連れられて森の中の道を歩く。イ課長が参加したツアーでは
タ・プロムが最初の見学スポットだったからワクワクしたねー。

おおっ 遺跡だ。しかも崩れている。キブンが出てきたぞ。
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この辺だけじゃなく、アンコール遺跡群にはこうやって崩れたり、破壊されたりした箇所が少なくない。
長い年月の間に石が劣化して崩壊する場合もあるし、手入れが不十分だったってのもあるし
(ポル・ポト時代とか内戦とかあったからねぇ)、実際問題として盗掘も多いのだ。
下の写真にデバターが二人映ってるけど、右側は明らかに顔面が何かでキレイ削り取られている。
顔だけ盗掘されたんじゃないのかなぁ・・?可哀想に。
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デバターの顔だけじゃなく、この写真を見ると石の積み重ね自体がすでに左に大きく傾いている。
このままだと誰が見たっていずれ左にガラガラと崩落すると思われるのだが・・。
しかしタ・プロム遺跡の「あり得べからざる光景」のメインはここではないのだ。もっと先。

うおおお、いよいよ見えてきた見えてきた。
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上の写真に大木が二本写ってる。右の木は石塀の手前、左の木は石塀の向こうに生えてる。
問題は左側の木だよ。あの木を向こう側から見るとそこに「あり得べからざる光景」があるはずだ。
うう、早く見たい・・。

右側の木のワキが入り口になってるみたいで、イ課長たちもそこから入った。
入るとすぐ左を見る。そこにさっきの木があるはずで・・・・



どっひゃーーーーん
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タ・プロムといえばもうコレなんだよ。
この遺跡が長年忘れ去られ、やっと再発見された時、この遺跡は完全に木に浸食されたというか、
木に飲み込まれたというか、こういうトンでもない状態で発見されたらしい。

いやぁぁぁスゴい。写真で初めてみた時もタマゲたけど、実際見るとスゴすぎる。
これ、榕樹(いわゆるガジュマル)の木らしいんだけど、植物ってこんなスサマじい姿で
成長できるモンなのかね。遺跡に巨大タコが絡み付いてるのかと思いたくなる。
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まさに「森に食われた遺跡」とでも言うしかない、タ・プロム。
遺跡が榕樹に飲み込まれた箇所というのはここだけではなく、遺跡じゅうあちこちにある。
どこを見てもあまりの異様さにただただ驚くしかない。
たっぷり写真もあるから、引き続いて次回ご紹介しようではないか。

 
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by tohoiwanya | 2016-01-10 00:31 | 2014.09 ベト・カン・タイ旅行 | Comments(2)
2015年 12月 21日

プノン・バケンで夕日より感動するもの

イ課長が参加したアンコール遺跡群一日ツアーのメニューを再確認しておこう。

①最初にタ・プロム遺跡見学        
②次にアンコール・トム遺跡見学
③昼食
④お待ちかねアンコール・ワット遺跡見学
⑤プノン・バケン遺跡で夕日鑑賞

④については書いた。相変わらず順序を無視して次は⑤だ。
当然写真は1枚もない(笑)。ビジュアル資料がないヤツを先に書き終えちまおうってわけだ。
この記事の写真はWikipedia等から拝借したものでごんす。

プノン・バケンは小高い山の上の遺跡で、観光客の目当てはテッペンにある遺跡そのものではなく、
そこから眺める夕日。それほど標高の高い山じゃないけど、あたりが平らだから見晴しはすごくいい。

実のところ、イ課長は当初「夕日鑑賞なんていらねぇよ〜」と思っていた。
それでもツアーのメニューにある以上しゃあねぇからつきあうか、て感じだったわけ。
しかしここから眺めた眺望はカンボジア旅行の中でも忘れがたい、感動的なものだった。ただし、
感動したのは夕日に、ではない。

駐車場で車を降り、上り坂をしばらく歩き、最後に長い階段をのぼるとプノン・バケンにたどり着く。
こんな感じで、夕日目当ての観光客で遺跡の西側はぎっしりだ。ただ、この日は快晴ってわけじゃなかったし、
イ課長はそもそも夕日鑑賞にはさほど興味がなかった。
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ここは周辺で一番高い小山だから、西の夕日だけじゃなく、東西南北の景色がぜんぶ見わたせる。
真南を見るとシェムリアップ市街、そして雨季で水位が増した(つまり湖の面積がガバッと増えた)
トンレサップ湖も見えた。眺望はホントにいい場所なんだよ。
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でも、基本的にはこんな感じで、周囲は何かすごいものが見えるっていうより、ひたすら緑の森が続く。
このあたりからだんだんイ課長は夕日よりも、どこまでも続くカンボジアの密林の方に惹かれ始めた。
プノン・バケンで見るべきものは夕日より、この圧倒的な密林の海の方ではないのか?
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そう考えながら見ると、プノン・バケンから見る亜熱帯の森の密度と広大さはまったく驚嘆に値する。
とにかく、ドコ見ても圧倒的に緑の樹海だからね(上の三つの写真はすべてWikipediaから)。

緑の海に打ちのめされたイ課長はたちまちスコット・フィッツジェラルドがエンパイア・ステートビルの上から
ニューヨークの街を眺めた時の文章を思い出した。
(ちなみにイ課長はフィッツジェラルドを読んだことはない。他で引用されてたから知ってるに過ぎない)

この街は、私が思っていたような、果てしなく続くビルの渓谷ではなかった。そこには限りがあったのだ。
地上最高の建物の頂上から、私は初めてこの街の四隅がしだいに疎らになって、ついには周囲をとりまく田園に
呑みこまれていることを発見したのである。果てしなく広がっているのはこの街ではなく、それを呑みこんでいる
緑や青の荒漠たる大地の方だった・・・
「フィッツジェラルド『わが失われた街』」

イ課長が最も感動したのはプノン・バケンから、(たぶん)北の方角を見た時だ。
はる~か遠く、地平線の彼方にうっすら山が見える。繰り返すけど「はるか遠くの地平線に山」があるんだよ?
自分が今いるプノン・バケンからその地平線までの間に何があると思う?ひたすら樹海しかないのだ。
一切の人工物が見えない。家もビルも煙突もない。地平線まで続く樹海。そして聞こえるのは風の音だけ・・

実際にはあの地平線まで続く樹海のなかには多少は道路とか、田んぼとか、家とかがあるんだろう。
しかしこの高さから見ると密林の海というか、緑のジュウタン以外の何物でもないんだよ。ひたすら緑、緑なのだ。
これまでの人生でイ課長はこんなに広大な樹海を見たことがない。何せ地平線まで続いてるわけだから。
プノン・バケンで見るべきは夕日なんかじゃない。これだ。このカンボジアの密林だよ。卒然と悟った。

ああ・・その感動的な眺望の写真がないのは本当に申し訳ないと思う。
画像検索すると、イ課長が見たのと似たような角度と思われる写真もあるんだけど、個人のブログだから
Wikipediaみたいに気軽に拝借というわけにもいかない。

まぁこういうものは多分に個人の好みの問題であることは認める。
プノン・バケンでは夕日に感動する人の方が多いだろうし、トンレサップ湖の眺めにうっとりする人もいるだろう。
しかしイ課長がプノン・バケンで感動したのはまぎれもなく「地平線まで続くカンボジアの樹海」だったのだ。

プノン・バケンからはアンコール・ワットも見える。
あの巨大なアンコール・ワットすら、広大な樹海にあっては「大洋に浮かぶ軍艦」くらいにしか思えない。
f0189467_23121278.jpg
 
プノン・バケンに来た旅行者は知ることになる。
偉大な王が命じた偉大な建造物もカンボジアの自然に対してはあまりにも小さいことを。そしてこの国の
真の支配者はこの広大な密林に他ならないことを知るんだよ。
(上の写真だけangkor templesというサイトから拝借)
 
カンボジアに行って、アンコール遺跡群見学ツアーに参加する人は多いと思う。
そういうツアーの多くは最後に「プノン・バケンで夕日鑑賞」が組み込まれているはずだ。
もしアナタがプノン・バケンで夕日鑑賞する機会があったら、西に沈む夕日だけじゃなく、ぜひ東西南北全ての
方角を眺めて、広大すぎるカンボジアの樹海をその目に記憶させてほしいのである。
そして出来ることならデジカメにも記憶させてあげてね・・ああチクショウ!

 

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by tohoiwanya | 2015-12-21 00:07 | 2014.09 ベト・カン・タイ旅行 | Comments(2)
2015年 12月 18日

アンコール・ワット【第二・第三回廊】

アンコール・ワットを見学する時、おそらくガイドさんは第一回廊をグルリと全部一周することは
ないはずだ。イ課長たちのツアーのガイドさんもそうだった。

全部見ると時間がかかるってのもあるけど、第一回廊の北側とか、西側の上半分あたりは時代的に
だいぶ後に新しく彫られたらしくて、後で本で読んだところによるとレリーフとしての出来映えは
これまで見たラーマーヤナや乳海撹拌なんかに比べるとかなり落ちるらしい(笑)。
まぁデキの悪いものもそれはそれでちょっと見てみたい気はするけどね。

しかしガイドさんは容赦なくアナタを第二回廊へと連れて行くはずだ。
ここは第一回廊のグッと内側にあるから距離は短くなり、高さは少し高くなる。

第二回廊にはドラマチックなレリーフはないけど、そこココに美しいデバター(女神)がいる。
アンコール遺跡はここに限らず、どこもこの華麗なデバターとアプサラ(舞姫)たちが彫られてて
それぞれちょっとずつポーズや衣装や表情が違っている(下の写真は第一回廊で撮った)。
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表情は控えめだけどけっこう肉感的で、デバターさんは一人残らず超グラマーなのである(笑)。
こういう女が男を惑わすのだ。実際、後にフランスの文化大臣にまでなったアンドレ・マルローは
若い頃、カンボジアのバンテアイ・スレイ遺跡のデバターの美しさに惑わされ、魅了され、
しまいには盗掘して持ち帰ろうとし、逮捕された(マジ)。
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そしていよいよ最も高い位置にある第三回廊、アンコール・ワットの心臓部へ。
ここに行くには傾斜70度という、トンでもなく急な階段を登らなければならない。

この階段というのがホントに危なくて、昔は下の写真のように手すりもなかったんだけど、
カンボジア人のガイドさんが転落して亡くなるという痛ましい事故があったそうで、現在は
木製の手すりが出来てる(写真はFind Travelというサイトから拝借)。
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しかし手すりがあっても階段の傾斜は変わらないし、踏板にあたる部分がすごく狭いから
依然としてけっこう危ない。ヒールのある靴でここに来るのは暴挙です。帰りも当然この階段を
使うわけだけど、下りは登り以上にアブナい。アナタが転落したらその段から下にいる観光客全員が
巻き添えになります。メイワクです。ヒールはやめましょう。

第三回廊まで昇ってくると、アンコール・ワットを象徴するあの塔がまさに間近に見える。
ここはではもはや壁の彫刻より、石で作られたこの巨大な建物の威容にひたすら感動しながら、
かつデジカメが使えないことに深く落胆しながら歩いたもんだった。
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こういう観光のクライマックスでカメラが使えないって、なんかヘンな感じだね。
ネットで検索すればヒトサマが撮ったアンコール・ワットの写真はうなるほどある。しかし自分で撮った
写真がないと「そうそう、これこれ」って感じで再確認する手段がない。だもんで・・・

あの複雑な第三回廊の中を歩き、祠堂を見上げた記憶は実は夢だったんじゃないか?


・・てな気分にちょっとなる。

いや、そうだ。きっとあれは夢だったに違いない。
急な階段を昇り降りしたのも、塔を間近から見て感動したのも夢だったんだよきっと。
実際にはイ課長はアンコール・ワット第三回廊に行ってない。あの塔も、階段も、窓から眺めた
鬱蒼たるカンボジアの密林も夢で見たのだ。そうだそうだ。


だから実物を見に行こう、また(笑)。
 


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by tohoiwanya | 2015-12-18 00:04 | 2014.09 ベト・カン・タイ旅行 | Comments(2)